全てを否定せし少年の軌跡(半凍結)   作:龍賀

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今回から数話日記になります。
日記というよりはそれぞれの心の声みたいな感じですが。

なので短めになっちゃうのでその分更新スピード頑張っちゃうぞ~。
明日にでも次の日記?話を投稿します。
なので軽くどうぞ。


第28話 少女の日記(Verシャル)

目の前で笑う少年を見て、絶望してしまうのは何故だろう。

この時シャルロット・デュノアは思った。

 

好きな人の笑顔は本来嬉しいはずだと。

本来その表情は幸せになるためにあるものだと思った。

 

けれどその時の少年の笑顔は……

 

 

『自身の事全てを諦めている笑顔』だった。

 

少年の過去を全て知っている訳ではない。

何故なら少年の事は少年に聞こうと思ったからだ。

 

けれどもそれで果たして間に合うのだろうか。

 

考えても見て欲しい。

寿命がもう今年一杯かそこらの1人の少年が一体誰にその気持ちを表すのだろうか。

 

完全に後手所の話ではないのだ。

気付いたらBADENDだったという可能性すらあるのだからリアルはクソゲーなどといわれるのでないのだろうか。

 

……思考がそれた。

 

少年はきっとこれからも無茶をするだろう。

というよりも無茶しかしないだろう。

 

何故なら少年の無茶とは存在する意味そのものでもあるからだ。

少年は否定し続けている。

目の前の理不尽を、自身の存在を。

彼にとって一番の理不尽は自身だろう。

 

だからこそ少年は自身を肯定できず、苦しんでいるのだろう。

 

自身もそうだったからこそ分かる事もある。

しかしそれは分かったつもりになっただけで、実際に聞いた訳でもないのだから憶測止まりだ。

けれどそれの何が悪いのだろうか。

知ったつもりで何が悪いのだろう。

知っているのならどうにかできるという希望を持つ事の何が悪いのだろう。

 

藁にも縋る思いなのだ。

少年と自身の幸せのためにも諦める訳にはいかない。

諦めが自分を殺してしまう。

たった一度の諦めですべてが無に帰す。

 

そも戦場では諦め=死なのだから諦められるはずがない。

恋もある意味戦争ではあるが。

 

 

閑話休題。

 

 

やはりこのままではいけない。

しかしどうやってあの少年の考えを変えさせるのか。

少年は何処までも頑固だ。

それこそお風呂場の隅の方の汚れ以上に頑固だ。

もう諦めてしまおうかと考えてしまうかもしれないほどに頑固だ。

 

けれど諦めたら駄目だ。

諦めて自身が駄目になるだけならまだ我慢できた。

それこそ牢屋生活が待っていようとも。

けれど諦めれば無くなるのは大切な人の命だ。

だからこそ諦められない。

 

その気持ちはあの少年を愛している存在全てにいえる。

鈴や箒やラウラ、話に聞く蘭という子もそうだ。

千冬さんも怪しいし束さんも確実に黒だ。

 

こんなにも愛してくれる存在がいるのに……その存在も認知しているのに、

 

 

どうしてあの少年はたやすく自分を殺せるのだろう。

誰だって普通は自分自身が一番大事だ。

よく他人の方が大事だと言う人がいるけれど、実際はその感情も自分自身が生きていなければ、存在していなければ意味はない。

だからこそ自分が大事だと言える人は他者を労れるんだと思う。

あくまで暴論のような自論なので否定されても構わないのだけれど。

 

 

鈴も箒もラウラも、そして何より"私"という存在も、あの少年、静の事が凄く、物凄く大事だ。

彼のおかげで今の自分はここにいる。

けれど決してこの気持ちは同情や助けてもらった恩から来たものじゃない。

なら理由は?と問われれば全員がこう答えると思う。

 

静という存在全てに惹かれたから。

 

抽象的に言えばこんな感じになるだろう。

具体的には……言ったら間違いなく悶絶する自信があるから語らない。

というより簡単にいろんな言葉が出る一夏の方がおかしい。

いや、悪口のつもりはないのだけれど。

というより一夏にも感謝しているから悪口なんて言う必要を感じないしね。

 

 

いや、こんな思考もきっと無駄なんだろうけどね。

でもやはり静を助けようと思えば思うほど、絶望的な、けれど同時に希望も見える道しかない。

希望が見えるだけ性質が悪いと言えばいいのかな?

でも1%でも可能性があるのなら。

0ではないのなら、努力する価値も、行動を移す価値もある。

それは全員の総意。

 

静はきっと喜ばない。

自分のせいで誰かが苦しむのを、苦労するのを、無駄足を踏ませるのを。

けれど今もこれからも、静と一緒に歩む道に無駄なんてない。

きっと全てに意味はあって、幸せがあって、不幸があるんだと思う。

無意味に感じる瞬間も、将来意味があったと言えるんだと思う。

 

人生に意味が無くても、きっと生きる事に意味はあると思うから。

生きている間にしか出来ない事をしよう。

その長くも短い人生の中で……静を救うために行動するのは、きっと意味がある。

……たとえ意味がなくても、価値がなくても、無意味だと嘲笑われようとも、"私"達は絶対に諦めない。

 

 

 

 

諦める事も後悔する事も全てが終わってからいくらでも出来る。

それこそ死んだ後にでもすればいい。

けど静が死ぬのはまだまだ速いのだから全員で抵抗させてもらう。

幸い束さんの協力を仰げるんだ。きっと可能性は少しでも上がったと思う。

 

たった一度の人生。

好きな……愛している人のために使うのも、悪くないと思うから。

"僕"は頑張るよ。

 

 

 

 

 

……気が付いたら日記じゃなくて愚痴と決意表明みたいになっちゃったね。

うん。でもこんな感じでいいんじゃないかな?

色々堅苦しい言葉使いとかしてみたけれど、やっぱり似合わないし。

でも昔の自分では考えられない事だ。

だってこうやってのんびり過ごすのも、何かに怯えずに過ごすのも。

これも全部静のおかげだからね。

好きになるきっかけは確かに助けてもらったからかもしれない。

さっきの言葉は嘘か?と聞かれたら否と答えるけどね。

 

だってきっかけがなんであろうと私が静を好きになって愛し続けるというのは……何にも変えられないたった一つの想いだから。

 

 

 

 

 

想いが重いなんていわれそうだけれど、それでも私は気にしない。

さすがに静に嫌われたらアレだけど。

というより暗い話になってたはずなのに気が付いたら気が抜けてる……やっぱり好きな人を思い浮かべるとこうなっちゃうんだね。

 

これ以上は日記所の長さじゃないから終わろうかな?

あ、でもこうやって考えてる事全部この日記に自動的に書かれちゃうんだよね?

束さんも恐ろしいというか尊敬できるというか、愉快犯というか。

でも想う気持ちは一緒だと思うから仲良くできるといいな。

次は……あぁ、確か箒だったっけ。

ここまで結構語ったというか思ったというか……あぁ!この内容静に読まれたら確実に悶絶じゃ済まない自信があるね!

絶対に読ませないでよ!箒!絶対だからね!フリじゃないからね!

 

 

 

 

 

 

コホン。

でももし箒やラウラや鈴以外がこの日記を見る事があるのなら……どうか静を護って欲しい。

きっと私達だけじゃあ足りないから。

……私、何書いてるんだろ?不安になるのはアレだけど弱気にはなりたくないなぁ。

そしてもしこれを静が見ちゃったなら……、

 

 

お願いだから消えようとしないで。

 

 

世界が否定しても私達が肯定し続けるから。

だから……だから……あれ?涙が…。

ううん。泣いちゃ駄目だ。

静!私達が絶対に助けるから!

だから絶対!諦めないでね!

 

 

 

以上!シャルロット・デュノアでした。

……もう絶対に読み直さない!




王子の犬様、感想感謝です!

この作品のシャルは静の事が好きな人は呼び捨てで呼びます。
勿論許可は貰ってるので相手もシャルのことは呼び捨てで呼びます。
恋敵であり、同時に同じ人を好きになった人同士、仲良く、そして一緒に静を助けようという意思の表れです。

まぁキャラ崩壊はしてると思いますけどね!!
あ、それともう少ししたらタイミングを完全に逃していた、あの2人を少しだけ出そうと思います。
まぁ立ち位置的には何処かの某安心院さんポジ(メタ発言とか的な意味で)なのであまり出ないと思いますが。

では!また明日とか!

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