宇宙戦艦YAM@TO改変ヤマトよ永遠に   作:Brahma

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舞は、ついに二階級特進で元帥兼地球防衛軍司令長官になる。彼女はファンのために派手な式典を行なった。また春香が後任でヤマト艦長になるが、あらたな脅威が地球に迫る。あの暗黒星団帝国が地球攻略を本格化したのだ。



第1話 暗黒星団帝国の攻撃、地球上空戦の勝利

「大統領。このたび、日高舞君は、白色彗星戦役で、地球からはるか離れたテレザート宙域で白色彗星帝国を滅ぼし、イスカンダル宙域戦役においては、波動砲が効かない敵起動要塞を撃破し、地球の恩人イスカンダルを守っています。彼女の功に報いるには、地球防衛軍司令長官しかないように思われます。ですので、僕は、退官させていただき、彼女を後任に推薦したいと思うのですが。」

武田は、地球連邦大統領コルネリアス・アダムスに伝えた。

「うむ。彼女の戦功はあまりにも巨大だ。選挙にでたらすぐに政治家になって次期大統領になれる可能性もある。そのチャンスがあるのに防衛軍司令長官で満足するのかね。彼女にそのあたりの意向は聞いたのか?。」

「政治家になるつもりはさらさらないようです。

『退役したらまたスポットライトをあびてステージに立ちたいわね。主婦にもどるってのも悪くないわね。愛のことも心配だし~。』って言っていましたが、僕の後任になってほしいと頼むと、『やっぱいつかその日がくるかなと思ってたわ。春香を鍛えておいてよかったわ。』っと一言で快諾してもらいました。」

「ふむ。」

「ただ、ただ司令長官にするだけには惜しい人材です。白色彗星のときは天海少佐に戦闘まるなげしたこともあったようですが。後進を育てるためなのか、ねちねちしたガミラスに付き合うのがめんどうくさかっただけなのかおそらく両方かと思いますが、たぶんあの性格だと前線指揮をとりたがると思いますので、防衛軍旗艦アンドロメダ艦長を兼務させてはいかがでしょうか。」

「うむ。日取りを決めて彼女を地球防衛軍司令長官に就任させよう。」

「大統領。実は彼女は元アイドルでもあったので、彼女をみたがるファンのために盛大な就任式典をやるべきだという意見があります。」芹沢の後任の参謀長が進言する。

「そうだな。私も賛成だ。」

「で、日高君には、事前に話をしてありますが、演出まで指定されまして…。200年以上前に刊行されたスペースオペラがアニメ化された際に、銀河の半分を統治する国家の英雄が元帥に就任した式でかかっていたBGMを流してほしいと。しかも市民の要望が多いそうです。」

「なるほど。」大統領は、武田の顔を見て、次の瞬間、二人は顔を見合わせて内心では愉快だと思いつつも、その演出の内容に苦笑するしかなかった。

 

広間に帯のように長い赤じゅうたんがひかれ、その奥の小高い演壇に大統領が立っている。

赤と黒のマントをつけた舞が進んでいく。でも衣装は彼女のアイドル時代のドレスである。

「舞さん万歳!」の歓声が繰り返し響く。そのとき荘厳であるが、どことなく軍歌のような曲が流れる。

「この曲は?」

「なんでも、200年以上も前のスペースオペラをアニメ化したときのBGMだそうだけど。」

「え~と、「ワルキューレは汝の勇気を愛せり」!?」

「え!これ日本で作られた曲なの?てっきりクラシックかと...。」

「舞さんの就任式に彼女にマントつけてもらってこの曲をかけてほしいって希望が多かったみたい。」

「ほんとに英雄願望ってあるんだね。」

「辞令。日高舞、白色彗星戦役及びイスカンダル宙域戦役の功績に基づき、元帥に叙する。

地球防衛軍分艦隊司令長官兼宇宙戦艦ヤマト艦長の任を解き、地球防衛軍司令長官兼旗艦アンドロメダ艦長を命ずる。西暦2202年3月19日、地球連邦大統領コルネリアス・アダムス。」

「日高舞、地球連邦のために微力を尽くします。」

舞が肩ひざをつきかすかな笑みを浮かべながら返答し、辞令がわたされる。広間は、「地球万歳!舞さん万歳!」の歓喜の叫びが響き渡った。舞が広間から退出するにあわせて彼女のアイドル時代のヒット曲ALIVEが流れる。

「元帥就任式というより女王の戴冠式みたいね。」

「だね。自ら王冠かぶらないだけでw」

 

一方太陽系外縁部の第一外周艦隊旗艦ヤマトの第一艦橋では

「辞令を伝える。天海春香。イスカンダル宙域戦役の功績に基づき大佐に叙する。宇宙戦艦ヤマト艦長代理兼戦闘班長の任を解き、宇宙戦艦ヤマト艦長を命ずる。西暦2202年、地球防衛軍司令長官日高舞、ってことで春香あとよろしくね~♪。」

「天海春香。防衛軍のために微力を尽くします。」

第一外周艦隊旗艦ヤマトの艦長代理であった春香は、ビデオパネルが投影されたのでなにごとかと思ったが辞令の通知で、ほっとしていたがそれもつかの間だった。

「春香ちゃん、エ、エリス基地の通信が未確認飛行物体が高速で太陽系内に侵入したという記録をのこしてから、途絶えたって。」雪歩が異変を伝える。

地球防衛軍は白色彗星戦役以降、通信設備の充実がはかられ、何かあったら画像が記録され、太陽系内必要があればほぼリアルタイムに近い画像が見られる。

「律子さん...。」

「なんか変な光線を発してるわね。分析ロボットによると、中間子質量を破壊し、外傷を与えずに脳細胞だけを破壊しているとのことよ。」

「単純に攻撃して爆破させるのは...。」

「ハイペロン爆弾の可能性が高い。非常に危険ね。中性子ビームが放出されて、こっちの生死にかかわる。いっきょに高温、高エネルギーで溶解してしまうしかないわね。」

「ということは、波動砲ですね。」

「鶏を裂くのに、ということわざがあるけど、この場合は敵は鶏じゃないということよ。」

 

「冥王星基地沈黙。」

「飛行物体5000宇宙ノットで内惑星軌道に接近中。」

地球とヤマトに同時に情報が伝えられる。

「エリス基地と冥王星基地のデーターで推定針路は計算したわ。」

「律子さん、いまからワープして迎撃することを考えた予想地点を計算してください。」

「たぶん、そのときには海王星トリトン基地もやられてるわね。まあいいわ。出してみる。」

「春香、エネルギー充填時間を考えると火星基地付近で迎撃するしかない。」

「海王星トリトン基地沈黙。」

「ワープ準備。海王星付近の飛行物体の軌道、入力、誤差修正」

「10,9,8,....0,ワープ。」

 

「飛行物体12時の方向、一万三千宇宙キロ。」

「エネルギー充填。」

「最終セーフティロック解除」

「エネルギー充填120%」

「飛行物体1500宇宙キロ。」

「10,9,8,....0,波動砲発射。」

ハイペロン爆弾は一挙に溶解され、すがたを消した。

 

「防衛軍司令部、こちらヤマト。ハイペロン爆弾と思われる飛行物体を消滅させました。」

「春香。ありがとう。こちらでも敵飛行物体の反応の消失を確認したわ。」

しかし安心したのもつかの間、新たな異常事態が起こっていることを示唆する通信が司令部に入る。

「こちら木星ガニメデ基地。上空3000宇宙キロに黒色の艦隊出現。うわああああ。」

「ガニメデ基地、応答せよ、応答せよ。」司令部の通信士の声が空しく響いた。

 

「ハイペロン爆弾が飛来してきたと思ったら、今度はガニメデ基地で敵艦隊ですか。おもしろくなってきたわね。」舞は被害報告にも笑みをうかべている。

「全地球防衛艦隊出撃。敵艦隊を迎え撃つわよ。」

 

 

「首都西部地区に正体不明の敵降下猟兵。首都頭部にも多数の敵降下猟兵です。」

「まず上空の敵艦隊をたたいて補給を失わせるのが先決よ。」

「敵艦隊発見。12時の方向、距離2万宇宙キロ。」

「全艦、拡散波動砲発射準備。」

「いきなりですか?」

「そう。やつらはイスカンダル上空戦でヤマトが戦ったブレアデス級の同型艦。ショックカノンは効かないから波動砲で一気に殲滅する。」

「拡散波動砲、発射10秒前、9,8,...3,2,1,0」

拡散波動砲が200隻の地球艦隊から一斉に発射された。

黒色艦隊は拡散波動砲の閃光と熱に引き裂かれ四散した。旗艦ガリアデスの艦橋は総司令官カザンをはじめ乗員の「ぎゃあああ…」という悲鳴にあふれ、他の艦も同様であった。そして2000隻に及ぶ黒色艦隊は一気に全滅した。わずか1分24秒であった。

「さあ、反転180度、6時の敵補給艦隊を掃討するわよ。」

200隻もの艦隊のショックカノンの斉射によって生じた光条は、上空でろくに武装のない補給艦隊をつぎつぎに引き裂いた。補給艦隊は、爆煙と閃光を発して、鉄の破片となって四散していく。

 

「さて、敵地上部隊掃討に移るわ。コスモファルコン発進。」

1000機近いコスモファルコンが上空から発進される。

地球防衛軍の地上軍は、多弾頭ミサイル戦車で必死に戦っているが、ウェルズの宇宙戦争のような敵の多数の三脚歩行戦車、戦闘機、降下猟兵の攻撃により次々に破壊されていく。

「主砲発射。三脚歩行戦車を一機残らずつぶすのよ。」

地球艦隊の主砲が三脚歩行戦車を襲い、つぎつぎに貫き破壊する。

「敵三脚歩行戦車、全機破壊確認。」

「全艦、サーモバリックモード、主砲斉射。」

敵戦闘機は、爆風に木の葉のように揺らされ、ぶつかったり、燃料に引火してあっという間に7割が消失する。

「敵戦闘機隊7割撃墜。降下猟兵も6割は掃討。残りは分散しています。」

「つぎ、コスモファルコン隊攻撃開始。」

残った戦闘機と降下猟兵も次々に掃討されていった。

 

暗黒星団帝国マゼラン方面軍地球攻略司令官ベリサリオンは本星に全滅の報告をする。

「グレートエンペラー...。まことに申し訳ありません。カザン以下の地球攻略艦隊は全滅いたしました。」

「全滅だと...。」

「はい。敵は、重核子爆弾を波動砲で溶解、消滅させました。カザンのガリアデス艦隊もいきなり波動砲の斉射を喰らって全滅しました。返す刀といわんばかりに地上部隊へも攻撃が仕掛られ、これもあっという間に...。」

「ゴルバを倒したのはまんざら偶然でもないわけか。」

「ただちにムーゼル以下の討伐艦隊を差し向けよ。」

「ムーゼルを、でございますか。」

「そうだ。やつ以外この事態に対処できる指揮官はおるまい。」

 




暗黒星団帝国の攻撃をイスカンダル上空戦の戦訓から難なく撃退したヤマトと地球防衛軍。しかし、暗黒星団帝国はムーゼルなる指揮官を地球討伐に差し向けようとしていた。

重核子爆弾ですが主砲で砲撃して爆発させると中性子ビームが放出されてヤマト乗組員は生きていられなくなると考えられたので、波動砲で重核子爆弾を溶解したことにしました。

「鶏を裂くのに、ということわざがあるけど(ry」
夫子莞爾而笑曰、割鷄焉用牛刀(夫子莞爾として笑ひて曰く、鶏を割くに焉んぞ牛刀を用いん)『論語』陽貨編


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