2/23:誤字および語弊修正。ご報告ありがとうございました。
どうも。草ポケモン大好きなハヤシです。職業は木の実屋さん。トレーナージョブでいえばブリーダー、だといいな。
この度、友人マサに頼まれたマキシマム仮面のサインをゲットすべく、ノモセジムリーダー・マキシさんに挑むことになりました。
マキシさんのキングラーを2体目のポケモンで倒した後、マキシさんは新たなポケモンを繰り出してきた。
そのポケモンが、岩と水の複合タイプを持つ、生きた化石とも言われているジーランスだった。ホウエンでもかなり珍しい。
そのジーランスですが、プールサイドから顔を出しているだけでボーっとしとるんですが……。
「おうジーランス、シャキっとせんかシャキっと!」
渇を入れるマキシさん。ハっとして目を「―」から「/」にして声を荒げるジーランス。
そんなジーランスに向けて大口を開けて「キシャー」と威嚇するキッパさん。
これって、ジーランスがモンスターボールから出た直後にすべき行動では……まぁ、のんびり屋なポケモンによくある光景だけどね。
「では、試合始め!」
でも、バトルは容赦なく続行されるんだけどね!
「近づいてキッパさん!」
「水中に潜れ!」
潜る前に近づきたかったけど、水辺に近づく前にジーランスが水中に潜っちゃった。
キッパさんは浮遊こそするし『つるのムチ』の威力からしてパワーもあるけど、遠距離攻撃がまるで無い。
そして草ポケモンにありがちな『しびれごな』といった粉系の技も覚えていない。ローちゃんに教われば覚えるだろうけど……。
そう、本来なら草ポケモンは水中戦にも割と強い。何故なら粉系の技を水中にばら撒くことができる為、下手したら地上よりも効率が良くなるからだ。
マキシさんの事だから元から対策もあるだろうが、それ以前に相手が『大食い』のマスキッパだから粉系の技は覚えていないと判断し、水中に逃がしたんだろう。
それにしたって何を仕出かすつもりだろうか。
「『もろはのずつき』ぃぃぃ!」
マキシさんの叫びと共に水中から若干スリムになったジーランスが勢いよく出てくる!
―ドッスン!
出てきた所を攻撃してやると空中で身構えていたキッパさんの腹(?)に直撃!それどころかキッパさんは空高く吹っ飛んでいく!
腹にジーランスの頭がモロにヒットした為か気絶してしまい、天高くから落ちて来るキッパさんをモンスターボールに戻す。
「マスキッパ、戦闘不能!」
そんな僕は審判の判定で我に返った途端、頭が混乱しだした!
「なんですか今の技!?『ずつき』?あれって『ずつき』ですか!?『ロケットずつき』でもなく!?」
ゴッツンどころかドッスンって音していたよ!滅茶苦茶いたそう!腹パンなんか目じゃないぐらいに!
そんな混乱して喚く僕を「落ち着け落ち着け!」と大きな声で制してくれるマキシさん。
「なんだお前さん『もろはのずつき』を知らんのか?」
「し、知らんとです」
「威力は絶大だが反動で自身にもダメージを受ける、文字通り諸刃の剣とも言える頭突き技だ!」
そう説明してマキシさんは「ロマン溢れる技だろう!」と大笑い。ジーランスはまたボーっとしておりますがな。
それにしてもそんな技があるとは知らなかったなぁ。格好悪いけど僕ってバトル沢山しているわけじゃないから。
ということはあのジーランスは相当な『いしあたま』ということなんだろう。『ロックカット』でスリムになって高まったスピードと相まって、その威力は絶大なもの。
―今度はどうやって突破すればいいんだ……。
バトルするなら勝つ気でやらないと、努力して育てたトレーナーにも愛情を受けて育ったポケモンにも失礼に値する。バトルマニアのマサに教えられたことだ。
なので勝とうとする気で考えてみるも、あのジーランスの破壊力は恐ろしい。ローちゃんが粉系の技を使おうと水辺に近づけばアウトだろう。
残り2匹ということもあって慎重に考えた結果……次はこの子に決めた!
「頼んだよミノちゃん!」
今度はミノマダムことミノちゃん(草の蓑)!フィールドに陣取る姿は
「おお、ミノマダムとは珍しいな!」
「え、ミノマダムってシンオウ地方出身でしょう?」
「あまり見ん!」
「えー……」
まぁ草と虫の複合タイプって弱点めちゃくちゃ多いから仕方ないね。
ちなみにイーくんやローちゃんでなくミノちゃんを選んだのは、彼女の戦闘スタイルに起因している。
「それでは……試合開始!」
「潜水して身を隠せ!」
「『はっぱカッター』!」
―シュドドドドド!
「ぬおぉ!?ジ、ジーランス!」
ポケモンへの指示はマキシさんの方が早かったが、ミノちゃんの高速射撃が上回った!
体に纏う蓑から大量の葉が高速で射出され、頭から潜ろうとして見せたジーランスの背中に直撃。
草と岩の複合タイプというだけあって相当の痛手を負えたのは美味しいが、それでも水中に潜られてしまった。
「うぐぐ、なんという早撃ち!しかしまだまだやれるぞぉ!」
「こちらこそ!」
そう、痛手を終えたが致命傷ではない。タイプ相性が良くてもレベル差があるからなぁ。
それに水中に潜られたら打つ手なしという状況もそのままなので、じっと耐えるしかない。
さてどこから攻めてくるか……お互いにバトルフィールドと水辺を見張る中、マキシさんの目がくわっと見開いた!
「『ストーンエッジ』ぃ!」
「『まもる』!」
よし、今度はこっちの指示の方が早い!
一瞬だけあらゆる技を無効化する『まもる』の障壁がミノちゃんを包み、右斜め後ろから飛んで来た鋭い岩を弾き飛ばす。
障壁を解いて後ろを振り向くが既に姿無し。ボーっとしているようで意外と機敏に動くね、あのジーランス。
「今度は『あくび』だぁ!」
「あ、『あくび』!?」
「○。(―■― )(ふわぁ~)」
「○。(―◆― )(ふわぁ~)」
しばらくすると眠らせてしまうっていうあの技か!そんなのまで持っていたのか!
欠伸をしていたミノちゃんが素早く振り向くけど、既に潜っちゃっていて姿が見えない。あ、フラフラしだした。
「○。(―ω― )(スヤァ…)」
―まぁ寝ちゃうよね。すぐに戻せばよかったんだろうけど。
「もういっちょ『ストーンエッジ』だぁぁぁ!」
「ですよねー!」
―こうかは ばつぐんだ!
―――
虫タイプに岩タイプの技とかキッツいです。しかも急所。
「ウワッハッハ!さぁ後が無いぞ、どうする!?」
「もう1匹さえいれば逆転の可能性だって充分ありますよ」
「なんだ、優男かと思えば中々豪胆だな!良いぞぉ!」
豪胆と言うか強がりなんですけどね。ジーランスはまだまだ健在だし。
とはいえローちゃんと相性が悪いのは事実。水辺に近づけば頭突き、遠くから撃とうにも射出速度が足りない。
ここで空を飛べるクケちゃんが使えればいいんだけど……仕方ない、ラストはこの子だ!
「頑張れよ、イーくん!」
「フィー!」
やっと出られたー!と言っているかのように嬉しそうに飛び出るリーフィアことイーくん。
何するのー?と尻尾と頭の葉をパタパタと揺らすが、目の前の
「イーくん、バトル頑張ってね」
「フィ……」
遊びではなくバトルだと知って残念がるイーくん。この子、遊びは好きだけどバトルはそれほど好きじゃないみたい。
「試合開始!」
―とりあえずバトルだ!今度はこの手で!
「『くさぶえ』を吹いて!」
―♪~♪~♪
尻尾の葉を口にあて、眠気を誘う軽やかなリズムを奏でるイーくん。
音なら水面から顔を出した途端に聞こえるから、強襲の対処には充分だよね!
「なんのこれしきぃ!『とびはねる』んだぁぁぁ!」
―ザッパァン!
うお、あの重そうな体で空高く跳べるとは……あ、『ロックカット』で身を削って軽くなったのかな?
とはいえ避ければ良い―ズドォンッ―だけの……あれ?
「(×皿×; )(むぎゅう……)」
いつの間にか、イーくんがジーランスの下敷きになって気絶していました。
……あれって『とびはねる』じゃなくて『ヘビーボンバー』だったんですか?ジーランスが覚えるかは知りませんが。
「リーフィア、戦闘不能!よってジムリーダー・マキシさ「マキシマム仮面だ!」マ、マキシマム仮面の勝利!」
「よっしゃあぁぁぁよくやったぞジーランスぅぅぅ!」
審判さんの宣言、そしてマキシさんの雄叫びで観客は大喝采。僕へも拍手を送ってくれました。
あ、呆気ない終わり方……。
ちなみにジーランスは『ヘビーボンバー』を覚えないようです。
●ハヤシの新入りポケモンの戦闘スタイル
・キッパさん(マスキッパ♂)
空中戦が得意なパワーファイター。草タイプにしては搦め手が少ない。
・ミノちゃん(ミノマダム♀)
高速射撃が得意で命中率も高い。反射神経が鋭いが殆ど動かない。
・イーくん(リーフィア♂)
今のところ戦闘スタイルが決まっていない。今後に期待。
●マキシさんのポケモンの戦闘スタイル
・キングラー♂
高速移動と影分身を合わせた超スピード型。空中戦はからっきしなのが弱点。
・ジーランス♂
ロックカットで素早くまたは自身の重みを生かした攻撃の2つのスタイルを使い分ける。
こんな感じです。とりあえずマキシマム仮面とのバトルはこれにて終了。
後はサインを貰うだけですが、ただで終わらないのが小説というものです(ぇ)
最後にナタネと再会したいし、シンオウ編はもうちょっと続きます。
なるべく早い目に終わらせて、ホウエン地方に帰して日常モードに戻したいです。