ティアナさん迷走録:地球編   作:ポギャン

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 まだ少し夏風邪で咳き込んでいますが、四話:ティアナと学校その1をお楽しみ下さい。




四話:ティアナと学校その1

 

 「よし! 制服の身嗜みのチェックはOKね。後はママたちの支度が済むのを待つばかり何だけど……そうだ、少し時間が有るから才にいの部屋に行こう……もしかして着替え中だったら、

素敵よね。フフフ」

 

自室の姿見のような高さを誇る鏡台前でお出掛け前の身嗜みを入念にしている美少女はオレンジ色の長い髪を黒のリボンでツインテールに纏めて端整な顔立ちをしていた白を基調とした可愛い制服に身を包んでいる女の子はこの家の長女。平賀 ティアナであった。

 

思い立ったが吉日とばかりに、早速才人の部屋へ襲撃を敢行したのである。

 

「………才にい。起きてる? 」

 

ティアナが物音ひとつする事なく静にドアを開けて兄の部屋へ入ると其処は事前に思っていたような光景はどこにもなかった。

 

「才にい! なんでまっだ寝てるのよ! これじゃ私の入学式に間に合わないじゃない! 」

 

今日はティアナの小学校入学式だというのにいまだベッドの布団の中で、良い夢でもみているのか涎をたらしたダラシナさで惰眠を貪っていた兄への天誅を加えるためとある大胆な行動にでた妹。

 

「起きないから、こうしてあげる! 」

 

ティアナはベッドに飛び乗って、あろうことか布団の中へ潜り込んでパジャマのボタンを次々に外していきスン、スンと匂いを嗅ぎながらまだ青い果実であった少年特有のスベスベ肌の上半身を大胆不敵にまさぐり出していた。

 

(うぁ~才にいの身体って結構……いや、かなり引き締まっているわ……これもママに毎日鍛えられているから当然の結果よね……それにしても才にいからいい匂いがする………チョッと位置を変えてと…………こ、ここが才にいの普段触れられない……禁断の聖地なのねぇ……………………)

 

「うう~ん……うぅ……うん~………おぁっ…な、何だ、なにがおこってるんだ? むひょっ」

 

才人は熟睡中、急に上半身の胸辺りや下半身のデリケート・ゾーンのところが無図痒いような気持ち良いような感じがして布団を捲り上げると自分が天使におもっている大好きな妹が今日から通う小学校の制服姿で才人自身の胸に跨がりスカートがめくれ上がってオレンジ色の子供用ショーツが剥き出しになった小さなお尻をつき出す格好でその愛らしい顔を股間に埋めていた。

 

「…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………おい! 何してるんだよティア! 」

 

あまりの衝撃的場面を見た瞬間。才人はフリーズになり、暫くしてようやく再起動すると妹へ叫ぶように大声で言葉を投げつけていた。

 

兄に言葉をかけられた妹は悪びれた様子もなく

 

「オハヨ、才にい。ダメじゃない今日は早く起きないといけないのに……お・ね・ぼ・う・さ・ん・なんだから。チュッ」

 

逆に寝坊する方がだめみたいな言い方を甘く魅惑な感じで囁き手投げKissまでするティアナであった。

 

「仕方ないだろ! 今日ティアの入学式あるから朝の稽古は出来ないって事で、母さんがその代わり夜の鍛練を深夜までするからって、そう言われ何時もより扱きまくられたんだよ……だからまだ眠いんだ俺…………………………………………………」

 

才人は無理やり起こしにきたティアナに兄として最もらしい言葉を述べている最中に瞼がトロ~ンと落ちて眠りかける。

 

「寝ちゃダメ! 才にい! 」

 

二度寝に陥りかけた才人にティアナが咄嗟にした行動は才人のせつない場所へ渾身の右拳を叩き込む事で眠りを阻止するのだった。

 

勿論、男の子の急所へいくらティアナがまだ小さな少女とはいえ、毎日鍛えている拳の一撃を喰らえばどうなるか……賢明な世の中の男子ならその痛さは説明するまでもあるまい(女の子にはあまり理解できないけど……柱の角に小指を全力でぶつけた痛みの二乗だと思って下さい)とにかく凄まじい痛みである。

 

「ゴメン才にい痛かった? 」

 

そう、ティアナがちょっとやりすぎと思った表情になって、謝罪の言葉のあと慌てて少年のデリケートゾーンを愛らしいお手てで介抱しようとしていたが

 

とき既におそく才人は激痛に堪えられなくなりベッド上を悶え苦しみながらティアナを押し退け柔らかいふかふかの絨毯が敷いてあった床へ転がり落ちて壁にぶつかり少し口から泡を噴き出して意識を手離した。

 

「才にい! しっかりして! 」

 

ティアナは兄の危機(主に子孫を残すために必要な生殖機能)に対し素早い行動力を発揮して駆け寄ると杖契約したシルバー色のボールペンを患部へ向けて治癒呪文を唱え出していた。

 

「才にい大丈夫? 」

 

と、ティアナが心配した顔で才人に問いかけると

 

「これが大丈夫に見えるか……ティア……お前は………俺の……せつない……ところに………ナニか……恨み……でも……有るのか…………」

 

そう、治癒魔法が効いてきたのか、さっきよりはだいぶ良くなってはいたが、まだ痛みが残っているのか途切れ途切れ苦しい表情でティアナに苦情をぶつけた才人だった。

 

「そ、そんなこと無いよ……ティアは才にいが大好き何だからね! そこまで痛いと思わなかったから……ごめんね。才にい」

 

しょんぼりした顔になったティアナはまだ苦しむ才人に小さく謝罪の言葉を述べていた。

 

まあ、これが記念すべき才人への股間攻撃の最初の洗礼なのであった(後年、ルイズによって自身のせつないヶ所へ恒常的に行われる行為だとはこの時の才人は夢にも思っていなかった)。

 

あれから直ぐに、母親のカリーヌが兄妹の行動を察して部屋に来ると

 

「ティアナ。あなたも今日から小学生になったのですから、兄へ引っ付く行為は控えなさい! それから才人も情けなさ過ぎるわ! いくらティアが優れたメイジと言っても、2つも年下の妹に好き放題にされているなど……明日から今までの三倍の稽古量にしますから覚悟していなさい! 」

 

カリーヌはティアナへあまりのブラコンぶりに少し釘をさし、才人には男の子としての情けなさを感じたのかこれまで以上の扱き宣言を言い放っていた。

 

「そんなぁ~母さん酷いよ」

 

そう、才人が抗議しても

 

「私が決めた事に不満でも有るの才人」

 

そう、カリーヌが微笑んだ表情で囁くと抵抗を諦めた才人はガクッと項垂れていた。

 

「才にい元気だして、ティアがついているから」

 

「元々の原因はティアじゃないか! 」

 

自分の修行量が増えた原因の妹に慰められて、納得いかない才人はティアナに一言もんくを言ったが…………。

 

「才にい……妹に抱きつかれて、アソコをオッキしていた事をママに言ったらどうなるのかしら……うふふ……」

 

そう、才人の耳に手をあて聴力の良いカリーヌに聞こえないように小さな声で囁くティアナのその姿は正に小悪魔その者であった。

 

「時間があまり無いから才人は早く着替えて支度なさい。ティアも服と髪がすこし乱れているわね……自分の部屋に行って整えなさい」

 

カリーヌの言葉に対して弱々しい返事する才人に軽い感じで「は~い」とこう応えていたティアナであった。

 

妹に軽く脅され、びびる才人の横では色んな事を思考しているティアナがいた。

 

(あぁ……素直じゃないな、私……才にいが大好きなのに、ついついいじめちゃうの……だって、必死になって慌てる才にいを観てると可愛いだもん……こういうのがダメだって、スバルに言われた事が有ったわ……でも、才にいが好きで好きでたまらない程大好き……もし、才にいに付きまとう女がいたら、どんな手段を使っても引き離してやるし………最悪、才にいに恋人が出来たら…………殺してやるわ! )

 

心の中でどす黒い妄想発揮中の恐ろしいティアナだった。

 

 

続く。

 

 





 これから益々ティアナさんが病んで迷走していきます。

次回ティアナと学校その2でまたお逢いしましょうね。


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