俺は料理人志望なんだけど…   作:イタクァ

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明日からはこんなに投稿できなくなります


2015/7/26 改稿


訓練と九鬼

 川神院での対戦から俺の日常は少し変わった。家では今まで通り定食屋の手伝いをしながら食義の修行をやっているが、それと並行して料理の修行も始めたのだ。

 と言っても俺の肉体はまだ6歳、包丁なんて危なくて触らせてもらえない。なので専らイメージトレーニングが主な修行法だ。イメージトレーニングで料理ができるようになれるのかって?普通は無理だわな。でも俺は普通じゃない。

 前世でも料理人を目指していた俺はできる範囲での様々な料理をしてきた。頭の中でその様子を思い出し、食義を使った際の動きを取り入れ、より早く、より丁寧に、そしてよりおいしく作れるように自分の中で洗練していった。

 そのおかげか川で捕まえた魚を拾ったポケットナイフで一瞬で三枚に卸すことができるようになっていた。しかも捌いた後のその魚、水の中に戻したらまた泳ぎだしたんだ!これはうれしかった。それこそその道の達人じゃないとできないような芸当があっさりとできたんだから。

 

 ちなみに

 

 

 

『ニャァ~』

「ほーれ、お食べ」

 

 

 

 

 

 魚の切り身は猫にあげました。子猫って見てて和むよな

 

 

 

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 実は変わったことがもう一つあるんだ。それは

 

 

 

「りゅ~うじくん♪戦い~ましょ♪」

「嫌だ。俺は武道家じゃないから他を当たってくれ」

「いいじゃんかよ~あんなに強いんだからさ~」

 

 

 

 そう、武神の孫であり、この間の対戦相手、川神百代が俺にしょっちゅう戦えって付きまとってくるんだ。いきなりクラスに突っ込んできたときは何事かと思ったぞ。しかもこいつ学校では悪い意味での有名人のようで誰も近寄ってこない。そのおかげで俺まで避けられるようになってしまった。

 いや別にもともとボッチだったからそんなに実害はないぞ?別に悲しくないぞ?

 

 

 

「あーもうっ!しつこいぞモモ!」

「え~、じゃあ、私って年上だろ?だから命令、私と戦えー!」

「少しは年上らしくしたらな…」

 

 

 

 今も俺の背中に引っ付いてくるモモを年上として扱えってのは無理だろうな。

 ん?呼び方が変わってる?モモがそう呼べって言ってきたんだ、その代り俺も龍二って呼ばれてる。

 正直戦闘狂の部分を除けばモモはなかなか面白いやつだぞ?それにたった二人しかいない俺の数少ない友達の一人だからな、仲よくしようとは思ってんだ、マイナス部分がでかいけど…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんとかモモをまいてうちに帰った俺はいつもの通りイメージトレーニングを始める。ここ数日はかなり集中してやっている。ヒュームからテストの日付と方法が知らされたからだ。この試験次第で俺の訓練内容がましになるんだ。本気でやるしかないだろ。

 内容は俺が審査員の目の前で課題の料理を作ればいい。食材は用意されてあってその中から自由に使っていいとか。場所はヒュームの主の好意により、なんと七浜の九鬼本社ビルの食堂が使えるらしい。そういえばヒュームって執事だったね…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 試験日当日、俺は朝から七浜の九鬼本社ビルの前にいた。ヒュームからここで待っていろって言われてるんだけどまだ姿が見えない。なんか警備員さんみたいのがこっちを見詰めてるから早くしてほしいんだけど…

 

 

 

「ふむ、遅刻せずに来たか」

「そっちが遅刻しといてよく言うな…」

「今回の試験には俺だけじゃなく、俺の主にして弟子である九鬼揚羽様が同席なさる」

「へ?なんで俺みたいなやつの試験に九鬼家の人が?」

「どうにも自分の弟弟子の姿を見ておきたいらしい。失礼があってはならんぞ」

 

 

 

 わかった、わかったからその殺気はやめてくれ。試験の前からグロッキーになっちまうよ。

 そうして案内された先には巨大な建物にふさわしい大きな食堂と一人の少女の姿があった。

 

 

 

「フハハハハハハ!九鬼揚羽、降臨である!」

「こちらが九鬼家の長女、揚羽様だ」

「…は、初めまして、石川龍二です。今日は場所を貸していただけるということで、本当にありがとうございます。」

 

 

 

 …あまりのキャラの濃さに一瞬フリーズした。普通に降臨なんて使う人いるんだな…

 

 

 

「ふむ、お前が私の弟弟子か。なかなかいい面構えをしているな」

「ありがとうございます」

「揚羽様、まだまだ卵の殻を外したばかりのひよっこです」

 

 

 

 相も変わらず手厳しいなヒュームは。

 

 

 

「ヒュームに赤子扱いされてないだけで大したものよ。胸を張るといい」

 

 

 

 そういえばヒューム、俺のこといつからか赤子とは呼んでないな。小僧って言われてるけどこれは少しづつ認められてきたと思っていいのかな?

 

 

 

「揚羽様、あまり甘やかさないでいただきたい」

「フハハハハハ!なんだヒューム、照れておるのか?」

 

 

 

 ヒュームが照れた!?マジか!、と思ってヒュームの顔を見てみるとこちらのことをすさまじい顔で睨み付けていた。

 すいません!調子に乗ってすいません!

 

 

 

 

「さて、早速だがお前の料理のテストを始めよう」

「はい!」

 

 

 

 ついに来たぞ!やってやる、俺はやってやる!

 

 

 

 

 

「課題は、鶏料理だ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




感想欄に使ってほしい技を書いてくれている方がいらっしゃいますね。

いくつかの技はつかっていこうとおもっていますよ。

さすがに三虎やらトリコ以外の四天王の技は無理ですけどね(笑)

できる限り特殊能力じゃないものを選んでいきます

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