魔法少女と召喚獣   作:レゾナ

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怒られやしないかとビクビクしながら更新……!


第49話 過去

Dクラスを突破した二人。そのままCクラスへと向かい、スタスタと先へと進む。

 

まあ、何となくわかるとは思うが……二人とも、全然怖がってない。

 

いや、工藤さんの方は面白がってなのかどうかわかんないけど、所々で怖いとか言って康太に抱きついてるけどね。

 

その度に「工藤、止めろ……!」と言って工藤さんを離れさせようとしている康太。

 

そんな感じだ。

 

「雄二、このままいけばCクラスも楽勝じゃない?」

 

僕は様子を見守っている雄二に対してそう言うが

 

「いや、そこまで簡単じゃねぇと思うぞ」

 

と、後ろの方から杏子ちゃんが否定してきた。

 

「何で?あの汚物をも退けた二人なんだから大抵の事は怖がらないと思うけど?」

 

「まあ、そうだけどよ。でも、さっきのDクラスを守る奴らとの戦いで三年も土屋の事に気が付いたと思うぜ?」

 

「佐倉の意見に同意する。あいつらが何かしら対策をとってくるのはほぼ間違いないだろう」

 

雄二も杏子ちゃんの意見に賛成のようだ。

 

「でも、あの二人に有効な対策って何なのかな?」

 

「まあ、そこはわからんが『保健体育が異様に得意な奴がいる』っていう情報は知っている筈だしな。そこら辺をついてくるんだろう」

 

「うぅん……」

 

狙うとしたら……康太?

 

康太SIDE

 

「そろそろチェックポイントかな?」

 

「……恐らく」

 

この学園の内部構造は全て頭に入っている。それによるとそろそろ出口でありチェックポイントの筈だ。

 

と、目の前に三年のリボンをつけた女子生徒が立っていた。

 

「貴方が土屋康太さんですね?」

 

「……そうだが?」

 

「私、ここのチェックポイントを任されている三年Aクラス小暮葵と申します。」

 

「小暮先輩って言うんですね。私、二年Aクラス所属の工藤愛子です。それじゃ、やりましょうか?」

 

「ええ、そうですね。ですが、いいでしょうか?私はそちらの康太さんと戦ってみたいですわ」

 

「……俺と?」

 

「科目は保険体育。でいかがでしょうか?」

 

俺の保健体育の点数は先ほどの戦いで双方に伝わっている筈。にも関わらずそれを選ぶという事は……余程点数に自信があるのか、それともほかの要因があるのか。

 

「……いいだろう。愛子、下がっていてくれ」

 

「いいの?見たところ、相手は一人だけみたいだけど……」

 

愛子は小さい声で確認を取ってくる。

 

そう、先ほどから気配を巡らせているがこの場には俺と愛子、そして目の前にいる葵先輩位しかいない。

 

「……何か嫌な予感がする」

 

「……わかった、気を付けてね」

 

愛子の言葉を受けて、俺は前に立つ。

 

「科目は保健体育。承認する!」

 

と、どこにいたのか鉄人がやってきて召喚フィールドが形成される。というか本当にどこにいた?俺が気づけないとは。

 

「「試獣召喚(サモン)!」」

 

俺の召喚獣と葵先輩の召喚獣が出現する。俺の召喚獣はもう見慣れた吸血鬼。葵先輩の召喚獣は……あれはなんだ?

 

黒いローブを羽織り、口元にはあまりにも恐ろしすぎる笑みを浮かべている。そしてその手にはあまりにも巨大すぎる鎌が握られている。

 

「死神?」

 

後ろで愛子が小さく呟く。そう、俺もそう思った。まるで死神なのだ。

 

「あら?もしかしなくても死神ですよ?私にピッタリでしょ」

 

……彼女の本質はそこまでだという事なのか?そうは思えないが……。

 

「これも貴方のおかげなんですよ?土屋康太さん?」

 

「……?どういう事だ?」

 

「まあ、しらばっくれる気ですかっ!」

 

葵先輩の召喚獣が俺の召喚獣に鎌を向けて、振りかぶってくる。

 

俺は咄嗟に召喚獣の手にあるスナイパーライフルの先端になぜかついている小さな剣で抑える。

 

「あらあら、銃剣ですか。面白い武器ですね」

 

「……よく知っているな」

 

銃剣という言葉はあまり馴染みがない筈。にも関わらず知っている?

 

「ええ、知っていますよ……復讐の為にはね」

 

「……?復讐?」

 

彼女の瞳を見る。そこには狂気が見てとれた。

 

「そう、私は復讐を成し遂げる。絶対に……貴方はわかりますか?何も罪がないのに、そこにいて巻き込まれた者達の気持ちが?」

 

「……何を言っているのか、わからない」

 

一瞬、言葉に詰まってしまう。だが、それも仕方ない。

 

なぜなら、俺は一度だけそんな状況に陥ってしまった事があるからだ。

 

あれは、俺がまだ麻子の代わりとして9029の仕事を肩代わりしていた頃。

 

あるミスを犯してしまい、周りに被害を及ぼしてしまった。

 

「私は、()()()()()()()ですわ」

 

「……っ!!??」

 

俺はあまりの衝撃に思わず目を見開く。そして思い出す。

 

あの時のスコープ越しに見た、自分と同年代ほどの少女の瞳。それは目の前の先輩と同じ……。

 

「気づきましたか?そう、あの時貴方は」

 

「違うっ!!!!!!!!」

 

思わず俺は声を張り上げていた。

 

胸元のセンサーが大声に反応して音を鳴らす。だが、俺はそれに構わず声を荒げる。

 

「俺は、あんな事になるなんて分からなかった!!!俺は何も悪くないんだ!!!俺は、何も……!!!!」

 

俺は泣き崩れ、その場に膝をつく。

 

「こ、康太君……?ど、どうしたの……?」

 

後ろで愛子の声が聞こえてくる。だが、俺には声は聞こえても意味は理解できなかった。

 

だから、反応もせず蹲る。

 

「でも、貴方がやった事は無くなりませんよ?」

 

「……っ!!」

 

俺は、その言葉を聞いた瞬間俺を支えていた何かがガラガラと崩れていくのを感じながら、意識を落とした。

 

SIDE OUT

 

「康太っ!?康太!!」

 

先輩と少し話した後、康太らしからぬ大声を出した。そしてそのまま、倒れこむ。

 

僕は聞こえてないにも関わらず声を出す。

 

「落ち着け、明久。多分、康太は気絶したんだ。何でなのかはわからんが……」

 

雄二の言葉が聞こえてくる。そう、康太は気絶したんだろう。だから先ほどからカメラは暗転している。

 

『土屋が気絶してしまった為、この勝負小暮葵の勝利!』

 

『先生。このクラスは突破扱いで構いませんよ』

 

『何?いいのか?』

 

『ええ。目的は達せましたし』

 

そんな声だけが聞こえてくる。

 

『康太君!しっかりして、康太君!!』

 

『工藤。とりあえず、土屋を保健室に運ぶ。傍についてやれ』

 

『はいっ!』

 

そしてCクラスは突破されたが、みんなの心は晴れなかった。

 

康太、一体あの先輩とどういう関係なの……?




相変わらず進みが遅いねっ!ははっ!!













すいませんでしたっ!!(ジャンピングDO☆GE☆ZA)

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