宇宙戦艦YAM@TO改変ヤマトよ永遠に   作:Brahma

2 / 12
ヤマトが敵艦隊をふりきって、太陽系から8.7光年のシリウス近傍で見たものは...


第2話 シリウス星域会戦

グレートエンペラーに対しベリサリオンは戦線の連携の面から反論してみる。

「彼はたしかにキレ者ではありますが、中間基地司令のグドンとも折り合いが悪く...。」

「将来の禍根を断ち切るのだ。これは命令だ。」

「ははっ。」

 

地球へ帰還した春香にくだされたのは、舞による暗黒星団帝国への討伐命令だった。

「春香。このまま敵が黙っているとは思えない。本日0930時をもって宇宙戦艦ヤマトに敵本国のせんめ..コホン、じゃなくて攻略任せたわよ。」

「はい。お任せください。天海春香、地球のために微力をつくします。」

 

「総員につぐ。総員に告ぐ。ヤマト発進準備にかかってください。」

「波動エンジン始動します。」千早が波動エンジンの始動を宣する。

「波動エンジンへの閉鎖弁オープン。」

「まこちん、波動エンジン内圧力上ちょ~するよ。」

「フライホイール始動!」

「フライホイールちどう!」

「波動エンジン点火10秒前!」

「フライホイール接続!点火!」真が点火を指示した。

「ヤマト発進します。」春香がヤマト発進を宣する。

メインエンジンが点火し轟音をたててヤマトは飛び立った。

 

「大気圏脱出20秒前!」「外翼格納します。」

千早が外翼格納を指示する。

「今回、ヤマトはエンジンに大規模な改造をほどこしたの。一回あたり最大5000光年、スーパーチャージャーで連続ワープが可能になったのよ。ためし運転で木製型惑星の影響がすくない、天王星軌道までワープしましょう。」律子がエンジンの改装について説明し、ワープテストの提案をする。皆が無言の同意を示すと

「天王星軌道までワープします。ワープ準備、各自ベルト着用!」

千早がワープ準備を宣する。

「ワープ10秒前,9,8,...2,1,0,ワープ!」

ヤマトは迅速にワープした。

 

「ムーゼル司令、ヤマトを捕捉しました。」

「で、ヤマトはどこへ向かっている?」

「右20°方向、距離300宇宙キロを航行中です。方向から考えるに我が暗黒星雲へ向かっているものと思われます。」

「地球人はつくづく愚かだな。たった一艦で我が母星へ向かおうとしている。自動惑星ゴルバを倒したのは確かとはいえ、われわれはガトランティスの艦隊のようにやわではないのだ。」

「司令、いかがいたしましょうか。」

「追撃しろ!我が母星にむかわせるわけにはいかん。」

 

「後方、5000宇宙キロに敵艦隊!」

「くっ...もう追っ手が来たのかしら。」

「総員戦闘はい...。」

「春香。こんなところで戦っていたら...。それから仮に地球へ向かっても舞さんがいるわ。」

「それも、そうですね。雪歩!」

「はい。地球へ敵艦隊発見の報伝えますぅ。」

雪歩が地球へ敵艦隊の発見について知らせるのを確認した春香は、つぎに

「千早ちゃん!」と信頼する隣席の航海班長に話しかける。

「ええ。再びワープします。」

ヤマトは、ふたたびワープした。

 

「うぬ。なんて早いワープだ。ヤマトのワープアウト地点計算しろ。」

「それが...早いワープだったもので、ワープトレースのベクトルが確認不能です。」

「...。ならばただちにこちらもワープするのだ。やつらの行く方向はわかっている。我が母星に向かっているに違いない。かならず通る場所があるはずだ。先回りしてわなをはるのだ。」

「ははっ。」

 

「ワープ終了。」千早がワープ終了を告げると、

「波動エンジン異常なし。」真がエンジンの状況を伝える。

「現在位置、大犬座α星シリウスの近傍、4億5000万キロ。約3天文単位です。」

「コスモファルコン、周囲の偵察をお願いします。」

「了解。」山本が応える。小鳥がイスカンダル星域を最後に結婚のためヤマト航宙隊をやめたため、彼が隊長になっている。

「コスモレーダー、エネルギースキャナともに異常なし。」

「どうやら周囲に敵はいないようね。」千早がつぶやく。

「このまま長距離ワープも可能だよ。ただ、コスモファルコン隊の帰還までは安心できないね。」真が伝える。

 

「シリウス近傍で方向を変えた後は、大マゼラン雲よりはるかかなたの旅になるかも知れません。太陽系まで敵が敵が来ているわけですから用心にこしたことはありません。」

「律子さんが製作した新型通信機のテストにもなりますぅ。気長に待ちましょう。」

 

「艦長、偵察隊より入電ですぅ。」

「艦長、大変だぞ。敵艦隊を発見した。」

「どのくらいの規模ですか?山本さん?」

「結構な規模の部隊だぞ。戦艦10、空母2、駆逐艦、巡洋艦など30隻。」

「いっちょやったりましょうか。」

「坂本くん。前艦長の舞さんが聞いたら叱られるよ。あわてなくてもいいから。敵艦隊の映像と座標を送って。」

「ちぇっ。了解です。」

 

「敵艦隊の座標と画像が送られてきたよ。春香ちゃん。」

「たしかにかなりの規模ね。敵までの距離は40000宇宙キロ...」

千早が画像を見てつぶやく。

「いまのところ敵は気づいていないみたいだね。」

「コスモファルコン隊を発見したり、通信が傍受された様子も感じられない。

さすが律子さんですぅ。」

「これからの方針をきめるために第二艦橋の中央作戦室にあつまってください。」

「春香、わたしたちは、敵の本星に行って二度とハイペロン爆弾を他の星に送り込めないように討伐するという任務があるわ。ここで交戦するのはあまり得策とはいえないとわたしは思うけど...。」

「敵は気がついていないみたいだし、敵が通過するまで様子を見て、背後をすり抜けていこう。」

「!!....艦長!敵の前方に反応があります。」レーダー手が春香に伝える。

「地球防衛軍の船じゃない...どうしてこんなところに。」伊織が驚く。

水瀬財閥の令嬢でもある伊織は、水瀬重工の造船ドッグでつくられる新鋭艦をなんどか見かけていたので、レーダーの反応から艦種が地球防衛軍のものであることがわかる。

「伊織、急いで識別番号を確認して。美希は、敵の予想進路をもう一度割り出して。」

「出たわよ。識別番号は、BA1090062、アンドロメダ級の『しゅんらん』だわ。」

「『しゅんらん』?」

「地球防衛軍の旗艦クラスがなぜこんなところに?」

「『しゅんらん』は、新型波動エンジンの調整のためと、白色彗星艦隊迎撃のために出航して....。」

律子は何かを思い出して言葉につまる。

「律子さん...続きを。」春香がかすかにほおを赤らめる。

「いったん地球へ帰ってから再び第7艦隊の旗艦として出航、その後第7艦隊ともども行方不明になっていた。」

「春香、第7艦隊といえば、たしか。」真が春香に確認する。

春香に加えて雪歩までほのかに顔を赤らめる。

「赤羽根きょ...少将の艦隊です...。」

「そういえば...。」律子は苦笑する。

「春香、ごめんね。雪歩に指示していい?」

「でも律子さん、向こうは新型の通信機ではないから、敵に察知される恐れがあります。」「春香、敵は第7艦隊を狙っているわ。このまま放ってはおけないんじゃない。」

伊織がつぶやく。

「わかった。雪歩、第7艦隊に通信して。」

「了解。」

「春香ちゃん、だ、第7艦隊からの通信をキャッチしたよ。すごく微弱だから気がつかなかった。SOSを発信しているよ。」

「もしかしてメインの通信機が使えない状態なのかもしれないわね。」

「春香、SOSしてくるってことは、艦隊がまだなんとかもちこたえてるってことだよ。いそぐ必要があるよ。」

「て、敵がこっちに気づいたみたいですぅ。ジャミングしてきますぅ。」

「総員、戦闘配備。第7艦隊救出へ向かいます。」

 

第7艦隊は、多数の敵と少しでも有利に敵に応戦するために小惑星帯の中にいる。ヤマトは敵とは逆の方向にいるが迅速に救援にむかうには小惑星帯がどうしてもじゃまである。このままではコスモファルコン隊がつくまでに第7艦隊が致命傷を負う可能性があった。

 

「波動砲発射準備!」春香は命じる。

「波動砲への回路開きます。波動砲安全装置解除。」

真が波動砲への回路開放を機関部に指示する。

「電影クロスゲージ明度20、エネルギー充填80%」

「ターゲットスコープオープン。電影クロスゲージ明度20!」

「エネルギー充填120%、発射準備完了。」

「発射10秒前、対ショック対閃光防御!」

第一艦橋では皆がゴーグルをつける。

 

「...4,3,2,1,0、波動砲、発射。」

伊織の手からカチッっと波動砲の引き金の軽い音がするやいなやヤマトの艦首からまばゆいばかりの光の束が放出される。

波動砲の光の束は小惑星帯をのみこんで一瞬にして消滅させる。

「コスモファルコン隊、発進!」

「了解!」

 

「第7艦隊に接近!天海艦長!第7艦隊はもう敵の攻撃を受けているぞ。」

「了解。山本さん、そのまま敵を迎撃し、第7艦隊を守ってください。」

「了解!」

 

「ヤマト、巡航モードに移行します。」

千早が戦闘宙域へ向かって操艦する。

「戦闘宙域へ500宇宙キロ!」

「総員戦闘配備!」

 

接近するにつれ、被害報告も入ってくる。

「駆逐艦シキナミ戦線離脱!」

「駆逐艦アスナⅡ、通信途絶!」

駆逐艦が炎上している様子がパネルに映される。

 

「千早ちゃん、右に転進して!」

「了解。面舵いっぱい、コースターン!」

 

「防衛軍の力を思い知れ!」

一点集中砲火をあびせて敵の被害を増やすものの、6席もの空母から発進されるイモムシ型戦闘機「ヴェスパコルト」と、白色円盤型戦闘機「ヴェスパブランコ」の数は数千機にものぼり、コスモファルコン隊も苦戦している。

 

「山本さん、帰還して。うまく敵機を集中させて。」

「了解!」

「伊織、主砲最大射程!サーモバリックモード!」

「にひひっ!了解!」

戦闘機隊を何度も葬ってきたヤマトの奥の手が発揮される。

 

「主砲、発射!」

サーモバリックモードの光条が敵機に近づくとエンジンへの引火と爆風が生じて、あっというまに1000機以上が爆発した。

「ヴェスパコルト」と「ヴェスパブランコ」のパイロットたちは、

「回避!!」と叫ぶが次の瞬間には悲鳴を発して気化している。

伊織の発する主砲は長距離から情け容赦なく熱風とエンジン引火を起こさせて数千機に達する敵航宙隊が撃破される。




ヤマトは先を急ぐために敵の後ろをすり抜けようとしたが、敵が行方不明だった地球防衛軍第七艦隊をねらっているのを発見。第七艦隊を支援するために交戦状態に入った。

方針が定まりましたので投稿していこうと思います。書き溜めてはいなかったので今回はここまでです。

※タイトルを変更しました(前後編やめました。10/3,1:00am)。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。