俺は料理人志望なんだけど…   作:イタクァ

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さぁ、お楽しみの温泉ターイム!

今回は温泉だけなので短めですが、キリが悪かったのでご勘弁を

それでは、どうぞー


浪漫と温泉

 旅の醍醐味とは人によって違うと思う。旅は準備が一番楽しいと言う人もいれば、目的地に行くまでが一番楽しいという人もいる。旅先でのアクティビティや自然とのふれあい、名所を周ることでその土地の文化や歴史を感じることこそが旅の楽しみだ。いやいや、その土地の美味しい物を食べることこそが旅の楽しみ方だろう。家族と、友達と、恋人と、それとも一人で。旅とは人それぞれの楽しみ方がある。

 では彼らの場合はどうだろう?男女比一対一の風間ファミリーの旅の楽しみ方とは何だろうか

 とある料理人は日頃の疲れを癒すために、とあるワンコは鍛錬の為に、とある金髪ドイツ娘は日本文化を堪能するために、とある武神は出会いを求めて(美少女限定)、そしてとあるメンバーはロマンを求めて。

 彼らも彼らなりに楽しみ方がある。しかしロマンとは何だろうか?とある大百科には

 

『意味や実用性は皆無で非合理に思える、だけどカッコいいこと』

 

 …そう、カッコいいことを求めているのだ。周りに何を言われようと自分が思ったこと、やりたいことを貫き通す。現代の日本人にはない意志の強さを感じられる素晴らしいことではないか。

 たとえどんなに蔑んだ目で見られようが罵倒されようが、自分が信じた道を駆け抜ければそれは自分やそれを理解してくれる同士からすれば英雄的行為だ。全ては自己満足の範疇とは言えそれでもなお人はロマンを求め続ける。そう人は永遠にロマンの探究者なのだ。

 さぁ、次はどんなロマンを追いかけようか 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …とまぁかっこいいこと言っててもここで探してるロマンってのは

 

「では、男湯を覗きます」

 

 …唯の覗きなんだよなぁ。しかも男女逆転型…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SIDE三人称

 

 

 夕食も終わり、風間ファミリーは至福の温泉タイム。しかし何故か女湯で不穏な動きが発生していた。京が息を荒くしながらフラフラと男湯と女湯の境目の壁に近づいていく。

 

 

「やめときなさいよ。ってかお兄様以外の男が見えたらどうするの京的に」

「しまった。その可能性を考慮していなかった。では聞き耳を立てるくらいで…京イヤーは地獄耳」

「百代イヤーも地獄耳」

 

 

 

 男湯に向けて二人のうら若き少女が聞き耳を立てる、なんというか凄まじい絵面だ。これをやっているのが男だったら一発で通報ものだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SIDE石川龍二

 

 

「ふぅ…いい湯だね。温泉いいなぁ~」

「そうだな。日頃の疲れが溶け出していくみたいだ」

 

 

 

 夕食の後、少し休んでから俺たちはこの旅館自慢の温泉に浸かっていた。景色もいいし疲労回復の効果もある温泉のおかげか全身から力が抜けていくみたいだ。

 

 

「兄さんは普段から忙しそうだからね。最近も何かやってるみたいだけど何やってるの?」

「んー、川神に帰ったら教えてやるよ」

 

 

 一応開店日が決まっているとはいえせっかくだから驚かせたい。ちょうど川神に帰ったころにはポスターなんかも貼り終わってるころだろうし。

 

 

 

 

「今教えてよせっかくの温泉なんだし」

「見ろ貴様等!俺様の筋肉美!」

 

 

 

 大和が追及をしてきたところにガクトが上半身の筋肉を強調するポーズをとりながら勢いよく立ち上がった。よしガクト、ナイスKY

 

 

 

「ガクトの筋肉って暑苦しいんだよな。その点兄さんの筋肉は素晴らしいぞ。兄さん、ちょっと立ってみてよ」

「…なんか怖いぞ大和」

「龍二のそれは反則だろ!料理人の身体には見えねーよ!」

「いや、一日中鍋を振ったり重い食材を運んだりするから結構筋肉いるんだぞ?」

「…無駄のない実用的な筋肉の付き方、まるで彫刻みたいだ。凄いなぁ…」

「マジで怖いぞ大和!?」

 

 

 

 俺の裸をまじまじと見てくる大和の目に俺は覚えがあった。あれは冬馬に通じる目だ。腰にタオルを巻いていても危機感を覚える。温泉に浸かっていたのに背筋に寒気がはしった。

 

 

 

「というか少しは隠してよ!グロイんだよガクトのは!」

「銃でいう所のバズーカだな、俺様のジュニアは!」

「まだ一度も対象に向けて発砲してないけどな」

「訓練ばっかりでよー。砲身は磨いてるけどな…って何言わせるんじゃいコラッ!」

 

 

 

 やっぱり男同士で集まるとシモの話になるよな。まあこういったのも青春の1ページ的な意味で楽しいもんだ。

 

 

 

「ああもう、やめてよその手の話は~」

「そういやモロはこういった話苦手だったな」

「男同士でいちいち隠す必要もないだろ」

「キャップとガクトは少し堂々とし過ぎだから」

「…キャップは銃でいうと、マシンガンかな」

「そう言うてめぇの愚息はどうなんだ大和」

「俺はマグナムだね。重い一撃をズドンと」

 

 

 

 ここ結構声が響くな。この会話女湯のほうに聞こえてるんじゃないか?

 

 

 

「バズーカには遠く及ばないな」

「はん。いざという時に暴発しそうだなガクトは」

「てめぇは弾詰まりしそうだけどな」

「下品!げーひーん!」

「モロ!お前あだ名がモロなんだから堂々とモロに出してればいいじゃねーか」

「そう言う意味のモロじゃないでしょ!」

 

 

 

 これ絶対に聞こえてるな。その割にはやけに隣は静かだな。モモとかがいるからうるさくなりそうなのに。まさかこっちの会話を聞いてるのか?……まさかな。

 

 

 

「モロの水鉄砲は皮のホルスターに入ってるから」

「ん?それって…」

「遠まわしにいうんだよキャップ。それが優しさ」

「むけてないのか」

「うわぁぁぁぁ!!!」

「遠回しどころか最短表現だろそれ」

「頭をなでるように優しく言ったのに」

「言葉のチョイスが殺しにいってるとしか思えねー」

「優しさの意味を辞書で調べてこい…」

 

 

 

 モロは恥ずかしさのあまりお湯の中に潜ってしまった。そりゃ恥ずかしいわな

 

 

 

「よし、俺が確認してやろう。見せてみな、モロの大事な部分」

「なんでそう言う展開になるのかわからないよ!!」

「後は龍二だけだな」

「なんでだよ」

「みんな見せたんだから兄さんもいいでしょ。モロなんかあそこまで体を張って」

「いや、それはお前らが…。まぁいいか」

 

 

 

 俺は立ち上がり腰に巻いていたタオルを取り去った。

 

 

 

「なっ!?」

「グスタフ・ドーラ列車砲だと…!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「す、すごい展開だった…」

「そ、そうだなっ!?」

「はわわ、あわわ…!?」

「グ、ググググスタフ・ドーラって…!?」

 

 

 

 女湯は惨状だ。いつの間にか女子全員が聞き耳を立てており、皆同様に顔が真っ赤になっていた。ワン子はすぐさま気絶していたが…

 

 

 

「ねえクリス、グスタフ・ドーラ列車砲ってどんなの?」

「グ、グスタフ・ドーラ列車砲とは第二次大戦中にドイツ軍が開発した列車砲でその口径は80cmで全長47,3mで…!」

 

 

 

 クリスは真っ赤になりながら早口でまくし立てた。目が回ってるようでいつ気絶してもおかしくない

 

 

 

「屈強なものを装備してるんだね龍二…!私は全てを受け入れて見せる!」

「面白い、いつか目にしてやろうじゃないか!」

「二人とも勇んでるとこ悪いけど鼻血鼻血」

 

 

 

 京とモモが鼻血で足元の湯を真っ赤に染めながらも気合を入れる。由紀江の携帯ストラップ兼付喪神の松風のツッコミが誰にも聞かれずに流れていった。

 

 

 

 

 

「なんか風呂あがってから女性陣が俺のことを見ると顔を真っ赤にするんだけど…。俺なんかしたかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最初に書いたロマンのくだりは前に友人に熱弁されたものをほぼそのまま書いてます。深夜テンションで語っていたことなので本人的には黒歴史らしいですが、私は気にせず拡散。

愉悦(笑)

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