魔法少女と召喚獣   作:レゾナ

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第5話 Fクラスとの試召戦争 決着!

壇上に上がったのは両クラスの代表である僕と……雄二。

 

「雄二、意外だったでしょ?」

 

「ああ、去年までお前の成績を聞いてたからな。だが、そんなお前がAクラス代表か……誇れる事だと思うぜ?」

 

「ありがとう」

 

「それでは、科目はどうしますか?」

 

ここまでの科目選択は……確かAクラスが一回と、Fクラスが三回。だから自動的に向こうの科目選択権は無くなった。

 

「明久、どうせこっちには選択権はないんだ。早く決めてくれ」

 

「わかったよ、それじゃ高橋先生……日本史でお願いします」

 

「わかりました」

 

そして高橋先生はデータを入力していく。

 

「……いいのか?」

 

「ん?何が?」

 

「日本史はお前の得意科目だが……それ以上に俺も得意な科目だ。どちらも点数に違いはないと思うが……」

 

そう、日本史に関しては雄二も得意……というか西村先生がいなかった時は雄二に勉強を教えてもらってたから雄二も頭がいい。その中でも一番理解できたのが日本史だった為に、雄二も日本史が得意だというのも知っていた。

 

それでも、僕は日本史を選んだ。

 

「だって……先生に勝たないと、先には進めないでしょ?」

 

「へっ……一端の口きくようになったじゃねぇか……」

 

「日本史承認しました。召喚してください」

 

「「試獣召喚(サモン)ッ!」」

 

僕と雄二は同時に召喚の言葉を叫び、僕と雄二の召喚獣は召喚される。

 

僕の召喚獣の服装は学ランという何とも貧相な装備だ。武器だって木刀だし。

 

対する雄二の召喚獣は……白色の学ラン……あれ?武器を持っていない?

 

「ねぇ、雄二?召喚獣の武器は?」

 

「何を言っている」

 

そう言って雄二召喚獣を操作して手を上げさせる。

 

「メリケンサックを装備しているだろう?」

 

「そんな装備もあるの!?」

 

むしろそんな接近戦しか出来ないような武器があった事に驚きなんだけど!?

 

「じゃあ……始めようか?」

 

「ああ……!」

 

そして一瞬の静寂の後……

 

「「っ!」」

 

僕と雄二の召喚獣は召喚フィールドの中央で組み合った。

 

僕の召喚獣が斬ろうと木刀を振り下ろすが雄二の召喚獣はそれを読んでいたのか左手のメリケンサックの部分で防いで弾くと、右手で殴りかかってくる。

 

僕はそれを右足で蹴り上げて方向を変える事で避ける。

 

そんな攻防が続く中、点数が表示される。

 

日本史

 

Fクラス 坂本雄二 398点

 

「くそっ。400点いかなかったか!」

 

雄二が戦いながら悔しがる。

 

そしてちょっと遅れて僕の点数が

 

日本史

 

Aクラス 吉井明久 789点

 

「「「「「「「「「「「…………は?」」」」」」」」」」」

 

皆の呆ける声が聞こえてくる。

 

「…………は?」

 

もちろん僕だって何がなんだか分からない。

 

「「「「「「「「「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!??」」」」」」」」」」」

 

そして全員の絶叫が教室内に響き渡る。

 

Aクラス生徒もFクラス生徒も関係なく驚愕だ。

 

「ちょちょちょ待てって!吉井って観察処分者だろ!?」

 

「なんであんな点数取ってんだよ!?」

 

「カンニングだ!カンニングしたに決まってる!」

 

「「「「「「「それだっ!」」」」」」」

 

少しひどいのではないだろうか?

 

「吉井~!カンニングなんてやっちゃいけない事をしてAクラスに行ってたのね~!」

 

「吉井君、カンニングはいけない事なんですよ!お仕置きです!」

 

そして、何で僕は島田さん達にあんな事を言われないといけないの?僕別にカンニングしてないんだけど……。

 

「凄ぇな、明久……正直ここまでとは思わなかったぜ……」

 

「そうだね、僕も驚いてるし……」

 

「だからといって……簡単に負ける程、俺は甘くねぇがな!」

 

そして雄二の召喚獣は飛びかかってくる。

 

「喰らえっ!(捉えた!これは確実に決まる!)」

 

あの顔は当たるのを確定したと思ってる顔だね。

 

「でもね、雄二……空中って急な方向転換は出来ないんだよ?」

 

僕は召喚獣を跳躍させて雄二の召喚獣の顔に足先が突き刺さるように構えさせる。

 

「何っ!?」

 

「遅い!」

 

そして急に来られて何も出来なくなり無防備になった雄二の召喚獣の顔に僕の召喚獣の蹴りが突き刺さる。

 

そしてもの凄い勢いで天井に向かっていき、頭から天井に突き刺さる。

 

日本史

 

Fクラス 坂本雄二 274点

 

結構ダイレクトに決まったからね……ちなみに僕の召喚獣があんな状況になったら窒息してしまうかもしれないね。

 

「さすがだな、明久……一年の頃から雑用で召喚獣を使ってきたお前のその操作技術は2年の中でも一番……いや、学園一といっても過言じゃねぇな……」

 

「あはは……褒めすぎだよ、雄二……」

 

「でも、だからこそ納得がいかねぇ……」

 

?雄二……?

 

「明久、お前……なんで腕輪を使わないんだ?」

 

「…………っ」

 

やっぱ、そこ聞いてくるよね……。

 

「明久、俺は最善のお前と戦いたい。腕輪を使え!」

 

腕輪を使えって言われても……。

 

「ごめん雄二……腕輪は使えない」

 

「何でだっ!?「許可がないと使えない仕様になってるんだ……」許可、だと……?」

 

「うん……」

 

そう、僕の召喚獣には確かに腕輪がついている。しかしこれを使う事は出来ない。

 

使うには学園長と西村先生の許可が必要なのだ。

 

「だから、使う事は出来ないんだ……「いいじゃないのさ、許可するよ」って、学園長!?」

 

僕が使えないので続きをやろうと思ったら学園長がやってきた。そして許可すると言った。

 

「え、あの本当にいいんですか……?あれを使ったら……」

 

「いいじゃないのさ、坂本は本気のお前と戦いたいって言ってるんだ?すぐにやられても本望さね」

 

「そこまでの能力なのか……!」

 

雄二も驚いてる。まあ、実物を見ればもっと驚くだろうけどね。

 

「学園長、本当によろしいんですか?」

 

「ああ、いいさね」

 

「……わかりました、俺も許可しよう」

 

「わかりました……聞いてたよね、雄二」

 

雄二の召喚獣もいつの間にか天井から脱出出来たようで構えている。

 

「おお、来いっ。明久」

 

「いくよ、腕輪発動!」

 

僕の腕輪が光り……僕の召喚獣が持つ木刀が別の武器に変わっていく。

 

その形は槍だった。

 

持ち手の部分にも金が施されており、刃の部分にも金が施されている。そして特徴的なのが……神秘的な光を放っている筈なのに、どこか禍々しさを感じさせる雰囲気を持っているのだ。

 

「あ、明久……それが、お前の腕輪の力なのか?」

 

雄二が少し口ごもりながらも聞いてくる。

 

「そうだよ、これが僕の召喚獣の腕輪『ガングニール』だよ。その能力は……召喚獣に当たればわかるかもね!」

 

そして僕は一瞬の内に雄二の召喚獣の懐まで飛び込むと……槍を一閃。

 

雄二の召喚獣はそれをまともに受けて……すぐに消滅した。

 

「な、何が……?」

 

「これが僕のガングニールの能力、『概念破壊』だよ」

 

「概念、破壊?」

 

そう、これこそが僕自身に宿っている槍の力を召喚獣が再現した「ガングニール」……有する能力は概念破壊で、この場合は点数という概念を破壊した事によって雄二の召喚獣はあの一撃で少しは残っていただろうけど、点数を破壊した為に消滅したのだ。

 

「勝者、Aクラス。よって、この試召戦争はAクラスの勝ちです」

 

こうして……僕達Aクラスが勝利した。

 

 

 

「さて、それじゃ戦後対談かな?」

 

「ああ、何でも言っても構わない。俺は負けたんだ」

 

僕は雄二と秀吉、康太と島田さん、姫路さんを招いて戦後対談を行っている。

 

ちなみにFクラスの男子が報復として雄二を殺すとかほざいていたので返り討ちにいておいた。

 

「それじゃまずは最初に……Fクラスはこれから3ヶ月間どのクラスにも試召戦争を仕掛けてはいけない」

 

「ああ、それはわかってる……それで?今度は命令権の事だな」

 

「そうだね、これはそれぞれ勝った人に委ねられるから……優子さんと秀吉は引き分けだったから……最初はほむらちゃんだね」

 

「わかったわ」

 

そう言ってほむらちゃんは一歩前に出る。

 

「私から言うことはたった一つよ……吉井明久に二度と暴力を振るわないこと」

 

「ちょっと!?なんであんたにそんな事言われないといけないのよ!?」

 

「これは歴とした命令よ。明久に二度と近づかないと言わないでいるだけマシと思ってちょうだい」

 

「あれは吉井が悪いのよ!吉井が他の女子と喋ったりしているから!」

 

あれぇ?それって僕に悪い要因でもある……?

 

「とにかく、これは命令だから……そうね、もし破ったら西村先生の特別補修を受ける、とかどうかしら?」

 

「なんでそんな事まで決めるのよ!?」

 

「命令を破って吉井明久に危害を加えるかもしれないでしょ?保険よ」

 

ほむらちゃんは涼しげな感じでそう言う。その際に自分の髪をすぅっとかきあげるのも忘れない。

 

本当に……ほむらちゃんって友達思いのいい人だよね!(この鈍感野郎!by作者)

 

「……俺の願いは変わらん、これからも一緒に切磋琢磨し合おう」

 

「うん!」

 

康太と工藤さんは戦いの時の約束をここでもしたようだ。

 

しかし……心なしか二人共頬が赤いような……。

 

「それじゃ私だね……姫路さんも同じ、明久くんに二度と暴力を振るわないでください」

 

「吉井くんが女の子と喋ってるのがいけないんです!だから、私たちは悪くありません!」

 

「ねぇ、杏子ちゃん……僕、何か悪い事したかな……?」

 

「ああ、泣くな明久。大丈夫だ、明久は何も悪くねぇから。それは私たちは分かってるから!」

 

「ありがとう杏子ちゃん……」

 

今となってはマミさんも含めた五人が心の拠り所だよ……。

 

「吉井~!なんで他の女に抱きついてんのよ~!」

 

「吉井くん!私たち以外の女子と喋らないでください!お仕置きです!」

 

「あなた達は先ほど命令された事も分からないバカのようね……!」

 

僕が杏子ちゃんに抱きついて泣き止んでいるとなぜか島田さんと姫路さんが僕に詰め寄ろうとした。

 

その時

 

「お前ら、戦後対談は終わったか……うん、どうした?」

 

西村先生がやってきた。

 

「ナイスタイミングです先生。この二人は事前に決めていた何でも一つ言うことを聞くという約束で私とまどかが言った事を無視して吉井明久に暴力を加えようとしました」

 

「なに!?それは本当か!!」

 

「私たちは悪くありません!吉井が悪いんです!私たち以外の女子と話したり抱きついたりしてるから!」

 

「そうです、私たちは悪くありません!吉井くんにはお仕置きが必要なんです!」

 

「何だと!?大馬鹿者が!!吉井はお前たちの所有物か?違うだろう!!事情が変わった、これからお前たちに特別に補修を行う!!」

 

そう言って島田さんと姫路さんを両脇に抱える西村先生。

 

「そんな!?それはいくらなんでも西村先生!横暴です!!」

 

「そうです!!あんまりです!!」

 

「お前らも少しは反省しろ!!お前たちは吉井に何をやろうとしてるのかわかっていないのか!?お前たちは子供の我が儘の並みことをしてるのかわからないのか!!」

 

そう言ってAクラスを出て行く西村先生。

 

「ちょっと!西村先生!!離してください!!吉井!!後で覚悟してなさいよ!!」

 

最後の最後で不吉な事を言って島田さん達は連行されていった。

 

「すまんな、明久……うちのバカ共が……」

 

「いいよいいよ、雄二達は関係ないし。それじゃ最後は僕だね……うぅん、僕はいいや」

 

「いいのか?」

 

「うん、何かを望むってのもあれだしね。それじゃ戦後対談はこれで終わり。帰ろうか」

 

僕の帰り支度は既に済んでいるので後はまどか達の帰り支度を待つだけである。

 

今回は雄二達も一緒に帰るという事で、皆で談笑しながらそれぞれの家に帰った……。




ちょっと短すぎたかな……?

「いいんじゃないかな?」

おっと、明久さん。どうもです。

「どうも」

それにしても……明久の能力って完璧なチートですよね。

「それがそうでもないんだよ?槍を消せばそれまで破壊していた概念が元に戻ってそれまでに受けた傷とかも残ってるわけだから……激しい痛みで……」

想像したくないのでそこら辺でやめてください。

「それはそうと、僕等の過去話とかはするの?結構読者の人たちも気にしてると思うんだけど……」

そうですね、今の予定では入れようかなとは思っています。といっても本編はやりません。彼女達の視点で見た明久と明久に好意を抱いたきっかけの所を書いていこうかなと思います。

「なるほど……その中には僕の話も入ってるの?」

まあ、入ってますね。

「そうなんだ……」

まあ、その時になったら話しますよ。以上、宣伝のコーナーでした~!

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