俺は料理人志望なんだけど…   作:イタクァ

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初感想!

作者のモチベーションが跳ねあがりました

2015/7/22 改稿


武神と挑発

 相も変わらず小学校では本を読みながら一日を過ごし、週末にはヒュームとの訓練(サンドバッグ状態)というサイクルを送っていたが、今週の訓練はいつもと違い、ただついて来いと言われた。

 

 

 

「どこに向かっているんだ?」

「黙ってついて来い。それと目上の者へは敬語を使え」

「尊敬できる人には使うさ。で?ほんとにどこに向かってるんだ?」

「…そろそろお前も自分の力を試したい頃だと思ってな、対戦相手のところに向かっている」

「いや別にそんなことないから、俺は平和主義者だぞ?」

「銃を持ちながら戦う気はないといって信じる者はいるか?力を持つものは相応の義務と立場がある。今のお前は力を持つ者だ、諦めるんだな」

 

 

 

ダッ!ガシッ!

 

 

 

 ヒュームの言葉を聞いた瞬間、俺は全速力で逃げ出そうとしたが、すぐに捕まり脇に抱えられた。まだ身体能力じゃ全く勝てねえ…

 少しの抵抗とばかりにヒュームに抱えられながら暴れてみるが、びくともしない。

 

 

 

「離せー!俺は別に武道家になりたいわけじゃないんだー!!」

「毎週訓練をしてきたお前が言うことではないな」

「逃げても隠れてもアンタが無理矢理参加させるんだろうが!?俺は料理人になりたいんだー!」

「…いいだろう。これから俺の用意した相手と手合わせをしてもらう。もし勝てばお前の料理の腕前を見てやろう。お前の腕前次第でこれからの訓練の内容を考えてやってもいい」

 

 

 

 俺は自分の目が輝いているのを自覚した。

 

 

 

「…本当か?」

「ああ、本当だ」

「でも試合に勝ってもその挑戦権しか手に入らないとか厳しくね?」

「嫌ならいい。別に俺はこのままで構わん」

「全力でやらせていただきます!!!」

 

 

 

 ふっふっふ、これは本気でやるしかないようだな。地獄の訓練の成果見してやらぁ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

************************************

 

 しばらく歩くと正面に巨大な門が見えてきた。初めて来たけどテレビで何回か見たことあるからここが何か知ってる。

 ここは川神院、武の総本山と言われ毎日たくさんの修行僧たちが鍛錬に汗を流しているところらしい。ここの総代、川神鉄心は武神とまで言われるほどの武道家だとか。ヒュームとどっちが強いんだろうなー

 

 門の下には髭の長い老人が立っていた。

 

 

 

「来たか、ヒュームよ。その子が?」

「ああ、俺が鍛えている小僧だ」

「初めまして、石川龍二です」

「よろしくのう、川神鉄心じゃ」

 

 

 

…この人のしゃべり方が俺を転生させた爺さんと似ててイライラしてくるんだが…

 

 

 

「さて、それではさっそく…」

「ジジイ!来たのか!?」

 

 

 

 鉄心さんがしゃべっているのを遮るようにいきなり女の子が突っ込んできた。

 

 

 

「コラッモモ!客人に失礼じゃぞ!」

「いいだろ別に、で?私の相手はどこだ!?」

「ほう、こいつが…」

 

 

 

 もう待ちきれないといった様子できょろきょろする少女。年は今の俺と同じくらいか少し上かな?目つきは悪いけど将来は美人になりそうな顔立ちだな。別に俺はロリコンじゃないから何も思うところはないけどさ。

 ヒュームはなんだか観察するような目でこの子を見ていた。

 

 

 

「あなたですか?」

「いや、俺じゃない。こいつがお前の相手だ」

「え?…こいつが~?」

 

 

 

 ヒュームに促されて俺のことを見た少女だが、見るからに落胆しているようだった。ちょっとむかつくな、

 

 

 

 

「ほれモモ、自己紹介せい」

「え~川神百代、小2。できるだけケガさせないようにするからそのつもりで」

 

 

 

…訂正、マジでむかつくな

 

 

 

「石川龍二、小1。あんまり手加減が得意じゃないからよろしく」

「…ほう、言うじゃないか」

 

 

 

 川神百代は獰猛な笑みで睨み付けてくるが、大したことない。ヒュームのほうが数百倍は怖いな

 

 

 

「ほっほっほ、なかなか肝がすわっとるようじゃの。これは期待できそうじゃ」

「まあ結果は見えてるがな。それより鉄心、約束の物忘れるなよ?」

「随分な自信じゃな。わかっておるよ」

 

 

**************************************

 

 

 

 お互いににらみ合いながら俺たちは川神院内の武舞台のようなところに向かった。大人げない?一応俺は年下だぞ。

 相対していて確かにこの子は強いと感じた。全身からかなり強い闘気が出てるし、動きも武道をやってる者のそれだ。でも負ける気はしないな。

 

 

 

 

 

 

SIDE川神鉄心

 

 

 

「東方、川神百代!」

「ああ!!」

「西方、石川龍二!」

「はい!!」

 

 

 

 舞台の中心で年端もいかぬ子供二人がにらみ合っておる、ヒュームから持ち掛けられたこの勝負じゃが、正直勝負にならんと思うがの。

 モモは同年代を遥かに超え、修行僧の中に混じっても強者と言えるほどの強さを持っておる。少し強いくらいの子供じゃ勝てるはずもないわ。

 しかしヒュームが連れてきたあの少年、石川龍二とか言ったかの?気の総量は隠しておるのかよくわからんが、動きに隙がない、というよりも無駄な動きがないというのじゃろうか。なんとも不思議な印象の少年じゃな。

 お互いに礼をしてからモモは構えをとるが、龍二君は突っ立っているだけ。大丈夫かいのう?

 

 

 

「いざ尋常に……始めい!」

 

 

 

 

 




この場を借りてお礼を

童虎様、赤星様、裏神様、マダラ様

感想ありがとうございました。

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