魔法少女と召喚獣   作:レゾナ

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第20話 始まる合宿

あの後……学校で聞いた話によると霧島さんと雄二はめでたくゴールイン。付き合う事になったらしい。

 

見てるこっちからしたらいつになったら付き合うんだろうなって感じだったからね。

 

皆で祝福したよ。

 

まあ、FFF団の連中は変わらずに雄二達に襲撃をかけてものの見事に返り討ちにあってたけど。

 

そんな日々が続いて……今週末には合宿である。

 

「いやぁ、合宿楽しみだなぁ~」

 

さやかちゃんは呑気そうにそんな事を言いながら歩く。

 

「さやか、お前この合宿の意味わかってんだろうな?」

 

「わかってるって。強化合宿……つまりはこの合宿中にも勉強をしろって事でしょ?」

 

そう、この強化合宿だが個人の学力向上に為の合宿なのである。

 

つまりはこの合宿中は勉強漬け……というわけでもなくいつもとは違う環境ならではの勉強も出来るという事で気持ちをリフレッシュしながら勉強が出来るのだ。

 

「でもホント、楽しみだよ~修学旅行みたいで~」

 

「確かにそうね。皆で寝泊まりって所だけを見たら修学旅行みたいよね」

 

まどかちゃんの言葉にほむらちゃんが同意する。

 

「まあ、気持ちを楽にしてやってみたらいいんじゃない?」

 

僕等はそんな事を喋りながら学校への道のりを歩いていた。

 

 

 

「あれ?秀吉?」

 

「む?おはようなのじゃ、明久」

 

下駄箱で靴を脱いでいると秀吉がやってきた。

 

クラスは違っても下駄箱は男女で分かれている為である。しかし今までは会わなかったのだが……。

 

「うむ、いつもはもうちょっと遅く登校するのじゃが……何分楽しみで仕方ないのじゃろうな」

 

やはり秀吉も強化合宿が楽しみらしい。

 

「へぇ……秀吉もそんな事を言うんだね」

 

「失敬な。ひどいのじゃ、明久」

 

「ははっ、ごめんごめん」

 

僕はそう言いながら靴を下駄箱に入れようと下駄箱の中を見てみると……

 

「あれ?」

 

「む?どうしたのじゃ、明久?」

 

「いや、何か手紙が……」

 

そう、ピンク色の手紙が入っていたのだ。

 

「明久よ、これは俗に言うラブレターという奴ではないか?」

 

秀吉はこれがラブレターだなんて言うけど……

 

「まさか。そんなのあるわけないじゃない。多分これって脅迫状だよ?」

 

「……明久よ。そんな真顔で当然の事のように言わないでくれ。しかしじゃ。何でそんな風に思うんじゃ?」

 

何でって、そりゃ……。

 

「ほら、僕中学2年の時、見滝原の中学校に行ってたじゃない?」

 

「ああ、そうじゃな。丁度その時に見滝原大災害が起こったんじゃったな」

 

「そうそう。その時なんだけどね……こんな感じで手紙がロッカーの中に入ってたんだけど……」

 

「入ってたんだけど?」

 

「その場所に行ったら……男子が数十人単位で待ち構えててね。家に帰るまでずっと鬼ごっこ状態だったんだ」

 

「……………………」

 

僕の過去を聞いた秀吉の顔はまあ……驚愕すぎて声に出せないといった感じの顔と言えばお分かりだろうか?

 

「つまりはそんな安易な事を考えてたら後々痛い目に合うって事」

 

僕はそう言いながら手紙を開けて中身を見てみる。

 

『あなたの秘密を握っています』

 

「ほら、ね?」

 

どうやら僕は脅迫を受けたようだ。

 

 

 

 

 

 

「明久君、それって……」

 

Aクラスにその脅迫状を持っていくとまどかちゃんが真っ先に気づいた。

 

「明久、それって……もしかしなくても?」

 

さやかちゃんは何となくわかったらしい。

 

「何々、アッキー!?ラブレター!?」

 

「……興味ある」

 

「確かに。そうね。明久くんこの前の文化祭でモテてたみたいだしね」

 

Aクラスの他の皆……愛子さんと霧島さん、優子さんも興味津々らしい。

 

「残念だったね。そしてさやかちゃんの予想は的中。脅迫状」

 

僕は観念してそう言う。

 

「きょ、脅迫状!?」

 

「こ、こんなピンク色の便箋使って!?」

 

「……驚愕」

 

「やっぱりなんだ……」

 

さやかちゃんは僕の置かれた状況がわかったらしい。

 

「明久、お前に脅迫状送ってくる奴って何でピンク色の便箋使うんだろうな?」

 

杏子ちゃん、ツッコむ所はそこなの?

 

「それで?どんな内容だったの?」

 

「いや、内容までは……今から見ようって思ってた所」

 

僕は改めて内容を見てみる。

 

「えぇと、何々……『これ以上、あなたの傍にいる異性に近づかない事』……」

 

「何で異性?」

 

「その人の事が好きな男子?」

 

「うぅん……あれ?裏にまだ何か書いてある……『この通告を聞き入れない場合、同封している写真を公開します』……」

 

「あれ?写真が三枚ほど入ってるよ?」

 

まどかちゃんが手紙の中を探していたのか丁度写真を見つける。

 

一枚目は……僕の女装写真。

 

「どうやって撮ったんだろう……」

 

「……このアングルは……おそらく盗撮……」

 

霧島さんの言う通り、これは恐らくは盗撮だろう。

 

二枚目は……僕とまどかちゃんが手を繋いでいる所。

 

「…………///」

 

「これは……」

 

「うわぉ♪まどかちゃん大胆だね♪」

 

まどかちゃん、顔が真っ赤になってる。

 

三枚目は……っ!?ちょっと待て!?何でこんなのあるの!?

 

僕は見られる前にその写真を懐に収める。

 

「あ、アッキー隠した!」

 

「明久くん、見せなさい」

 

「……吉井、興味がある」

 

「嫌!これだけは絶対に見せられない!」

 

そこに写っていたのは……僕が中二の時に皆で行ったプールで誤って杏子ちゃんにのしかかっちゃった所。そして僕の手は……その……杏子ちゃんの……む、胸を鷲掴みにしている所なのである。

 

あんな場面を撮った人がいたの!?そしてなんでこの脅迫者はこの写真を持ってるの!?

 

「明久、何が写ってたんだ?」

 

杏子ちゃん、君の事も考えて僕は見せるのを阻止しているのに当の本人が見に来ないでよ!

 

その後何とか写真は死守した……危なかった。これは本当に……僕の人柄が疑われてしまう……。

 

「そうだ、明久。土屋に相談してみれば?」

 

さやかちゃんのそんな一言に僕は納得してしまう。

 

正直に言おう。康太の情報収集力は異常だ。どんだけ人脈が広いのと言いたくなる程である。

 

「そうだね。じゃあ、昼休みにでも相談してみるよ」

 

「皆さん、席についてください」

 

高橋先生がやってきたので皆席に座る。

 

康太の事だから力にはなってくれるだろうけど……何だろう、この合宿……嫌な予感がする……。

 

僕はそんな事を思いながら教材などの準備を進めた……。




えぇ……短くなってしまい申し訳ありません。

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