俺は料理人志望なんだけど…   作:イタクァ

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最初に書いてたら切れた龍二君が怖すぎて書き直しました


厳罰と仲間

SIDE 川神百代

 

 

 

「俺は本当に悪なんだ!子猫を平気でイジメ殺せる!お前も殺すぞこのアマ!」

 

 

 

 舎弟になった大和からのお願いで上級生退治に来たが、最後の一人がこんなことをほざいた。

 

 それで私が怖がると思っているのか?むしろイラつかされたよ

 

 ん?猫…あ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「モモ、ちょっとそこどけ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 急に後ろから背筋が凍るような冷たい声と指を動かすだけでも辛い威圧感を感じた

 

 マズイマズイマズイ!龍二がきれてる!

 

 私は威圧されながらもゆっくりと後ろを、龍二を見ると、そこには完全に無表情で冷たい瞳をした鬼神がいた

 

 私はすぐさま気力を振り絞ってその場から飛びのいた。いくらなんでも今の龍二の近くにいるのは本気でマズイ!

 

 

 

「…一つ聞きたいことがある。お前が言ってるのは多馬川の川辺にいた三毛猫のことか?」

 

「そ、そうだよ!それがなんだってんだよ⁉︎」

 

「……そうか」

 

「な、なんだよ!俺は猫を殺せるんだぞ!とっととどっか行けよ!」

 

「…なぁ先輩。俺はあんたと違って猫は殺せないけど、熊を殺したことがあるんだ。」

 

 

 

 

 竜二から感じる威圧感が大きくなった。怒りすぎて空気中で龍二の気が雷になってそこらで火花を散らしてる。ここまで来ると後ろにいた大和たちも今の状況のマズさを感じたらしく泣きそうになってる

 

頼むから今の龍二を刺激しないでくれ!

 

 

 

 

 

「う、うう嘘をついてんじゃねえよ!」

 

「俺はな、ただ意味もなく生き物を殺すことがどうしても許せないんだ。しかも殺したのはあの子だって?おいおい……許せるわけねぇなぁ」

 

「ひっ!」

 

「逃げようとしてんじゃねぇよ。自分のやったことの罪深さ、教えてやるよ」

 

 

 

 竜二は後ずさりながら逃げようとした上級生にノッキングをし、その足をつかんで引きずりながらここから見えない茂みの向こうに連れて行こうとしてる

 

 どうやら哀れな上級生は声も出せないみたいで、その目だけが恐怖に震えている

 

 

 

「りゅ、龍二。やりすぎないようにな…」

 

「…善処する」 

 

 

 

 いつもなら私が言われる側なんだが。少しだけジジイの気持ちがわかった気がする

 

 

 

 

  ボキッ!バキンッ!ゴキッ!ボキャ!ゴギゴギ!

 

 

 

 龍二たちが入って行った茂みからかなりまずい感じの音が聞こえる。どうやら私だけで大和たちには聞こえてないようだな。もし聞こえてたらみんな泣き叫んで逃げるだろうし…

 

まあ全員涙目で震えてるけど…

 

しばらくしてから龍二だけが茂みから出てきた

 

 

 

「ふー、スッキリした。これで大丈夫だろ。もうあいつらはここには来ないよ」

 

「えっと…何があったんだ?」

 

「ん?聞きたいのか?」

 

『結構です!』

 

 

 

 大和たちが大声で断っていた。怖いもの知らずでも限度があるよな

 

 

 

「おい、少しやりすぎじゃないのか?」

 

「大丈夫だ。殺しちゃいないさ。もう悪さはできないだろうけど」

 

 

 

 …絶対に龍二を怒らせないようにしよう

 

 

 

 

 

SIDE 石川龍二

 

 

「二人ともちょっといいか?」

 

 

 

 俺がモモと話していると風間が話しかけてきた。

 

 

 

「なあ、俺らの仲間に…『風間ファミリー』に入ってくれよ!」

 

 

 

 風間ファミリー。うちの小学校では有名な友達グループで、リーダーの風間はその破天荒さで有名人だとか。知らなかった

 

 最初ファミリーとか聞いてマフィアかなんかだと思った

 

 

 

「どうする龍二?私は面白そうだと思うんだが」

 

「お前目が輝いてるな。もう答え決まってんだろうに。でも俺は、どうしようかな。今一緒にいるグループがあるし」

 

「何?なんで紹介してくれなかったんだ」

 

「隣の学校の奴らだからな。遊んでる場所が少し遠いんだ。モモは稽古があるからなかなか誘えなくてな」

 

 

 

 

 俺は冬馬たちがいるから遊び相手という意味では別にいいのだが、そろそろこっちの学校でも普通の友達がほしいと思っていたところだし、丁度いいだろ

 

 それにモモのことを怖がらずにいるような奴らだ。面白いじゃねーか

 

 

 

「そろそろ決まったか?」

 

「ああ、私はお前たちが気に入った!入ってやる!」

 

「俺も入らせてもらうよ。唯俺は別の奴らとも遊んでいるから毎日遊ぶって訳にはいかないけどな」

 

「よっしゃあ!新しい仲間が増えたぜ!」

 

 

 

 俺たちの返事を聞いて風間がガッツポーズをとって喜びを全身で表してる。他の奴らも円になってはしゃいでる。なんかここまで喜ばれると嬉しいな

 

 

 

「よしっ!せっかく仲間になったんだからキャップって呼んでくれ!」

 

「じゃあ俺も龍二でいい。よろしくなキャップ」

 

「私はモモ先輩でいい。お姉さまでもいいぞ」

 

 

 

 俺たちは改めて自己紹介をした。最初はしっかりしとかなきゃな、なんて俺が思っている時に

 

 

 

「そういうわけで私がこのグループのリーダーになる。いいな」

 

 

 

 やらかしてくれたよこいつは…

 

 

 

「なっ⁉︎ふざけんな!リーダーはキャップである俺だ!俺がリーダーだからこその『風間ファミリー』だろうが!」

 

「集団とはその中で最強が統べるべきだ。だからこのグループは私が率いる。私はここが気に入ったから私の物にする」

 

「ここは俺のグループだ!誰がやるか!」

 

「お前、さっき私の力を見ていただろう?」

 

 

 

 そうして足元にあった拳大の石を拾い、右手でそれを握りつぶすモモ。潰され地面に落ちていく石を見ながらキャップは一瞬体を震わせ、後ずさりしそうになったけど踏みとどまり、毅然とした態度でモモを見返した。

 

 

 

「断る!」

 

「よく言った」

 

 

 

 そろそろ潮時だろうと俺はモモの頭を強めにどついた。モモは痛がってうずくまり、キャップたちはポカンとしている。

 

 

 

「何するんだ龍二!痛いじゃないか!」

 

「阿呆。いきなり場の空気を乱すからだろうが。入ったばかりのお前にみんなが着いていくわけないだろう」

 

「でも…」

 

「デモもストもない。大体お前の理論で行くとリーダー俺になるじゃないか」

 

「うぐっ!」

 

「ほれ、とっとと謝れ。毎回俺がいるわけじゃないんだから『みんなは私が守る!』くらいのことを言っちまえ。お姉さまなんだろ?」

 

「守る?」

 

「そう、守る。かっこいいじゃん『風間ファミリーの守護神』とかさ」

 

「…そうだな!みんなを守るのがお姉さんである私の役割だな!」

 

 

 

 何とか納得したようでよかった。モモは真面目な顔でキャップに声をかける

 

 

 

「すまなかった。お前に嫌な思いをさせたようだな」

 

「いやまあ、わかってくれたならそれでいいさ」

 

「ああ、だから私はそんな目をしたお前を認める。これからもよろしくなキャップ(・・・・)

 

「ああ!よろしく頼むぜ!」

 

 

 

 そういって二人は握手した。やれやれ、面倒なお姉さまだなぁ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おまけ

 

 

 

「なあ龍二?もし私があそこで抵抗したらどうするつもりだったんだ?」

 

「ん?ふふふ……」

 

「…あそこで納得してよかった」

 




風間ファミリーに入りました。

と言っても時々参加みたいな感じですが

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