……まぁ次の話に続くためにはこの長さじゃないと駄目だっただけなんですけどね。
では!どうぞ!
……この物語は静が主人公デスヨ?(本文を見ながら)
ボーデヴィッヒさんと喧嘩?になって次の日。
シャルル君と同じ部屋だと分かり、そのまま話したりして親睦を深めてただけなのでそのままカットで。
まぁ今日は平穏……いや、この言葉そのものがフラグになりかねないから言わないでおこう。
……もう遅い気がしないでもないけどさ。
「どうしたの?静」
「ん?何でもないよシャルル君」
「呼び捨てでいいんだけどな~」
「頑張ってはみるけど……期待はしないでね」
「うん」
何でこうもシャルル君は構ってくるのでしょうか。
いや、友達が出来るのは嬉しいよ?
でも何で……話す時にはこうも距離が近いのだろうか。
しかも妙に……スキンシップが。
「シャルル君?」
「何?」
「どうしてこうも近いのかな?」
「え?友達ってこうやって交流深めるものなんでしょ?」
え?何それ怖い。
というか確実に教えたの後ろのほうで息を荒くしている女子だよね?
「シャルル君×静君……ハヤル!」とか言ってるから確実にあの子だよね?
はぁ……まぁ実害はないからいいか。
「とりあえず一旦離れて……少し恥ずかしいから」
「ん」
まぁどうやら故意ではないようで、すぐにシャルル君は離れてくれた。
でも何で少し残念そうなのかな?
いや……深く考えないようにしよう、そうしよう。
「お前達は何をやっている」
「あ、先生」
「普通に会話してました」
「周りが五月蝿いのはお前達が原因だと思ったのだが?」
「そんな馬鹿な」
でも周りみたら……否定できない。
しかも何で一夏まで混ざってるの?
何で涙目になりながら「静もやっと俺と弾以外の男友達を…」って言ってるの?
君は僕のお父さんか何かかな?
というより後で少し特訓だね。
フフフ……少しばかり痛い目に遭うかもしれないけど僕は悪くない。
「はぁ……さっさと授業の準備をしろ、いつまでもここにいるようならグラウンドを50周させるからな」
という訳で全員(ほぼ1組の人全員……皆暇なんだね)で教室に向かった。
◆
現在放課後。
え?時間の進みが速い?
って言われてもねぇ……僕にとっては普通に過ごしただけだからね。
「誰に言ってんの?静」
「ん?さぁ?」
「えぇ……」
思わず鈴に心配されるレベルで僕は今日も元気です。
「心配されてる時点で元気もあったもんじゃないでしょうに」
「いや~まぁ仕方ないんじゃない?」
「というよりボーデヴィッヒだっけ?珍しいわね、あんなに嫌悪感丸出しで会話するなんて」
小学校以来じゃない?と聞かれ確かに、と思う。
自分で言うのも何だけど、僕は基本人物を嫌わない。
まぁ正しくは基本無関心だから嫌う事すらしない……が正しい。
でも……あの子だけは駄目だ。
何が、と言われれば何故だろうね?としかいえないのだけれど。
嫌悪感が抜けない……過去の自分を見ているようなだけで嫌悪感を感じる程じゃないはずだし。
「まぁ理由は深く聞かないけど……アンタ基本悩みとか抱えるだけ抱えて自分で解決しようとするんだから、偶にはあたし達にも頼んなさいよ?」
「うん、ありがと」
「じゃあちょっと練習あるからアリーナ行って来るわね」
「ん、じゃあ後で向かうね、一夏と一緒に」
「ええ、あたしがどれくらい強いか思い知らせてあげるわ!」
「フフ、楽しみにしとくよ」
鈴はその後すぐにアリーナに向かった。
この時僕が一緒に向かっていれば結果は変わっていたのだろうけど……それに気付ける程
◆
「はぁ…まぁ静らしいっちゃらしいわよね」
あの様子じゃあ確実に気付いていて尚目を逸らしてる……ってところかしら。
まぁ静は自分の気持ちにすら時には無関心になるから仕方ないのかもね。
でもこのままじゃ駄目ね……確実に静は壊れちゃう。
「そうさせないためにも頑張らないと」
あたしは心に決めたんだ。
たとえ静が望んでいなくても、死にたがっていても、あたしの我侭だとしても生き残らせてみせるって。
支えてみせるって。
それがきっと好きになるって事だから。
あたしは静が幸せで、周りに笑顔を振り撒き続ける事が出来ればそれでいい。
その笑顔を向けてくれる対象にあたしがいれば万々歳だけど……今は無理ね。
でもきっと振り向かせてみせる。
何故なら……、
「静があたしの生きる希望であり愛している存在だから」
「あら?鈴さんじゃありません?」
「セ、セシリア!?いつの間に」
まさか全部聞かれてたなんて事!?
聞いてたら記憶を失うまで殴るのを厭わないわ。
「先程です、こちらに鈴さんが見えましたのでご一緒に模擬戦でも…と」
「へぇ?じゃあさっそくやる?まぁ勝つのはあたしだけど」
ホッ、聞いてなかったのね。
いやというよりいつの間に到着してたのよ……。
いや、考え事しすぎと言われれば確かにとしか答えようがないけども。
でもセシリアってこんなに好戦的だったかしら?
いくら一夏が強くなってきたからって……いや、あたしも焦ってはいるわよ?
でも焦っても良い結果なんて出る訳ないからゆっくりと、けど確実に強くなれるよう努力するわよ。
「まぁ……その自信がどこから来るかは予想がつきますが、私も負けるつもりは御座いませんわよ?」
「上等、あたしには目指す目標があるの……少なくとも追いつくまでは負けるつもりはないわ」
「あら奇遇ですわね……私にもありましてよ!ッ!?」
「誰?」
今すぐにでも始めれそうという時に横槍が入る。
まったく……誰よ、空気の読めない奴は……って、
「ラウラ……ボーデヴィッヒ」
「ブルーティアーズに甲龍か、データで見た方がまだ強く思えるな」
「何?喧嘩でもしたいの?それなら買うけど?」
「鈴さん、相手は現軍人、きっと常識等が欠如してるのでしょう」
いや、静から聞いた通りならセシリアも人の事言えないわよね?
料理しかり最初の静達への対応しかり。
「フン、丁度良い……私と戦え」
「へぇ……セシリアどうする?あたしはどっちからでもいいけど」
「私もどちらでも」
「どっちが来ても変わらん、何なら同時に掛かって来い」
あぁ~静が嫌うのも分かるわ。
確実に自分しか信じてない顔だもの。
自分の信じたモノ=絶対と信じて疑わない存在。
そりゃ嫌うわ。
「鈴さん?」
「ん?あぁ、セシリア……希望通り同時に行きましょ、そしてアイツをボコボコにしてやりましょ」
「そうですわね」
「フン、下らん種馬共を奪いあってる貴様らに私が負けるはずないだろう」
へぇ?下らない種馬共ねぇ?
この子は敵を作らないと気が済まないの?
それだと冗談抜きで哀れなんだけど。
「そのアンタが言ってる奴に負けてたじゃない、アンタ」
「うるさい!最初から私が全力で戦えば勝てていた!」
「軍人としてそれはどうかと思うわよ?戦場でもそんな言い訳するつもり?」
まぁ静の言ってた言葉をそのまま言ってるだけだけど。
「死に損ないに二度も負けるものか!あのような教官に泥を塗る事しか出来ない存在などに!」
「……今何て言った?」
「鈴さん?」
千冬さんに泥を塗る事しか出来ない存在?
本気で言ってるんでしょうね?
「教官に迷惑をかける事しか出来ん存在などに二度も負けるかと言ったんだ!」
「覚悟は出来てるわよね?」
その言葉を聴いてあたしの中にある何かがキレた。
あぁ……これが憎悪、憎しみなんだろうなぁと他人事のように考える。
ええ、思考は鈍らない。
思考を鈍らせてはこの想いは表せない。
表面上は落ち着かせて、内面で感情を爆発させる。
「セシリア、手伝いなさい……アイツだけは許さないわ」
「……最初から許すつもりはありませんもの、私達だけへの侮辱ならば許しましたが……あの方達への侮辱だけは許しません!」
「ええ、アイツは静を馬鹿にした所か否定した……それだけは許せない」
否定される事の辛さ、静がどれだけ苦しみながら生きているか……全て分からせてあげるまで叩きのめす!
◆
「周防君!織斑君!大変大変!!」
「どうしたの?」
一夏と合流してそのまま鈴のいるアリーナに向かおうとしていると、クラスメイトの子(まだ名前を把握しきれていない)が顔を真っ青にしながらこちらに向かってきた。
「凰さんとオルコットさんが!ボーデヴィッヒさんと争いになって……」
「何!?静!!」
「うん、急ごう」
嫌な予感が当たるとはね……当たって欲しくない予感ばかり当たる。
頼むから……無事でいて。
そう思いながら僕と一夏は礼を言いつつ急いで鈴とセシリアさんのいるアリーナに向かった。
不安を募らせながら。
◆
「はぁああああああああ!」
「甘い!」
「甘いのはそちらでしてよ!」
あたしとセシリアがラウラ・ボーデヴィッヒと戦い始めておそらく5分以上は経っていた。
あたしが近接をすればワイヤーで潰され、セシリアが援護をしようとすれば上手く誘導してあたしを壁にする。
自信を持つだけあってかなり強い。
事実、あたしとセシリアはもうボロボロ。
シールドエネルギーもほぼ尽きてて勝利なんて絶望的。
でもね、
「たとえどんなに絶望的でも諦める理由にはならないのよ!」
「そうですわ!例え絶望的でも諦めない!心が折れない限り戦い続ける!それを一夏さんと静さんから教わりました!」
「くぅううううう!?雑魚の分際でぇえええええ!」
「たとえ今弱くても!強くなればいい!限界なんて超えてやるわよ!静のためなら!」
「貴女が否定している弱さ、それは弱さと同時に強さにもなるんですのよ!」
あたしの攻撃を捌いている隙にセシリアがBT兵器を操作し攻撃する。
その後あたしが衝撃砲で追撃し、追加でセシリアが零距離で射撃する。
「これで何とか……なった?」
「さぁ?でも少なくとも無傷ではありませんわ」
「というより無茶しすぎよ……傷でも残ったらどうするの?」
「その時は一夏さんに貰ってもらいますわ」
「フフ、それ言ったら一夏慌てるわよ?」
「そうですわ…ね?」
ドンッ。
重い攻撃の音がセシリアの背後から響く。
背後にいたのは当然……ラウラ・ボーデヴィッヒだった。
「くっ!?」
「……確かに私は貴様らを甘く見ていたようだ、しかしそれでもこれで私の勝ちだ」
ある程度のダメージがあるのは見受けられるけど……どれも中破すら行かないダメージだった。
奴が何かを言ったような気がするけどそれは聞こえなかった。
何故なら……悔しかったから。
静を、好きな男を馬鹿にされて何も出来ず負ける……これほど悔しいと思ったのは初めてだった。
「ごめんね静……」
奴の攻撃を受けてエネルギーは零。
おそらく相手はその程度で攻撃をやめたりはしない。
きっとこのまま死ぬんだろうなぁと何処か他人事のように考える。
“あぁ……この気持ち、しっかり伝えたかったなぁ”
そう想いながらあたしは意識をなくした。
……最後に愛しい人の声が聞こえた気がした。
◆
「なんだよ……コレ」
「……」
向かった先で見たモノは一方的な虐殺。
少しボロボロになっている所を見ると接戦はしていたんだろう。
けどそんな事はどうでもいい。
「一夏……僕がバリアを斬るからセシリアさんと鈴を保健室に」
「静?」
「いいよね?」
「あ、あぁ」
取り出す武器は近接ブレードである独奏曲。
単一能力である『森羅万象』を起動。
対象『零落百夜』
すぐさま独奏曲が形を変える。
これでバリアは壊せる。
「後悔させてあげるよ……いや否定してやる、全部!」
上に構え、一気に振り下ろす。
まるで何もないかのような抵抗のなさでバリアが砕ける。
これで教員が来るだろうけど……それまでに終わらせる。
――単一能力『森羅万象』変異
――単一能力『万象滅殺』起動
―――対象の殲滅を開始します。
龍雅0118様、佐天様、感想感謝です。
感想でご指摘があったのでこの先のネタバレにならない程度に補足しておきます。
気羅の影響を森羅万象で消せないのか?という質問についてですが、
名称と能力の一部は『隠の王』という作品を元にしております。
確かに、隠の王そのままの能力でしたら可能です。
ですがあくまで名称を基にしているだけ…とは言い辛いのですが、少し変化しております。
気羅は殆んど同じです。最終的には干からびて死ぬという所まで共通点があります。
ですので今までの影響をなかった事には出来ないのです。
出来たとしてもしないのがうちの主人公ですが(汗)
一応名称を借りてますので最初は隠の王をタグに入れようかと思ったのですが、まったく同じという訳ではないので気羅と森羅万象、両方をタグに別々にいれております。
紛らわしいとは思いますが、ご了承下さい。
この先で差別化を図っていくつもりですので。
では!
また次回!