全てを否定せし少年の軌跡(半凍結)   作:龍賀

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文章が長くなりそうなので前編後編に分けます。
感想返しもまとめて番外編にてしますのでどうぞ!


第25話 しばしの休息(ただし静には無い模様)前編

 

 

「災難だったね」

 

千冬姉さんからの出席簿による攻撃を受けた後、すぐに授業は始まり今は昼休み。

シャルちゃんの言うとおり確かに災難だったけれどある意味自業自得だから仕方ないと思う。

 

「そういえば今日はシャルちゃんが他の部屋に移動だっけ」

「うん。さすがに男女同室だと問題あるんじゃないかって」

 

箒ちゃんと僕で結構長い間同室だったよね?

あれは大丈夫だったのかな?

まぁ変更には意義はないけど……なるべく誰か知り合いと同室がいいなぁ。

でもまぁ何故か一夏と同室にならない辺り作為を感じるけどね。

 

何で男同士にしないんだろうね?そのほうが問題起こる可能性を零にできるのに。

 

「いやいや、静と一夏を同じ部屋にしたら問題起きるよ?」

「え?」

「寧ろ一夏が起こすな」

「いやいや!?起こさねぇよ!?」

 

そうだよね。

起きないよね?

 

「ぐ……あ、ああ」

「なんで間が空いたのかなァ?一夏くゥン?」

「鈴?!何かチンピラみたいだぞお前!?」

 

もしくはどこかの一方さんみたいだね。

というよりこの容姿は好き好んでなった訳じゃないんだけど。

本来はもう少し男と分かる容姿だったはずだしね。

 

まぁこの力が原因でもあるから仕方ないと言えば仕方ないんだけど。

 

「というよりも何で静と俺が一緒じゃないんだろうな?」

「いや、さっきの態度でそれを言うのはどうかと思うわよ?さすがのあたしでも引くわ~」

「いやいや!?冗談だからな?さすがに問題になる事は起さないぞ?」

 

まぁ一夏なら問題ない……よね?

さすがに同性愛者じゃないだろうし。

いや別に同性愛者を否定する訳じゃないけどね?恋愛って自由だし。

まぁ僕にそういう感情はないからアレだけど。

 

「そういえば」

「む?」

「さりげなくこの娘が混ざってるのは何でかしら」

 

この娘というのはラウラ・ボーデヴィッヒちゃんの事?

 

「そうよ」

「ん~知らない」

「知らんな」

「え?」

「何で知らないの?普通は知ってるでしょ……というより張本人が何で知らないのよ!」

「知らないものは知らないとしか答えようがないだろう……あ、嫁よ、その卵焼きをもらっても?」

「嫁は止めて欲しいなぁ……はい、その代わりそっちの揚げもらうね」

 

僕の卵焼きとラウラ(そう呼べって言われた)のうどんに入ってた揚げを交換する。

 

「ふむ……やはり嫁の卵焼きは絶品だな、想像通りだ」

「想像って……何それ怖い」

 

まぁ確かに想像できるのは凄いと思うけどそれはいいすぎじゃないかな?

 

「はぁ……で?もういい訳?」

「何がだ――とは言わん、すまなかったな。いくら不安定だったとはいえあのような仕打ちをしてはいい理由にはならん」

「……ほんと、この短い間にアンタに何があったのやら」

「そうですわね、はっきり言って別人過ぎますわ」

 

まぁあの急にキスしてきたり、さりげなく会話に混ざったりするのは以前では考えられない行動だよね。

僕も吃驚してるし。

 

「静の場合はその驚愕してる表情が分かり辛いんだけどね」

「確かに」

 

全員で納得しないでも……。

 

「そういえば」

「どうかした?シャルちゃん」

「もう少ししたら臨海学校じゃなかったっけ」

「そうだけど」

「その……僕急にこっちに来ることになったから水着とか持ってきてなくて……買わなきゃいけないんだけどよかったら静も一緒に来てくれないかな?」

 

なるほど、確かに急だったのなら仕方ないね。

僕も水着は用意しないと千冬姉さんや束姉さんに任せると女物になるし。

サイズも一応去年のやつだと合わないと思うし。

 

「いいよ、僕も水着は必要だったし」

「ほんと!?」

「う、うん」

 

何でそんなにテンションあがってるの?

僕といてもそんなに楽しくはないと思うけど。

 

「楽しいか楽しくないかは僕が決める事だから気にしない気にしない」

 

それもそうだね。

 

「じゃあ今度の日曜日」

「ん」

「待て」

「ん?」

「自分だけ先に約束するとは中々卑怯な事をする」

「そんなつもりはなかったんだけど……(いや、確かに2人っきりを望んでなかったと言えば嘘になるけどさ)」

「なら私がついていってもいいな?」

「「私も(あたしも)いいな?(いいわよね?)」」

「う、うん」

 

わー大人数だね。

まぁそれはそれで楽しいのかな?

騒がしすぎるのは苦手だけど適度なら全然問題ないし。

 

「……(本当、ままならないなぁ)」

 

どうしてだろうか……シャルちゃんが少し落ち込んでる気がする。

 

まぁ僕にはどうしようもないのだけれど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気がついたら約束の日。

まぁ冗談抜きで何もなかったから仕方ないよね。

まぁこのまま平和で終わればいいのだけれどそれは多分無理だろうねぇ。

 

だって何故か全員いるんだもの。

 

「アレー?ナンデ皆イルノカナー?」

「抜け駆けするなんて酷いわー傷付いたわー思わず龍砲叩き込みそうだわー」

「ふむ……今日の木刀は血に飢えている」

「嫁と一緒にいたいと思ったのなら!すでに行動は終えている!」

 

何処かの兄貴のような一言を放ちつつJ○J○立ちしてるラウラはスルーして、他の2人も物騒なのはどうしてなのさ。

そもそもこっそり行こうってシャルちゃんが言って、その後そのまま行ったらまるで予定調和のように皆が予定の場所にいたんだもの。

仕方ないね。

 

あ、勿論一夏とセシリアさんはいるよ?

さすがに仲間外れはどうかと思うんだ。

 

「その優しさが残酷だと思える俺はもう駄目かもしれんね」

「いいえ、残念ながら残酷だとしか思えませんわ」

 

酷いなーなんでそう思ったのかな?

僕はただ君達にもこの状況を……うん。

 

「最後まで言えよ!?怖いだろ!」

「やだなーキノセイダヨ?」

「絶対悪意しかないだろ……ソレ」

 

一夏が落ち込んでるのは放置して。

今はとりあえず早く買い物に行きたいから、

 

「皆静かにしないと……ネ?」

「「「「イェッサー!!」」」」

 

これでよし。

 

「最近静さんはいろんな意味でアレな方だと理解できた気がしますわ」

「これでもまだマシな方なんだよなぁ」

「!?」

 

そこ、2人で夫婦漫才しない。

 

「夫婦!?」

「あ、反応するとこやっぱりそこ?」

 

一夏はぼうっとしてるのでさらに放置。

 

「じゃあ早く行くよ~時間は有限なんだから大事にしないと」

「「「「はーい」」」」

「……子供の遠足?」

「ですわね」

 

 

こうして僕達の買い物が始まった。

……まぁ別に壮大な冒険が始まる訳でもないので簡単に行くけどさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

「これなんて静に似合いそうじゃない?」

「そうだな……だがこっちもなかなかだぞ」

「あ、あはは……」

「ふむ、こういうものもあるのか」

 

 

いろんな所を回り、やっと水着のコーナーにきたんだけど、

何故か僕の水着は女物を選び始め、盛り上がる女子(セシリアさんを除く)

気がついたら僕に何を着せるか勝負するように……何故に?

 

「愛ゆえに!」

「どうかしましたか?一夏さん」

「いや……急に電波が」

「電波?」

 

電波なんて受信しなくていいよ一夏。

というより一夏がどうにかしてくれると思って呼んだのに……ハァ。

 

(スマン無理)

 

というアイコンタクトがきたからなおさら……ねぇ?

仕方ない。

一夏を弄って遊ぼう。

 

「セシリアさん」

「?」

「一夏が「お前の着る水着を俺が選びたいから一緒に来てくれ」だってさ」

「な、なん……ですって?」

「静!?俺の声真似しなくてもいいだろ!?というかなんだその一言!?」

 

一夏の声で「ここから出て行け!」とか「人間のみが神を持つ」とか言ってみようかな?

きっと怒られるね。

 

「一夏さん!ぜひ行きましょう!すぐ行きましょう!ハリーハリーハリー!」

「何処の吸血鬼だ!?お、落ち着けセシリア!話せば分かる!だから離せぇえええええええ」

 

ドナドナのBGMが流れそうなほど一夏が連れて行かれる姿は悲壮感というか焦燥感というか……とにかく何かが感じられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「し、静?」

「どうしたの?シャルちゃん」

 

あの後とりあえず男物選べとお願い(という名の脅迫)をしたので何とか女物を回避して数十分。

すでに僕のは選び終わり(普通の無地のトランクスタイプ+パーカー(これだけは譲れないと言われた))後は彼女達だけ。

そうなっては暇なのでぼうっとしてたらシャルちゃんに話しかけられた。

 

「えっと……水着を選んで欲しいなぁって思って」

「僕にセンスはないよ?」

「一応2つまでには絞ってるから!ね?いいでしょ?」

 

確かに今シャルちゃんがもっているのはオレンジ色の水着と黒の水着。

2つに絞られているのなら確かに僕でも大丈夫だけれど。

 

「まぁいいよ。僕でよければ」

「静だからいいんだよ?他の人にはこんな事言わないよ」

 

最後の方の台詞はもっとアレだよ?

いい人に言うべきだと思うなぁ。

僕はもう長くないんだし……まぁ僕が臆病なだけかもしれないけどさ。

 

「ん~じゃあそのオレンジかな」

「どうして?」

「シャルちゃんにはオレンジが似合うと思って……」

 

うん、僕の勝手なイメージだけれども。

 

「じゃ、じゃあ着てみるね!」

「え?」

 

どうして?という一言が僕の口から出る前に、シャルちゃんに試着室に連行された。

いや……なんで?

 

「シャルちゃん?」

「しっ!あの3人が他のところを見てる今しかこういうことできないから……」

「ん?ん~ととりあえず着替えたいなら僕出るから着替えてから見せて」

「う、うん」

 

僕の一言にそう返したシャルちゃんは着替えようとしてたので急いで僕は試着室から出た。

残念そうな顔が凄い印象的だけど仕方ないよ。

いくら女みたいな容姿になってても僕は男なんだから。

 

 

「どうかした?」

「ん、大丈夫だよ」

 

僕が思考しているともう選び終えたのか、鈴と箒ちゃんが来た。

 

「少し体調が優れないのではないか?無理はするな」

「大丈夫だよ、少し考えてただけ」

「何をよ?」

「色々」

 

本当色々考えてるわね~と鈴にいわれ、

箒ちゃんにはあまり考えすぎもよくはないぞ、と注意される。

 

まぁ思考するのは悪くもないのだけれど。

思考しすぎはさすがにね。

 

「全員戻ってきてる!?」

「「ん?」」

「あ」

 

そうこうしてる間にシャルちゃんは着替え終わったようでそのまま出てきたんだけれど。

タイミングばっちりだね(悪い意味で)

 

「どういうことカナ~?シャルルちゃ~ん」

「い、いや……あの」

「抜け駆けは許さんと言ったはずだが……そうか、そんなにこの刀の錆になりたいか」

「し、静~」

「ざんねん シャルちゃんのぼうけんは ここでおわってしまった」

「静!?」

「何をしている?」

「あ、ラウラ」

 

考え事をしたり遊んでいたりしていたらラウラちゃんが来た。

まぁそりゃ結構時間かかってるもんね。

 

「ふむ、そういえば嫁よ」

「ん?」

 

嫁という言葉にツッコミ?疲れたからもう諦めた。

まぁ好意というものは凄くうれしいものだからいいのだけれど。

好意のある行為……なんでもない。

 

「水着を選ぶ場合どのような水着を選ぶ?」

「え?何で僕?普通女の子に聞かないかな?」

 

だって着る水着の種類がすでに違うし。

 

「いや、参考までにだ……一応箒やシャル、鈴にもすでに聞いているから後は嫁だけだ」

 

な、なるほど……じゃあ一応、

 

「シンプルな水着かなぁ……シンプルな方が映える時ってあると思う」

「ふむ……参考になった、ではもう一度探してくる」

 

そういいながらラウラちゃんは探しにいった。

……アレ?鈴や箒ちゃんがおとなしいと思ったらすでにいない?

どういうことなの?

 

「二人なら水着選びにいったよ?」

「え?もう選び終わってた気がするんだけど……」

「まぁまぁ。女の子には色々あるんだよ」

 

そうなのか~まぁ仕方ないね。

 

 

 

 

その後も色々とゴタゴタがあったけれど、それは日記としてコレ以上続けば違和感あるから

また次回。

まぁこの日記を読んでる人からすればまたか…とか思うかもしれないけれど、僕の物語はまだまだ続くよ。

じゃあね。

といってもすぐに出会う……いや、すぐに読んでもらえるからいいか。

じゃあまた次回?かな。


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