「わぁ・・大っきいね」
そう言ってルーシィは「FAIRY TAIL」と書かれた建物を見る。
「ようこそ、
「さ、受付に行きましょう」
ハッピーがそう言うと、ルナがルーシィの手を引いて建物の中入っていく。
「ただいまー!」
「ただー」
「ただいま。」
怒った表情のナツと、何もなっかたかのようなハッピー、そして仲間が増えるためなのだろうか笑顔のルナが同時に叫ぶ。
「ナツ、ハッピー、ルナ。お帰りなさい」
ギルドの看板娘であるミラこと「ミラジェーン」が返事をする。
「またハデにやらかしたなぁ。ハルジオンの港の件、新聞に載・・て」
「てめェ
「うごっ」
全てを話し終わる前にナツをその男を駆り飛ばし、飛ばされた男はテーブルなどを巻き込んで吹き飛ばされる。
「あら・・・ナツが帰ってくるとさっそくお店が壊れそうね。うふふ」
「ミラさん、もう壊れてますよ」
笑いながら暢気に言うミラに、ルナが突っ込む。
「誰かナツ止めろー!」
「ぎゃふっ」
「てめ・・ナツ・・」
「痛い・・・ハッピが飛んできた」
「あい」
ナツを中心として喧嘩が始まっていく。
「すごい・・あたし本当に、
ルーシィが一人感激していると、ダッダッダッと音を立てて、黒髪の青年「グレイ」がやってくる。
「ナツが帰ってきたってぇ!?てめェ・・この間の
「グレイ・・・あんた何て格好で出歩いてのよ」
「は!!しまった!!」
なぜかパンツ一丁でいるグレイに、女性から突っ込みがはいる。
「これだから品のないここの男だもは・・・イヤだわ」
そう言いながら大樽の酒を樽ごと飲む女性「カナ」。しかし品の無いと言った割りに、彼女自身も十分に品が無い。その様子にルーシィは絶句するが。
「くだらん」
そう言ってルーシィの背後から巨漢の男が現れる。
「昼間っからピーピーギャーギャーガキじゃあるまいし・・漢なら拳で語れ!!」
「結局カンケなのね・・・」
そう言いながらナツとグレイの喧嘩に突っ込む男「エルフマン」。しかし・・
「「邪魔だ!!」」
「しかも玉砕!!」
ナツとグレイによって一撃で吹き飛ばされてしまう。するとそこにカラーサングラスをかけた男が現れた。
「ん!騒々しいな」
「あ!「彼氏にしたい魔導士」上位ランカーのロキ!!」
「まざってくるねー♪」
「がんばって~~♪」
(ハイ消えたっ!!)
きゃきゃと女性とイチャつくロキを見てズッコけるルーシ。
「な・・何よコレ・・まともな人がい一人もいないじゃ・・」
「ルーシィさん」
ルナがそんなルーシィに声をかけ背中に手を当てる。そんなルナに希望を見るが・・
「大丈夫です。一年もすれば私のように慣れますから。」
どうやら希望ではなく絶望だったようだ。ルナの言葉に「慣れたくな~い」と叫んでいると・・
「あらぁ?ルナ新入りさん?」
「ハイ、ルーシィさんて言うんです」
ミラがにこやかにルーシィを見ていた。
「ミ、ミラジェーン!!キャー!!本物~!」
憧れのミラを見て興奮するが、すぐに我に返る。
「ア、アレ止めなくてもいいんですか!?」
「いつもの事だからぁ。ほっておけばいいのよ」
「あららら・・」
「それに・・・」
ミラが何か言いかけた時、ビンがどこからか飛んできて、ミラの頭に衝突、そのままパタッと倒れてしまう。
「キャー!!ミラジューンさんっ!」
「それに・・楽しいでしょ?」
(怖いですぅー!)
何事も無かったかのように微笑んでミラが立ち上がるが、当然、その額からはだらーっと血を流していた。そこに・・・
「おふっ」
「きゃーっ!」
「へっへ~ん」
グレイが飛ばされてきた。ナツはグレイのパンツをもっている。その結果は・・・
「あーっ!オレのパンツ!!」
「こっち向くなー!!」
こうなり、そんなグレイは・・
「お嬢さん。よかったらパンツを貸して・・」
「貸すかーっ!!」
「初対面の相手になんてお願いしてるんですか!」
「ぐほっ」
とんでもないお願いをして、ルーシィに顔を殴られ、ルナの操る風によって吹き飛ばされた。
「やれやれ・・デリカシーのない奴はこまるよね。ところで君はどこのモデル」
「なにコレ!?」
いつの間にかロキによってお姫様抱っこされるルーシィ。
「漢は拳でぇーーーっ!!」
「邪魔だっての」
またもや一撃で吹き飛ばされるエルフマン。
「あー、うるさい。落ち着いて酒も飲めないじゃないの」
そう言うとカナはカードを取り出して・・・
「あんたらいい加減に・・・しなさいよ・・」
ピキィとカードを輝かせ。
「アッタマきた!!」
どこからか取ってきたタオルを腰に巻き、掌に拳を乗せるグレイ。
「ぬおおおおおおっ!!」
魔法で腕を変化させるエルフマン。
「困った奴らだ・・」
指輪を指につけるロキ。
「かかって来いっ」
両手に炎を纏うナツ。
「魔法!?」
「これはちょっとマズイわね」
「大丈夫みたいですよミラさん。」
困った表情を浮かべるミラに、ルナはある方向に指をさして安心させようとする。その指の先には・・・
「そこまでじゃ。やめんかバカタレ!!」
「でかーーーーーっ!!」
天井に届くかと言うほどの巨人がいた。その一喝で全員の動きが止まり静寂が訪れる。
「あら・・いたんですか?
「マスター!?」
その巨人がマスターだと知り驚愕するルーシィ。
「ち」
「フン」
「びっくりしたねー♪」
「ねー♪」
「酒」
皆がそれぞれの反応をして、喧嘩を止める中、たった一人だけ・・・
「だーっはっはっはっ!!皆してびびりやがって!!この勝負俺の勝ぴ・・・・」
騒いでいたナツがマスターに踏み潰される。
「む!新入りかね?」
「は、はい」
見慣れない顔に気づいたマスターがルーシィの方に振り向き、見つめられたルーシィは怯えながら返事をする。
「ふんぬぅぅぅ・・・」
突然力み始めるマスターに、ルーシィは恐怖で口をぱくぱくさせる。すると・・・
「よろしくネ」
「ええーーーっ!!」
ルーシィの膝のあたりまで縮んだ妖精の尻尾の総長「マカロフ」に驚くルーシィ。
「とう」
そう言いながら、二階に向かって回転しながらジャンプするが、手摺に頭を衝突させるマカロフ、正直に言うとかなりかっこ悪い。
「ま~たやってくれたのう、お前等。見よ評議会から送られてきた文書の量を」
(評議会・・・魔導士ギルドを束ねてる機関じゃない)
何事もなかったかのようにマカロフが手摺に立つと、紙の束を持ちしゃべり始める。
「まずは、グレイ」
「あ?」
「密輸組織を検挙したまではいいが・・その後街を素っ裸でふらつき、あげくのはてに干してある下着を盗んで逃走」
「いや、だって裸じゃマズイだろ」
「まずは裸になるなよ」
ため息をつくマカロフ。
「エルフマン!貴様は要人護衛の任務中に要人に暴行」
「「男は学歴よ」なんて言うからつい・・・」
マカロフは首を左右にふる。
「カナ・アルベローナ。経費と偽って某酒場で呑むこと大樽15個しかも請求先が評議会」
「バレたか・・」
「ロキ・・評議員、レイジ老師の孫娘に手をだす。某タレント事務所からも損害賠償の請求がきておる」
「そしてナツ、ルナ、今は此処にいないがレイ、お前たちのチームが一番ひどい。」
そう言って肩をがっくんと落とすマカロフ。
「森の半分を燃焼させもう半分を氷漬けにする、チェーリィ村の歴史ある時計台を倒壊させ近くの三つの村を氷漬けにする、ナズナ渓谷観測所崩壊による機能停止だけではなく辺りを氷漬けにし行くことすら困難にさせる、デボン盗賊一家壊滅するも民家7軒も壊滅、ハルジオンの港半壊、そして挙句の果てには、闇ギルドごと街を全壊させそれを止めに来た軍隊約500人に全治一ヶ月の怪我を負わせる」
「私も入っているんですね・・」
先ほどの被害の全てがナツとレイがやったことだが、巻き添えを喰らったルナがうなだれる。
「アルザック、レビィ、クロフ、リーダス、ウォーレン、ビスカ、etc・・・」
マカロフに名前を呼ばれた者は、気まずそうな顔をする。
「貴様等ァ・・・ワシは怒られてばかりじゃぞぉ・・」
マカロフはぷるぷると体を揺すらせ、全員がそれを見て気まずい顔をするが。
「だが・・評議員などクソくらえじゃ」
そう言うと紙束を燃やし、それをナツの方に投げ捨て食べさせる。
「よいか、理を超える力はすべて理の中より生まれる。魔法は奇跡の力なんかではない。我々の内にある〝気〟の流れと、自然界の流れる〝気〟の波長があわさりはじめて具現化されるのじゃ。それは精神力と集中力を使う、いや己が魂すべてを注ぎ込む事が魔法なのじゃ。上からのぞいている目ン玉気にしていたら魔道は進めん、評議員のバカ共を恐れるな。」
そう言ってにんと笑うと。
「自分の信じた道を進めェい!!それが
『オオオオオオオオオオオ!!!!』
マカロフの言葉に全員が歓声を上げる中、たった一人・・・
(また始末書を書かされるのを手伝わされるんですね・・・)
ルナだけが、何百枚もの始末書を書く自分の未来の姿を想像して遠い目をしていた。
「じゃあ、ナツが
「ナツが
「マンダーって何よ」
そんな会話をしていると、上機嫌のルーシィがやってきて。
「ナツ、見て!
「良かったっなルイージ」
「よかったですね・・・ルーシィさん・・・」
「ルーシィよ!それとルナは元気ないけどうしたの?」
名前を間違えたナツに、叫んだ後、まるで魂が抜かれたかのように元気がないルナのことを疑問に思うルーシィ。
「
「え、でもそう言うのってやった本人が・・・・」
「ナツさんたちに書けると思いますか?」
「あ!!」
よく考えてみれば聞く必要のないことだった。まだナツとの付き合いは長くないが、もしナツに始末書を書かせようものならその始末書に対する抗議文が評議会から送られてくる所が、容易に想像できた。
「あと250枚書かないといけません・・・・」
「が、頑張って、応援するから」
そういってルーシィがルナを慰めているとナツが立ち上がった。
「ナツどこにいくんだ?」
「仕事だよ。金ねーし。ルナはどうすんだ。」
「行きますよ。ナツさんと同じでお金がないですし」
そう言って立ち上がったルナが、ナツとハッピーと一緒に
「報酬いいやつにしようね」
「お、これなんかどうだ。盗賊退場で16万
「今度は、建物を壊さないでくださいね」
「お父ちゃんまだ帰ってないの?」
「む。くどいぞロメオ、貴様も魔導士の息子なら親父を信じておとなしく家で待っておれ」
「だって、3日でもどるって言ったのに・・・もう一週間も戻って来ないんだよ・・・」
マカロフと「ロメオ」と言われた子供の話し声が聞こえ、ナツがその方向に振り向く。
「マカオの奴は確か、ハコペ山の仕事じゃったな」
「そんなに遠くないじゃないかっ!探しに行ってくれよ!心配なんだ!!」
「冗談じゃない!貴様の親父は魔導士じゃろ! 自分もケツもふけねェ魔導士なんぞこのギルドにはおらんのじゃあ!帰ってミルクでも飲んでおれい!!」
そう言われたロメオは・・・
「バカー!!」
「おふ」
そう叫びながらマカロフをなっぐた後、ギルドから走って出て行った。
「厳しいのね」
「ああは言っても本当は総長も心配しているのよ」
気の毒そうに言うルーシィにミラはそう答える。
一方その話を聞いたナツは・・・
ズン
そう音を立てて依頼の紙を
「オイイ!ナツ!
「ナツさん待ってください」
「え?」
咎める声に聞く耳を持たず歩いていくナツに慌てて追いかけるルナ。そしてそんなナツの様子に唖然とするルーシィ。
「
「アイツ・・マカオを助けにいくきだぜ」
「これだからガキわよぉ・・・」
「んあ事したってマカオの自尊心がキズつくだけなのに」
そんなギルドの人たちの言葉にマカロフは・・・
「進むべき道は誰が決める事でもねえ。放っておけぃ」
そう答えた。
「ど、どうしちゃったの?あいつ・・急に・・」
「ナツもロメオくんと同じだからね」
「え?」
ミラの言葉に疑問を浮かべるルーシィ。
「自分とだっぶちゃたのかな」
「ナツのお父さんもでってたきりまだ帰ってこないの」
「!」
「お父さん・・って言っても育ての親なんだけどね。しかもドラゴン」
その言葉を聴いたルーシィが驚いて椅子から転げおちる。
「ドラゴン!?ナツってドラゴンに育てられたの!?そんなの信じられる訳・・・」
「ね。小さい時そのドラゴンに森でひろわれて、言葉や文化や魔法なんかを教えてもらったんだって。でもある日ナツの前からそのドラゴンは姿を消した。」
それを聞いたルーシィはナツが探していた人を思い出す。
「そっか・・・それがイグニール・・・」
「ナツはね・・・いつかイグニールと会える日を楽しみしているの。そーゆートコがかわいいのよねぇ」
「あはは」
そんなミラの言葉に苦笑するルーシィ。
「私たちは・・
「え?」
最後の言葉を疑問に思うルーシィ。
「ううん。何でもない」
そんなルーシィに気づいたミラは、顔を笑顔に戻しそういった。
そしてナツ、ルナ、ハッピの三人はハコベ山に向かっていった。
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