これくらいの更新スピードで頑張れるよう努力します!
ではどうぞ!
ラウラ Side
ふむ。
「やはり水着は何か購入した方がよさそうだ」
嫁の分を選ぶ際も全力だった。
何故かと問えば、
「せっかく一緒に泳ぐんだし綺麗だ~とか可愛いね?とか言われたいと思わない?」
と鈴(ライバルなのだから名前でいいといわれた)に言われた。
どうやら学校指定の水着ではいけないらしい。
教官に聞いてみようかと考えたが同時に迷惑をかける訳には……という考えが浮かぶ。
ふむ、せっかくだ。
部下を使おう。
そう思った私はすぐさま専用の通信機で連絡を取った。
『はい』
「ふむクラリッサか?」
『はい。どのようなご用件で?』
……ふと思ったのだがこういう私的な事で軍に連絡してもよいのだろうか?
普通は何か異常があれば頼る程度だと思っていたが。
「少し聞きたい事ができた」
『聞きたい事……隊長の思い人の事でしょうか?』
どうやらこちらの目的は簡単に分かるらしい。
なら話が早い。
「今度学校行事で出る事になってな……その際に水着が必要なようで私はこのまま学校指定の水着で行こうと思っていたのだが…」
どうやら駄目みたいだからな。
『確かに駄目ですね。無礼を承知で言わせてもらっても?』
「構わん、今は軍人としてではなく1人の人間として助言を求めている」
『では……私が言う水着を探してもらっても!構わないですね!』
「あ、ああ」
何故急にテンションをあげているのだろうか……。
『ではまずはそうですね……黒色のビキニなんてどうでしょう!きっと静さんをイチコロにできますよ!』
「い、いちころ?いや、倒してしまっては拙いのだが」
体調も優れんようだしな。
『そういう訳ではありません!要は静さんに異性として意識してもらうためのものです!』
「異性として?」
『そうです!』
異性として……か。
ふむ、確かに興味深いが、
「私は急いではいないぞ?」
『どうしてです?』
「嫁がどう思っていても私のこの気持ちに嘘偽りは欠片もない。好きだから好きだと言うし嫁が誰かを好きになれば祝福しよう」
『それで隊長は満足するんですか?』
「満足するかどうかではない。嫁が幸せかどうかだ……私は嫁が幸せでなければ認めん!」
『隊長……』
あちらで悲鳴?が聞こえたが……気のせいだろう。
というより少し気恥ずかしいな。
『分かりました!ですが隊長も1人の女性です!私達も全力で隊長が結ばれるよう協力します!』
「ふむ、ならばよろしく頼む」
その後はクラリッサの指示に従い水着を選んだ。
◆
「ねぇ」
「なんだ」
静がシャルルと一緒にいる間にさっさと水着を決めようと箒と一緒に選んでたんだけど。
少し疑問に思ったから聞いてみよう。
「何でアンタは静の事好きになったのよ」
「……昔話は好きではない」
「ふぅん……まぁアンタが言わないならあたしも言わないわよ」
思い出は思い出でしかないものね。
そういえば、
「アンタは静がああなったのに気付けなかったの?あたしも気付けなかったから人のこと言えないけど」
「……静は偽るのが得意だ。普通に見ていても注意深く見ていても気付かせてはくれない」
そうよね~あたしも一夏も千冬さんですら気付けなかったんだから仕方ないわよね。
「はぁ……厄介な奴を好きになったわねぇお互い」
「しかし後悔はしていないだろうに」
「そうね。まぁあの性格というか死にたがりというか……を何とかしないといけないのは大変だけどね」
「そうだな」
まぁ一夏も千冬さんも頑張ってるんだし、何とかしないとね。
「あら?」
「ん?」
話していると横から驚愕したような声が聞こえた。
そこに顔を向けると、
「命さん」
「お久しね~貴女達がいるってことは静もいるのかしら?」
周防 命さんがいた。
命さんは家族のいなくなった静の唯一の家族であり、静を延命する事のできる唯一の人でもある。
最近まったく会った事のなかった人がいる事に違和感を覚える。
「命さんは何故ここに?」
「箒ちゃん?いくら私でも買い物ぐらいするわよ?」
「いえ、そういう訳ではなく」
「分かってるわよ。目的はコレ」
そういいながら袋から出されたのは……複数の薬だった。
薬?
「命さん何処か悪かったっけ?」
「これは静の分よ……といってもこれから配分調整しつつ配合するんだけど」
「これ全部が!?」
複数って言ったけれど実際はその言葉じゃ足りないほど。
具体的に言うなら、確実に全部飲んでしまえば致死量になるほどの量。
なんせ薬は過ぎれば毒になるって言うし。
「まぁ配合すればこの半分以下だけどね?静の延命にはそれだけいるって事よ」
箒と一緒に唖然としてしまった。
あたしは甘く考えていたのかもしれない。
静が死ぬといわれて何処か現実逃避していたのかもしれない。
でもアレを見てしまっては駄目。
言い逃れも現実逃避も駄目。
「最近静に会ったんだけどね?あの子凄く楽しそうだったの……凄く嬉しかった」
それも貴女達のおかげね……という一言を聞くとあたし達がいる意味があると思える。
「貴女達に任せていいかしら?こんな無責任な事はいいたくはないのだけれど」
「「任せてください」」
任せて欲しい。
その一言が全てであって、それ以上でもそれ以下でもない。
だって静を愛してるのだから護るのも護られるのも支えるのも支えられるのも決して否定しないし受け入れる。
静がどんなに拒絶してもあたし達はこの気持ちを変えない。
変えてやるもんですか。
「いい顔するわね……やっぱり恋すると変わるのね~」
「命さんはしないんですか?」
「私?ん~どうだろうね?もしかしたら貴女達のライバルかもよ?」
「本当ですか?」
「さぁどうでしょう?それでもいいのかしら?
「「望む所(です)」」
「……ふぅん」
命さんが静を好きなら別にそれでも構わない。
だって別に恋するのもしないのも本人の自由だもの。
誰にもそれは左右されない。
だからあたしから言えるのは、
「負けないわよ?命さん」
「ふふ……ええ。でも静もいい子達に恵まれたわ……本当によかった」
「私達で静を支えますし護ります……命さんもお願いします」
「ええ、当然よ。だって血がつながってなくても大事な弟だもの……何が何でも護り通すわよ」
こんなに思われてるのよ?静……。
だから勝手に死ぬなんて許さないわよ?
だってあたしも箒も命さんもラウラもシャルルも……貴方を護ると誓ってるんだから。
「あ、確か水着選んでるんだったわね?」
「ええ」
「なら一緒に選びましょ!私も必要だったのよ~」
その後は一緒に水着を選ぶのに時間を費やした。
◆
あの後の事を語ろう。
といっても命姉さんが合流、その後千冬姉さんと山田先生とも何故か合流。
さらにその後は家族水入らずにしてあげたり一緒に水着を選んだり着せ替え人形にされたり。
まぁ後半は気にしない方向で進んでくれるとありがたいね。
でも悪くは無いよ。
だってそうやってふざけあえるのだって平和だからだからね。
非日常しかなければこんなありふれた日常風景なんて夢の又夢だからね。
僕としてはこのまま平和に過ごせたらどれかけいいか……でもまぁ一夏もいるし僕もいるんだ。
間違いなく平和に過ごせるはずがない。
だって僕と一夏は世界にとってのイレギュラーだ。
きっとイレギュラーは排除しようとする存在だってでてくる。
今まで行動に移されてないだけで。
だからこそやっぱり油断は出来ないわけで。
次の臨海学校は絶対にトラブルがあるだろうね。
決してTo Loveるじゃないからね?
そんなラッキースケベは一夏だけで充分だから。
……まぁどうなろうと僕がする事に変わりはない。
ただただこの命使い果たすまで一夏達を守り抜くだけだ。
だってそのために僕は生きているのだから。
でもまぁこのままではいけない事も理解しているから、僕も変わらなきゃいけないんだろうね。
鈴が、箒ちゃんが、シャルちゃんが、ラウラちゃんが、一夏が、千冬姉さんが、命姉さんが、束姉さんがいる限り僕は黙って死ぬ訳にはいかない。
いや、まだいるのだけれど僕は少なくともただでやられる訳にはいかない。
精一杯足掻いてみせるさ……そのための気羅でそのための森羅万象。
命を削るのはもうやめられないけれど、残り少ないこの命を皆のために使おう。
それこそが僕の本当の願いなのだから。
決して理想だなんていわせない。
理想は決して届かないから理想だ。
けどコレは……コレだけは届かないでは終わらせたくない。
だからこそ理想ではなく想い。
さぁ始めよう。
決して後悔はしないために。
歩みを止めるのはいつだって出来る。
本当にしなきゃいけないのは前に進む事なのだから……。
クレス様、佐天様感想感謝です。
次回から臨海学校に向かいます。
といっても臨海学校終わるのに何話いるのか今からドキドキしてます。
(主にgdgdになりそうな意味で)
で、でも頑張っていきますのでどうぞ宜しくお願いします!
完結予定は原作8巻以降ですので……ちゃんと楯無姉妹は出ますのでご安心を。
では!また次回!