魔法少女まどか☆マギカーanother mindー 作:ナハトムジーク
「また、戻ってきちまったな」
俺は病室を見渡す。ここがスタート地点。アイテムがある限り何度でも復活できるコンティニューポイント。まるでゲームのようだ。
「今度はさっきまでのループと同じじゃだめだ。別口から攻めなければ……」
コミュニティを増やしてペルソナを強くしないと……
「そう言えば、合体をやった事が無いな。試しにベルベットルームに行ってみるか」
俺は契約者の鍵を取り出す。なぜかこの鍵だけはループしても消えたりしないみたいだ。俺は契約者の鍵を持って目を瞑る。数秒して目を開くと病室の中に明らかに不自然な扉が鎮座していた。扉に近づいて鍵を鍵穴にさし回す。
「…………あっ! ようこそベルベットルームへです! お兄ちゃん! ……えへへ。このセリフ。前から一度言ってみたかったんですよ!」
次の瞬間。俺はベルベットルームに来ていた。暇そうに足をぶらつかせていたインレットが立ち上がって俺を歓迎してくれる。
「久しぶり、インレット。元気だった?」
「はい! インレットはいつでも元気バリバリなのです!」
見るからに元気なインレットを見ていると俺まで元気になりそうだ。
「インレット、イゴールは?」
「ごめんなさいです。マスターは今、他の場所に行ってる最中です。まだ、帰ってこないと思うのですよ」
「そっか……」
もしかして、番長かキタローの所に行ってるのかな?
イゴールがいないと何にも出来ないからな。いや、待て。ペルソナの3と4は案内人の女の子とコミュニティを作れるはずだ。という事は俺とインレットもコミュニティを作れるんじゃないだろうか。……やってみるか。
「そ、そう言えば俺はインレットの事、何も知らないな。インレットはいつからベルベットルームで働いているんだ?」
「インレットは最近創られました! ……だから、まだお仕事がうまく出来なくて……」
ああ、結構イゴールに睨まれてるのはそういう事か。ワイルドのことも説明出来てなかったし。
「なるほどね。インレットには姉とお兄さんがいるよな?元気にしてる?」
「マーガレットお姉ちゃんとテオドアお兄ちゃんは元気なのです! でも、エリザベスお姉ちゃんはベルベットルームを出ていっちゃって……今、どこにいるのか分からないのですよ」
なるほど、ペルソナ3は終わった後か。
「じゃあ、インレットは少し寂しいかな?エリザベスは賑やかなやつだし」
「そんなことないのです!」
インレットは急に大きな声で否定する。
「エリザベスお姉ちゃんはいっつもインレットとテオドアお兄ちゃんに意地悪して来るのですよ! この前も……」
この後、かなりの間、エリザベスへの愚痴を聞かされた。だが、インレットは楽しそうに話していた。なんだかんだ言って仲が良かったのだろう。
「そんなことがあったのか。……そろそろ帰るよ。待ってもイゴール来ないしね」
「帰っちゃうのですか?」
インレットが残念そうに聞いてくる。
「悪いな。お詫びに今度、何か買ってくるよ。何が良い?」
そう聞くとインレットはパッと目を輝かせて笑顔を見せる。
「ホントなのですか!? じゃあ、インレットはチーズケーキが食べたいのです!」
現金な子だな。
「わかった。今度買ってくるよ」
「約束なのですよ?」
そう言ってインレットは小指を差し出してくる。
「ああ、約束だ」
俺も小指を差し出し、小指同士を繋ぐ。
「「ゆ~びき~り、げんまん、う~そついたらハリセンボンの~ます!指切った!」」
俺達は言い合って指を離す。
「それじゃあな」
「また来てくださいね! 待ってますから!」
インレットが手を振っている。
ーーインレットとの間にほのかな絆の芽生えを感じる……暁美ほむらは”運命”のアルカナを手に入れた!
こんにちは!
今回は初めてまともにコミュを書きました。どうでしょうか?うまくインレットの可愛さを表せたら良いんですが。
こんな感じでほんわかとしたコミュを今後も書けたら良いと思ってます。
ただ……これ、まどか☆マギカですからね。
今回はこれで終わりに致します。
それではまた次回にお会いしましょう!