え、えっと次の話で1巻終了まで行こうと思ってます。
1巻終了と同時に2巻の内容に入ろうとは思っていますが、最初から書きなおしてますので時間かかるかもです。
といっても下手に修正するよりは確実に早いんですけどね(苦笑
と、とりあえず!
ゆっくり読んでいってくださいな。
謎のISが一夏達のいる場所に侵入してきた瞬間、僕は嫌な予感が当たったと思った。
なんせ嫌な予感を感じた次の日にこんな出来事が来るのだから。
「これは呪いでもあるのかどうか疑問に思っちゃうな……」
でも今の状態を考えるにあまり悲しんでる場合じゃないよね。
なんせロックがかかっててなおかつ避難出来ていない生徒もいるんだ…このままじゃあ危ないね。
「織斑先生、少し一夏達のところへ向かいます」
「出来るのか?」
出来るのか?って聞かれてもなぁ…。
僕は基本出来ない事は出来ないって言う主義だよ。
「……なら任せよう」
「織斑先生!?」
「仕方ないだろう、現状他の生徒や教師はロックの解除で手が離せない…だが周防、無理だけはするな」
「了解です」
まぁ無理はしないよ?
……無茶はするかもだけど。
「わたくしも向かいますわ!」
「ん、じゃあ僕とセシリアさんの2人で向かいます」
「ああ、頼んだぞ」
「箒ちゃんも大人しくしててね?」
「あ、あぁ」
あの顔は間違いなく無茶しそうだなぁ……まぁその時は僕が何とか出来る範囲である事を祈っておこうかな。
「向かいますわよ!」
「うん」
そして僕とセシリアさんはアリーナに向かった。
◆
「ここですわね」
目の前にシールドで通行止めされている入り口を見つけた。
ここを何とかしないと進めないんだよね。
「静さんはどうにかできますの?」
「うん、だから下がってて」
本当はセシリアさんに見せるつもりはなかったんだけど…まぁいいや。
「さっさと開けて進もう」
僕は指先をシールドに向ける。
きっとセシリアさんは理解できないはずだ。
だってただ指先を向けているだけにしか見えないはずだし。
でも……これでいい。
体から何かが抜ける感覚がする……それは正しく気羅という術が行えた証拠。
ピシッ
「え?」
ピシピシピシッ
「さぁ…向かうよ」
パリーンという音と共に僕は進む。
セシリアさんは唖然としてたけどすぐに持ち直し、僕についてきた。
「セシリアさん……悪いけどここで待機してもらえるかな?」
「どうしてか理由を伺っても?」
まぁその疑問は当然だね。
理由なんて不確定要素が不安だから…としか言い様がないんだけど。
「まぁあんな未確認のISが出現したんだ、まさか1体だけとは限らないでしょ?それをここならよく見えるから見てて欲しいんだけど」
現在いるこの場所はアリーナ全体を見渡せる場所であり同時にすぐにアリーナに向かえる絶好の場所。
だからこそ狙撃手であるセシリアさんにはここで待機してもらいたいんだよね。
僕は接近戦寄りの狙撃手だからね。
「分かりましたわ……ご武運を」
「よくそんな言葉知ってるね?まぁ……一夏と鈴には怪我させないさ」
セシリアさんが何かを言いたそうに見てるけど…何を言いたいのかなんて知ってるから聞かなくていいよね。
それよりも一夏と鈴だ。
あの2人は今も戦ってる。
と言っても出現してすぐに向かってるからそんなに時間は経ってないんだけど…鈴が不安だ。
一夏は逃げだけなら間違いなく代表候補生とタメを張れるからいいんだけど鈴はどうかは分からないから。
「ケフッ……おかしいな、気羅を1発放つだけでここまで負担あったっけ?」
考え事が碌に出来ないじゃないか……まぁ鈴がどうなってるかなんて考えても仕方ない。
今は救出する事と敵を殲滅する事を考えよう。
そう思いながら僕が急いでいると、鈴が敵の攻撃を喰らう直前だった。
「くっ!間に合うかな?」
僕は鈴に背を向けて、乱気風来を使う。
一夏と一緒にいた時とは比べ物にならないくらいの風が吹く。
当然だ。一夏がいては全力を出した時に傷つけてしまう可能性があるからね。
でもこれで…、
「鎮魂歌…起動」
ISを使用、瞬間加速を使えば間に合う!
僕は音を置き去りにするほどの加速をし、鈴のいる場所に向かった。
「きゃっ!?」
「鈴!目をつぶって」
「え?」
全力で向かったおかげで何とか間に合った。
代償は全身に感じる苦痛か…護りたいモノを護れるなら安い代償だね。
あいにくと鈴に説明している暇もないから僕は急いで迎撃の準備をする。
といってもどの術も間に合わないだろうから…気羅を使うしかないかな。
でもまぁ…気羅は敵に撃つしかないからそれも無理か。
なら、
「武装展開、終曲」
BT兵器である終曲は攻撃と防御を同時に行えるほどに数がある。
だからこそ全部を迎撃に向かわせれば何とかなるはずなんだ。
ISがなければこんな目に遭わなかったけどISがなければ護れなかったってのは皮肉だね。
「終曲展開、敵の攻撃に対し攻性防御結界」
終曲を2手に分け、防御と迎撃両方が同時に出来る状態に移行させる。
これは防御しながらも攻撃が出来るという事で仮の名称ながら攻性防御結界となっている。
敵の攻撃は防ぎきり、同時に敵のいる場所に向けて攻撃が放たれる。
しかし相手もただではやられてくれない。
無駄な動きなしで全て回避した。
厄介な敵だ…でも鈴が護れたならいいか。
「あぶないなぁ……でも、間に合ってよかった」
一夏はぼうっとしてる。
それじゃあ狙い撃たれるだけだよ?
それに鈴もぼうっとしちゃってさ。
でもまぁ……両方無事でよかった。
敵も待ってくれてるからしっかり確認できる。
無傷とはいえないけど重症とも言えない。
なら十分。
「し、静……」
鈴の声が聞こえた。
それは安堵からなのか少し安心しているように感じた。
けどその前には確実に恐怖していたはずだ。
だって命を亡くしそうだったんだから。
だからこそ、
「さて、鈴をここまで追い込んだんだ……覚悟は出来てるよね?人形」
煙が完全に晴れ、目の前の敵を今まで以上に視認できるようになった。
やはり見た目が全身装甲なのもあるけどあまりにも機械染みてる…だからこそ人形って言ったんだけどね。
無人機の可能性が高いのなら…一夏も僕も全力を出せる。
「一夏」
「どうした?」
「あれ、無人機っぽいから全力で行くよ」
「ちょ、ちょっと待って、無人機?そんな物聞いた事も見た事もないわよ!?」
「じゃあ今見たからいいんじゃない?それに…見たモノが全てではないよ?」
「……それもそうね、じゃああれが無人機だと仮定して…どうするの?」
「一夏と僕が全力であれを潰す、鈴にはサポートをしてもらいたい」
多分鈴は気付いたはずだよね。
あのIS。何故か僕達が話してる間に一切攻撃してこないんだ。
それにあまりにも攻撃が正確すぎるんだ。
まだ2度しか見てないけどまったくブレず、しかも同じ場所に向かって射撃してる。
無人機である方がまだ説得力があるよ。
それにあの機体…確実に壊すには鈴の龍砲では火力が足りない。
僕は森羅万象があるし一夏は零落百夜があるから何とかなる。
だからこそサポートをしてもらいたいんだよね。
「分かったわ……でも無茶はしないでよ?」
「了解、じゃあ一夏、鈴…頑張ろう」
「「おう!(ええ!)」」
一夏と鈴を護るためにも全力でなくちゃね……たとえ自身がどうなろうとも。
「単一能力「森羅万象」起動準備……対象能力「零落百夜」」
僕は武器を変更。その後単一能力を準備する。
勿論使う能力は一夏や千冬姉さんと同じ「零落百夜」。
これで火力の面は大丈夫。
後は、
「鈴!一夏と僕が同時にあいつを攻撃するから鈴は龍砲でアイツの動きを封じて!」
「了解よ!」
「一夏!」
「おう!」
一夏も自身の武器、雪片弐型を構え、敵へと接近する。
「はぁあああああああ!」
一夏が振り下ろした武器を敵は腕で受け止め、そのままもう片方の腕からレーザーを放とうとしていた。
けどそれはさせない。
「シッ!」
一気に加速、奴の間近に向かう。
そして独奏曲を構え、一気に横に振る。
それはやつの腕に命中し、攻撃を中断させるには十分な威力だった。
「ほら、ボサッとしない!普通の敵は待ってはくれないよ!」
「お、おう」
一夏もそうだけど鈴もエネルギーが心許ないかもしれないね。
いざとなったら……僕1人で戦うしかないね。
「一夏!アレ使える?」
「おう!でも使えて最大2回までだと思う……零落百夜を万全の状態で使おうと思ったらな」
「十分……鈴にも協力してもらって奴を倒そう、まぁきちんと説明したら間違いなく怒られるだろうけど」
「な、何をするつもりなんだ?」
何って…そりゃ、
「龍砲で僕達を撃ってもらう」
「……静って実はMなのか?」
「後で一夏とは話合う必要がありそうだ」
「本当にすいませんでした」
いや、怒ってないから安心して…話は免れないけどね。
「orz」
「ほら、落ち込んでる暇あったら鈴と相談するよ、時間もそんなに余裕ないし」
主に僕がきちんと動ける限界的な意味でだけどね。
「という訳で鈴、協力してくれる?」
「いや、という訳って言われても分からないわよ」
「ん~まぁ奴を確実に倒す方法でね……鈴には龍砲を撃って欲しいんだよ」
「ん?別にいいけどそれだけじゃ致命傷にならないわよ?」
「大丈夫大丈夫!何とかするから鈴は僕の言うタイミングで龍砲を2発撃って欲しいんだ」
「2発?…まぁいいわ、了解、タイミングは任せるわよ?」
「うん」
これでよし。
後は、
「一夏…行くよ」
「おう」
奴を倒すだけだ。
と言ってもある意味これは一か八かだし成功しても確実に倒せるとは限らないある意味博打なんだけどね。
まぁいざとなれば気羅を使うからいいかな。
「うぉおおおおおおおお!」
一夏が謎のISに向かって斬りかかる。
といってもあくまで陽動だから全力ではないんだろうけど。
僕も行かなきゃ。
「シッ!」
挟み撃ちで敵に斬りかかる。
しかしまるで読んでいたのか、上手く回避される。
どうやら本当に人間じゃないみたいだ。
よかったよかった…これで人間だったら一夏達が気に病んじゃうからね。
僕?…別に。
「クッ!?」
どうやら一夏が吹き飛ばされたみたいだ。
うん。今のタイミングなら…、
「静!一夏!」
なっ!?箒ちゃん!?何であんな所に!
「男なら…男なら、そのくらいの敵に勝てなくてなんとする!」
「箒ちゃん!逃げて!」
どうしているのかとかそんな事どうでもいい!
今は……これ以上失わないように行動するんだ!
「「森羅万象」能力変更!対象「絶対守護」「重力操作」」
重力操作で一気に重力を零にし加速…その後絶対守護による防御。
単一能力を2つ同時に使うのは負担がかかりすぎる……けど!
こうでもしないと護りきれないんだ。
「静!?」
「ほ、箒ちゃん…逃げて」
「し、しかし!」
「今箒ちゃんに出来る事は他の生徒の安全のために避難させる事でしょ!今はそれだけを考えて!!」
相手の攻撃は確実に箒ちゃんに当たれば殺す威力だ。
だからこそ例えこの身が朽ち果てようとも!
「護り抜いてみせる!」
相手の攻撃の威力が上がる。
このままじゃあ僕だけでなく箒ちゃんや後ろにいる生徒全員が巻き込まれる。
だからこそ早く箒ちゃんには避難してもらいたいんだけど……固まってるね。
仕方ない。
「兵装…追加、名称「汝朽ち果てぬ守護の盾」」
絶対守護に合わせる形で出現させた新しい兵装。
この兵装はどうやら概念というモノがあるらしく、その概念とは「守護」
この盾は持ち主の護りたいという気持ちがある限り絶対に壊れない盾だそうで。
なら最初から使えって言われるだろうから何故使わなかったのかと言うと、
「ガフッ……ケフッ」
負担が凄いんだよコレ。
普段の全快状態でも数分使えば意識を持ってかれるレベルに。
でも迷ってられない。
一夏がどうやら鈴に頼んで龍砲を撃ってもらって敵に向かってるから…それが終わるまで耐えないと。
「うぉおおおおおおおおおおおお!!」
斬ッ!
一夏の攻撃によって敵ISが真っ二つに切断される。
それと同時に攻撃が止んだ。
そのおかげで何とか意識を持ってかれずにすんだ。
「箒…ちゃん…早く、先生を呼んで」
「あ、ああ」
これで大丈夫…ッ!
まだあのISは生きて!?
「一夏!」
「大丈夫だって」
『そうですわ』
敵ISが最後の足掻きにレーザーを放とうとした瞬間、別の場所から放たれた攻撃によってそのレーザーは放たれずに済んだ。
「ナイスだよセシリアさん」
「まったくだ」
『ぎりぎりでしたけどね』
「それでも間に合ったんだから大丈夫だろ」
空気が完全に緩んだ瞬間。
ーー敵ISの再起動を確認、警告、ロックされていますーー
「ッ!?」
どうやらまだエネルギーは尽きてなかったらしく、敵ISは再起動し攻撃をしようとしていた。
しかも僕以外気付いていない!?
クソッ!
「「静!?」」
「静さん!?」
どうやら僕の動きで気付いたみたいだけど皆じゃ間に合わない!
そう思った僕は指先を敵に向ける。
勿論気羅を使うためだ。
ドンッ
敵IS全体に広がるように多めに込めたためか、敵は動きが鈍くなった。
けどそれでも攻撃は中断されない。
…覚悟するか。
「がぁアアアアアアああああああああああああああ!!」
無理やり身体を、機体を動かし、皆に攻撃が当たらないよう相手の腕を掴み自分に向ける。
そこでさらに追加で気羅を放つ。
けどやっぱり攻撃は中断されない。
「あ、アハハ……怒られるの覚悟しなきゃなぁ…最悪死ぬかな?」
そう呟くと同時に目の前が攻撃によって真っ白になり……僕の意識も同時にトんだ。
佐天様、感想感謝です!
次でようやく原作1巻終了…遅すぎてすいません!orz
一応タグにもあります通り、一夏はセシリアさん一筋で行こうと思います。
だからといってそれ以外の子全員に静がフラグを建てる訳ではないんですが(苦笑
一応現状では箒、鈴、シャル、ラウラ、簪、蘭を予定してます。
会長にはフラグを建てないのか?と思うかもですが、会長には残念ながら現状建てない予定です。
これ以上増やしてもいいんじゃないか?この子とかどう?という意見がありましたら感想、もしくはメッセージにてご意見をば。
それとオリキャラですが原作2巻の転校生辺りに参加させようかと思ってます。
個性豊か?なキャラですがしっかり表現できるといいなぁと思ってます。
転生者ではないので安心下さい。
では!次話でお会いしましょう!!