全てを否定せし少年の軌跡(半凍結)   作:龍賀

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今回大分遅れた上に大して進んでなくてすいません!

いやはや本当に難しい。

次の話はもう少し早く投稿する予定ですのでご勘弁を!


第13話 新たな苦悩

襲撃事件も終わり、事情聴取も終了。

何もする事がなくなって部屋でのんびり。

どうも静です。かなり疲労が溜まってる気がします。

 

「というより誰に言ってるんだろ」

 

まぁいいや。

って、そういえば今日の午前中に箒ちゃんに説教された後に「後で話がある」って言われてたんだった。

まぁ箒ちゃんには説教し返したけど。

一夏は妙に優しかったけど……なんでだろ?

 

「約束の時間まで少しあるなぁ…どうしよ」

 

散歩してもいいんだけど今外に出ると厄介事に巻き込まれる気がする。

待機でいいか。

 

「ISの調整もしとこ」

 

鎮魂歌は結構扱いが難しいからね。

武装も大分増やせるみたいだし……よし、双銃を使おう。

名前は「イタクァ」と「クトゥグァ」で。

冗談だけど。

名称は…いいのが思いつけなかったら本気で決定になりそうだ。

後は概念武装だね。

盾だけじゃああまりにも心細い。

 

「ここは剣かなぁ…概念は「選択」」

 

これでやりすぎないように調整できるはずだし。

あ、選択で思い出した。

 

「命姉さんに薬もらわないと……」

 

もうそろそろ切れてきたんだよねぇ。

そういえば今度の休日弾の所に一夏と行く約束してたっけ。

その日でいいか。

メールで送信したら多分反応してくれるでしょ。

しなかったら……どうしよ。

いや…きっちり反応してくれるはず、まぁ…後で電話しよ。一応ね。

 

「静、いるか?」

「箒ちゃん?」

 

どうやら結構長考してたみたいで気が付いたら約束の時間でした。

 

「入るぞ」

「いや、箒ちゃんの部屋でもあるんだから普通に入ればいいじゃん」

「……静が着替えてたらどうする」

「え?いや、僕の着替え見てもどうともならないでしょ」

「一夏なら間違いなく襲うぞ?」

「そんな馬鹿な」

 

でも随分前に束姉さんと命姉さんの共同で作った碌でもない薬を飲んだ時一夏僕を襲おうとしてたんだっけ?

ベッドに倒された時はどうしたんだろ?って思ったけど。

なら可能性は…あるのかな?

あるならちょっと付き合いを考えないといけなくなるんだけど。

 

「コホン、まぁいい……さ、さっそくだが」

「うん」

「少し先だがトーナメントがあるのは知っているな?」

 

確かクラス対抗じゃなくて全体で戦うやつだったかな?

まぁ代表以外も戦う時点で大分アレだけどね。

 

「そうだ、そのトーナメントで私が優勝したらだな…」

「したら?」

「その…だな…」

 

うわぁ…人ってここまで真っ赤になれるもんなんだね。

久々に見た気がする。

 

「私と!「すいませ~ん、周防君と篠ノ之さんはいますか~?」……」

 

うわぁ、タイミング悪!

正直後数分遅れてるか先に来てたら一切問題なかったのに。

 

「え、えっと?」

「何でもありません、用件はなんですか?山田先生」

「えっと……私何かしました?」

「いえいえ、何もありませんよ…で用件は?」

 

凄くワタワタしてるのを見て和むのはいいけど先に進まなさそうだからとりあえず落ち着かせよう。

 

「えっとですね…お引越しです!」

「は?」

「あの先生、主語が抜けてて意味が」

「あ、えっと、篠ノ之さんがお引越しです」

 

普通僕じゃなかろうか……一夏と同室になればそれで解決するんだし。

何か考えがあるんだろうか。

 

「それは今すぐですか?」

「はい、もう部屋の準備は出来てますので」

「あの先生」

「はい?」

「普通は僕が一夏…織斑君の所へ向かうんじゃないでしょうか?そうすれば早いと思うんですが」

「えっとですね、織斑君と周防君を同室にすると学園の女子生徒全員が同じ場所に固まる可能性があるんです」

 

まぁ唯一の男子だからね。

固まったらそりゃそこに向かうか。

数も多いし面倒事が多いだろうからある意味正解かな。

 

「それに織斑先生が別々になるように指示したんです」

「織斑先生が?」

 

何でまた。

 

「間違いがあってはいけない、だそうです」

 

間違いって……多分大丈夫でしょ。

一夏が同性愛に興味ない限り。

まぁいざとなればこう……グキッと。

 

「ぐ、グキ?」

「ええ、グキッと」

 

首を折る動作を見せたら見事に真っ青になった山田先生。

まぁ冗談ですよ?半分くらい。

 

「よ、よかったです……」

「えっと、山田先生、移動にも準備が必要なので部屋の鍵を渡していただけたら自分で向かいますが」

「そ、そうですか?それじゃあ任せます……あぁ、書類がまだ待ってるんですよね…」

 

あぁ…確か転校生が近々来るんだっけ?

千冬姉さんが愚痴ってたよ…「何度も転校生を学園に向かわせるとは…嫌がらせか」とか何とか。

でも先生全員ではないっぽいから今度は同じクラスなのかな?

 

「で、では~」

「はい、先生も頑張って下さいね」

「は、はい!」

 

どうやらやる気が出てくれたようでなにより。

さて、箒ちゃんの移動も手伝える限り手伝おうかな。

 

「手伝おうか?箒ちゃん」

「い、いや、大丈夫だ……それほど多い訳ではないからな」

「そう?」

「ああ(静の写真が大量にあるんだ……ばれる訳にはいかん)」

「じゃあ大変そうだったら手伝うね、これでも一応男なんだから手伝えるよ」

「そうだな、男の娘だな」

 

なんでだろう。急に箒ちゃんを殴りたくなったよ。

何でだろうね?

 

「そういえば言いたい事あったよね?今いえるの?」

「あ、ああ……えっとだな」

 

言おうとした事を思い出したみたいで顔を真っ赤にしている。

やっぱり言い辛い事なのかな?

でも言いたいって言ってたし……ねぇ?

 

「ふぅ……今度のトーナメントで優勝したら!」

「したら?」

「わ、私と付き合ってもらう!!」

 

付き合う?

ん~買い物か何かかな?

それとも……鈴と同じ感じなのかな?

よくわかんないからとりあえずは、

 

「うん、いいよ……頑張ってね?」

「ッ!?あ、あぁ!」

 

凄く喜んでる辺り後者なのかな?

まぁ……それもそのトーナメントが終われば分かるかな。

 

「じゃ、じゃあ準備をするから静は少し出ててくれ」

「ん……準備できたらメールか電話してね」

「ああ」

 

箒ちゃん凄く元気になったなぁ…過去が嘘みたいだ。

……時間どうやって潰そう。

 

グゥ……

 

ご飯食べに行こ。

 

 

 

 

 

「すいません」

「はいよ」

「この「一度食べると君もカレーシスターになれる!激ヤバカレー」を下さい」

「……アンタ一々危なそうなものばかり食べるねぇ」

「面白そうじゃないですか、興味が出たのなら食べてみるべきだと思うんです」

「あいよ、すぐに出来るよ」

 

にしてもネタ料理っていつでもあるもんだねぇ……あの激辛麻婆豆腐もまだメニューにあったよ。

というよりあのシスターって妹とか姉のシスター?いや、違うか。

普通は激旨カレーだと思うんだけど激ヤバカレーなんだね。

中毒性でもあるんだろうか。

凄く気になる。

 

「はいお待ち!」

「ん、ありがとうございます」

 

来たカレーは……見た目は凄く美味しそうなだけなんだけどなぁ。

 

「お、静はカレーか」

「あ、一夏」

 

生贄と書いて一夏と読みます。

 

「何でだ?今無性に逃げたくなった…」

「気のせいだよきっと」

「そうか?」

「うん」

 

きっとそうだよ。

 

「そういえば静、次の休み弾のとこ行く事になってたよな?確か」

「うん、時間は決めてるの?」

「一応昼前にはあっちに居る予定だからなぁ……まぁいつも通りの時間かな」

「そう、なら門で集合してから向かおうかな」

「そうだな、その方が面倒じゃないしな」

 

でも何で僕を誘う時の弾……あんなに鬼気迫る表情だったんだろう。

確か小声で「呼ばないと殺されるんだよ…」って言ってた気がする。

誰になんだろう…一応警戒しておくべきなのかな?

 

「ハハハ……」

「どうしたの?一夏」

「いや……静もあれだなぁと」

「あれ?」

 

どういう事か問い詰めるべきなのかな?

そうしなきゃいけないならO☆HA☆NA☆SHIだよ。

 

「ッ!?え、えっとだな……約束はそれくらいだったな!じゃ!」

「うぇ?」

 

あっという間に一夏は食堂を抜け逃走した。

折角毒見させ……カレーを食べさせてあげようとしたのになぁ。

弾は泣きながら食べてくれるよね。

まぁその後燃え尽きてるんだけどね。

 

「はぁ、もうそろそろ終わってるかな?」

 

箒ちゃんもそれほど荷物があった訳じゃないし……戻ろうかな。

 

 

あ、カレーはある意味大変おいしかったです。

 

 

 

 

 

「む?もう戻ってきたのか」

「うん、もう戻ってきたよ」

 

やっぱりそれほど荷物がないのか、箒ちゃんはすでに準備を終えてもう出る直前だった。

 

「ご飯はしっかり食べているのか?以前は無理やり食べさせた事があったくらいだからな」

「うん、今日はカレー食べたから大丈夫」

「そうか……健康でいるためにはしっかりとした食生活も必要だから気を付けなければな」

「そうだね」

 

健康か……何年前の話だろうね、僕が完全に健康体と言えたのは。

まぁ後悔はしてないからいいんだけど。

 

「静……そういえば静は1人で眠れるのか?」

「……多分大丈夫」

 

箒ちゃんが思い出したように言った一言は僕のある意味一番の不安要素(日常での)。

実は僕は1人で眠れないんだ。

いや、同じ布団じゃなくてもいいんだけどね?

せめて同じ部屋だったらそれで何とかなるし。

 

「もし寂しくなったら呼んでくれ、静の頼みなら断る必要なしだ」

「ありがとう……箒ちゃん」

 

箒ちゃんも優しいけどやっぱり皆優しいね。

僕には本当にもったいないや。

 

箒ちゃんは言いたい事は言い尽くしたのか、すぐさま自身の部屋に向かった。

これで僕はしばらく1人部屋かぁ……昔は憧れてた気がするけどなぁ。

アレがあった後からだっけ?僕が1人でいるのに恐怖を覚え始めたのは。

 

「まったくもって不思議……でもないか」

 

普通は家族という存在に支えられて生きるんだから当然か。

まぁその支えてくれる家族を消しちゃったのは僕自身だから因果応報といえばいいのかな。

僕自身この現状に不満がある訳でもないし、現状維持できるのならそれでいいし。

一夏も箒ちゃんも鈴もセシリアさんも千冬姉さんも束姉さんも命姉さんも。

皆が居てくれるなら僕は何もいらない。

ただ皆が僕の周りにいてくれるだけでいい。

だって、

 

「優しく接してもらっても僕には何もないから何も返せない」

 

僕自身本当に何も出来ないから。

僕からはその愛情、友情に何も返せない。

きっと一夏は「返してもらいたいから静と接してるんじゃない!」って否定するんだろうね。

いや……皆か。

そう理解しているのに残念ながら僕自身捻くれているのか分からないけど考えてしまう。

 

「皆大事だから……たとえこの身朽ち果てようとも…ってやつだね」

 

それで護れるなら安いものだよね。

 

『それで貴方の護りたいものは護れるかしらね?』

 

ッ!?今の声……何処かで聞いた事あるような気が……。

しかもさっきの声が聞こえた瞬間…僕の身体に少しばかり違和感を感じた。

 

『貴方自身がそれで良くても周りはどう思うかしら……きっと悲しむわね』

 

また!?やっぱりこの声……何処かで。

 

「貴女は誰?僕の中から話しかけてるの?」

『ええ、貴方の中から話しかけてるわ』

「どうして僕の中に……」

『さぁ?貴方ならよく知ってるはずよ?いえ……貴方だからこそ一番知っていなくてはならないわ』

 

僕だからこそ知ってなくてはならない?

どういう事なんだろう……この声、凄く懐かしく感じる。

 

『次に話す時は私を使えるようになってる事を祈るわ』

「え?あ、あの?」

 

言いたい事は全部言い尽くしたのか、彼女はもう語りかけてこなかった。

私を使えるように……か。

IS自身の言葉なのか、はたまた森羅万象自身の言葉なのか。

どちらか分からないけど少なくともこれだけは言える。

 

「どうやら苦労するのはこれからみたいだね……はぁ」

 

今まで以上の苦労をこれから先するという事だ。




佐天様、感想感謝です!
正直本当はクリスマスに番外編を投稿予定だったんですが、予定より遅くなったので、諦めました。

一応ある程度書き上げてますので、希望があれば番外編verクリスマスを投稿します。
いや、まぁ本編進めろって言葉の方が多いと思いますのでさっさと本編進めますが(汗)

一応予定としては、次の話で弾君の家及び自宅に向かい、話を進め、その次で転校生を登場させる…という感じを予定しています。
これから先、どんどんキャラが増えますのでしっかり表現できるよう頑張りたいと思います。

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