魔法少女と召喚獣   作:レゾナ

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第43話 肝試し決定

「「「「「「「肝試し?」」」」」」」

 

「そうだ。何でも今回の召喚獣騒動は遊び心でなった物らしい。折角だから乗せられようと思ってな」

 

学園長室から出てAクラスへと戻ってきた僕達。

 

そこで皆に今回の事を説明している所だ。

 

「それで肝試しなんだが……どうせなら一クラスだけじゃなく、二学年全体でやろうと思ってる」

 

「うんうん、いいんじゃない!?肝試しとか面白そうだし!」

 

「ああ、しかも召喚獣を使えばメイクとかもいらないしな」

 

さやかちゃんと杏子ちゃんは協力的みたいだ。

 

「ま、いいんじゃないの。肝試しなんて何ヶ月ぶりかしら」

 

「えぇっと……ほむらちゃん、大丈夫なの?」

 

「何がかしら?」

 

「いや、その……ほむらちゃん、妖怪とかそういう類「言わないでまどか」え、でも……」

 

ほむらちゃんとまどかちゃんが何か小声で話してるけど大体は想像出来る。

 

実はほむらちゃん。怪談話とか妖怪の話……まあ所謂怖い話という物が大の苦手。

 

何でも病院に入院してた頃、看護婦さんやら他の入院患者さんの怖い話を聞いてたら、いつの間にか怖くなったらしい。

 

今でも虚勢を張ってるけど、結構辛そうだ。

 

まあ、言わないでって言ってるから言わないけどさ。

 

「それで?メイン会場はどこにするの?」

 

「多分だがこのAクラスをスタート地点にすると思う。そこから各クラスを周るって感じだな。まあその前に各クラスの代表を話をつけなきゃいけないんだが」

 

「……雄二、もう時間」

 

「おっと。もうそんな時間か……」

 

霧島さんの言葉で皆時計を見る。時計は既に四時を回っていた。

 

「それじゃ、各クラスへの承諾取りは明日にして今日は解散しようか」

 

僕の一言でその場は解散になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁ、肝試しかぁ……まどかの驚く顔が目に浮かぶよ、ぐふふ」

 

「おい、さやか。顔隠せ。女子がしたらいけない顔になってんぞ」

 

「おっと」

 

「さやかちゃん……」

 

僕らは帰りながら今度の肝試しについて話が盛り上がる。

 

「まあでも、楽しみではあるよな。まあ、あたし達の召喚獣が魔法少女の姿だからあんまり怖くはなさそうだけど」

 

「そうなんだよねぇ……何で、魔法少女の姿なんだろ?というか、もしそうじゃなかったら、あたしの召喚獣って何の妖怪になってたんだろ?」

 

「さやかちゃんの妖怪召喚獣……」

 

思い浮かぶのは……魔女化した時のさやかちゃん。

 

「人魚、じゃないかな?」

 

僕はその言葉を口にする。

 

「人魚?何でまた人魚?」

 

「美樹さやかの魔女としての姿だからじゃないの?」

 

ほむらちゃんが僕の考えていた事を代弁してくれた。

 

「ああ、なるほど、ね……」

 

「ああ、もちろんあったらって話だからね!今はもう違うんだし!!」

 

僕は慌ててさやかちゃんを宥める。

 

こうなったのは僕の所為だし。

 

そして、ある公園の近くを通りがかる。

 

「あれ?」

 

「?どうしたの、明久くん?」

 

「いや、この公園……」

 

「?この公園がどうかしたのか?」

 

目の前にあるありふれた公園。でも、何でだろう……なんか、懐かしいって感じがするんだよね。

 

いや、まあ小さい頃からここに住んでたから懐かしいって思うのは仕方ないのかもしれないけどさ。

 

でも、何か……ここで、物凄く仲良くしてた子達がいたと思うんだけど……。

 

「うぅん……」

 

当時の記憶を遡ってみる……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あきひさく~ん!』

 

『おぉい、あきひさ~!』

 

『あ、おそいよ●●ちゃんに●●ちゃん!まちくたびれちゃったよ!』

 

当時の僕はブランコで誰かを待ってて……そして待ち人が来たから彼らの元にブランコから降りて向かって

 

『ごめん、おとうさまをせっとくするのにおくれちゃって!』

 

『すまんなのじゃ!』

 

『いいよ、じじょうがあったのならしかたないし。それより、はやくあそぼう!』

 

『『うん!』』

 

その顔は……あれ?思い出せない。ここまでは思い出せたのに……。

 

もっと記憶を遡ってみる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「明久~!戻って……こい!」

 

「あ痛!?何すんのさ、さやかちゃん!」

 

思考に没頭してたらさやかちゃんにカバンで叩かれた。

 

「何って……もう、ついたんだけど?」

 

「え?あ、本当だ……」

 

気がつけばマンション前までやってきていた。

 

「大丈夫か?何か思考に没頭してたしよ。終いには電柱とかにも当たろうとしてたんだぞ?」

 

「本当……?ごめん、完全に思考に没頭してて気がつかなかった……」

 

「まあ、いいけれどね。それよりも早く帰りましょ」

 

そう言ってほむらちゃんが先にマンションに向かう。

 

「まあ、あんまり考えなくてもいいんじゃないか?過去の記憶ってのはあまり消えねぇんだしな。どっかで思い出すさ」

 

そう言って杏子ちゃんもほむらちゃんの後を追う。

 

「そうそう。明久はあんまり考えるの性に合ってないでしょ?考えるよりもまず行動!それが明久なんだしさ!」

 

元気な声でさやかちゃんはそう言うと二人の後を追う。

 

「明久君……大丈夫だよ、絶対に思い出せるから、ね?」

 

「まどかちゃん……そうだね、絶対に思い出せるし……今は目先の問題。肝試しの事、かな?」

 

「うん、絶対に楽しもうね!」

 

まどかちゃんのその時の笑顔が凄くまぶしく輝いて見えた。




明久と秀吉、優子さんの過去話もしようと思いますが、それはここではしません。

明久と秀吉、優子さんの過去話は残っているマミさんの過去話が終わってからの夏休み……そこでしようと思います。

夏休み……海……水着……うっ、頭が(笑)

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