冥界を出る。
そして長い階段がありそこをひたすら歩いて降りていた。
「なあ妖夢、何処まで続くのこの階段?」
「まだ半分も行ってませんよ、なんなら飛びます?」
(・・あっ!飛べたんだ俺。)
「そうだね、日が暮れてしまうから急ごう。」
こうして飛んで移動、すると急に景色が開いた。
視界に広がる自然、木も人工のではない、檜、欅、松など普段住んでいる現代には少ない木も多かった。
季節は春、辺り一面緑色の景色が広がる。
「うわぁー、凄え。見たことない木が沢山あるよ。ん?向こうには人里も見えるな、妖夢ー、何処から行こう?」
「そんなにはしゃがないで下さいよ。もう子供なんだから、行き先は雄介さんが決めていいですよ!宛のない旅なんですからゆっくり行きましょう。」
「そうだね、なら森を探検しよう!」
亡霊の少年と半人半霊の少女は魔法の森へと入って行く。
そして探検が始まった。
「見たこと無いキノコが生えてる!コレ食べれるかな?」
祐介が採った物はマ○オの大っきくなるのに似たキノコだ。
「分かりませんよ、てか食べては駄目ですよってあ!」
[パクッ]「美味い!ん?」ゴゴゴ・・
頭だけ大っきくなった、重みで倒れて起き上がれない。
「ああ、私知りません。言ったのに聞かない方が悪いので。」
「そんな事言わずに助けてよー!なんとかしてくれないと歩けないし。」
「・・確かこの近くに人間の魔法使いが住んでいたハズ。彼女ならキノコに詳しくと思うので探してきます、其処で待っていて下さい。」
「分かった、待ってるから頼んだよ。」
こうして1人で待つ事に、少ししたら「貴方も妖怪なの?」
丸い闇の球体が寄って来て話し掛けられた。
「亡霊ですよー、名前は雄介。君は妖怪なの?」
「そうなのかー、私はルーミアなのだ。」
言葉と共に闇が消え、現れたのは金色の髪、そしてリボンと黒い服が特徴で見た目は少女だった。
(見た目は紫さんと違って小さいし、害は無さそうだから暇つぶしになるかな?)
「お腹空いたの、お兄さん見た目気持ち悪いし生きた人間じゃないけど。身体が有るならいーや!食べていい?」
(うん、立派な妖怪だねっ。発言怖っ!食べられても怨霊集めて再生すればいいけど、痛いしなぁ・・)
「亡霊だからお腹膨れないと思う。あっ!今キノコ食べて顔が大っきくなったせいで動けないけどリュックにおにぎりあるよ。それ食べていいから食べないで。」
「この森のキノコを食べるのはアホだね・・うはっ、いいの?ありがとなのだ!」
そう言い彼女はリュックの中のおにぎりを食べ始めた。
妖夢の手作りだし、中に梅干しが入っている。美味しそうだ。
「味わって食べてよね、美味しいかい?」
「うん。人間程ではないけど美味しいよ!名前は雄介だったよね、憶えたから今度会ったら遊ぼうね。」
「おうよ!じゃあまたねー。」
彼女は闇へと消えて行った。
「お待たせしました、コレを飲めんで大人しくすれば大丈夫との事です。」
妖夢が帰ってきた、魔法瓶に謎の青色の液体が入っている。
手に持つ[ゴポッ!ゴボゴボ]泡立ってるのが凄く不安になった。
「ちょっと飲みたくないって本能が言ってるんだけどさ。」
「なに言ってるんですかほら、ほら飲ませてあげますよ!」
妖夢はニヤニヤしながら無理矢理大っきくなった口へ瓶の中身を一気に流し込む、いきなり顔が小さくなってきた。頭から謎の煙りが上がっているが。
「大丈夫ですか?顔色が悪いみたいですけど・・」
「うん、大丈夫・・漲ってきたwwうはっ!」
そう言い雄介は何処かに飛んでいった。
そこから記憶が飛んでいる、目を覚ました所は・・
(うーん・・此処は、ん?両頬に大っきくて柔らかい山二つ。なんか動きたくないなぁ。)
「いつまでそうして居るのかしら、勝負に負けた私が言うのもなんだけど。責任は取ってくれるのでしょうね?」
少年は夢の谷間に顔を埋めていたらしい、起き上がり状況を無いなりの頭をフルに使い整理しようとする。
(何が起きたのかは分からない、気が付いたら女の人の谷間に顔を埋めていた。決して自分の意思ではない!だがしかし…って此処は花畑。何故向日葵がこの時期に咲いている?ってそんな事よりどう切り抜けるかが重要だ。)
「だからいつまでこうして胸を揉ませればいいの?恥ずかしいわよ・・」
「えっ?ああ…すいませんでした。」
光速で彼女から距離を取る。
(妖気が凄まじい、また妖怪だなぁ。何をしたか気になるけど今は逃げよう。そうだ、それしかない!)
【スペル発動! 死霊 集いの樹海】
不意打ちで彼女の動きを封じる事が出来た。
そして逃げる。
森が見えた逃げ込もう!
少ししたら妖夢を発見。
「雄介さーんあっ、やっと居た。服が汚れてますけど何があったんですか?」
(起きたらあんな事になってたなんて言えねー。)
「記憶が無いから分からないんだ。さあ帰ろう!」
「もう帰るのですか?分かりました、急げば夕食に間に合いますね。少し早く飛ぶので着いて来て下さい。」
こうして冥界に帰宅、夕食を幽々子と妖夢の一緒に食べていたら事件は起きたんだ。
「お邪魔するわね、私の身体を好きにした奴が此処にいると思うのだけど・・」
「ブハァ」とご飯をブチまける少年。
妖夢が「はい?って雄介さんですか。いつの間に…」
「ふーん、雄介と言うのね。私は風見幽香、弾幕戦以外で負けたのは屈辱だったわ、その後の事は一生忘れないでしょうね。」
「ご飯中は静かにしてもらえるかしら?終わってから好きに2人で話しなさい!」
(幽々子さん、妖怪より怖いです!食事中の彼女の邪魔だけはしない方が懸命なんだね。)
こうして食事の後、風見幽香と2人にされて庭で話す事に。
幽々子さんと妖夢は覗いているのバレバレなんだよね、ああ紫さんまで居る。
(もう嫌だ、なんかの能力でついて来たのだろうな。こんなヤバい奴に勝ったのか絶対あの危ない薬のせいだ!2度とキノコなんか食べないぞ。正直に言うしかないか・・)
「すいません、どうやって貴女に僕が勝ったんですか?魔法使いの薬を飲んでから胸の中に居るまでの間の記憶が無いんです。」
「なんだと?雄介さむぐう」
一瞬妖夢が出て来たけど紫さんに拘束されたな、後の事は想像したくない。
「なら説明してあげるわね、私がいつも通り花達と会話をしていたら〔おい、そこのお前、今の俺様に勝てる奴なんて居ないぜ!貴様も妖怪か、怖かったんだそ!仕返ししてやる。〕って言って来たから私は〔更なる恐怖を教えてあげる、もし貴女が勝ったら好きにしていいわよ〕と約束したの。勝負は雄介さんだったわよね?貴方の勝ちだった。攻撃しても再生されて、スペルも効かない。あんなの反則に近い強さだったわね。」
(うん、薬絶対ダメ!俺に再生能力は確かにあるけど、やるたびに少しずつ意識を持ってかれるからなぁ、最悪消滅するだろうし、普段だと勝てる要素がないや。)
「その勝負と約束ノーカウントでいいですか?自分薬でおかしくなったみたいで…」
「それは駄目よ!妖怪でも私は嘘は嫌いなの。1度約束して負けた、その結果は変わらないもの。逃げても無駄よ、花がそこにある限り地獄だろうと着いていくから。」
それからは思い出したくない。妖夢が紫さんの拘束を斬り、襲ってきた。
幽香さんが守ってくれたのが逆効果となり庭が酷いことになった。
幽々子さんがキレた、それで勝負は終わった。
でも庭の後片付けは1人でやらされた、一週間掛かった。
亡霊だから寝る必要も食事も取らなくていいとは言え非常に疲れた。
幽香さんは「花の世話をしないといけないから帰るわね、また来るわ。」帰って行った、正直来て欲しくない。
ああ、平和のあの頃に戻りたいや。
反省はしているが後悔は無い!
誤字脱字の嵐を直したつもり。
携帯からだと書いている時気付きにくいです・・