そして異常気象以上に便利な言葉を考え付いた(ぇ)
「もしかしたら、この子達はマボロシ島からやってきたのかもしれないね」
「まぼろしま?」
「マボロシ島」
オダマキ博士に「見知らぬ草ポケモンが乱入なう」とライブキャスターで連絡したら即参上した件。いや、たまたま近所をフィールドワークしてたんだけどさ。
ワキャワキャとナゾノクサ達(+スボミー♀ことスーちゃん)と混じって遊んでいるのは、パラス・チュリネ・ボクレー・クルミル・そして全く知らん草ポケモンの計5匹。
ご飯を食べたばかりだから元気いっぱいだ。因みにイーくんとアーさん以外の手持ちポケモン達はその様子を眺めている。知らないポケモンが居るから様子見してんのかな?
「マボロシ島は其の名の通り幻の島でね、『そらをとぶ』で探しても滅多に見つからないんだ。ハルカやユウキ君といった見つけた事のあるトレーナーの話によると、珍しいポケモンもチラホラいたようなんだ」
「というと、この間の嵐が原因で?」
「ニュースでも言ってたけど、その通りだ。私もその調査を兼ねてフィールドワークをしていたんだけど……ここまで密集しているとは思わなかったよ」
珍しそうに草ポケモン達を見るオダマキ博士。うん、ホウエン地方では見かけないであろうポケモン達が種類豊富に取り揃えてありますからね、仕方ないね。
するとオダマキ博士は「しかもだ」と言って草ポケモン達に近寄り、虫みたいなポケモンを素早くキャッチ。「キャー」と言っているようにはしゃいでいるが、オダマキ博士は気にせず、そのポケモンを僕に見せつける。
「このポケモンは特に珍しいよ。何せアローラ地方のポケモン『カリキリ』なんだから」
わちゃわちゃと暴れる草ポケモン(カリキリというらしい)を抱きかかえてオダマキ博士は言う―――What?
「アローラ地方?」
「最近話題にも出てるアローラ地方」
君も聞いたことはあるだろう?とオダマキ博士は言う。
アローラ地方と言ったら最近ニュースの話題にも出てくる新しい地方で、最近になって交流が盛んになったという。
独特の文化と生態系があると地方で、その地方に住むナッシーは首が滅茶苦茶伸びるという。写真でも見たが……あれは良いものだ。ポッ。
最近ではポケモンリーグ協会が関わったとかなんとか……まぁバトルは程々な僕にはどうでもいい話か。マサラダ食ってみてぇ~。
「しかしどうしてアローラ地方のポケモンがこんな所に……そもそもイッシュ地方とカロス地方のポケモン達がマボロシ島に生息する理由が……もしや噂に聞くウルトラホールの影響か……?」
そんなアローラ地方への想いを寄せていたら、オダマキ博士はカリキリを抱きかかえたままブツブツと脳内会議中。うるとらほーるってなんぞ?
野性派とも言われている(ハルカちゃんも野性的だったような)オダマキ博士だが、やっぱり科学者なんだなぁと思いつつその様子を眺める。
しかしマボロシ島かぁ……クルミルやボクレーと言ったポケモンがどうしてそんな島に住んでいるのやら。確かに台風で吹き飛ばされたで片づけて良い話じゃないけどさ。
船とか飛行機の荷物に紛れ込んだ「密入国」ならまだ解るけど、ニュースによるとシダケタウン以外でも他地方のポケモンを見たっていうし……どんだけ侵入されてんねん。
アローラ地方のポケモンも混ざっているのか、それともこのカリキリだけなのか……そこはオダマキ博士や
そしたらいつの間にかカリキリがオダマキ博士の腕から抜き出しており、はーやれやれ、と言っているように僕の太ももの上へぴょい~んっと跳び乗った。
そのまま椅子に座る僕を椅子代わりにカリキリが休憩を取る……なんつうかさ、君って本当に野生のポケモン?随分と人馴れしているようなんですが。
「……うりうり」
試しにカリキリの頭をグリグリと撫でたら心地よさそうに目を細めている。やだコノコ可愛い。
するとポンポンと跳びながらチュリネがやってきて、カリキリに鳴き声を上げてきた。「一緒にあそぼ」とでも言っているのだろうか?
対してカリキリは「今はいい」と言っているように鎌っぽい小さな葉っぱを振ると、チュリネは興味を失ってクルミルの上に乗っかり出した……あ、パラスも乗っかった。どこの積むパズルゲーだよ。クルミル苦しそ……うでもなく平気だった。強い子だ。
「……欲しいな」
ぽつりと呟くと、いつの間にかテーブルの上に居たローちゃんも同意しているように首を縦に振った。じゅるり。
バトルは苦手とはいえ、僕もポケモントレーナー。ポケモンは家族というより、危険ながらも頼れる仕事仲間っていう印象です。持ちつ持たれつな関係を築くのが僕流のポケモンライフ。
なので、珍しいポケモンや可愛らしいポケモンには興味を持ち、欲しくなっちゃうものです。無理やりにはゲットしないけど……あのカリキリは超珍しいってこともあって物欲が沸いちゃう。
チラリと横目を向ければオダマキ博士はブツブツ独り言なう。仮にゲットしても文句は言わなさそう。いやゲットしたら生態調査に協力してとか言って認めてくれるかも。
「えー、皆さん。1つお願いがあります」
ガサガサとオリジナルブレンド(各種きのみをポケモンフーズに織り交ぜたモノ)の袋を鳴らしながら言う―――10秒以内で僕の手持ちポケモン達が集結。流石。
ガーさん、アーさん、サンちゃん、キッパさん、ゴーさん、イーくん、ミノちゃん、そしてクケちゃん……は僕の頭の上。重いんだけど気にせず。
ヤーやんは相変わらず畑を周回し、ダイトさんはナゾノクサ達に入り混じって遊んでます。木陰で眠るザンさんに近づかないのはお約束。ロトやん?ビビって家から出てきません。
「各自包囲網を敷け!あの子らが裏庭から出ていかないように!」
各自「ラジャー」と言っているように敬礼し、さりげなく移動して出入り口を塞ぐポジションに付く。
ふふふ、何も知らずに遊ぶお子ちゃま草ポケモン共よ……逃げ道を塞がれた以上、お前らはじっくりと籠絡されるしかないのだ……。
―具体的には食い物と環境で!
―続く―
勢いで書いたら、ハーメルン内で20分で書けちゃった。楽チーン(粗削り+誤字多発必須)
そして便利な言葉「ウルトラホール」!ゲーム未プレイだから詳しくは知らんけどな(ぇ)
次回、草ポケモンスカウト大作戦!
●最後にどうでもいい話。
「EverOasis」というゲームが来月発売されるんですが、この作品みたいで私好み(笑)