全てを否定せし少年の軌跡(半凍結)   作:龍賀

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今回でオリキャラが最後にちょろっと出ます。

でもそんなに頻繁に出す予定はないので安心を。

では!今回もお楽しみ下さい!


第35話 とある観測者との出会い

束さんの騒動(薬なくしたのは僕が悪い)事件から数分。

 

現在海にいます。

 

 

 

そういえば一夏と僕の部屋は千冬姉さんと同じ部屋になってたね。

まぁ女子が来ちゃうのを危惧してるのだろうけど……一夏はともかく、僕には問題ないよ。

 

 

「俺はともかくって何だよ……」

「自分の胸に手を当ててよく考えてご覧」

「……分からん」

「駄目だコイツ……早く何とかしないと」

「残念なやつみたいな言い方だな!?」

 

いや、鈍感もそこまでいけばある意味一種のスキルだよ。

『鈍感』、異性からの好意に気付けない。みたいな?

そのまますぎるから没だね。

 

「そういえば水着にすでに着替えたんだけどさ、何で僕だけ上にパーカーを羽織らなきゃいけないの?」

「それはな……静が女にしか見えな(グシャ」

「何か言い残す事は?」

「スイマセンデシタ」

 

僕自身が言うのは別にかまわないのだけど他人に言われると納得いかなくなる不思議。

 

「上半身だけとはいえ全裸パーカー先輩が喜びそうな格好だよな」

「一夏を虚構(なかったこと)にしてあげようか?」

「大嘘憑きとか勘弁してくれませんかねぇ」

「だが断る」

 

まぁ出来ない事もないよ?

森羅万象のちょっとした応用で。

 

「メイオー」

「やめてくださいしんでしまいます」

 

さて、一夏"で"遊ぶのはここまでにしよう。

もうすぐで皆と合流できるはずだし……1人鼻息の荒い武士娘さんがいますがスルーの方向で。

 

(し、静の水着姿!あの姿だけで10年は戦える!)

 

スルーの方向で。

いいね?

 

「アッハイ」

「で、箒ちゃんはいつまでそこにいるのかな?」

「いや……まぁなんとなくだ」

 

なんとなくのせいで僕の貞操がマッハだったんだけども。

それより、

 

「箒ちゃん前選んでた水着ってそれだったんだね」

「うむ。去年の水着は着れない事はなかったのだが、せっかくの学校行事だからな」

「確かにね。まぁ似合ってるよ、白色がよく」

「そうか……それは選んだ甲斐があったというものだ」

 

白のビキニタイプの水着を着ているんだよね。今の箒ちゃん。

僕は黒のトランクスタイプの水着と藍色のパーカーを着てます。

まぁ誰得情報だけどね?

あ、一夏は黒と所々白が混ざったトランクスタイプの水着だよ。

 

 

「一夏さん」

「ん?おぉセシリアか……どうした?」

「サンオイルを塗って欲しいのですが……背中とか自分では届きませんし」

「なん……だと?」

 

いや、結構分かりやすい反応はありがたいというか楽しいのだけれど、それだとセシリアさんのアピール分かってないんだろうなぁ。

普通は好きでもない男に肌なんて触らせないよ?

でも一夏の事だから、「なんで他のクラスメイトに頼まないんだ?」とか平気で考えてそう。

だから、

 

「塗ってあげなよ一夏」

「静?」

「せっかく頼ってくれたんだから答えてあげないと……あっちにすでに準備は出来てるよ」

 

こうでも言わないと断りそうだしね。

 

「お、おう」

「ではこちらへ(ありがとうございます、静さん)」

「いってらっしゃい(こうでも言わないと一夏は動かないからね)」

 

 

さて、鈴もシャルちゃんもラウラももうそろそろ来る頃だと思うんだけどなぁ。

 

「静~」

「うぇ?」

「なっ!?」

 

今何が起きたか良く分からないからありのまま今起きた事を話すよ。

鈴が呼んでたから返事をしようと振り向いた瞬間、気がついたら俗に言う『お姫様だっこ』で抱えられていたんだ。

何を言ってるか分からないと思うけど僕も良く分からない。

超能力だとか瞬時加速だとかそんなチャチなもんじゃあ断じてない。

もっと恐ろしい片鱗を味わった気がするよ。

 

 

 

というよりいくら僕が軽いからといって抱えるのはどうかと思うんだ。

一夏辺りだったら上に乗るんだろうけどさ。

 

 

「ん~静成分補充~」

「何その謎成分」

 

僕からそんな栄養素的なものは摂取できません。

というよりそんなものを出せるほど気力がないので無理。

 

「気力をあげたらどうなんのよ」

「覚醒と愛と自爆が使えるようになるよ」

「覚醒と愛はいいけど自爆だけは洒落にならないわね」

「そうだな」

 

まぁ戯言以下のただの冗談だけどね。

 

「静の冗談って基本洒落にならないのよね」

「そうだな……まぁそれが分かっていて言うのが怖い所だ」

 

まぁ分かってるのは当然だけどね。

体のボロボロ具合は一番自身が把握できてるし。

 

「おまたせ~」

「……」

 

そうこうしているうちにシャルちゃんとミイラがやってきた。

……ミイラ?

 

「そこのタオルで完全に『この俺のそばに近寄るなぁああああああああ!』といわんばかりに隠してるやつ誰よ」

「帝王乙」

 

まぁキングクリムゾンは便利だよね。

でもザワールドの方がもっと便利だと思う。

 

「ラウラ~大丈夫だって!自信持って!」

「だ、だが……」

「信じてよ!大丈夫だから!」

「信じる者がすくわれるのは足元だけだと嫁から教わったんだが」

「静!?誰が上手い事言ってって言ったのかな!?」

「なんとなく教えたけど……間違ってないよ?」

「完全に逆効果だけどね!」

 

……でも少しばかりの罪悪感がない訳ではないので、

 

「ラウラ」

「な、何だ嫁よ」

「僕はラウラの水着姿見てみたいなぁ……せっかく選んだやつだし」

「そ、そうか。見たいのか」

 

そういうとラウラは少し恥ずかしそうにしながらもしっかりタオルをどけ、その姿を見せた。

……まるで何処かの日本の神様みたいと思ったのは内緒である。

そして見た感想としては、

 

「可愛いよラウラ」

「か、かわッ!?」

 

ボンッという音が聞こえそうなほど顔を真っ赤にさせあわあわと慌てているラウラを見て、全員で和んだ。

まぁそういう初心な所が可愛いといわれる理由だろうけどね。

 

「ねぇねぇ静。私は?」

「シャルも似合ってるよ?うん。そっちを選んで正解だったね」

「そ、そう?嬉しいな……えへへ」

 

ラウラは黒のビキニでシャルはオレンジのビキニ。

何で皆ビキニを選ぶんだろうね?

いや、クラスメイトの何人かは競泳用のやつとか着てたけど。

 

「よぉし!今日はいっぱい遊ぼう!」

「ん~ちょっと海には入れないからビーチバレーとかなら何とか参加できると思うけど」

「じゃあ……お~い!そっちに混ざってもいい~!?」

「いいよ~」

 

のほほんさんが返事をしたけど全員同意っぽいね。

じゃあバレーでもするかな。

まぁ僕は運動神経悪いんだけどね。

 

「ISなしで一瞬で相手の背後に回りこめる人を運動神経悪いとは言わないよ?」

「いや、あれは立派な忍術で……ある程度何とかなるよ?」

「ほう、あれがかの有名な忍術か」

 

確か相生拳法・背弄拳だっけ?

後IS使用時はムリだけど生身なら不忍法(しのばずほう)不生不殺(いかさずころさず)とかは何とかできる。

まぁ移動は基本背弄拳か爆縮地で何とかなるからいいんだけどね。

 

「本当に人間なのか疑問に思うときがあるよ」

「銃なのに刀的なものがあれば断罪炎刀もいける」

 

あれはいざとなればIS使用時でも使えるけどね。

 

「そ、それはともかく!バレーだよ!」

「そうだね」

 

これ以上言うと宇宙の法則が乱れそうな顔をしそうなのでやめておこう。

言わないでおこうと思う。

刀の語りの虚刀流も再現可能だっていうのは内緒にしておこう。

まぁその場合僕の体が持たないんですけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「楽しかったね~」

「そうだね」

 

なんだかんだでビーチバレーを楽しんだ僕たちは部屋に戻ってゆっくりしようと移動する。

まぁ途中で千冬姉さんが水着姿でこっちに来た時は驚いたけど。

そして一夏は安定のシスコンでした。

いや、まぁ……いいんじゃないかな?セシリアさんが可哀想だけど。

で、その後すでに着替え終えたから戻ろうとしたんだけど、

 

「これ絶対束さんのだよな」

「そうだね」

「今日この旅館に来てすぐに会ってるのにこんな事するんだな」

「そうだね」

「これ抜いたほうがいいのか?」

「これを抜くなんてとんでもない」

 

でも抜かないと進めないんだよね。

じゃあ、

 

「GO一夏」

「NO!」

「一夏。僕の問いにはいかYESで答えてね」

「本当に拒否権がない!?」

 

という訳で一夏は喜んで引っ張ってくれたよ。

 

「あれ?でも何も起こらない……だと?」

「いいんじゃないかな?」

「……じゃあ戻るか」

「ん」

 

そういい戻ろうとした瞬間!

 

「しーちゃんはこっちだよ!」

「うぇ?」

 

一気に飛んできた人参に捕獲され、一気に何処かに運ばれ始めた。

 

「静!?」

「あ~後で合流しよ~」

「ゆったりだね~束さん吃驚!」

「諦めって大事ですよね……こういう時限定ですけど」

「まぁまぁ!今日は会って欲しい人がいるだけだから!」

「会って欲しい人……ですか?」

 

束さんがそんな事言うなんて……明日は世界滅亡か。

早かったね、この星の寿命も。

 

「私でもそういう人くらいいるよ!?」

「そうだね、でもその人はデスクトップからは出てこないよ?」

「二次元の人じゃないよ!?現実!現実だからね!」

 

ざわ…ざわ…

 

「はぁ……束さんをここまで疲れさせるのはしーちゃんくらいだよ」

「それは喜ばしい?」

「えぇ~かき乱すのは私だけで十分だよ」

「自覚あったんですね」

「勿論」

 

成る程。

ぎるてぃ。

 

「あ、あれ?なんで頭をつかんでるのかな?離してくれるとうれしいなって束さんは思うのでした」

「束さん相手に千冬姉さん直伝のアイアンクローをしないと言ったな」

「そ、そうだよ!」

「あれは嘘だ」

 

そういいながら僕は力をこめる。

 

「みぎゃあああああああああああああああああああ!!?」

 

その後何処かの兎の叫び声が聞こえたそうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウゥ……酷いや酷いや」

「で?会わせたい人は?」

「スルー!?……あ、あそこにいるよ」

 

そう言われ見た先には……、

 

 

「おや?やっと来たか。予定より2分30秒遅れているぞ?」

 

 

僕みたいに女の子にしか見えない程の容姿を持った人がいた。

 

 

 

 

 

 

 

……誰ですか?




佐天様感想感謝です!

次からちょっとの間オリキャラが出ますが、ストーリー上必要なのでご容赦を。

でもそんなに頻繁に出す予定ではないのでご安心下さい。

次は一応明日更新を目指しがんばります。

もう今のうちに更新できるだけしとかないと間違いなく遅くなるしいつまでたっても完結できなさそうなので。


では!また次回!

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