魔法使いと魔法少女が紡ぐ物語   作:文鳥丸

20 / 64
抗うために人は歩み続ける。抗うことを止めた時、人は人じゃなくなる。


第二十話 強欲 双頭の邪翼

 炎の矢の援護を受けながら改魔のフォークを片手に魔女へと突っ込むジェフリー。

 それに対する双頭の邪翼の対処法は至ってシンプルな物。

 犬の口が大きく開くと、右からは火球、左からは氷球が発射され、ジェフリーを狙った。

 だが稚拙な攻撃など今の二人には通用しない。

 ほむらはバズーカ砲から炎竜の卵を射出して氷球を破壊し、その間をかいくぐってジェフリーは飛び上って改魔のフォークを振り下ろそうする。

 攻撃個所を決めようと目を閉じて心眼を発動させて呪部を見定める。

 光っているのは各々の頭頂部、ジェフリーは自分の位置から近い氷球を発した方の犬の頭に向かって改魔のフォークを振り下ろす。

 刃が固い物に当たる轟音が響き渡り、ジェフリーは心眼を解除するが、その顔に喜びの色は無かった。

 

「やはりな。そう簡単にはいかないか……」

 

 自嘲気味に呟くのと同時にジェフリーは改魔のフォークから手を放して、犬の頭を台座にしてバックステップで距離を取る。

 呪部を守るため、犬は弱点部分を氷で覆って守り、改魔のフォークの刃は呪部へと届かず氷の壁に守られて、刺さっているだけ。

 無防備になったジェフリーを狙って火球と氷球が同時に放たれるが、それをジェフリーは氷細工の蓋を発動して受け止めるが、盾から伝わる衝撃は相当な物であり、空中にもかかわらず衝撃が襲うような感覚に戸惑いながらも、ジェフリーはほむらの元まで飛んで合流する。

 

「大丈夫?」

「ああ、まぁな。だが気を付けろ、あの魔女まだ全然本気を出していない」

 

 戦力の分析が終わり、ジェフリーは簡素ながらにほむらへと報告をする。

 長年の経験からあの攻撃が全力のそれとは考えづらく、威嚇行為程度の攻撃だとジェフリーは判断し、長期戦に持っていかれれば、こっちが不利だと言う結論を出す。

 改魔のフォークをしまうと、ジェフリーは代わりに改剣の氷刃を取り出すと、火球を吐き出す方の犬の首へと向き合う。

 

「俺は右の犬を片づける。お前は氷の球を放つ左の犬を頼む」

「了解したわ」

 

 ジェフリーから指示を受けると、ほむらは攻撃属性を炎のエレメントから雷のエレメントへと変化させて左の犬に向かってサブマシンガンを突き出すと一気に雷の矢を放つ。

 当然犬は氷の盾を作り出して防ぎ、矢が刺さる音だけが空しく響き渡る。

 だがそれでもほむらは構わず両手にサブマシンガンを持った状態で突っ込み、立て続けに雷の矢を氷の盾に向かって放ち続けた。

 近づいてくるほむらに対して犬は氷球を放つが、それは先程に比べて遥かに小さく野球の硬球程度の大きさしかなった。

 普通ならば防御に徹している左に対して、攻撃のフォローを入れるのは右の役目なのだが、右にはそれが出来ない理由があった。

 弱点である氷の攻撃を立て続けに放り込んでくるジェフリーの相手に四苦八苦している状態であり、左のフォローに回れる状態ではなかった。

 ジェフリーは至近距離から改剣の氷刃で連続の切り付けを行い続け、たまに彼の攻撃が止んだ時を狙って犬は火球を放とうとするが、氷竜の卵を放り込まれて逆に無防備な口内にダメージを負う状態であり完全に圧倒されていた。

 これに一瞬ではあるが左は右に意識が行ってしまう。

 その隙をほむらは見逃さなかった。

 ジェフリーの攻撃がクリーンヒットして、彼に余裕がある状態なのを見てから時間停止魔法を施すと、左の足元に雷の球根を置くと周りに雷の矢を放ち、球根の周囲を囲んだところで時間停止魔法を解除する。

 魔力を受けた球根は大きく膨らんでその場で爆発する。

 雷のエネルギーがばら撒かれ、矢で細かい傷が付いた盾に染み込むとダムが決壊するかの如く、一気に盾は崩壊し左は丸裸の状態になる。

 

「一気に決めるわ!」

 

 決意表明のようにほむらは叫ぶと、雷のエレメントをまとった小太刀を盾から取り出して犬の額に向かって振り下ろそうとする。

 攻撃に対して犬は口を大きく開いて氷球を発射して、無防備な上空のほむらを狙い撃ちにしようとする。

 

「その時を待っていたわ!」

 

 自分の元に向かってくる氷球に対して、ほむらは持っていた小太刀を投げつけ氷球の中央に突き刺す。

 球に亀裂が走ったのを見ると、バズーカ砲を取り出して小太刀に向かって雷竜の卵を放つ。

 勢いよく爆発が起こると氷は四散して飛び散り、中央に刺さっていた小太刀は卵の威力も手伝ってロケットランチャーの如くスピードで空いたままの犬の口へと放り込まれていく。

 そのまま小太刀を飲みこんでしまった犬は初めは何が起こったのか理解できなかったが、すぐに攻撃の脅威を思い知らされる。

 帯電していた雷のエネルギーは体内で暴発し、犬の体中を雷が駆け巡ると、その体から発しているのはどす黒い煙だった。

 力なく項垂れている犬を見届けると、続いてほむらは隣に居る犬がどうなっているのか気になって右を見る。

 ジェフリーの乱打に成すすべなく犬は飲まれ、トドメとばかりにジェフリーは豆まきの豆のように氷竜の卵をばら撒いて、一気に爆発させると犬の体は氷で包まれた。

 それを見届けるとほむらは心眼で魔女の様子を確かめる。

 体は黄色く染まっているが、これはまだ余裕がある証明。更なる追撃を加えようとほむらはサブマシンガンを突き出すが、その瞬間に今までとは違う感覚を覚えて、その場からバックステップで離れるとジェフリーもそれに続いた。

 

「いい判断だほむら。まだ終わってないぞ」

 

 そう言ってジェフリーが指さした先には次の攻撃プランを発動しようとしている双頭の邪翼がいた。

 それまでお飾りだった翼を大きく広げると、魔女は飛び上って二人を完全に見降ろしていた。

 そして羽を投げ飛ばす。その羽は右は炎で包まれていて、左は氷で包まれている広範囲の攻撃。

 それに加えて口からの火球と氷球もあり、先程よりも劣勢を強いられることとなった。

 長引く状況になってはこちらが不利になるだけと判断したほむらは盾に手をやろうとするが、そんな彼女の前にジェフリーが立ち塞がって壁となると、氷細工の蓋を発動して全ての攻撃を受け止め、ほむらの盾となった。

 

「その能力は切り札と呼べる存在だ。ワルプルギスの夜まで取っておけ、俺が盾になるからお前は隙を見て攻撃してくれ」

 

 ジェフリーの好意に感謝しながらも、ほむらは小さく頷いて右手にサブマシンガン、左手にバズーカ砲を持った状態で攻撃のチャンスを伺っていた。

 それは意外と早くに訪れた。

 上空から攻撃を行っていると言う安心感からか、右と左は同時に攻撃を行っていて、魔力を溜める時間帯も全く同じなため、ある程度の攻撃が終わったら全く無防備な状態となる。

 その隙を見計らって、ほむらはまずサブマシンガンの引き金を引いて攻撃を放つ。

 かなり上空にいるため攻撃が届くかどうか不安なほむらは、視力を強化させて矢の行方を追う。

 矢を見ると何とか勢いを失わないまま双頭の邪翼が貫いていた。

 だがタイミングを見失えば、イタズラに魔力を消費するだけの綱渡りな戦いに、ほむらは緊張感から集中力が増し、普段以上の力を発揮する。

 双頭の邪翼が攻撃している間は完全にジェフリーの影に隠れて防御に徹し。

 攻撃が止めばバズーカとサブマシンガンの攻撃を一気に放ち、少しずつではあっても魔女の体力を削っていく。

 地味な攻撃の成果は確かに現れた。

 翼は矢と卵の攻撃によってボロボロに切り裂かれ、飛ぶのもままならない状態になり。

 体全体を見ても切り傷と爆破によるえぐれた傷が増え、目に見えてダメージを負っていることが分かった。

 ほむらが心眼で確認すると、その体は赤く染まっていた。

 

「ここで一気に勝負を決めるわ!」

 

 体が赤く染まっていることから、あと少し押せば倒れると判断したほむらはジェフリーの背中から飛び出して時間停止魔法を使用して攻撃がこちらに届く前に一気に勝負をつけようと、可能な限り矢と卵を放出したところで再びジェフリーの背中に隠れて時間停止魔法を解除する。

 すると上空で大爆発が起こって黒煙と共に双頭の邪翼は地面へと落下して、轟音と共に砂埃を舞わす。

 砂埃でその姿は目では確認できないが、心眼では確認でき、ほむらが心眼を発動させるとその体は相変わらず赤く染まっていた。

 

「援護してちょうだいジェフリー。ここで時間を取られるわけにはいかないわ!」

「お、オイ!」

 

 功を焦りすぎているほむらをジェフリーは止めようとするが、その言葉は彼女の耳には届いていなかった。

 心眼で位置をしっかりと見定めると、サブマシンガンとバズーカ砲を構えて一気に矢と卵を射出する。

 小気味よい音が聞こえて辺りが爆炎で包まれると、オクタヴィアを倒すために必要以上に爆弾を設置して一気に倒したことを思い出す。

 念には念を入れてソウルジェムが濁り出した時に攻撃を止めて、心眼で魔女の様子を確認する。

 その瞬間に予想外の出来事が起こり、ほむらの思考は止まった。

 目の前に高水準のエネルギー弾が襲ってきたからだ。

 一直線に繋がって襲いかかるそれは炎と氷の魔力が交じり合った直線の津波と呼ぶに相応しい物。

 心眼を解除して盾に触れようとするが、その瞬間には攻撃はほむらを飲みこもうとしていた。

 

「ダメ……間に合わない……」

 

 死を覚悟した瞬間に、ほむらの眼前に壁が立ちふさがる。

 それがジェフリーだと気付いた時、彼は氷細工の蓋を発動する間もなく体だけで攻撃を受け止めきっていた。

 見る見る内に体中が火傷と凍傷、切り傷、爆破による傷と増え続けていく。

 ほむらはあまりのショックでそれを黙って見ることしか出来ず、攻撃が止むとジェフリーは片膝を突いて倒れそうになるが、彼は気持ちを強く持ってほむらの方を向くと、一言呟くように言う。

 

「無事か? ならいい……」

 

 それだけ言うとダメージが深かったのか、ジェフリーはその場で『癒しの花(改)』を発動させると、身を守るようにうずくまった。

 ほむらは責任感に押しつぶされそうになるが、すぐに頭を切り替えると心臓を地面に埋め込んでゴーレムを召喚すると命令を下す。

 

「ジェフリーを守りなさい」

 

 命令を受けるとゴーレムは小さく頷いてジェフリーを抱きかかえて蹲る。

 彼の無事が確保できたのを見ると、ほむらの怒りは全ての元凶である双頭の邪翼へと向けられた。

 

「双樹あやせ! ルカ!」

 

 右手にサブマシンガン、左手にバズーカ砲を持った状態で砲撃を放ちながら、ほむらは双頭の邪翼へと突っ込む。

 先程と違い勢いのない火球、氷球を発していることから、先程の攻撃が最後の気力を振り絞った物だと判断したほむらは弱点属性に変えることも忘れ、自分が最も得意としている炎のエレメントで連続攻撃を放つ。

 矢が突き刺さり、卵が爆発するたびにほむらはまだかまだかと功を焦っていたが、しばらくすると違和感に気づく。

 攻撃はクリーンヒットしているはずなのに、魔女は変わらぬ調子で攻撃を繰り返していて体力が落ちている傾向がなかったからだ。

 この異常な事態に血が上っていた頭に冷静さが取り戻され、ほむらは心眼で様子を見る。

 予想したくなかった事態にほむらは愕然とした表情を浮かべた。

 

「体力が回復している……」

 

 先程まで真っ赤に染まっていた体であと一歩押せば倒れる状態だったが、今魔女の体は黄色く染まっていて、体力的には50%ぐらいの状態にまで回復していた。

 この状態をどう言うことなのかとほむらは今までの経験から考え、一つの結論を導き出す。

 

「まさかシャルロッテと同じで第二形態を持った魔女……」

 

 結論が出た時には最悪のシナリオが出来上がっていた。

 それまでの体にヒビが入ると双頭の邪翼は砕け散るが、それはサナギから蝶に変体するような物であり、そこから新たな魔女が生まれた。

 筋骨隆々の肉体に中央には先程と同じ犬の頭、だが違うところをあげると双方を囲うように人間の顔があることだ。

 見覚えのある憎々しい顔を見ると、ほむらは思わず歯ぎしりをして憎しみがこもった目線をぶつける。

 

「双樹あやせ……ルカ!」

「ギャハハハハハハハ!」

 

 人間としての意識の名残なのだろうか、人間の顔二つはほむらをあざ笑った。

 背中には巨大な翼があり、手には赤と青が螺旋に入り混じった巨大な槍が持たれていた。

 ここからが本番だと踏んだほむらは呼吸を整え直すと、まっすぐ双頭の邪翼と向き合う。

 魔女は自分に敵意を持った存在に対して、槍を自分の腹に刺して収めると、四つん這いになって犬のように四足歩行で一気にほむらとの距離を詰める。

 陸上選手が行うクラウチングスタートの要領で突っ込む魔女のスピードに対応しきれず、ほむらはと時間停止魔法を使うよりも攻撃を放つことで突進を止めることを選び、バズーカの砲撃を放つ。

 だがその選択は間違っていた。

 その程度の攻撃で双頭の邪翼の突進は止まらず、視界が悪いので直接かみ砕くことはしなかったが、ターンをして足で蹴り飛ばすとほむらの体力を削ろうとする。

 バックスピンキックをまともにもらってしまい、ほむらの体は勢いよく吹き飛ばされ壁に激突する。

 双頭の邪翼は勝ち誇ったように雄たけびを上げると、次の標的をゴーレムに守られているジェフリーへと向け、四足歩行で突っ込んでいく。

 

「させない! それだけは!」

 

 壁から強引に体をほじくり出すとほむらは盾に触れて時間停止魔法を発動させる。

 自然落下で落ちていくと、双頭の邪翼の背に乗ると、三つの頭に球根をそれぞれ置いて周りを矢で覆い尽くす。

 例え心眼を使わなくても、この魔女の呪部は簡単に分かる。各々の頭部だ。

 そこを潰せばどんな生き物でも終わりを迎えると思い、ほむらは時間停止魔法を解除すると双頭の邪翼の背中から飛び降りて離脱する。

 同時に球根は魔力を得て大きく膨らみ大爆発を起こした。

 辺りが黒煙に包まれると、ほむらは心眼で魔女の様子を確認する。

 四足歩行の獣の状態から二足歩行の状態になっていて、手には腹に刺さっていた槍が持たれていた。

 体の色は黄色く染まっていて、これならいけると判断したほむらは一気に勝負をつけようとサブマシンガンとバズーカ砲での砲撃を黒煙に向けて放つ。

 だが矢と卵は振り抜かれる一閃にて切り裂かれる。

 黒煙の中から出てきたのは、人間の頭二つを潰され、中央部に残った最後の犬の頭も酷いケロイドで覆われて見るに耐えない状態となった双頭の邪翼。

 槍を片手に魔女はほむらへと突っ込んでいく。穂先が届く瞬間、ほむらはサブマシンガンとバズーカ砲を自分の前方で交差させて岩のエレメントのイメージを作り上げる。

 命令を受けると供物は岩のエレメントへと変化し、サブマシンガンとバズーカ砲も硬質化した。穂先を受け止める鈍い音が響き、ほむら自身にも衝撃が伝わるが貫かれるよりはダメージが低く、反撃に転じられるだけの体力もあった。

 だが衝撃は少女の小さな体では耐えられるものではなく、ほむらの体は再び吹っ飛ばされて壁へ激突する。

 

「まだまだこれからよ……え?」

 

 反撃に転じようとした瞬間、ほむらは手に馴染んでいる武器から嫌な音が響くのに気づいて青ざめた顔を浮かべた。

 亀裂が走ってミシミシと音を立てて崩壊していくサブマシンガンとバズーカ砲、疲弊しきったかのように瞬く間に崩壊して砂と化した武器を見て、ほむらは言いようのない恐怖を覚えた。

 

「何でこんな時に……」

 

 過去にも武器のメンテナンス不足から崩壊して危機に陥ったことは多々ある。

 そこからほむらは必要以上の武器を盗んで、スペアに事欠かない状態を作っていたが、今回はジェフリーが供物を用意してくれたこともあり、最初の窃盗以降武器の窃盗は行わないでいた。

 今持っている武器は炎の球根と炎魔人の心臓だけだが、球根は魔力を与えなければ爆発させることが出来ず、ゴーレムは今ジェフリーを守っている状態。

 となると使えるのはあまり得意ではない小太刀の攻撃のみ、先程犬の口内に放り込んだのでどうなっているのか不安だったが、盾をまさぐればそれはあった。

 こうなったらやれるだけのことをやるしかないと腹をくくったほむらは、小太刀を片手に突っ込んでいく。

 だが少女の特攻は異形が放つ槍の横一閃によって振り抜かれて、ほむらの胸は横一文字に切り裂かれる。

 運よく小太刀でガードをしていたので、真っ二つに切り裂かれることはなかったが、それでも勢いよく胸から流れる鮮血にほむらの心拍数は上がり、平静さが失われていくのを感じた。

 何とか着地すると再び小太刀を片手に、今度は巨体ゆえに視界が悪くなっている足元を狙って突っ込む。

 だがそれも双頭の邪翼は読んでいた。

 股の間から投げ飛ばすように槍を放つと、ほむらの体は穂先によって弾き飛ばされてしまう。

 勢いがありすぎたため貫かれることはなかったが、それでも少女の肩には丸く大きな傷が抉られるように作られていて、そのまま壁に激突した。

 痛覚排除魔法が使えないことから、ほむらの意識は朦朧としていた状態となっていて、どうしていいか分からずに小太刀を片手に何とかめり込んだ体を起こすことだけしか出来なかった。

 

――何をしている? 何故遠距離攻撃の投擲弾魔法を使おうとしない?

 

 そこにテレパシーが響く。声の主がジェフリーだというのは分かり、張りからもう大丈夫なのだと判断するとほむらの中で喜びも生まれるが、彼の質問の意味を理解するとすぐにテレパシーで反論をする。

 

――もう発射するための武器が崩壊したのよ! 弓がなくて矢が放てられる訳ないでしょ!

――何も分かっていないな。今までのお前は鞘に収まった状態で剣を振っていたような物だぞ。

 

 ジェフリーの例えでほむらの中でもしかしたらという思いが生まれ、震える手で右手を突っ込んでくる双頭の邪翼へ向けると、三本の矢が空中に現れた。

 この攻撃方法はジェフリーがよく行う物であり、やり方も知っている。

 ほむらはジェフリーがやっているのを見様見真似で行おうと手を振り下ろした。

 

「貫け!」

 

 命令を受けると矢は放たれて、三本の矢は一本ずつ分かれていき異形の右目を貫く。

 目を貫かれた痛みに双頭の邪翼は顔を庇うように手で覆い、突進を止めると地面へと落下していく。

 その際ほむらは左手を試しにかざすと、手の中には小さな卵が作られていて、狙いを定めてがら空きになっている犬の口内目がけて卵を放とうとする。

 

「爆ぜなさい!」

 

 手の中にある卵は勢いよく放たれ、ほむらの狙い通り犬の口内へと放り込まれる。

 口内で勢いよく爆発した卵の威力は口の中だけでは納まらず、両頬が爆発して爆風が吹き飛ぶほどだった。

 双頭の邪翼が落下していくと、ほむらはリブロムの涙でソウルジェムを浄化して体力と怪我を回復させると地面へと着地して改めて魔女を見つめる。

 着地した地点はゴーレムの隣、これは予感であった。

 そして予想は的中し、ゴーレムが土へと帰ると同時にジェフリーは万全の状態で現れて、二人は並んで双頭の邪翼を見つめた。

 

「決めるぞ」

 

 静かにそう言うジェフリーに対して、ほむらも同じように頷く。

 改魔のフォークを片手にジェフリーは突っ込んでいき、ほむらは援護のため右手をかざして炎悪魔の矢尻炎竜の卵を双頭の邪翼に叩きこもうとしていた。

 ここで双頭の邪翼も新たな攻撃へ移ろうとする。

 翼を大きく広げ、そこから無数の炎と氷で覆われた羽を広範囲に放つ。

 ほむらは心眼で魔女の様子を見る。

 今度こそピンチの状態なのだろう。その体は黄色く染まっていて、向こうも結構追いこまれているとほむらは判断した。

 同じ轍を二度踏む訳にはいかない。ほむらは冷静に右手をかざして炎悪魔の矢尻を放つ。

 それも一つや二つではない。全快の状態なのもあるため、双頭の邪翼が放った羽と同じ数だけこちらも矢を放った。

 しかもその全てが羽を撃墜し、ジェフリーの特攻を遮らないでいた。

 ジェフリーの例えは間違っていなかった。今まで以上に狙いが付けやすくなり、攻撃力の威力を増せることから、自分に力が付いていることが分かった。

 ジェフリーはほむらのバックアップもあって、一気に双頭の邪翼の懐へと入る。

 当然追撃のため、双頭の邪翼は槍を地面に突き刺すが、その頃にはジェフリーは既に空高く飛び上っていて、狙いを犬の頭に見定めて刃を振り下ろそうとしていた。

 

「グオオオオオオオオオオ!」

 

 その瞬間双頭の邪翼は雄たけびを上げる。

 その声にほむらは驚くがそれがただ苦しみから逃れたいだけの叫びじゃないことはすぐに理解できた。

 地面を這うように氷と炎のエネルギーは蛇のように辺りを襲う。上空に逃げているジェフリーはこの攻撃をかわせられたが、ほむらは羽を撃墜するのに意識を集中させすぎていて、盾に触れるのが一瞬だけ遅れた。

 それが命取りだった。ほむらの体は炎と氷の魔力が入り混じった蛇によって貫かれ、その体は勢いよく宙へと浮かされる。

 

「ほむら!」

 

 この攻撃は一撃で致命傷レベルのそれになる。長年の経験がそれを感じ取り、ジェフリーは悲痛な叫びをほむらに向けて放つ。

 だがその瞬間に注意が完全にほむらへと向けられたのは失敗だった。

 双頭の邪翼は空いている左手で上空のジェフリーに向かって、力の限りハンマーパンチを振り下ろす。

 勢いよくジェフリーは地面へと叩きつけられ、のしイカのように突っ伏してしまう。

 だがすぐに震える体を起き上がらせると、ジェフリーはほむらの方を見る。

 力なく突っ伏している彼女を見て、ジェフリーは慌てて心眼を発動させる。

 体が真っ赤に染まっていることから、少しでも押せばそのまま死へと向かうことが分かり、ジェフリーは憎しみを持った目で双頭の邪翼を睨むが、その際激しい頭痛が起こる。

 

――こんな時に!

 

 魔法使いは多くの魂を自分の右腕に宿して、その魂の経験や力を自分の物にする事が出来る。

 だが当然この行為にはデメリットもある。

 生贄に宿した魂の記憶まで引き継いでしまうので、記憶の混濁というのが多々起こってしまうことだ。

 ジェフリーは激しい頭痛と共にこの場とは関係ない記憶がフラッシュバックしていく。

 それはアヴァロンの対抗組織であるサンクチュアリに潜入捜査をした時の記憶。

 入団試験のため、自分はエレインと名乗る少女とコンビを組んで試験に望んでいた。

 男女のペアということから、ジェフリーの苦い記憶が呼び起される。

 そして彼女が倒れた時、自分が今でも気に病んでいる記憶が一気に蘇っていく。

 自分が最愛の彼女を殺した時の記憶が。

 

「ニミュエ……」

 

 動きが完全に止まったジェフリーに対して、トドメとばかりに双頭の邪翼は槍を振り下ろす。

 だがその瞬間に穂先から伝わる異常な熱に違和感を覚え、双頭の邪翼は眼下の獲物を見る。

 その体は火炎で覆われ、憎しみに満ちた目をジェフリーが魔女に向けると同時に、彼は手を大きく広げて体の中にあった火炎を一気に放出させた。

 

「テメェは許さねぇ……塵一つ残さず燃やし尽くしてやる!」

 

 全身の皮膚は炎に変わって空へと放たれる。

 空へと放たれた炎は鬼の形となって一帯を焼き尽くす。

 攻撃対象である双頭の邪翼は炭化するかのように体が消えていき、その体は砂塵と化していく。

 辺りが急に熱を帯びたのを感じ、ほむらは気を失っていた状態から目を覚まし、現状を確認しようとする。

 

「何これ?」

 

 その場の光景を見てほむらは絶句した。

 中央を陣取るジェフリーは全身を炎で包まれていて、その炎は双頭の邪翼のみを焼き尽くし、炎の中にいるにも関わらず自分は少し熱い程度で熱を全く感じていないことに驚いていた。

 ほむらが驚いている間に双頭の邪翼の体は完全に炎に包まれて消え、残ったのは双樹あやせ、ルカだった物であるコアだけ。

 ジェフリーは荒い息遣いのまま右手を突き出してコアをその魂を生贄に捧げようとする。

 

「お前らに対する慈悲などない!」

 

 右手は双樹あやせ、ルカの魂を吸い取り、右腕に宿した。

 魂を宿した瞬間にジェフリーは激しい目まいを覚え、片ひざを突いて倒れそうになる。

 

「ジェフリー!」

 

 その瞬間にほむらはジェフリーに駆け寄った。

 それは彼の異常な事態を心配してのことだった。

 全身の皮膚という皮膚が激しい火傷で覆われていて、見ていて痛々しい状態であった。

 彼が何をしたのかは分からないが、とにかくすぐに回復魔法を施さなければいけないと判断したほむらは慣れない回復魔法を施そうとする。

 

「ダメだ……禁術による代償はリブロムの涙でしか治せない」

 

 震える声でジェフリーはリブロムの涙を右手から出して体にかけていく。

 見る見る内に元の皮膚に戻って行くのを見て、ほむらは安堵の表情を浮かべるが、同時に現状を思い出し、ハッとした顔を浮かべると彼を立たせようとした。

 

「思わぬ邪魔が入ったけど、早くさやかを!」

 

 ほむらに促されてジェフリーも震える足で立ち上がって彼女に続く。

 だが激しい目まいと酷い頭痛に悩まされ、ジェフリーは彼女の後を付いていくので精一杯の状態であった。

 その原因は分かっている。双樹あやせ、ルカの魂を生贄に捧げたからだ。

 

(何て邪悪な魂だ……)

 

 邪悪の塊と言ってもよい魂はジェフリーの体内のバランスを崩そうとしていた。

 体の中にある良心を食いつぶそうと侵食していく魂を押さえつけるのに必死で、ジェフリーの足元は覚束ない状態だった。

 

 

 

 

 ***

 

 

 

 

 ほむらは今までの経験とわずかに残った魔力の残証を頼りに、さやかを探すが結果として一歩遅い状態になっていて、さやかを見つけだすことは出来なかった。

 今は駅で電車を待っている状態で、その間もほむらの表情は厳しいままだった。

 隣にいるジェフリーが先程から体調が芳しくないのか、苦しそうに呼吸をしているのも原因の一つ。

 それともう一つは電車の遅延。先の電車で急病人が出たため、治療のために搬送している状態のため電車の到着が遅れていることにあった。

 時計を見るともう時間がないと判断し、ほむらは線路を走って行こうとするが、その手はジェフリーに止められる。

 

「その前にやるべきことがある……」

 

 そう言うとジェフリーはほむらの手を引っ張りながらホームから出ていく。

 突然の奇行にほむらは何も対処することが出来ずになすがままにされ、駅から出ていくと一台の救急車の前へ彼は飛び出す。

 当然急いでいた救急車は急ブレーキをかけて止まり、運転手である男性は乱暴にドアを閉めてジェフリーの前に立つ。

 

「何を考えているんだアンタは⁉ こっちは一刻を争う状態なんだぞ!」

 

 怒鳴り散らす男性を無視して、ジェフリーは眠り教主の花の顆粒をぶつけて男性を眠らせた。

 助手席に座っていた男性も飛び出すが同じように眠らせると、ジェフリーは何も言わずに救急車の中へと入る。

 

「ちょっと! 一体何を⁉」

 

 強引にジェフリーの手を振り払ってほむらは彼を連れ戻そうとするが、車内の光景を見ると言葉を失う。

 鋭利な刃物で顔面をズタズタに切り裂かれて、この様子では命は助かっても顔面の再生は不可能でもうまともな生活には戻れないことが分かる。

 悲痛な傷を負っているのはホスト風の男性二人であり、ほむらはそこから感じられる僅かな魔力の残証から仮説を立てる。

 

「まさか、さやかが?」

 

 魔力の残証をさやかと勘違いしてジェフリーは行動したに違いないと判断して、取りあえずはホストたちを治療しようとするが、それよりも先にジェフリーは右腕を突き出してそこから青白い優しい気を発する。

 すると傷は見る見る内に消えてなくなり、男性二人から青白い気がジェフリーの右腕に宿る。

 生贄行為とは違う行為に困惑するほむらだが、ジェフリーはそれに構わず救急車を出よとうする。

 

「ちょっと待ってよ……」

 

 その時ホスト風の男性に呼び止められ、二人は振り返る。

 話が出来る状態になったのを見ると、ホスト風の男性は自分に何が起こったのかを話しだす。

 

「さっき電車に乗っていたら、そっちの女の子と同じ制服の子にいきなり刃物で切り付けられてさ……で今度は助けられた。アンタ、あの娘の知り合い?」

 

 話を聞くとそれがさやかであることは即座に理解できた。

 ほむらはホスト風の男性の胸倉を掴んで情報を聞き出そうとする。

 

「彼女はどこにいるの? 答えなさい!」

「今どこにいるかまでは分からないよ。ただ電車から降りてったてことしか……」

 

 それだけ聞くとほむらは魔力で脚力を強化して男性に言われた駅へと向かう。

 完全に呆けている男性二人は質問する対象をジェフリーに向けようとするが、彼は眠り教主の花の顆粒を二人にぶつけると彼らを強引に眠らせた。

 

「全て忘れろ……」

 

 それだけ言うとジェフリーもまたほむらの後を追う。

 自分が成すべきことをやるために。

 

 

 

 

 ***

 

 

 

 

「アタシってほんとバカ」

 

 泣きながら杏子に言ったその言葉、それが美樹さやかの最後の言葉だった。

 その瞬間にソウルジェムは砕け散り、魔のエネルギーが一気にさやかから放出され、彼女は眠るようにその場に横たわる。

 何が何だか分からない杏子は辺りを見回すと、そこは既に魔女の結界になっていた。

 そして目の前にいるのは鉄仮面の人魚のような姿をした魔女。

 魔女は獲物を見つけると巨大なサーベルを振り下ろして攻撃するが、杏子は反射的に幻惑魔法を使って残像を用いてかわし、さやかの体を保護した。

 

「何でよりにもよってこんな時に!」

 

 今は目の前の魔女の戦力もよく分からない。それにさやかの身も守らないといけない。

 そこから魔女の討伐の優先順位を一番には置かず、杏子はさやかを抱きかかえたまま逃げることを選び、どうにか魔女の結界からさやかを連れて逃げ出せた。

 自分とさやかの無事を確認すると杏子はさやかのソウルジェムを探す。

 だがどこにも彼女のソウルジェムは見当たらなかった。先程まで持っていたはずなのに。

 心眼を使ってもソウルジェムの輝きはどこにも見当たらない。それどころか生命体はサーモグラフィーの状態で映し出されるはずなのに、心眼にするとさやかの姿は確認することが出来なかった。

 

「何がどうなってやがる……」

「佐倉さん!」

「杏子ちゃん!」

 

 その時電話で呼び寄せたマミとまどかもその場に合流した。

 だが二人は力なく生気のない表情で横たわっているさやかを見ると絶句した。

 

「佐倉さん、美樹さんのソウルジェムは?」

「探しているんだけど、どこにも見当たらない……」

「そんな! 24時間以内に見つけないと、さやかちゃん本当に死んじゃうんでしょ⁉」

 

 まどかの悲痛な叫びにも杏子は何も返すことが出来ずに俯くだけ。

 あまりに予想外の出来事が多すぎて、杏子もどう返していいか分からない状態だったからだ。

 何度も杏子の体を揺さぶってさやかの安否を確認するまどかをジッと見ることしか出来ないマミだったが、そこに第三者の存在が現れると彼女の注意はそこへと向けられた。

 

「あなた達……」

 

 そこにはボロボロの姿になっているジェフリーとほむらが居た。

 その場にいずにさやかの捜索も手伝わなかった二人に対して、杏子の中で二人に対する怒りの感情が沸々と沸き上がるとさやかを一旦ベンチに寝かせて、二人に詰め寄る。

 

「テメェら今までどこほっつき歩いてやがった⁉ こっちは大変だったんだぞ!」

 

 今にも胸倉を掴んで殴り掛かりそうな杏子をマミは制するが、ほむらは最悪の結果に終わったことに項垂れ、弱弱しく語り出す。

 

「私だって助けたかったわよ。けど……」

「学校から帰る途中に魔女に襲われたんだよ」

 

 口ごもるほむらに対してジェフリーが代弁する。

 実力者二人のコンビがボロボロの状態になるまで苦戦させられることが信じられず、杏子は暴れるのを止め、マミに一言「悪い」とだけ言うと再び二人と向き合って話し出す。

 

「それじゃ仕方ないな。でもどんな魔女なんだ? お前らが二人がかりでそこまで苦戦する魔女なんて……」

「双頭の邪翼。かつて双樹あやせ、ルカだった魔女だよ」

 

 そこに誰の物でもない声が響く。

 全員が声の方向を見るとそこに居たのはキュゥべえだった。

 言っている意味が分からず、杏子が代表して獣の前に立つと問い詰めるように話し出す。

 

「君達の間では大人になる前の女性を少女と呼ぶんだろ? 成長して魔女になる前の存在だから魔法少女って言うんだよ」

「何が言いたい?」

「だから言葉の通りさ。ソウルジェムに穢れが溜まり切った存在は魔女になる。グリーフシードはソウルジェムの名残みたいな物だよ。穢れを他の容器に移し替えるだけのことさ」

「じゃあつまり……アタシたちは遅かれ早かれ、魔女になるってことか?」

「そう言ってるじゃないか……」

 

 理解力に乏しい杏子を窘めるようにキュゥべえは言うが、その瞬間肉体は無数の矢によって四散した。

 最も知られたくなかった情報を知らされたほむらは恐る恐る一同を見る。

 まどかは愕然とした顔を浮かべて、杏子は幽鬼のように虚ろな顔を浮かべて、マミは手で顔を覆いながら涙を抑えるのに必死だった。

 

「じゃあさっきの魔女がさやかだってのかよ……」

「い、嫌ああああああああああああ!」

 

 その時マミの絶叫が迸る。

 何が起こったのか分からず、一同がマミの方を向いた瞬間、彼女は魔法少女姿に変身していて、杏子にマスケット銃を向けていた。

 

「どうせ魔女になるなら、皆死ぬしかないじゃない!」

 

 乱打されていく銃弾の数々に杏子は呆けることしか出来なかった。

 その前に一つの壁が立ちふさがる。

 それはほむらが変身して時間停止魔法を発動させるよりも早く、ジェフリーは氷細工の蓋を発動してマミが放った銃弾を全て受け止めると、杏子に向かって檄を飛ばす。

 

「ボーっとするな! さやかを守れ! ほむらお前はまどかを守れ!」

 

 檄に促され、杏子はさやかを抱え上げてその場から立ち去り、ほむらは呆けているまどかの手を取ると杏子と一緒に安全なところへと避難する。

 こうなっては何をやっても無駄なので、あとはまどかが魔法少女にならないよう威圧するのが今までのほむらのやり方だが、今はただジェフリーが何をやろうとしているのか見守ることしか出来なかった。

 

「邪魔をしないで!」

「止めろ! まどかは関係ないだろ!」

 

 正論に対してもマミは泣きながら銃弾を発するだけであり、氷細工の蓋を欠けさせた。

 欠片が頭に当たり血が流れるのを見るとジェフリーは怒りに満ちた目でマミを睨み、氷細工の蓋を解除してまっすぐ彼女を見つめた。

 

「ダダをこねるな! いい加減にしろ!」

「邪魔をするならあなたも殺すわ!」

 

 ジェフリーは改魔のフォークを召喚し、マミはマスケット銃で狙いを定めて銃弾を放つ。

 予想外の戦いが起こったことに、ほむらはただ見守ることしか出来なかった。

 これが奇跡に繋がるかもしれないという淡い期待を持ちながら。




少女が人である事を繋ぎ止めるため男は抗う。かつて守れなかった存在が居たから。



と言う訳で原作では結構早くフェードアウトしたので双頭の邪翼を改造してみました。第二形態に関してですが、そうです。ソウルサクリファイス内での魔物『ケルベロス』をベースに改造しました。こいつには何度も泣かされたので所見で槍の攻撃を食らって、お陀仏になったのは嫌な思い出です。

次も頑張りますのでよろしくお願いします。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。