ティアナさん迷走録:地球編   作:ポギャン

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 連日での投稿になります。

果たしてピンチのティアナを助けに来たのは……まあ、もう皆さん解っているとおもいます。

それでは二話:前世の意識覚醒とキモオタその2をお楽しみください。




二話:前世の意識覚醒とキモオタその2

 

 「あぁ~良い匂いだなぁ……ムフフ……じゃあ、そろそろ。お洋服を脱ごうねえ……お嬢ちゃん……ムグフフ……ブヘヘヘ……」

 

「イヤァァァァァ、ママぁぁぁ、才にい、助けて! 」

 

とうとう変態キモオタはティアナの着ている洋服を脱がそうとして、ティアナは心の底からの叫び声でカリーヌと才人の二人に助けを求める。

 

 

「この変態!! 私の娘に汚ならしく触るな! 」

 

そう、辺り一帯に響く程。大きな声を出しながらティアナを変態から引き剥がした人物は身体全体から憤怒のオーラを発して、憎き幼女強姦魔を激しい表情で睨みつけているのは幼女の母親、平賀 カリーヌその人であった。

 

「ギャヒン」と汚ならしい声をだしながら転がっていき廃墟の壁にぶち当たり「ゴガッ」と痛みのあまり叫び声をあげていた変態キモオタの幼女強姦魔。

 

「ティア! 大丈夫か? 怪我してない。どこか痛いところは無い」

 

変態から漸く解放されて、一息入れたティアナは心配顔で近づいてきたまだ幼い少年が大好きな兄の才人だと解ると、緊張がとけたのか瞳から留めようもないほどの涙が両頬を伝って地面に向かってこぼれ落ちっていった。

 

「うぅぅ……才にい、才にい……怖かった……怖かった…………本当に怖かったの! 才にい」

 

いくら前世の記憶が復活して推定年齢22歳とはいっても、それは頭の中のことであった。

 

外見上はまだまだ大人の庇護をうけて当然の4歳の幼子であるから、あのようなキモオタ変態男に無理やり抱きつかれていたのだから涙を流し怖さに身体をうち震わせていたのは当たり前のことである。

 

「もう大丈夫だからな。ティアに変な事した変態はいま母さんがお仕置きしてるから、心配しなくて良いよ」

 

才人はまだ身体を震わせ怖がっている愛しい妹を包み込むように優しく抱き締め、もう大丈夫と慰めていた。

 

「……ほんと、才にい? 」

 

そう言ってティアナはまだ半信半疑なのか首の角度をすこし変えてとある場所の一点を見つめるとそこには

娘に不埒なことを働いた変態キモオタを容赦という言葉がこの世に存在しなかったほどの制裁を行っているカリーヌ ママがいた。

 

才人が妹ティアナを介抱していた時、ほんの数メートル離れたところでは変態に対して制裁を今にも開始しようとするカリーヌ相手に絶望的な防衛戦を敷くひとりのキモオタがいた。

 

「何するんだ! ゲホ、ゲホ、ゴホ……ぼ、僕ちゃんに、よ、よくも……て、手を出したな……マ、ママにも、手をだされた事もないのに! こ、この、とし、年増め!! 」

 

この変態キモオタにしてみれば、趣味の幼女の匂いを嗅ぎ更に瑞々しい青い蕾をまさぐり蹂躙の最中に突如現れ

 

あろう事か美幼女を自分から引き離し暴力を加えた守備範囲外の歳を経た女に、この変態にとって至極当たり前であった罵詈雑言を浴びせていたのだったが………キモオタは知らなかった

 

この世に決して言ってはならない禁句の言葉が有るというのが、況してやその本人に対し真正面から言い放ったとは、この男は自分がたった今死刑執行書にサインをしたことに全く気づいていなかった………………。

 

キモオタが言い放った。自身にとって聞き捨てならない言葉を浴びた瞬間のカリーヌは怒りを通り越して限界ギリギリのMaxモードを振り切って一段階うえの虚空モードに移項して

 

身体の隅々から暗黒オーラを遥かに凌駕する今までその域に到達した者は有史いらいほんの極僅かしかいなかったという

 

伝説の何もかも無の境地である真っ白……いやそれすらも超える透明のオーラを纏った戦女神がここに降臨した。

 

「お祈りの言葉は済ませましたか。悔いのないように私が末期の遺言を特別に聴いてあげるから……心おきなくあの世へ旅立ちなさい」

 

そう、変態キモオタ男に最期の慈悲とばかり、極上の微笑みでニッコリとなっていた表情で死刑執行開始の言葉を告げた処刑人であった。

 

その後の光景は地獄の獄卒も裸足で逃げ出す阿鼻叫喚の展開が繰り広げられていた。

 

「ぎぇー◎◇◆□▼※△○∪∩∧⊥∠∂∇◎……………コギャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ……………グヘェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ…………………………」

 

など、キモオタのとてもこの世モノとは到底思えないくらいの気持ちわるい言葉が辺り一帯に響き渡っていた。

 

 

 

こんな凄惨極まる場面を妹にこれ以上見せるわけにはいかないと考えた才人はティアナを身体全体を使って強く、強く、ぎゅっと抱きしめていた。

 

「才にい……痛いよ……」

 

「ごめんな、ティア。痛かったか」

 

妹の言葉に兄は心配した顔で謝罪の言葉を口にしていた。

 

(………ママとパパも好きだけど………やっぱり私………才にいの事が大好き……傍にいると安心出きるし……それに暖かい温もりを感じるから…………前世のティーダ兄さんと現世の才にいをくらべている訳じゃないけど……私にとって血の繋がった兄さんはティーダ兄さんひとりで

 

私にとっての才にいは兄じゃなく、愛しい……愛しい……この世すべてを引換にしても良いと想っているくらい……愛するただ一人の私だけの愛しい男……)

 

少し離れた場所では

 

「も、も、やめて、くだ、下さい! 二度と、あなた様の娘様に、ち、近寄らないからあぁぁ」

 

と変態キモオタ男はカリーヌが繰り出す魔法や地球にきて習い覚えた各種格闘技をさっきからこれでもかと言うほど喰らって、早々と心が折れて赦しの言葉を述べるだけの存在になっていた。

 

「ティアナに恐怖心を抱かせたお前を赦してあげるほど、私は優しく無いわ……私の家族に手を出すようなことを二度と思わないように、徹底的にするから……でもね、安心して良いわ……私も犯罪者になりたくないから命だけは獲らないわ……命だけはね………」

 

そう、キモオタの哀願を一蹴しながらも全く手を緩めないカリーヌ様。

 

この様に物凄い状況になっているかと思えば……こちらじゃ砂糖菓子も敵わないくらい、甘い、甘い空間が出来上がっている。

 

吊り橋効果もびっくりする程の結果を前世で仕事一途に生きてきたティアナの心に、どのような化学変化をもたらしたかは解らないけど

 

いまここに中身は精神推定年齢。22さい……肉体的年齢4さいのティアナが甘く危険な恋に堕ちた瞬間で全ての始まりでもあった。

 

 

 

続く。

 




 
 怒りMaxのカリーヌののご活躍はどうでした。

吊り橋効果の作用が働いたかは、解りませんがどうやらティアナは禁断の恋に目覚めたようですね。

カリン ママにとっては頭の痛い事でしょうね。

では次回三話:前世の意識覚醒とキモオタその3でお逢いしましょう。


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