魔法少女と召喚獣   作:レゾナ

32 / 54
第29話 姉の来訪

午前中の授業が終わり……いつものように屋上にやってきた僕達。

 

そこには当たり前のように雄二達がいた。

 

「よっ。今日も来ると思ってたぜ」

 

「あはは。この頃毎日だもんね」

 

「そうじゃな」

 

「……毎日が楽しい」

 

皆で楽しく食事をする……うん、とてもいい日常風景だ。

 

「それにしても……いよいよテストか……」

 

「そうじゃな……ちょっと自身がないのじゃ」

 

「……勉強をしているが、それでも不安」

 

雄二達はやっぱり今度のテストに関してはちょっと自信がないらしい。

 

というのも……Fクラスのあの環境ならば仕方ないと思ってしまう。

 

「まあ、あの環境じゃあね……」

 

さやかちゃんもそう思ったようで口に出し、皆もうんうんを首を縦に振っている。

 

「それでなんだけどさ……今日の放課後はテスト勉強しない?」

 

「何っ!?それは本当か!?」

 

「う、うん……」

 

この様子から察するに本当に集中して勉強出来ていないみたいだ。

 

「助かるぜ、正直歴史系ならイケると思うんだが……数式とかは自信がなくてな」

 

「ワシもそうじゃな。数式などは演劇にはあまり関係がないしの」

 

「……頑張っているが、どれも微妙」

 

「だからこそ、ここで一緒に勉強出来る事がどれだけ嬉しい事か!」

 

雄二……泣くほどなの?

 

「な、泣く程なのかよ……」

 

杏子ちゃんもちょっと驚いてるし。

 

「それじゃあ、放課後になったら校門前で待っててくれる?クラス代表としての仕事があるから」

 

「仕事?俺にはそんなのないが?」

 

ああ、雄二には実質関係ない話だしね。

 

「全員の得点を確認しとくんだよ。前回のテストからどの教科が上がったかとか下がったかとかがわかるようにね」

 

「……なるほど、確かに俺には関係ない話だった」

 

「ワシも上がるには上がるがそれ程でもないしの」

 

「どれだけ努力していないかがわかる結果ね」

 

ほむらちゃんの言葉に思わず心の中で同意してしまう。

 

「……保健体育だけなら、誰にも負けない自信がある」

 

確かにAクラス代表である僕だけど康太はおろか、工藤さんにも保健体育で勝てないんだよね……まあ、今までそっち方面の勉強はしてこなかったからなんだろうけど。

 

「にしても、思ったんだけど……康太、何でそんなに性の知識だけはあるの?」

 

「……俺が師事した人がその辺の事も教えてくれた」

 

へぇ。康太が師事した人か~~会ってみたいな。

 

そして丁度いいタイミングで昼休みの終わりを告げるチャイムがなった。

 

「それじゃ、また放課後にね」

 

そう言って僕等は屋上から出て行く。

 

しかし、僕等は気づかなかった。

 

扉の裏側で今の話を聞いていた人たちがいた事を……。

 

 

 

 

ほむらSIDE

 

明久がAクラスで仕事をしている間に私達は校門に向かっていた。

 

何で明久を待っていないのかというと……

 

「あのさ……何であんたらがいるわけ?」

 

私達を代表してか美樹さやかがそう聞く。そう……島田美波と姫路瑞希に。

 

「何よ、ウチ達がいたらいけないっていうの?」

 

「そうです、ここにいても問題はない筈です」

 

「問題がありまくりだから言ってんだろ……」

 

どうやら今日の昼休みの話を聞いていたようね。

 

「佐倉杏子、確か今日にも明久の姉は来る筈よね?」

 

私は小声で佐倉杏子に確認を取る。

 

「あぁ?……ああ、そういえばそうだったな」

 

佐倉杏子も思い出したのかそう言う。

 

「あの人のあの後の事を考えてみなさい。そうすればわかる筈よ」

 

「……ああ、なるほど。オッケー。把握した」

 

どうやら、佐倉杏子は納得してくれたようだ。

 

「美樹さやか」

 

「あによ?」

 

美樹さやかは納得がいってない顔をしながら私に顔を向ける。

 

「今日、玲さんが来るわ」

 

「オッケー」

 

美樹さやかも納得してくれたみたいね。

 

まどかも知っているからかもう落ち着いているみたいね。

 

まあ。こいつらが来てもこなくても意味はないしね。

 

「あれ?もう皆集まっていたの?

 

と、明久がやってきた。

 

今から明久の家に集まって勉強をする。

 

まあ……明久の姉である玲さんに認めてもらわなければ家にも入れて貰えないと思うけどね。

 

SIDE OUT




次回はいよいよ玲さん登場。さて認めてもらうとはどういう事なのでしょうね……?(ニヤニヤ)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。