FAIRY TAIL ~妖精の双竜~   作:駄文帝

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DEY BREAK

フィオーレ王国東方、マグノリアの街。

人口6万人古くから魔法も盛んな商業都市。

街の中心にそびえたつ協会カルディア大聖堂を抜けるとそこにはこの街唯一の魔導士ギルド妖精の尻尾(フェアリーテイル)が見えてくる。

そんな街のある建物一室で・・・

 

「いいトコ見つかったなぁ。これでルナの所に厄介にならずにすむし」

 

つい先日までルナの家に居候していたルーシィが気持ちよさそうに腕を伸ばして入浴中していた。

 

「七万にしては間取りも広いし、収納スペース多いし、真っ白な壁、木の香り、ちょっとレトロの暖炉に、竈までついてる!そして何より一番素敵なのは・・・」

 

風呂から出たルーシィはバスタオルを体に巻きつけ扉を開けると・・・

 

「よっ」

 

「すいません・・・止められませんでした・・・」

 

「あたしの部屋ーーー!!」

 

そこには遠慮なしにお菓子を食っているナツと魚を食べるハッピー、そしてすごく申し訳なさそうな顔をしたルナがいた。

 

「何であんた達がいるのよー!!」

 

「まわっ」

 

そう叫んで回し蹴りをナツとハッピーに喰らわせ、2人は壁に押し付けられた。

 

「だってミラから家が決まったって聞いたから・・」

 

「聞いたから何!?勝手に入ってきていい訳。親しき中にも礼儀ありって言葉知らないの!?あんた達のした事は不法侵入!犯罪よ!!モラルの欠如もいいトコだわ!!」

 

「オイ・・そりゃあ傷つくぞ・・・」

 

「傷ついているのはあたしの方よーーー!!それとこの2人はともかくルナまでなんで?」

 

「すいません。私が行かないと家が破壊されると思って、実際にナツさんは家の壁を破壊して入ろうとしましたし・・・」

 

「あんた何てことやろうとしてるのよ!!」

 

驚愕の事実に突っ込むルーシィ。一方ハッピーのほうは・・・

 

「いい部屋だねルーシィ」

 

「爪とぐなっ!!ネコ科動物!!」

 

ガリガリと爪を研いでいった。

 

「ん?何だコレ?」

 

「!!」

 

ルーシィが目を離した途端、机の上に置かれた紙束を見つけたナツがそれに手をのばす。

 

「ダメェーーーー!!」

 

それを見たルーシィは急いでそれを奪い取った。

 

「何か気になるなソレ」

 

「何でもいいでしょ!!てかもう帰ってよーーっ!!」

 

「やだよ。遊びに来たんだし」

 

「超勝手」

 

「ルーシィさんそれよりも服を着たほうがいいと思いますよ」

 

「あい」

 

 

 

 

その後、服を着たルーシィがナツたちに紅茶を出して

 

「まだ引っ越してきたばっかりで家具もそろってないのよ。遊ぶモンなんか何もないんだから紅茶飲んだら帰ってよね」

 

「残忍な奴だな」

 

「あい」

 

「ナツさん、ハッピさん、紅茶出してくれただけども喜ばないといけないと思いますよ」

 

ルナの言う事がもっともだが、ナツは何かを思い出したようで。

 

「あ!そうだ。ルーシィの持っている鍵の奴等全部見せてくれよ」

 

「いやよ。すごく魔力を消費するじゃない。それに鍵の奴等じゃなくて星霊よ」

 

「ルーシィさんは何人の星霊の契約しているんですか?」

 

「6体、星霊は1体2体って数えるの」

 

そう言ってルーシィは銀色の鍵を3本取り出した。

 

「こっちの銀色の鍵がお店で売ってるやつ。時計座のホロロギウム、南十字座のクルックス、琴座のリア」

 

次に金色の鍵を3本取り出し。

 

「こっちの金色の鍵は黄道十二門っていう門を開けるレアな鍵。金牛宮のタウロス、宝瓶宮のアクエリアス、巨蟹宮のキャンサー」

 

「巨蟹宮!!かにかっ!?」

 

「カニー!!」

 

「ナツさん、ハッピーさん、食いつくところが違うと思います」

 

蟹と言う部分に食いつくナツとハッピーに突っ込むルナ。

 

「そー言えばハルジオンで買った小犬座の二コラ、契約するのまだだったわ。ちょうどよかった!星霊魔導士が星霊と契約するまだの流れを見せてあげる」

 

「おおっ!!」

 

「血判とか押すのかな?」

 

「痛そうだなケツ」

 

「なぜ尻なんですか?」

 

後ろで話すナツたちの会話を聞きながら、ルーシィは鍵を構える。

 

「我・・星霊界との道をつなぐ者。汝・・その呼びかけに応え門をくぐれ」

 

そう言うと鍵の先に鍵穴が現れる。そしてそれが徐々に大きくなり。

 

「開け小犬座の扉、二コラ!!」

 

ばふっと音を立てて出てきたのは・・・

 

「プーン!」

 

真っ白な体にオレンジ色の角のような鼻を持った、犬とは言いいにくい生物だった。

 

「「ニコラーー!!」」

 

「あ、かわいい!」

 

予想外の結果に驚くナツとハッピー、ルナはニコラをみて目を輝かせていた。

 

「ど・・・どんまい!」

 

「失敗じゃないわよー!」

 

ナツの慰めの言葉に突っ込むルーシィだが、これを見れば誰でも失敗だと思うだろう。

 

「ああんかわい~♪」

 

「ルーシィさん、私にも抱かせてください」

 

「ニコラはあまり魔力を使わない愛玩星霊として人気なのよ」

 

「ナツ~人間のエゴがみえるよ~」

 

「うむ」

 

ナツとハッピーがそんなやり取りをしていると。

 

「じゃ、契約に移るわよ」

 

「ププーン」

 

ルーシィがメモ帳とペンを取り出し、ルナに抱きかかえられているニコラに質問を開始する。

 

「月曜は?」

 

「プゥ~ウ~ン」

 

ニコラが首を横に振る。

 

「火曜」

 

「プン」

 

今度は首を縦に振る。

 

「水曜」

 

「ププーン!」

 

「木曜も呼んでいいのね♪」

 

「地味だな」

 

「あい」

 

そんな事を言っているうちに契約が終わったようだ。

 

「はいっ!契約完了!!」

 

「ププーン」

 

そう言ってルナから離れたニコラが飛びはねる。

 

「随分簡単なんだね」

 

「確かに見た感じはそうだけど大切なことなのよ。星霊魔道士は契約・・つまり約束ごとを重要視するの。だからあたしは絶対に約束だけは破らない・・ってね」

 

「ふぇ~」

 

ナツが感心した声をだす。

 

「そうだ!名前決めてあげないとな」

 

「ニコラではないんですか?」

 

「それは総称ででしょ」

 

しばらくルーシィが考えこむと。

 

「おいで!プルー」

 

「プーン!」

 

「プルぅ?」

 

「何か語感がかわいいでしょ。ね、プルー」

 

「プルーは小犬座なのにワンワン鳴かないんだ。変なのー」

 

「プーン」

 

「あんたもにゃーにゃー言わないじゃない」

 

すると突然プルーが踊りだし。

 

「な、何かしら」

 

「え~っと」

 

「プルー!おまえいいコトいうなぁっ」

 

「なんか伝わってるし」

 

なぜかナツだけには理解できたようだ。

 

「そいえば、ハッピーは何て魔法なの」

 

「おいら?おいらはね、能力系魔法の一つ翼をつかうんだ」

 

ハッピーはそう言って翼を出して飛び回り始める。ルーシィの方はルナの方に振り向くと。

 

「それと翼人は、基本的に自分達の集落から出ないて聞いたけど、どうしてここに?」

 

「そ・・それは・・・」

 

「そんなことより俺達のチームに入らねぇーか?」

 

言葉を濁すルナにナツは遮るようにルーシィに質問する。

 

「チーム?」

 

「あい!ギルドのメンバーはみんな仲間だけど特に仲のいい人同士が集まってチームを結成するんだよ。一人じゃ難しい依頼もチームでやれば楽になるしね」

 

「私と、ナツさん、ハッピーさん、そして今はいないけどレイさんで、組んでいるんですよ。」

 

ルーシィの疑問にハッピとルナが答える。

 

「いいわね!それ!!面白そう!!」

 

「おおおし!決定だー!!」

 

「契約成立ね!」

 

「よろしくお願いしますルーシィさん」

 

「あいさーーっ!」

 

「プーン」

 

ルーシィのチームの参加を喜んでいると。

 

「早速仕事行くぞ!ホラ!!もう決めてあるんだ!!」

 

「もう♪せっかちなんだからぁ~」

 

そう言ってルーシィが依頼書をみる。

 

「シロツメの町かぁ・・・聞いたことある様なない様な。うっそ!エルバー公爵って人の屋敷から一冊の本を取ってくるだけで・・・20万J!?」

 

「そんな仕事よく見つけましたね。ちょっと見せてもれえますか」

 

そう言ってルナが依頼書をルーシィか取ると。

 

「注意事項、とにかく女好きのスケベで変態。ただいま金髪のメイドさん募集中ってこれは・・・」

 

ルナの言葉をきいて、ナツたちの方を向くと。

 

「ルーシィ金髪だもんな」

 

「だね!!メイドの格好で忍び込んでももらおーよ」

 

「あんたたち最初から・・・」

 

「星霊魔導士は契約を大切にしてるのかぁ。えらいなぁ」

 

「ハメられたーーーーーっ!!!」

 

そうルーシィが叫んでいる中、ナツたちは・・・

 

(いいですか?完全に誤解してますよ)

 

(いいじゃねぇーかそのほうが面白そうだろ?)

 

(あい)

 

(はぁ~~。どうなっても知りませんからね)

 

そんな会話をルーシィに聞かれないようにしていた。

 

 

 

 

一方ギルドでは

 

「あれ?エバル屋敷の一冊、20万Jの仕事・・・誰かにとられちゃった?」

 

「ええ、ナツがルーシィを誘って行くって」

 

「あ~あ、迷ってたのになぁ」

 

そう嘆くのはチーム「シャドウ・ギア」の「レビィ」その後には同じチームの「ジェット」と「ドロイ」だ。

 

「レビィ・・・行かなくてよかったかもしれんぞい。その仕事・・ちと面倒なことになってきた・・・たった今依頼者から連絡があってのう」

 

「キャンセルですか?」

 

「いや、報酬を200万Jにつり上げる・・・だそうじゃ」

 

「10倍!?」

 

「たった一冊に200万J!?」

 

マカロフの言葉にほとんど者が騒ぎ出すなか・・・

 

「面白そうな事になってきたな」

 

グレイはそういった。

 

 

 

 

一方、シロツメの街に向かうため馬車にのったナツたちは

 

「言ってみれば、随分と簡単な仕事よねー」

 

「あれ?嫌がってたわりにはけっこう乗り気?」

 

「トーゼン!なんてったってあたしの初仕事だからね!ビシッと決めるわよ」

 

ぐっとガッツポーズをとるルーシィ。

 

「要は屋敷に侵入して本を一冊持ってくればいいだけでしょ?」

 

「スケベオヤジの屋敷にね」

 

「そうスケベオヤジ」

 

「こー見えて色気にはちょっと自身があるのよ。うふん♪」

 

「ネコにはちょっと判断できないです。

 

「成功するといいですね」

 

つい先日に失敗したのは忘れているようだ。

 

「言っとくけどこの仕事・・あんたらやる事ないんだから、報酬の取り分6・2・1・1だからね」

 

「私が2ですか?」

 

「ルーシィ1でいいの?」

 

「あたしが6よ!!それとルナには世話になっているから2でいいわよ」

 

そんな会話をいている中、馬車によっていたナツが口を開き。

 

「ちょ、ちょと待て・・・オレたち・・もやる事・・ある・・」

 

「何よ」

 

「捕まったら助けてやる」

 

「そんなミスしません」

 

「ルーシィさん、油断大敵ですよ。仕事中は何が起こるかわかりませんし」

 

「魚釣りでもね、エサは無駄になる事多いんだよ」

 

「あたしはエサかいっ!!」

 

ルーシィが叫び終わると急に思い出したような顔をして・・・

 

「そういえば氷竜ってどんな人なの」

 

そんな疑問を質問した。

 

「「氷竜?」」

 

ルナとハッピが首をかしげる。

 

「え~と、ほら、双竜のもう一方のほうの、確かレイって人のことよ」

 

「ああ、レイさんの事ですね。たしかに氷竜と言うのはあってますね」

 

「あってるて・・まさか・・」

 

「あい。レイは氷の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)なんだ」

 

「グラシニスと言う竜に教わったらしいです。」

 

「そ、そんなに滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)いるのもなの?」

 

ルーシィが疑問の声をあげる。

 

「少なくとも、私は2人以外に見たことありません」

 

「少し安心したわ。でそのレイって人はどんな性格しているの?」

 

「怒らせさえしなければ、ちょっとやり過ぎる面がありますが、仲間思いで優しい人ですよ」

 

「お、怒らせるとどうなるの?」

 

ルーシィがそんな事を質問すると。

 

「お、思い出したくありません・・・」

 

「あ、あい・・・」

 

2人共、顔を青くして体を震えあがらせながら答えたのを見たルーシィは・・・

 

(会ったら絶対に怒らせないようにしよう)

 

そう心に固く誓ったのであった。

 

 

 

 

ようやくシロツメの街にナツたちは

 

「着いた!」

 

「馬車には二度と乗らん・・・」

 

「いつもいってますよね」

 

「とりあえずハラ減ったなメシにしよメシ!」

 

「ホテルは?荷物置いてこよーよ」

 

「あたしおナカ空いてないんだけどぉ~アンタ自分の〝火〟を食べれば?」

 

「とんでもねぇ事いうなぁ。お前は自分の〝プルー〟や〝牛〟くえるか?」

 

「食べる訳ないじゃない!!」

 

「それと同じだよ」

 

「ナツさんは自分の炎を食べることが出来ないんですよ」

 

「めんどくさー」

 

ルナの説明を聞いたルーシィが呆れたように呟く。

 

「そうだ。あたしちょっとこの街見てくる。食事は三人でどーぞ」

 

そう言うとナツたちから離れて別行動を始めるルーシィ。

 

「何だよ・・みんなで食った方が楽しいのに」

 

「あい」

 

「きっとルーシィさんは用事があるんですよ」

 

 

 

 

その後、ホテルに荷物を預けたナツたちはレストランで食事を取っていた。

 

「脂っこいものはルーシィにとっておこっか」

 

「脂っこいの好きそうだもんね」

 

「おおっ!!これスゲェ脂っこい!!」

 

「普通の女性は脂っこいものは嫌いだとおもいますよ」

 

「そうよ。あたしがいつ脂好きになったのよ・・・もう・・・」

 

「お!ルー・・シィ?」

 

「ルー・・・シィさんど、どうしたんですか、それ」

 

ルーシィの声がした方を向いたナツとルナが言葉を詰まらせた。なぜならルーシィが・・・

 

「結局あたしって何着ても似合っちゃうのよねぇ」

 

メイド服を着きて立っていたからだ。

 

「「「・・・・・」」」

 

その姿をみて呆然として三人とも何も出来ないでいた。

 

「お食事はお休みですか?御主人様、まだでしたらごゆっくりお召し上がってくださいね♪」

 

完全にメイドになり切っているルーシィを見て三人は集まってヒソヒソと話はじめる。

 

「どーしよぉ~!冗談で言ったのに本気にしているよ~!メイド作戦」

 

「だから私はいいんですかって聞いたじゃないですか」

 

「今さら冗談とは言えねえしな。こ、これでいくか」

 

「聞こえてますがっ!!」

 

 

 

 

一悶着あった後、ナツたちは大きな屋敷の前に来ていた。

 

「立派な屋敷ね~ここがエルバー公爵の・・・」

 

「違いますよ。ここは依頼主の方です」

 

「そっか・・本一冊に20万Jも出す人だもんね。お金持ちなんだぁ」

 

そんな会話をしている中、ナツが戸をノックすると。

 

「どちら様で?」

 

「魔導師ギルド|妖精・・・」

 

「!!し!静かに!!すいません・・裏口から入っていただけますか?」

 

 

 

 

「先ほどはとんだ失礼を・・・私が依頼主のカービィ・メロンです。こっちが私の妻」

 

「美味しそうな名前だな」

 

「メロン!」

 

「ナツさん、ハッピーさん、失礼ですよ」

 

「あはは!よく言われるんですよ」

 

(メロン・・・この街の名前のそうだけど・・どこかで聞いた事あるのよね・・・)

 

ナツとハッピーに対してルナが注意する中、ルーシィは聞き覚えがある名前に考えこんでいた。

 

「まかかうわさに名高い妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士さんがこの仕事を引き受けてくれるなんて・・」

 

「そっかこんなうめぇ仕事よく一まで残ってたなあって思うけどな」

 

(仕事の内容と報酬つりあってないことをみんな警戒したんでしょうね)

 

ルナが心の中でそう思った。

 

「しかもこんなお若いのに。さぞ有名な魔導士さんなんでしょうな」

 

「ナツは火竜(サラマンダー)て呼ばれてるんだ。それにルナは翼人なんだよ」

 

「おお!その字なら耳にした事が。それに翼人とは珍しい。・・・でこちらのかたは?」

 

「あたしも妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士です!!」

 

ルーシィがそう言うと、カービィはじーっとメイド服を着たルーシィをみる。

 

「その服装は趣味か何かで?いえいえ・・いいんですがね」

 

「ちょっと帰りたくなってきた」

 

「大丈夫ですよ。私は理解してますから」

 

そう言ってしくしくと泣き出すルーシィをルナが慰めた。ちなみにその元凶であるナツとハッピーは爆笑していた。

 

「仕事の話をしましょう」

 

カービィがそう言うと場の空気が変わった。

 

「私の依頼したい事はただ一つ、エルバー公爵の持つこの世に一冊しかない本日の出(デイ・ブレイク)の破棄または焼失です」

 

「盗ってくるんじゃねぇのか?」

 

「実質上他人の所有物を無断で破棄する訳ですから。盗るのと変わりませんがね・・・」

 

「驚いたぁ・・・あたしてっきり奪われた本かなんかを取り返してくれって感じの話かと」

 

「焼失かぁ・・・だったら屋敷ごと燃やしちまうか!」

 

「楽ちんだね」

 

「だめですよ!!」

 

ナツの言ったことにルナがそう叫び返した。

 

「一体・・何なんですか?その本は・・・」

 

ルーシィの質問にカービィは黙ってしまう。

 

「どーでもいいじゃねーか。20万だぞ20万!」

 

「いいえ・・200万Jお払いします。成功報酬は200万Jです」

 

「にっ!?」

 

「ひゃ!!」

 

「くぅ!?」

 

「まん!?」

 

その言葉を聞いて、上からルーシィ、ハッピー、ナツ、ルナの順番だ絶叫する。

 

「なんじゃそりゃあああっ!!」

 

「おやおや・・値上がったのを知らずにおいででしたか」

 

「200万!?ちょっとまて!!4等分すると・・・・うおおおっ計算できん!」

 

「簡単です。オイラが100万、ナツが100万、残りはルーシィとルナです」

 

「頭いいなぁ!ハッピー!!」

 

「残らないわよっ!!」

 

「皆さん落ち着いてください。それと4等分なら一人50万です」

 

あまりにも大金に驚愕するナツたちを、いち早く冷静の戻ったルナが落ち着かせる。

 

「でもどうしてそんな大金を一冊なんかにかけるんですか?」

 

「それだけどうしてもあの本を破棄したいのです。私はあの本の存在が許せない」

 

カービィの意味深な言葉を、ルーシィとルナが聞いていると、ナツが顔を燃やして・・

 

「おおおおおっ!!行くぞルーシィ!!ルナ!!燃えてきた!!!」

 

「ちょ・・ちょっと!」

 

「腕を引っ張らないでください!」

 

そう言って、ルーシィとルナを引っ張てエルバーの屋敷の急いでむかった。

 

「あなた・・本当にあんな子供たちにまかせて大丈夫なんですか?」

 

「・・・・・・」

 

「先週・・同じ依頼を別のギルドが一回失敗しています。エルバー公爵からしてみれば、未遂とはいえ自分の屋敷に賊が入られたことになります。警備の強化は当然です。今は屋敷に入る事すら難しくなっているんですよ」

 

「わかっている・・・わっかて・・いるが・・あの本だけは・・・この世から消し去らねばならいのだ」

 

カービィは苦悩に満ちた表情でそう言った。


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