FAIRY TAIL ~妖精の双竜~   作:駄文帝

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潜入せよ!エバルー屋敷

エバルー公爵邸の前でルーシィは一人メイド服を着て立っていた。

 

「失礼しまぁす♪金髪のメイドさん募集を見てきました♪すいません誰かいませんかぁ?」

 

そんな事を門前で言っていた。

 

(ふふ・・・簡単簡単エルバー公爵ってのに気に入らればいいんでしょ?後は本を探してもやして200万!なに買おーかな・・・)

 

「うまくやれよルーシィ」

 

「がんばってください」

 

「がんばれ~~~!」

 

そんなルーシィの近くの木の陰からナツとハッピーとルナが眺めていた。すると地面がボッコっと盛り上がり、そこからゴリラと言ってもいいくらい巨大なメイド服を着た女性が出てきた。

 

「メイド募集?」

 

「うほっ」

 

「ご主人様!募集広告を見て来たそうですが」

 

「うむぅ」

 

女性が穴に向けて声をかけると返事が聞こえ、今度はそこから男性が出てきた。

 

「ポヨヨヨ~~~ン。我輩をよんだかね」

 

その男が「エバルー公爵」らしい。エバルーはルーシィに視線をむける。

 

「どれどれ」

 

「よろしくお願いします」

 

そう言って愛想笑いをするルーシィをじろじろと見る。

 

(と、鳥肌が・・がんばれあたし!)

 

そんな事を考えているとエルバーは見終わったのか振り返りざまに・・・

 

「いらん!!帰れブス」

 

「ブ・・」

 

と言った。その言葉にショックを受けたルーシィを女性が手で掴み追い出そうとする。

 

「そーよー事よ。帰んなさいブス。」

 

「え・・!?ちょ・・!」

 

「我輩のような偉~~~~~~~男には・・・」

 

エバルーがそう言うと地面から4つの人影が出てくる。

 

「美しい娘しか似合わんのだよ。ポヨヨヨ・・・」

 

エバルーの言う美しい娘とは・・・

 

「まあ御主人さまったらぁ♪」

 

「あ上手なんだからぁ」

 

「うふ~ん」

 

「ブスは帰んな!しっし!」

 

お世辞にも美しいとは言えない女性たちだった。

 

「あちゃーーーっ!」

 

 

 

 

メイド服から着替えたルーシィは木のそばでしゃがみ込んでしくしくと泣いていた。

 

「使えねぇな」

 

「違うのよ!エバルーって奴美的感覚がちょっと特殊なの!」

 

「わかってますよ。ルーシィさん」

 

「ルナぁぁぁ!」

 

そう言ってルナに抱きつくルーシィ。

 

「こうなったら〝作戦T〟に変更だ!」

 

「突撃ー!!」

 

「あのオヤジ絶対に許さん!!」

 

ナツたちが気を入れる中・・・

 

(ああ、また始末書を書かなければいけないんですね・・・)

 

ルナが遠い目をしていた。

 

 

 

 

所変わって、エバルー公爵邸内

 

「性懲りもなくまた魔導士どもがい追ったわい。しかもあのマーク、今度は妖精の尻尾(フェアリーテイル)か。隠さんトコもマヌケだが、どーせなら美人を連れて来いっての。」

 

そう言うエバルーの後ろには、大柄の2人が立っていた。

 

「さーて・・今度の魔導士はどうやって殺しちゃおうかね。ポヨヨヨヨヨヨ!」

 

 

 

 

「羽・・・消えないわよね」

 

「あい」

 

「っと」

 

「とーちゃくです」

 

「ありがとねハッピー」

 

そう言って降りたさきは、エバルー公爵邸の屋根だ。そこには先に行ったナツとルナが居た。

 

「なんでこんなコソコソ入らなきゃいけねんだ?」

 

「決まってるじゃない!依頼とはいえどろぼー見たいなモンだから」

 

「作戦Tってのはな、突撃のTだ。正面玄関から入って邪魔な奴は全員ぶっ飛ばす」

 

「ダーメ!!」

 

「で・・本を燃やす」

 

「お願いですから今回はルーシィさんにしてっがてください。」

 

ルーシィの意見にルナも加勢するがナツは納得がいかない表情をしている。

 

「あんたらが今まで盗賊退治やら怪物退治やらいくつの仕事をしてきたのか知らないけどね。今回のターゲットは街の有力者!ムカツク変態オヤジでも悪党じゃないのよ。下手な事したら軍が動くわ」

 

「くっそ!レイの奴が居たら纏めてぶっ飛ばせるのによぉ!!」

 

「そんなこと・・・できたわね・・・・」

 

できないっと言おうとしたルーシィであったが、最初のギルドに入った時の話を思い出して納得してしまうルーシィ。

 

「とにかく、今はそのレイって人が居ないんだから暴力だけはね」

 

「・・・・・」

 

「何よその顔!!」

 

「お前言っている事とやっている事違うぞ」

 

未だ納得がいかない表情のナツにルーシィがチョップをして突っ込むが、先ほど言った事は一体どうしたのだろうか。

 

「よっと」

 

先ほどの会話が終わるとナツが窓を溶かし鍵を開ける。そこから屋敷に入るとそこには色々なものが置かれていた。

 

「ここは、物置みたいですね」

 

「そこの扉から出られそうねいきましょ!慎重ににね」

 

「はい」

 

そう言うと扉の方にルーシィとルナが向かっていた。ちなみその間ハッピーは髑髏を被ってそれを見たナツは笑っていた。

 

「誰も居ませんね」

 

扉を少し開けで見渡したルナがそう呟く。すると廊下に出てコソコソと歩き始める。

 

「おい、ルーシィまさかこうやって一個、一個、部屋の中探してくつもりなのか?」

 

「トーゼン」

 

「誰かとっ捕まえて本の場所聞いたほうが早くね?」

 

「ナツさんがそれをやると騒ぎになるのでやめてください」

 

「そうよ。それに見つからないように任務を遂行するのよ。忍者みたいでかっこいいでしょ」

 

「に・・忍者かぁ」

 

忍者と聞いて、ナツが若干顔を嬉しそうにしていると、床が盛り上がってそこから・・・

 

「侵入者発見!」

 

エバルーのメイドたちが飛び出してきた。

 

「うほぁぁおおおっ!」

 

「見つかったぁーーー!」

 

「ハイジョシマシ」

 

そう言って巨大な女性・・・メイドゴリラが目を光らせると・・・

 

「おおおおっ!忍者ぁっ」

 

そう言ってナツがマフラーで顔を隠し、一撃でメイドたちを吹っ飛ばした。

 

「はいいいっ!?」

 

「まだ見つかる訳にはいかんでござるよ。にんにん」

 

「にんにん」

 

「普通に騒がしいから・・・」

 

忍者になり切っている、ナツとハッピーに対して突っ込むルーシィ。

 

「いけない!きっと誰かくるわ!どっかの部屋に入りましょう!」

 

「来るなら来いでござる!」

 

「そんな事言ってないで隠れましょう」

 

そう言ってルナがナツを引きずって部屋に入った。

 

「ふぅーあぶなかったぁ」

 

「うおお!スゲェ数の本でござる」

 

「あい!でござる」

 

2人の言うとうり部屋の一面に本が並べられてあった。

 

「エバル公爵って頭悪そうな顔しているわりには蔵書家なのね」

 

「探すぞーーーっ!!」

 

「あいさーー!」

 

「でもすごい量の本ですね。」

 

「ほんと。これ全部読んでいるとしたらちょっと感心しちゃうわね」

 

「うほっ!エロいのみっけ!」

 

「魚図鑑だ!!」

 

「はぁーこんな中か一冊を見つけんのはしんどそぉ」

 

「がんばって、分担して探しましょう」

 

「何だこれ!?字ばっかだな」

 

「ナツ・・普通はそうだよ」

 

「おおおっ!金色の本発けーん!」

 

「ウパー!」

 

「アンタら真面目に探しなさいよ!!」

 

ナツとハッピーがふざけているのを見て突っ込むルーシィ。しかしその本のタイトルを見ると・・

 

日の出(デイ・ブレイク)!!」

 

「見つかったーー!!」

 

「やりましたね!」

 

「こんなにあっさり見つかっちゃっていい訳!?」

 

その本が日の出(デイ・ブレイク)だったようだ。

 

「さて、燃やすか」

 

「簡単だったね!」

 

「ちょ、ちょっと待って!!」

 

そう言ってルーシィがナツから本を奪い取る。

 

「こ、これ・・作者ケム・ザレオンじゃない!!」

 

「ケム?」

 

「魔導士でありながら小説家だった人よ!あたし大ファンなのよー!うっそぉ!!ケム・ザレオンの作品全部読んだハズなのにーー!!未発表作って事!?すごいわ!!」

 

「いいから早く燃やそうぜ」

 

「何言ってんの!?これは文化遺産よ!!燃やすなんてとんでもない!」

 

「でもそれでは、依頼を達成できませんよ?」

 

「じゃあ燃やしたって事にしといてよ!!これはあたしがもらうから!!」

 

「ルーシィさんそれはさすがに・・・」

 

そんなやり取りを三人がしていると・・・

 

「なるほどなるほど、ボヨヨヨ・・・貴様等の狙いは〝日の出(デイ・ブレイク)〟だっったか。

 

床を突き破ってエバルーが現れた。

 

「ホラ・・・もたもたしてっから!!」

 

「ご・・ごめん」

 

(この屋敷の床ってどうなってんだろ)

 

ハッピーが当然の疑問を思うなか、文句を言うナツに対して謝罪するルーシィ。

 

「フン・・・魔導士どもが何を躍起になって探しているかと思えば・・・そんなくだらない本だったとはねぇ」

 

「くだらん本!?」

 

(依頼主が200万Jも払って破棄したい本・・・所有者のエバルーまでもくだらない・・・って!?)

 

そんな事を考えたルーシィはエバルーに対して質問した。

 

「も・・もしかしてこの本、もらってもいいのかしら?」

 

「いやだね。どんなにくだらない本でも我輩の物は我輩の物」

 

「ケチ」

 

「うるさいブス」

 

そんな言い争いをするルーシィとエバルー。

 

「燃やしちまえばこっちのモンだ」

 

「ダメ!!絶対ダメ!!」

 

「ルーシィさん仕事ですよ!」

 

「じゃ、せめて読ませて」

 

「「「ここでか」」」

「ここでですか!?」

 

予想外なルーシィの応えに全員が突っ込む。

 

「ええい!!気にくわん!!偉ーーい我輩の本に手を出すとわ!!来いバニッシュブラザーズ!!」

 

エルバーが叫ぶと背後の本棚が動く。するとその奥から2人組みの男が現れた。

 

「やっと仕事の時間か」

 

「仕事のしねえで金だけもらってちゃあママに叱られちまうぜ」

 

「グットアフタヌーン」

 

「こんなガキ共があの妖精の尻尾の魔導士かい?そりゃあママも驚くぜ」

 

そう言う男達には狼のような紋章が付いていて。

 

「あの紋章は、傭兵ギルドの南の狼ですね。」

 

「こんな奴等雇っていたのか!?」

 

「ポヨヨヨ!?南の狼は常に空腹なのだ!!覚悟しろよ」

 

そう言った瞬間互いに見つめあい場の空気が変わるなか・・・

 

「「「「「おい!!」」」」」

「ルーシィさん!!」

 

ただ一人本を読んでいるルーシィに全員から突っ込みが入る。

 

「なんとふざけた奴等だ」

 

「これが妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士か・・・」

 

「バニッシュブラザーズよ!あの本を奪い返せ!!そして殺してしまえ!!」

 

「これ・・・」

 

エバルーが叫ぶ中、ルーシィが声を震わせてそう言うと、扉の方まで走っていた。

 

「ナツ!ルナ!少し時間をちょうだい!!この本にはなんか秘密があるみたいなの!!」

 

「は?」

 

「秘密!?」

 

「ルーシィさんどこにいくんですか!?」

 

「どっかで読ませて!!」

 

「えっ!?」

 

そう言うとルーシィが部屋を出てった。それを聞いたエルバーはお宝だとと思い込み。

 

「作戦変更じゃ!!あの娘は我輩が自ら捕まえる!!バニッシュブラザーズよ!その小僧を消しておけ!!」

 

そう言って床の中エバルーはにもぐりこんでいった。

 

「やれやれ。身勝手な依頼主には疲れるな」

 

「まったくだ」

 

「めんどくくせぇ事になってきたな」

 

「ルナとハッピーはルーシィを追ってくれ」

 

「わかりました」

 

「あい」

 

ルナとハッピーがルーシィを追っていく中、ナツは指に炎でCOMEONと作ると・・・

 

「二人一緒にかかってこいよ」

 

そう言った。


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