全てを否定せし少年の軌跡(半凍結)   作:龍賀

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久々に三人称に挑戦!
…駄目だ、もっと練習しないと!と思えるくらいgdgdです。

それでもよければゆっくり読んでいってくださいね!


第10話 地獄の特訓と乱入者

僕が色々と決心している間にどうやら対戦相手が発表されたみたいだった。

その対戦相手とは、

 

「まさか一回戦から鈴とはなぁ」

 

一夏の言う通り、鈴と戦う事になった。

といっても僕が戦うのではないからまだ気は楽かな?

一夏はそうじゃないだろうけど。

 

「それはそうだろ?なんせ鈴が相手なんだから」

「しかも多分全力で行くだろうしね」

「その原因は静だけどな!」

 

それもそうだね。

まぁそこは諦めてもらうしか……。

 

「まぁ全力で相手するしかないよな」

「うん、そのためにも僕もトレーニングには参加するよ?」

「ゑ?」

「本気だからね?」

「夢……だよな?」

「ところがどっこい!夢じゃありません!現実ッ!これが現実ッ!」

「ウソダドンドコーン!」

 

いや、冗談抜きで全力全壊だよ?

じゃないと一夏は負けちゃうし。

 

「という訳でトレーニングだよ」

「何がという訳でかは分からんが…一夏には強くなってもらわなくてはな」

「……死なない程度にお願いします」

「うん、分かってるよ」

「おぉ……」

 

何故か一夏が感動した!みたいな顔になってるけど……まだ言い終わってないからね?

 

「とある達人は言いました、特訓とはいかに生かさず殺さずで行えるかだと」

「ッ!?」

「まぁ、言える事は1つ……死なないでね?」

「どんな訓練だよ!?」

「ん~じゃあまず一夏が思う辛い訓練というのを考えて」

 

そう言うと考えたのか顔が真っ青になっていく。

けどね?

 

「それが天国に思えるくらいかな?」

「ッ!!?」

 

ダッ!という音と共に全力で入り口に戻る一夏。

まぁ気持ちは分からないでもないけど……、

 

「逃がすかぁああああああああああ!」

 

一瞬でISを展開、そこからBT兵器である終曲を使って一夏を囲む。

+僕が瞬間加速で一気に接近。

普通ならコレでアウトなんだけど……。

 

「くそぉおおおおおお!これ以上辛い訓練とか無理だぁああああああ!」

 

一夏は今までの遅さが嘘のようなスピードで白式を起動。

僕がいる方向とは真逆に方向転換し、

単一能力である零落百夜を発動させ終曲を切断して逃走する。

 

「残念、火事場のなんとやらなんだろうけど……その兵器は終曲、ゆえにこれで終わりだよ」

 

切断された終曲は瞬く間に修復、再び一夏の周りを囲み逃げ道をなくす。

 

「なっ!?」

「さっ、早くトレーニングしようか」

「……早かったな、俺の死も」

 

何処かの弾切れを気にしない人みたいな事言わなくても……死なないよ?

死にそうになるだけで死なないから安心だね。

 

「箒ちゃん、セシリアさん……全力で行くよ」

「「ああ(ええ)」」

「イェァアアアアアアアアアア!」

 

その後、一夏の姿を見た者は誰もいなかった……。

 

「死んでないからな!?」

「……そうだね」

「なんで間があった!?」

「なんとなく」

 

まぁ特に気にする必要もない事だから気にするだけ無駄だよ。

とまぁここまで何日経ってるか分からないだろうから説明すると、

もうすぐクラス対抗戦が始まります。

え?そんなに日数経ってるのに一夏は瀕死維持ってやばくないかって?

アハハ……僕達がそんな生易しい事してると思ってるのかな?

常に一夏の限界より少し上のトレーニングだから一夏は常に瀕死なんだよ?

つまり今、最初のトレーニングをしてもまったく苦痛に思わないんだよ。

 

「もう一夏は立派な人外だよね」

「いやいや、じゃあ静はどうなるんだよ……あの訓練を余裕でこなす辺り静こそ人外だろうに」

「ん?僕はあれだよ……気合で乗り切ったんだよ」

「気合!?」

 

大抵の事は気合で何とかなるって千冬姉さんが言ってた(過去)。

 

「あぁ……千冬姉ならありえる」

「それで納得するあたりさすがだよ」

 

千冬姉さんが聞いてたら間違いなくアウトだったけどね。

まぁ地獄耳でもさすがに……ないよね?

 

「それはそうと……どう?勝てそう?」

「……ああ、今なら千冬姉と戦う事になっても逃げる事だけなら可能だ」

 

情けない自信だね。

でもまぁ千冬姉さんから逃げ切れるんならいけるでしょう。

 

「鈴の機体情報はなしでいいよね?相手も一夏の単一と武装知ってても切り札は知らないんだし」

「そうだな、それでも勝ってみせるさ」

「よく言った、それだけの事を言ったんだ、負けは許さん」

「おう!」

「頑張ってくださいまし」

「ああ!」

「死なないでね?」

「何で!?」

 

いやまぁ……ノリ?

だって応援ばかりだと変かなぁって。

 

「変じゃないからな!普通だから!」

 

そう?ならいいや。

 

『ではただいまより織斑 一夏 vs 鳳 鈴音 を始めます、2人は配置についてください』

「お、じゃあ行って来る……」

「頑張れ」

 

今のままなら多分負けはないと思うんだ……だから後はアレをいかに上手く使えるかだね。

アレは一度しか通用しないだろうから慎重に頑張って欲しいね。

 

「一夏は大丈夫だろうか…一番怖いのは自身の力を自覚していない事なのだが」

「大丈夫だよ、一夏なら……だって僕や箒ちゃん、セシリアさんで鍛えたんだよ?」

「そうですわね……後は信じるのみですわ」

 

そう、たとえ不安があっても信じるだけ。

それで十分なんだ。

 

 

 

<一夏 SIDE>

 

あの地獄すら生温い特訓をやり遂げたんだ!

これで勝てなかったら…本当に死ぬ!

 

「一夏?」

「お、おう?」

「顔色悪いけど大丈夫?無理せず棄権してもいいのよ?」

「冗談、俺はこの日のために必死に特訓したんだ!棄権なんてしてられるか」

 

あぁ!静!それ受けたら死ぬ!冗談抜きで死ぬ!

ちょっ!?セシリア!?BTで全方位射撃とかどう避けるんだよ!?

箒!?絶対防御抜いてきたぞ!?その刀どうなってるんだ!?

全員で近距離中距離遠距離同時攻撃!?やめて!俺のライフはとっくに0だ!

 

「一夏?」

「ハッ!?」

 

棄権した場合どうなるんだろうなぁ~って考えてたらいつの間にか特訓風景が……。

危うく現実逃避しそうになったぞ(精神的にではなく肉体的に)

 

「と、とりあえず!俺は勝つ!鈴……全力で来い!」

「へぇ…良い顔するようになったじゃない、でも勝つのはあたし……アンタには悪いけど負けてもらうわよ!」

 

互いに武装を構える。

俺は雪片弐型を構える。

鈴は大型の青龍刀…あぁ双天牙月か…を構える。

開始の合図があればすぐにでも行動できるようになっている。

 

 

そして今、開始の合図が鳴り響く!!

 

「はぁああああああああああ!」

 

俺は先手必勝と言わんばかりに攻撃に移る。

この戦いで俺の力を証明するためにも……鈴!勝たせてもらうぜ!

 

<一夏 SIDE END>

<三人称 SIDE>

 

一夏は開始直後に攻撃を仕掛けた。

鈴音はそれに少し遅れながらも自身の武器、双天牙月を連結させ迎撃に移る。

 

「甘い!」

「くッ!」

 

一夏の振り下ろしに対し、鈴音は武器による受け流しを選んだ。

回避されると考えていた一夏は予想と違う動きに少しばかり驚愕し、動きが鈍る。

しかしその瞬間を見逃すほど鈴音は甘くない。

 

「隙有り!」

「しまッ!」

 

鈴音は一夏の懐に入り、双天牙月を振り上げる。

それに対し一夏は回避できないと判断するや否や、すぐさま武器を持っていない方の腕で防御した。

 

 

ガキンッ!

 

「くッ!」

「よく間に合ったわね!でも……武器はコレだけじゃないのよ?」

 

鈴音は自身のIS「甲龍(シェンロン)」の肩部、腕部にある装備を起動させた。

異変に気付いた一夏はすぐさま回避しようとするが、間に合わない。

 

ドンッ!

 

「ガッ!?」

 

一夏は自身の腹部にまるでフックを決められたかのような痛みが襲ってきた事に驚愕した。

いや、正しくは見えない攻撃によってダメージを負った事に驚愕したのだ。

しかしそれは当然と言えよう。

見えない攻撃ほど怖いものはないし避けようのない攻撃ほど理不尽な物はないのだから。

 

「今のはジャブ……次は耐え切れるかしら?」

「ッ!?」

 

ジャブの次はストレートと相場が決まっている……そう考えた一夏はすぐさま回避行動に移る。

 

ドンッ!!

 

「うぉっ!?」

「よく避けれたわね?でも……いつまでも避けられないわよ!」

「クッ!!」

 

ドンッドンッドンッドンッ

 

一夏は鈴音の武装「龍咆」から出る不可視の攻撃に防戦一方となった。

幸いIS自身が持つハイパーセンサーのおかげで発射の瞬間を見極める事が出来るため直撃は最初の一撃しかしていないが、

逆に言えば発射までまったく軌道が読めないのだ。

これでは後手にまわってしまう上に確実に回避できる訳でもないためジリ貧となってしまう。

しかし一夏もただ黙ってやられている訳ではない。

 

「(思い出せ、不可視の攻撃に対する対応を…攻略法を!俺はしっかり回避できたはずだ!……どうだった!)」

 

一夏は訓練(拷問)を思い出す。

静が担当していた時に似たような攻撃方法を使ってきていたのだ。

その時に一度だけ一夏はその攻撃を完全に回避、そして反撃する事ができたのだ。

……その後滅多撃ちにされたのは苦い思い出だが。

 

「(そうだ!確かこうやって……)」

「やるわね……でも!これでどう!」

 

鈴音は回避し続ける一夏にイラついたのか、攻撃が少し単調になっていた。

その攻撃に合わせ、一夏は反撃に出る。

 

「今だ!」

 

零から一気に加速し鈴音の後ろに回りこむ。

鈴音は驚愕しながらも防御しようと行動するが、動きが少しばかり遅く、間に合わない。

 

「瞬間加速!?」

「うぉおおおおおおおおおおお!!」

 

一夏はこのチャンスを逃してなるものか!と言わんばかりに自身のISの単一能力「零落百夜」を発動させ斬りかかる。

誰もが間違いなく攻撃が決まるだろうと思った瞬間!

 

 

ーーロックされていますーー

 

 

ISからの警告と同時に、上空からレーザーが降り注ぐ!

 

「うわっ!?」

「きゃっ!?」

 

警告と同時に回避しようと動いたおかげか、互いに被弾する事なく、レーザーを放った存在を視認する事ができた。

 

「な、なんだ……アレ」

「IS?」

 

目の前に現れたのは全身装甲で覆われている機体。

顔は完全に隠れており、何処か機械染みているようにも見受けられる。

確かにISと呼ばれる姿に酷似しているが……2人の今まで見てきたどのISとも違う姿に戸惑ってしまう。

しかしその戸惑いが大きな隙となる。

 

 

「鈴!あぶない!」

 

一夏はすぐさま鈴音を護ろうと動いたが、間に合わない。

敵の攻撃は鈴音に当たる……そう思い一夏は、

 

「(また……また護れないのか!また目の前で!大事なモノを失うのか!)」

 

しかし無情にも攻撃は鈴音に当たり、爆風によって見えなくなってしまう。

 

「鈴!鈴!大丈夫か!?」

 

今にも泣きそうな表情をしながら叫ぶ一夏。

そんな一夏に救いとも言える声が、

 

「あぶないなぁ……でも、間に合ってよかった」

 

ある意味では一番聞きたくない声。

しかし現状一番頼りになる声が聞こえた。

 

「し、静……」

「さて、鈴をここまで追い込んだんだ……覚悟は出来てるよね?人形」

 

煙が晴れたその場には……自身のIS「鎮魂歌」を纏った周防 静がいた。




佐天様、感想感謝です!

一応次の話で謎のIS戦終了。
その次の話で原作1巻終了から2巻導入までいけたらなと思ってます。

このままの勢いで何処までいけるかわかりませんが、まだまだいけそうなのでもう少し頑張ります!

あ、アンケはまだとっておりますので何かいい案があればドンドンどうぞ!
ではでは!次話でお会いしましょう!

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