魔法少女と召喚獣   作:レゾナ

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第45話 肝試し、開幕!

「…………」

 

今日は肝試しの開催日。そして僕は視察として試しにお化け屋敷になっている感じの教室の中を歩いているのだが……正直に言おう。

 

クオリティ、高すぎるでしょ。

 

いやいや、皆どんだけ本気になってたの!?これ、並のお化け屋敷とタメ張れるんじゃないの!?

 

しかも、内部は複雑な構造をしてるし……本格的にお化け屋敷と化してるな。

 

「とりあえず負けないようにしないと……罰ゲームが掛かってるんだし」

 

今回の罰ゲーム、さすがに他のクラスに周知させていなかったため、僕ら(つまりは僕と雄二)と常夏先輩達だけでの個人的な物になっている。

 

あの先輩達の事だからどんな罰ゲームを用意してるかわかんないんだよな。

 

「とりあえず、戻るか」

 

僕は一応の視察を終えてAクラスに戻る事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「雄二、視察は終わったよ」

 

「おお、どうだった明久?」

 

僕らの準備場所となっているFクラスの隣の空き教室にやってきた僕。

 

そこで雄二に視察は終わったと報告する。

 

「どうもこうも。雰囲気出過ぎでしょ。普通に歩いてるだけでも結構怖かったよ」

 

「そうか、三年も羽目を外したかったって所だろうな」

 

「雄二よ。康太がカメラの準備が出来たようじゃ」

 

「……準備万端」

 

康太がカバンを持って僕らにアピールしてくる。

 

あの中には何台かのカメラが入っているようで、僕らはそのカメラを持って中を進んでいくらしい。 

 

不正チェックと通過の証拠、あとは待っている人を退屈させないためだとか、色々と理由があってカメラを使うことになっている。

 

「俺達の準備はカメラとモニターの用意と、組み合せ作りだな」

 

「あ。そっか。組み合わせを決めてなかったよね」

 

そう、当日になっても僕らは組み合わせを決めていない。

 

というのも、準備やらなんやらでそれどころではなかった。

 

「それに、誰も気にもしなかったしな」

 

「「「(……)わかる(のじゃ)」」」

 

ぶっちゃけ、準備が楽しすぎてそっちまで考えが回らなかっただけなんだけどね。

 

「で?ぶっちゃけどうするの?」

 

「それに関しては昨日決めた。翔子!」

 

「……こっちにある」

 

そう言って翔子さんが何やら箱を持ってきた。

 

箱には大きく「男」と書かれている。

 

「これは?」

 

「男子が引くくじだ。中には数字が書かれた紙があるからそれと同じ数字を引いた女子と組むんだ。ちなみに同じ男子同士で交渉して数字を入れ替える事も可能だ」

 

「へぇ……で?本音は?」

 

「俺と翔子のラブラブ具合を見せ付けてやりたい」

 

「失せろリア充!!!」

 

「「「「「「消え去れリア充!!!うわぁぁぁぁぁぁん!!!」」」」」」

 

今の雄二の解答を聞いた男子達が泣き叫んでいた。

 

「明久は何も叫ばないんじゃな」

 

「うん、まあどうとでもなるんじゃないかなぁと……そういう秀吉はどうとも思わないの?」

 

「まあワシはの……(そもそも女性じゃし、彼氏なら作るけれど、彼女はなぁ……それに彼氏にしたいのは、明久……って、ワシは何を考えておるんじゃ!?////)」

 

ブンブンッ

 

「ど、どうしたの、秀吉?」

 

いきなり顔を赤くしたかと思いきや、首をブンブン振り回して。

 

「……少し挙動不審」

 

「な、何でもないのじゃ何でも……あ、あはは……」

 

?変な秀吉。

 

「康太は?羨ましいとは思う?」

 

「……正直羨ましいとは思う。だが、焦りは禁物」

 

なるほど、康太は慎重派なんだな。結構恋愛に慎重なんだね。

 

『お姉様っ!肝試しのペアでしたら、美春が立候補します!』

 

『み、美春!?』

 

『さぁ、お姉さま!美春とペアを!!』

 

『もうっ! 離れなさい美春!ウチはアンタと組む気なんてなくて……』

 

清水さんが何か言ってるけど説明を聞いてなかったんだろうか。

 

男女ペアなのに。

 

「まあ、関係ないしいいか。康太、モニターの準備は?」

 

「……バッチリ。学園長に許可を取って高画質なディスプレイを運んでもらっている」

 

さすが学園長。太っ腹だな。

 

「……吉井」

 

「ん?」

 

呼ばれたので振り返ってみる。

 

「…………」

 

そこには霧島さんがいてさらに後ろを見ろと指差している。

 

「どうかしたの、霧島さん?」

 

覗き込んでみるとそこには……。

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………!

 

「「「「「「……………………」」」」」」

 

「…………………」

 

開いた口が塞がらなかった。

 

だって……まどかちゃん、ほむらちゃん、さやかちゃん、杏子ちゃん、優子さん、工藤さんがめっちゃ目に炎を滾らせて女子達のくじ箱を睨んでるんだよ?

 

「ひぅ……」

 

ほら、Aクラスの佐藤さんが涙目になってるじゃないか。

 

何であんなに気合入れてるんだろ?いや、工藤さんはわかるけどさ。

 

まどかちゃん達は何で?

 

僕はそんな事を思いながらくじ箱に手を突っ込み紙を手にした。




いかんせん、文章に出来ないんだけど。こういう場合どうすれば?

次回、明久君のペアが明らかとなります。





















おまけ

くじ箱を前にした女性陣の心の声

まどかの場合
(明久君とペアになれますように……)

ほむらの場合
(明久とペアになれるように……じゃないと、私の威厳が……!)

さやかの場合
(明久とペアになれますように……そして「きゃあ!」「おっと、大丈夫かさやか」「うん」的な感じになるように)

杏子の場合
(明久とぜってぇペアになってやるっ!!)

優子の場合
(秀吉には悪いけどこれはチャンスね。今こそアピールタイム!明久君と一緒に回れるように……明久君の引くくじの番号、来い!)

工藤の場合
(康太君の番号、来い来い来い来い!!)

乙女心は複雑なようです(一部変な妄想が入ってる人がいますがwww)

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