UA15000、お気に入り件数200突破!ありがとうございます!
なんかコラボとポケライフをアップしてから一気に増えた気がするような(笑)
昨日はザンさんに3匹のポケモンが怒られたっていう事以外、特に問題なくゆっくりと過ごせました。
んで、今日は木曜日。晴れ空の下、やっと全部実った木の実畑を色々と採取。木の実って育つのが早くて助かるわー。
そしてナタネちゃんがお昼過ぎに遊びに出かけお客さんが増えてきた頃―――その人は突然やって来た。
「おおハヤシや、お久し
そう言ってワッハッハと笑うのは、キンセツジムリーダー・テッセンさんことテッさんである。
僕達が旅立った頃に比べると年老いたとはいえ、テッさんは昔と変わらない明るい笑顔を見せてくれる。
そんなテッさんの笑顔を久々に見た僕は懐かしい気持ちに駆られる―――だがしかし。
「んー……30点が妥当かな」
ポケモンダジャレの採点には容赦しません。というかさっそくカロス地方のポケモンをダジャレに使いますか。
「なんじゃい、相変わらず厳しいのー」
そう言いつつもまた楽しそうに笑うテッさん。久しぶりだがこれもお約束なので、やはり懐かしい。
ローちゃんもゴーさんも懐かしさのあまり、仕事を放ってテッさんに挨拶。テッさんはそれに応じ、懐かしいのぉと良いながら撫でる。
昔はテッさんのライボルトやレアコイルにコテンパンにされたもんだよねぇ。
懐かしさを味わうのはそこそこにして、隣町のジムリーダーだからとお客さんにチヤホヤされるテッさんに声を掛ける。
「久しぶりだねテッさん。何か御用で?」
「おお、ようやくジムの仕事が片付けたんでな。顔出しついでに開店祝いを持って来てやったぞい」
ああ、そういえば言っていたね、そんなこと。ずっと前だから忘れていたよ。
だいぶ歳を取っているテッさんだがジムリーダーとしての実力や仕事の処理能力は健在で、日々ジムの仕事で忙しなく過ごしている。
時々顔を見に行こうとしても挑戦者が居るからとジムに入れない事が多く、ライブキャスターも無いので顔を合わせる事も無かったのだ。
「手紙で言ってくれたら
「そっちの方が面倒じゃろうが!それにお前さんらはワシに取っちゃ息子みたいなもんじゃからな。息子の顔を見に行きたいっちゅーオジさん心じゃよ」
確かに隣町の店に一々手紙を送るぐらいなら会いに行く方が早いよね。ライブキャスター買おうかなぁ……。
けどテッさんが土産を持ってまで会いに来てくれたっていうのは、やっぱり嬉しくなる。
「ありがとうテッさん……」
「わっはっは!笑いながら泣くのはよさんか!礼を言う時は元気よくな!」
ワッハッハと笑うテッさんの横で、ゴーさんとローさんが真似して背を反らしながら笑う。
それを見て小さく笑った後、テッさん足元に置かれていた大きな箱に目が行ってしまう。現金な奴だよなぁ、僕って。
「その箱がお祝いの品?」
「おお、お前さん新しい芝刈り機が欲しいと言っておったよな?」
テッさんは「どっこい
箱の大きさを見ると芝刈り機にしては小さい……というかテッさんが両手で持ち上げられるほどって、芝刈り機にしてはやけに軽くない?
そんな僕の考えを見抜いているのか、テッさんはニヤリと笑って箱に手を伸ばす。
「これはな、世にも珍しい全自動芝刈り機じゃぞい!」
僕の断りなく勝手にあけようとするテッさんの顔は、自信に満ち溢れて……というかあの顔は悪戯を仕掛ける前の笑顔だ。年老いても変らないね。
それにしても全自動芝刈り機ってどんなものなんだろう?そんな風に考える僕は、年甲斐にも無くワクワクしているのであった。
―――
●ナタネ視点
はー……ヒワマキシティって自然と調和している良い場所だった!自然豊かって言ったらトウカの森が一番良いけど、町と森が一体化している町って素敵だよね。
トロピウスの背に乗って空を飛んでいる私は、ハヤシさんの居る店に向かっている所。風が気持ち良いねーコノハナ。
コノハナはトロピウスの首元に掴まって心地よく風を受け止めているようだったが、早く行け、と言わんばかりに急かしている。せっかちな子だなぁ。
おっとりとしたトロピウスは気にせず、しかし目的地が見えたからと急降下。ゴウと吹き抜ける風を体全体に浴びながら、我が家のような気持ちでいられる店に辿り着く。
裏庭の『まきびし』が無い場所に着地したトロピウスの背から降り……お、さっそく愛しのハスボーちゃんがやって来たね。
「ただいま」と言って喜んでくれたハスボーを抱きしめ、私はトロピウスとコノハナを置いて店の玄関に足を運ぶ。コノハナはザンさんことザングースにただいまの敬礼。
店の表に向かっていたら、オレンジ色の不思議な物体を抱えているハヤシさんを発見!
「ハヤシさーん、たっだいま帰りましたー!」
茶目っ気で敬礼しながらただいまの挨拶を……げ、なんで隣にテッセンさんがいるの!?
「ほー、ナタネちゃんじゃないか!お久しブリガロ「二度も言わませんよ」なんじゃいハヤシ、厳しすぎるぞい」
ハヤシさんとテッセンさんの漫才が耳に入るけど、私はちょっと焦っています。な、なんとかハヤシさんに私がジムリーダーだってバレないようにしないと!
「え、えーっと、ハヤシさんの持っているそれって何かな!?」
ここは話題変更!丁度そのオレンジ色の物体が何なのか気になっていたし!
なんだろ、車っぽいメカなのは解るけど、電源が無いような……ラジコンカーか何かかな?
「ああ、これはこちらのテッさんっていうお爺さんからの贈り物で……」
ハヤシさんは私の視線に合わせるようにオレンジ色の物体を持ち上げ……ん?にゅ~って、なんか顔っぽいものが浮かんで……。
「……なにこれ?」
「ロトムっていうゴーストタイプのポケモンだよ。しかもカットフォロム。珍しいでしょ」
声色からしてにこやかな顔をしているんだろうけど……えっと……ゴーストタイプ?
「身内から貰ったんじゃが生まれて間もないポケモンでな、せっかくじゃからハヤシに譲ってやろうと思ったんじゃ」
「え?この子生まれたて間もないの?その割には妙に人懐っこいね」
「じゃが気をつけるんじゃぞ?こいつは臆病な性格らしいでな、大声を出そうものなら暴れ出し」
私!
ゴーストポケモンが!!
大の苦手なのよぉーー!!!
「キャアアーーーーー!!」
「Σ(◎■◎川●)(ギャアアーーーー!?)」
――
ナタネちゃんがロトムを見て叫んだ途端、臆病なロトムがビビって大暴走。裏庭で暴れ出してさぁ大変!
これだけ聞けば微笑ましいだろうけど、カットフォルムのロトムが裏庭で暴れ出して、芝生が刈りに刈りまくって大変なことに!
「ああぁぁぁデタラメに刈らないでぇぇぇ!」
せっかく芝生を均一に刈って庭木を綺麗にカットしたっていうのに、ロトムがデタラメに刈っていくぅぅぅ!そしてその道が不自然に見えるぅぅぅ!
「いやぁぁぁ追いかけて来ないでぇぇぇ!」
ナタネちゃんせめて逃げるならまっすぐ走って!ロトムが君を追っかけているから、デタラメな刈り跡を少しでも減らすには君の走り方に掛かっているんだからさぁ!
ていうかデタラメに走っている癖に『まきびし』をしっかり避けて走っているから凄い。
「わっはっは!良い仕事っぷりじゃのう!しっかり育てるんじゃぞハヤシよ!」
この電気親父ぃぃぃ!物音に敏感な子なら前もって言っておいてよ!大人しかったから大丈夫かと思ったのにぃぃぃ!
木登りできる小ポケモンは木の上に、ナゾノクサは地中に潜ってロトムからやり過ごしている様子。ハーさんとスーちゃんもトロピウスの背に避難した様子。
こんな時に限ってガーさんは水中に居て気づいていないようだし……どの道ロトムが素早すぎてポケモン達が追いついていないようだけどさ。
一応ローちゃんやロズレイドに『マジカルリーフ』を放つようお願いしたけど、カットフォロムのロトムには効果はいまひとつ。
広範囲の地面タイプの技『じしん』も、防犯に撒いた『まきびし』も特性『ふゆう』で効果は無い。じゃあどうやって芝刈っているんだって話だけど、僕も知らん。
「コ、コノハナお願い助けてぇぇぇ!」
ロトムから逃げ惑いながらナタネちゃんが木の上で寛いでいたコノハナにお願いする。
確かにすばしっこい悪タイプのコノハナならロトム相手になんとかできるかも。コノハナはさっそく飛び降り……。
高速で走るロトムのスピードが勝っていたらしく、コノハナは呆気なくロトムに撥ねられてしまいました。コ、コノハナァァァァ!
止まらないロトムに逃げ続けるナタネちゃん。騒動に気づいてなんだなんだと集まるお客さん。相変わらず楽しそうに笑うテッさん。あまりにも五月蝿いので庭から出て行ったザンさん。
この珍騒動は何時まで続くのか……そう思っていたとき。
―バシン!
偶然にも池の脇を走っていたロトムをハサミパンチで叩き落とすガーさん。いつの間に水面から這い出てきたの?
事情を知らないガーさんは「なんなんだこいつは」と言わんばかりにハサミで掴んだロトムをじっと見る。ロトムは気絶しているようだった。
「うわぁぁん、ありがとうガーさぁぁん!」
「よくやったよガーさん!」
知らなかったとはいえ、ロトムを止めてくれたガーさんに感謝しつつ抱きつくナタネちゃん。ついでにナタネちゃんが無事だからと喜んでしがみつくハーさん。
そしてこれ以上の被害を食い止めてくれた事に感謝。当のガーさんは事情が解らず混乱しているが。
とりあえず、パチパチと拍手してくれているテッさんとお客さん達に言っておこう。
「テッさんのせいでご迷惑をおかけしました」
「なぬ!?ワシのせいなんか!?」
「当り
「わっはっはっはっは!」
えー……怒っている時にポケモンダジャレ言う僕が悪いけど、今ので笑っちゃうのかよテッさん……。
―――
結局あの後はお客さんにお帰り願い、裏庭の芝生を均一に戻す為にサンちゃんの爪を借りることに。
『いあいぎり』で一生懸命刈るサンちゃんマジ働き者。僕もナタネちゃんも手伝ったけど。……テッさん?仕事があるからと言って逃げちゃいました。後日何か強請ったろ。
ロトムことロトやん(目が覚めた後で命名)はローちゃんに預けている。
臆病なロトやんは起きた後もビビっていたけど、ローちゃんの母性に掛かれば大人しくなるってもんさ。
脅かしたナタネちゃんもビビりながらも謝り、ロトやんもペコリと頭を下げたことで両者は和解。
「それにしてもナタネちゃんってゴーストポケモンが苦手だったんだねぇ」
「うう……恥ずかしながら……」
夕飯に2人で木の実カレーを食べながらお喋り。けどナタネちゃんは恥ずかしさで顔を紅くしている。
けど気にしないで。誰にだって苦手なポケモンはあるもんだよ。ちなみに僕はネイティ・ネイティオが苦手。あの目にトラウマがあってね……。
あ、けど……。
「近年カロス地方では草・ゴーストタイプのポケモンが出たって聞いたけど」
しかも2種類いるみたいだね。オーロットとパンプジン、だっけ?オーロットは育ててみたいなぁ。
あ、ナタネちゃんが複雑な顔してる。
余談だが、翌日の金曜日は、ロトやんとナタネちゃんが緊張しながらも触れ合うだけで丸一日使ったそうな。ついでにテッさんがお詫びとしてロトム用のオーブンを持ってきてくれた。
いい機会だからゴーストポケモンを克服したいっていうけど、うちの子で試さないでください。ビックリしなきゃ大人しいけどさ。
もう1つ思い出したけど、その次の日……土曜日はナタネちゃんがシンオウ地方に帰る日だったね。
―続く―
テッセンさんは良いオジさんだけどトラブルメーカーな人だと思う。
ロトムことロトやんのデータなどは後日に登場ポケモン一覧に追加する予定です。
次回、とうとうナタネとお別れ。そこには意外な展開が。