全てを否定せし少年の軌跡(半凍結)   作:龍賀

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とりあえず投稿です。

次の話も訂正中なので案外早めに投稿できるかもです!


第6話 代表決定パーティ

オルコットさんとの戦いから数日。

といっても一夏が代表になっただけでまぁ・・・変わった事はないかな?

うん、後は特に変わった事ないよね?

だって・・・何かがある=一夏が原因だからね。

 

「いや、確か一夏の代表決定のパーティがあるっけ」

 

箒ちゃんに呼ばれたからね。

まぁ僕は本来何もしなくていいんだろうけど・・・それじゃあ落ち着けない。

というより何もせず何かを得るのをよしとしないんだよね。

きっと元家族が原因なんだろうけど。

 

「・・・料理は大丈夫かな?作ったほうがいいのかな?」

 

う~ん・・・でもあまりレパートリーがないんだよね。

周りが言うには十分だそうだけど・・・和洋中満遍なく作れるだけであって完璧じゃない時点で・・・ねぇ?

問題は何を作るか・・・かな?

 

「よし、一夏達に聞こうかな?いや・・・驚かせよう」

 

よし、まずは材料だね。

食堂で借りれるかな?

 

「じゃあレッツゴー」

 

まずは食堂だね。

 

 

 

 

 

 

「ありがとうございます」

「気にしなくていいよ」

 

どうやら食材も厨房も借りていいそうです。

良い人だ。

 

「その代わり・・・君の作った料理を食べてもいいかい?」

「?ええ、構いませんが」

「ならOKだよ」

 

何故か交換条件で作る事に。

別に大丈夫だけどね。

 

「何作ろう・・・とりあえずハンバーグかな?」

 

他にもデザートとか作っておけばハズレないでしょ。

うん。頑張ろう。

 

 

 

 

 

 

 

「できた」

 

これなら大丈夫かな?

 

「へぇ、よくできてるねぇ」

「いえいえ、僕はまだまだです、精進あるのみです」

 

・・・よし、盛り付けも終わったし、持っていこう。

確か教室でやるっぽいし。

 

「うんしょ・・・よし、行こう」

「大丈夫か?」

「うぇ?」

 

あっ一夏だ。

 

「うん、これくらいなら大丈夫」

「そうか、そういえば」

「ん?」

 

どうかしたんだろうか。

 

「あぁ、いや、何で教室に行くか分からないんだ・・・皆には来れば分かるっていわれたけど」

「ん?一夏の代表就任パーティー」

「そ、そうなのか?」

「うん、予想できないかな・・・普通」

「悪かったな・・・普通でなくて、でも普通じゃないほうがよくないか?」

「そう?普通である方がどれだけすばらしいか・・・普通はいいことだし褒め言葉だよ」

「そうか・・・まぁ少なくとも俺達は普通じゃあないけどな、唯2人の男操縦者な訳だし」

「そうだね」

 

普通という存在は素晴らしい存在だよね。

 

「まぁいいか・・・で理由ってそれだけか?」

「・・・うん、確かそのはず」

 

それ以外特にないよね。

間違ってても僕は悪くない。

 

「そういえば・・・なんで俺なんだ?代表、静やセシリアでもよかったよな?」

「ん?僕とセシリアさんが辞退したからでしょ?」

「・・・何で辞退したんだ?」

「ん?その方が面白そうだったから」(ニッコリ)

「・・・orz」

 

その時の僕の背中には小悪魔の羽が見えたそうです。

そういえばセシリアさん・・・一夏の事好きになったみたいだね。

僕に一夏の事よく聞くし。

 

「一夏、セシリアさんの事どう思う?」

「ん?セシリアか?そうだな・・・急に優しくなったよな、最初はあんなに高圧的に接してたくらいだったけど」

 

今日の授業でも優しかったしね。

 

「何か思うことは?」

「ん?あぁ、これで訓練も本格的に入れるなぁって・・・なんだよその顔」

「いや・・・一夏は鈍感だね」

 

何でこうなったんだろうね。

 

「いや、静に言われたくない」

「え?」

「はぁ・・・」

 

あれ?何故だろう。

何故か一夏に腹が立つ。

よし、特訓の量を倍プッシュだ。

 

「あ、教室に着いたな」

「うん、今日は疲れたでしょ?自業自得とはいえ地面埋めてたし」

「うっ・・・いや、人間飛べるようにできてないだろ」

「いや、人間が飛ぶんじゃなくて、ISという相棒が飛ぶんだよ」

「・・・その考えで飛べるのか?」

「うん」

「・・・これが天才か」

 

何を言ってるんだろうか。

 

「もぉ!早く入りなよ!主役が入らないと始まらないじゃん!」

 

待ちきれなかったのかクラスの女の子が教室から出てきた。

まぁ外で喋ってたら聞こえてくるよね。

 

それにあちらの意見には賛成だ。

一夏の代表就任パーティだから一夏が入らないとね。

 

「料理ここでいい?」

「うわっ!?この料理静君が作ったの?」

「うん、駄目だった?」

「うっ!?い、いや!大丈夫だよ!ありがとう!!」

「うん、喜んでくれて嬉しい」

「きゃあああああああああああああああああ!?もう、本当に可愛いなぁ!!お持ち帰りOK!?大丈夫!優しくするから!」

「「「NO!!」」」

「あれ?」

「ハハハ」

 

何このカオス、あっ、一夏がインタビュー受けてる。

僕にも来るのかな?

 

「うわっ、前時代的!」

 

ん?何言ったんだろうか・・・まさか自分不器用ですから、とか言ったのかな?

ははは、まさかね。

そんな事よりもっと良い言葉をいえてるはずだよね!

 

「で、君が周防 静君?本当に男なの?何処から見ても女の子なんだけど・・・」

「一応男です、で?貴女は誰?」

「あぁ、私は新聞部だよ、名前は黛(まゆずみ) 薫子(かおるこ)、よろしくね」

「・・・よろしく」

「さっそくで悪いんだけどインタビューいい?」

「・・・少しだけなら」

 

少しだけなら多分大丈夫だろうし。

僕なんかの何を知りたいか分からないけど。

 

「これからの学校生活について!」

「頑張ります?」

「う~ん・・・もうちょっと捻りが欲しいかな~」

「・・・お姉ちゃん、僕頑張るね!」(キラキラ)

 

これでいいのかな?

 

「うん!バッチシだよ!これでまた購読者が増えるよ!」

「やったね部長」

「なぜか分からないけど止めとかなきゃいけない気がする」

 

一夏が何かいってるけどスルー。

羞恥心?そんなもの束姉さんの所為で捨てたよ。

寧ろ捨てないと間違いなく精神的に参るからね。

いやー嫌な思い出しかナイヨ。

 

「じゃあ専用機持ちで写真撮影しよっか!」

「!?」

「うぉっ!?セシリアの顔が怖い!?」

 

うわ、セシリアさんがまるで「今日の私は阿修羅すら凌駕する存在だ!」と言わんばかりな表情をしてる。

う~ん・・・やっぱり一夏とツーショットの方がいいよね。

 

「僕は後で大丈夫ですから先に2人を撮影してもらえませんか?」

「ん?別にいいけど」

「し、静さん!?」

「・・・いいからいいから」

「い、いえ・・・一緒に入って下さいまし、貴方も専用機持ちでしょう?」

「うん?いいの?」

「はい」

「なら入るね」

 

写真に入るのは何年振りだろう。

確か最後は・・・あ、幼稚園の頃だったかな~うん、その時は・・・まだ家族はいたかな。

 

「じゃあ行くよ~、35×51÷24は~?」

「え、えっと」

「74.375」

「正解~」

 

パシャ

 

3人で写ったと思ってたけど・・・どうやら全員入ったみたい。

動きが見えなかったよ・・・これがギャグ補正ってやつだね。

 

「あ、貴女達ねぇ!?」

「いいじゃんか~セシリアだけズルイじゃんか!」

「「「そうだそうだ!」」」

「うっ」

 

さりげなく箒ちゃんも入ってたんだね。

しかも小声で「静と写真に入れた・・・」って言ってる辺りさすが?だね。

 

「料理おいしー!誰が作ったの?」

「それ?それは静君が作ったって!」

「・・・自信なくすなぁ」

「けどお箸はとまらない!」

「・・・倍プッシュ!」

「ざわ・・・ざわ・・・」

 

?何故自信をなくすんだろうか。

というより誰だろう・・・どこかの鼻や顎が特徴的になってる人は。

パーティーは夜10時まで続いた。

・・・正直女の子のパワー嘗めてたよ。

まさかここまで続くとは・・・もう少し遅かったらアウトだったよ・・・体力的な意味で。

そんな瀕死な僕は現在、部屋にいます。

箒ちゃんはお風呂に入ってるので待機するのも何なのでちょっと散歩いこうかな?

 

「箒ちゃん」

「なんだ?」

「ちょっと散歩行ってくるね」

「あ、あぁ」

 

そして僕は外に出た。

向かう先はトイレ。

なぜかって?

 

 

「ガハッ!」

 

トイレ(きちんと男子トイレだよ?)に向かい、手洗い場で血を吐いた。

これで理由は明白だと思うけど。

 

「最近は気羅を使ってないのに・・・」

 

気羅は自身の生命エネルギーを撃ち込む技。

普通ならば使わなかったら使わないだけ消費しないんだけど。

 

「兄さんの言う通りだ、カップを壊して流れてしまう飲み物と同じ」

 

気羅というのは器を壊してとめどなく流れる「命」を扱うに過ぎないがために消耗を止めることは出来ない。

最終的には、

 

「五感を失い干からびて死ぬ・・・だったかな?」

 

それが気羅であり、気羅が禁術と呼ばれる由縁。

本来なら好き好んで覚える術じゃないんだけどね。

現在も命が流れ出ていく感覚がある。

残りの残量から見て・・・、

 

「もって2ヵ月かな?この調子だと」

 

IS・・・鎮魂歌(レクイエム)に乗っている間は大丈夫なんだけどね。

何故かは・・・多分使用者の負担を軽減する特性があったはずだからそれが上手くかみ合ったのかな。

でも・・・消費する命は止められない。

 

「死ぬなら・・・その前に一夏達の脅威となりえるもの全て消してからかな、ガフッ!ガハッ!」

 

洗面所が真っ赤に染まる。

けど止まる訳にはいかない。

もう・・・止まれないんだ。

止まるチャンスはあった・・・けどそこで止まる訳にはいかなかったんだ。

昔決心したはずなんだ・・・是非もなしってね。

血の処理を完全に終えてからトイレを出る。

 

「周防」

「!?ち、織斑先生ですか、どうかしましたか?」

「・・・長くないのか?」

「っ!?何の事でしょうか」

「とぼける事は許さん、答えろ」

 

はぁ・・・何でトイレ付近に千冬姉さんがいるんだろう。

聞かれたみたいだね。

運が悪かったのかな。

 

「・・・ええ、もうもって2ヶ月です」

「・・・そうか、やはり気羅か」

「ええ、この術を習得した時から覚悟はしてましたよ」

「・・・死ぬ覚悟なんぞ誰も望んでいない、それよりも難しいのが生きる覚悟だ、貴様は逃げるつもりか?」

「手厳しいですね」

「そうさせているのはお前だ、馬鹿者」

 

千冬姉さんの肩が震えてる・・・心配かけてるのかな。

 

「お前は私達のために気羅を使い続けた、だからこそ一夏は平和に過ごせたんだ・・・そこには感謝はしている、だが・・・嬉しいと思った事はないぞ、お前の命を対価にしているからな」

「大丈夫ですよ・・・いざとなれば」

 

森羅万象の智を使って僕そのものを消すのですから。

そう言い切る事は出来なかった。

でも同時に自身を否定したくなる。

何故なら・・・死に体だから。

もうこの体は五感を失いかけている。

今は軽くだけど触覚がなくなりかけてる。

たぶん次は味覚がなくなるだろうね。

でもね、

 

「もう止まれないんですよ、織斑先生」

「・・・何故、何故そこまで自身を蔑ろにできるんだ」

「僕は・・・壊れてますから」

 

そう言いながら僕は自分の部屋に戻った。

後ろの千冬姉さんの泣き顔を見ないようにしながら。

・・・弟みたいに育ててくれたからね。

気持ちは分かるけど、やっぱり止まる訳にはいかないんだ。

 

「・・・たとえ2ヶ月の命でもね」

 

僕は決めたんだ、無関心でいると同時に、僕の命の使い道を。

この道を進むのを誰にも邪魔させやしないよ。

だって・・・止まる気がないのだから。




佐天様、感想ありがとうございます!

次も早めに投稿できるようにはしていきますが、案外内容が薄すぎる状態のやつが多かったりするので時間がかかるかもです。

前書き通りに次の話は早めにできるかもです。
その次は分かりません・・・でもなるべく早く投稿できるよう頑張ります!!

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