次は9日にでも番外編(日常的な4コマ的なやつ)をあげる予定なので許してくだちい。
では短めですが本編どうぞ!
物語というものは
何故なら物語とはそういうものだからだ。
語る上で必要なのはその都合の良さだ。
だがわかり易い都合の良さでは受けは良くない。
分かり辛いものほど受けるものだ。
苦労した後の幸せが甘美に感じるのと同じく。
では
それが分かるのは物語が語り終わってからだ。
だが少なくとも……今のままであるのなら、都合はいいのだろうね?
◆
さて……どうしようかなぁと思う訳ですよ。
いやぁ少し前(本編内以外で)に妹の護衛よろしくとか言われた訳で。
しかもそれを言ってきたのが生徒会長な訳で。
情報教えてもらったからには恩は返さないとね。
「で、簪さんだったっけ」
確か一夏のせいで専用機を自力で作らなければならなくなって、恨んでるって情報があったけれど。
……一夏を恨んでるヤツを護れなんて無茶言う生徒会長は本当に性格悪いよね。
でも、その逆恨みもきっと仕方ないんだろうし……俗に言う間が悪いっていうのだと思うし。
「誰にぶつけたらいいか分からないんだろうね。このままじゃあ少し危ないかな」
「誰が危ないんだ?」
「君の頭」
「急にひどいなっ!?」
後悪いのはタイミングだと思う。
一夏ってそこのところまるでわかっててあえてそうしてるかのように見えるんだもの。
……態とじゃないよね?
「何が!?」
……知らぬは本人だけか。
まぁそれもありなんじゃないかな?
本人が幸せならそれで。
「……妙に今日は機嫌悪いなぁ?何かあったか?」
「別に。まぁあえて言うなら気の進まない頼み事をさっさと解決しようとしてるだけだよ」
護衛って言ってたけど多分仲の解消だろうし。
まったく……それくらい自分でやってほしい。
態々死人同然の人間に頼むなんてどうかしてるよ。
まぁ……ある意味適任でもあるのかな?
その人の気持ちを理解はできないけどわからないでもないから。
「一夏」
「ん?」
「今日は早めに部屋に戻る事を勧めるよ……碌でもない目にあいたいならそのままいてもいいけど」
「なん……だと。死相でも見えるっていうのか!?」
「……どうだろうね?」
「了解しました!今すぐ部屋に篭ります!」
といいつつ一夏が今までで一番速いのではないのかと思われる速度で戻っていった。
……よし。邪魔者は消えたと。
まぁ嫌な予感はするし、部屋にこもってたほうが安心出来る事に違いはないね。
さて、
「ここがあの生徒会長の妹の部屋か」
『まるで泥棒猫の家に押し入る女みたいな言い方ね』
あぁ、確かに。
まぁ無意識だけれど。
『意識的に言ってるならそれはそれで問題だけど』
まぁね。
さて、無駄話もここまででさっさと顔合わせだけしちゃうか。
まぁそういいつつすでにノックはしてるけどね。
「はい」
「周防 静です。のほほん……布仏さんいます?」
「おぉ~いるよ~」
『なるほど。初対面なのに用があるのはおかしいからまずはその周りから……ね』
そういう事。
じゃないと違和感あるし警戒されるし。
「どったの?しーくんが来るなんて珍しい~」
「前約束してたお菓子持ってきた……お菓子はあまり自信ないからアレだけど」
そう。のほほんさんとはお菓子を作ってわたすっていう約束をしてたんだ。
随分前だったけれど、色々事件があって今になった訳。
まぁ都合がイイけれども。
「おぉ~なになに~なに作ったの~?」
「ケーキだけど……まぁ種類は作ったから好きなの選んで」
「やった~じゃあ苺のショートケーキもーらった~」
「そっちの人もよかったら」
「……いいの?」
まぁ普通は聞くよね。
世の中には聞かずに貰えるのが当たり前と思ってる人もいるけれども。
「ちょっと多めに作ったので……ケーキ嫌いじゃなければ」
「ん。ありがと」
うん。素直にお礼を言えるのはいいことだと思う。
良い子ではあるんだろうね。
「あ、僕さっき言ったけど周防 静って名前なので好きなように呼んでください」
「更識 簪……どっちでもいい。宜しく」
……もしかしてかなり口下手なだけじゃあないかな?
「……ふむ。まぁ要件はそれだけだったから僕は戻るよ。簪さんもよかったら感想聞かせてね」
「うん」
「じゃあね~」
……まぁとりあえずはこれでいいか。
『甘いものに女の子は甘いものねぇ』
洒落?
『そんなつもりはないけれど……まぁ取り入るなら最善とは言わなくても良い手ではあるでしょうし』
まぁ徐々にいけたらいいんだけれど……悠長に構えていられなくなったら強行手段に出るよ。
あまり使いたくはないけれど。
『そうならないように祈りなさいな。祈るだけならタダなんだから』
それもそうか。
うん。上手く行くように祈ろう。
いざとなれば……アレが手段としてあるし。
『さて、上手くいくかしらね?なんせ森羅万象なんてモノに選ばれるくらいの運の悪さなんだから』
妖精さんの一言は僕にはその時……届いてなかった。
◆
「ふむ。だいぶ進んだようだな」
「いや~一時はどうなるかと思いましたけれど……なんとかなりそうですね~」
「まだ油断は出来んさ、なんせ簡単に物語とは破綻するのだから」
「でもこうしてるとプライバシーもへったくれもないですよね~侵害ですよ!」
そう彼ら観測者はこまめに確認が出来る。
ゆえにその一言が出たのだが……普通の感性であれば思うだろう。
「まぁ十全に理解出来る訳ではないから一応セーフだろう?好んで見てる訳でもないし」
「仕方ないと思うしかないんですよねぇ……こちらから自由に見れる訳ではないですし」
観測者とは万能ではないのだ。
ゆえに全てを見通す事はできない。
部分部分しか確認できないのだ。
「この物語もようやく半分だが……いつ終わるかを理解しているがゆえに歯がゆいな」
「
「今までこのような展開はなかったからな……このままいけば未知に出会えるだろうさ」
彼らの言葉の意味が理解出来る者は理解できるだろう。
彼らは別の空間にいるのだ。
ゆえに観測でき、干渉できるのだ。
「未知がゆえにこの先どうなるかは分からぬ……だがゆえに結末を想像でき創造出来るのだ」
「今までの行動が無駄出なかったと証明するためにも全力で行きましょう」
「あぁ……アイツ等に頼まれたからな。何としても望みの結末を得よう」
この世界は狂っている。
それが良い事か悪い事かはまだ判断できない状態ではあるが。
しかし故に観測者が存在し、周防 静というイレギュラーが存在するのだ。
「さ、もう準備は出来た。ここから先は未知だが……少なくとも失わせはせん。我が魂に賭けて達成しよう」
「ではこの薬を渡すために世界に干渉しましょうか……穴を開けるのにはもう慣れました」
観測者の準備はでき、物語も半分を過ぎた。
この先どうなるかは観測者ですら理解できない。
だが諦めている存在はいない。
ゆえに……物語は都合よく進むと思われる。
さぁ……物語の続きを語る準備をしよう。
結末まで後は坂を転がる石のように進むだけだ。
佐天様、感想感謝です!
久々の更新だったので感想なんてないだろうと思ってたので本当に感謝です!
キャラを思い出すのに苦戦してたこともあり、gdgdですが楽しんでもらえたら幸いです。
まえがきでも言ってたとおり、次回の更新は9日予定です。
まぁまた番外編ですが。
なのでゆったりお待ちください!
では!また次回!