魔法少女と召喚獣   作:レゾナ

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第36話 勉強会と食事会

「何よ、ウチ達がいたらいけないの?」

 

「嫌、別にいちゃいけないとは言ってないけど……」

 

「それなら別にいいですよね?」

 

いや、別にいいよねって……僕等は島田さん達を呼んだ訳じゃないんだけど……?

 

というか、何でここにいるの?

 

僕は秀吉に小声で聞いてみる。

 

「ねぇ、秀吉。何で島田さん達がいるの?」

 

「何でもこの間の屋上での会話を聞いとったらしくての。それで押しかけてきたという事じゃ」

 

「そういうこった」

 

そう言って雄二がやってきた。

 

「それにマトモな理由で来てやがったからな」

 

マトモな理由?

 

「マトモな理由って?」

 

「自分達の学力が上昇すればテストでいい点が取れるし、試召戦争でも有利に戦えるだろ、だと」

 

なるほど、確かにと納得してしまう理由だ。

 

島田さんの数学はBクラス並だし磨き上げればAクラスレベルにもなる。

 

姫路さんは言わずもがな、全体的にレベルは高いのでこれ以上レベルが上がると正直僕等が戦っても苦戦してしまうかもしれない。まあ、ガングニール使えば一瞬で片がつくんだけどね。

 

「さて、と。皆揃ったみたいだし、そろそろ勉強会始めるか」

 

「そうじゃな、それがいいじゃろ」

 

雄二と秀吉は急ぐように勉強に取りかかろうといいだす。

 

まあ、それも仕方ないかもしれない。

 

「ここまで言っても、何でわかってくれないの康太君!?」

 

「……泣かないでくれ愛子。俺は愛子を泣かせたいわけじゃないんだ」

 

「で、でも……こうなったら……今度の保険体育での点数でボクが勝ったら、ボクに一日付き合ってよね!?」

 

「……わかった、しかしそれは愛子が勝った場合。俺が勝った場合はどうなる?」

 

「当日までに考えてきていいよ。まあ、ボクが負ける事はないけどね!」

 

「……慢心は負けを引き寄せる」

 

「ま、まあまあ」

 

「二人共、その辺にしとけって」

 

何だか変な方向にヒートアップしている二人をまどかちゃんと杏子ちゃんが止めているからだ。

 

「ははは、やっぱこのメンバーだと面白いね!ねっ、明久!」

 

「そうだね、さやかちゃん」

 

さやかちゃんが笑いかけてくれたので僕も笑顔で返す。

 

「「……………………」」

 

そんな僕等を見つめる二つの視線に僕達は気づく事が出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

「明久、ここ教えて」

 

「はいはい、明久の勉強の邪魔しないようにな」

 

「ああ~~、明久~~~~ヘルプミ~~~!!!!」

 

そんな悲痛な叫びをあげながら自身の席に戻っていくさやかちゃん。

 

その隣に杏子ちゃんが座り、教科書を手に持つ。

 

杏子ちゃんは教え方も結構上手いので僕と霧島さん、杏子ちゃんと雄二とが全員に等しくなるように教えている。

 

「おい島田、世界史の方ばっかり見てないで現国を勉強しろ。お前は文さえ読めれば即戦力になるんだからな」

 

「わ、わかってるわよ!でも、世界史とか日本史も結構自信ないのよ……」

 

「そっちは他の奴が担当する。お前は現国と数学を担当すればいいんだ。ちなみに世界史日本史担当は秀吉な」

 

「な、何でワシなんじゃ!?」

 

「お前は演劇で色んな役をやるだろ?その際の予備知識とか知っておくと、その演技によりのめり込めるぞ?」

 

「た、確かに……」

 

向こうでは日本史の教科書を片手に勉強する秀吉の姿が見えた。

 

日本史や世界史は雄二の得意分野でもあるため、雄二の積極性が半端ない。

 

ちなみに、僕の時はスパルタでした。本当に怖かった。

 

簡単に纏めると

 

『この程度の問題もわかんねぇのか!?』

 

『し、仕方ないだろ!中二の時にきちんと教えてもらってそれっきりなんだよ!?』

 

『だからって、何でこんな簡単な問題もわかんねぇんだ!?』

 

『だから、一回習った内容だけど忘れちゃったんだよ、年月のせいでね!』

 

『……教育方針を変更する』

 

『へ?』

 

『これからはスパルタだぁ!』

 

『ちょ!?』

 

『次、一問間違えるごとに一発拳骨をお見舞いしてやるからな」

 

『それひどくない!?』

 

こんな感じでした。ちなみに本当に一問間違えるごとに拳骨をお見舞いされました。

 

「康太君、この問題ってわかる?」

 

「……簡単。シュレディンガーの猫」

 

「何でこんなのまでわかるの!?これ保険体育の問題じゃないのに!?」

 

「……昔、師匠に無駄な雑学を教え込まれてな。そのおかげだ」

 

「……ボク、何だかその師匠に勝てそうにないよ……」

 

「……ああ、俺も勝てない」

 

何だかあっちはあっちで盛り上がってるな。

 

そんなこんなで勉強会は着々と進んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

「……そろそろ夕飯だから、私についてきて」

 

気がつけば既に六時半過ぎ。夕食の時間だ。

 

「よし、今日はここまでにしておくあ。島田、秀吉、古典の教科書、直してもいいぞ」

 

「うぅ……活用形って何なのよ……訳わかんない……」

 

「しまった……古典は演劇にはあんまり関係ないではないか……」

 

秀吉、何か変な意味で後悔してない?

 

「ふぅ……ここまで出来れば上出来ね」

 

優子さんも何とか目標はクリアできたいみたいだ。

 

どんな目標なのかは知らないけど。

 

そして食事をする部屋へと連れてきてもらったのだが……

 

「「おぉ……!!」」

 

僕とさやかちゃんは同じ音量で同じ声を出す。ここに来てからは驚きの連続だったけど、今、僕は今日一番の驚きに合っている。

 

一般家庭ではあまり見かけないようなサイズのダイニングテーブルに所狭しと並べらた料理。

 

北京ダック、鱶鰭は贅沢な姿煮。

 

チンジャオロースやホイコーロー、八宝菜に麻婆豆腐といった料理も中央の大皿に盛られているし、

 

それぞれの席に置いてある小さな蓋付きの茶碗のようなものは、もしや高級食材の定番、ツバメの巣かな?テレビでしか見たことないから判別が出来ないや。

 

とても遊びに来た友人の為に用意される夕飯だとは思えないくらいに豪華だよ。

 

「ところで、夕食はワシ等だけなのか?」

 

「……うん、私達だけ」

 

そうなんだ。挨拶くらいはしときたかったな。

 

「翔子の家は滅多な事がなければ一緒に食事とかはしないしな」

 

さすがは婚約者、霧島さんの事よくわかってるんだね」

 

「明久、途中から声に出てるってわかってるか?」

 

「あれ?そうだったの?」

 

また悪癖が出ちゃったんだな……。

 

「……それじゃ、適当に座って」

 

そう言われたので適当な席に座る。

 

僕の隣にさやかちゃんが座ろうと近づいてくるのだが

 

ガタッ

 

僕の両隣を島田さんと姫路さんが固めてしまう。

 

「………………」

 

さやかちゃんは狙っていた席が取られたことに少し驚いていたが気にしなかったようでちょっと離れた席に座る。

 

そしてそんなさやかちゃん達の隣に杏子ちゃんとまどかちゃんが座る。あの辺は皆で固まってるからあそこにいきたいんだけど……。

 

「「…………………」」

 

何か、両隣の二人からすごい視線を感じるんだけど……。

 

 

 

ほむらSIDE

 

私たちは集まって食事をしているんだけど……。

 

「「………………………」」

 

あの二人、なぜか私たち……というより、美樹さやかを敵視しているのよね。

 

それも、今までとは違う感じがする。

 

何ていえばいいのかしら……美樹さやかは何かしらの危険人物だから監視してようとでもいわんばかりの感じなのである。

 

今までも結構敵視されてきたけど……今回に限っては本当に面倒くさそう。

 

「あたし、何かあんなに敵視されるような事したっけ……?」

 

「あいつらの視線は結構前からそんなもんだったよな……?」

 

「うん……でも、前はここまでじゃなかったと思うんだけど……」

 

美樹さやか、佐倉杏子、まどかの順でそれぞれ思った事を言っていく。

 

「そうね、何かしらの要因があったと思うんだけど……」

 

「そもそも、何であたしだけ?」

 

そう、そこも疑問の一つ。

 

私達全員を敵視するんだったらいつも通りだと片付けられる。

 

しかし、美樹さやか一人に集中するとなるとそうせざるをえない状況になっているという事。

 

「一体、彼女達は何を知ったのかしら……?」

 

それだけが、私の頭の中を占めたまま、食事は進んでいった。

 

SIDE OUT




すいません、次回というのは嘘になってしまいました……次回、次回こそは島田と姫路がやらかしますので!

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