FAIRY TAIL ~妖精の双竜~   作:駄文帝

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どうも駄文帝です。
久しぶりですが定期考査が終わったので投稿を再開したいと思います。
二週間ぶりに書いたのでおかしい所もあるかもしれませんがお許しください。


閉じろ?金牛宮の扉

一方、村から少し離れた森の中に墜落したルーシィは、気絶した巨大ネズミの近くに倒れていた。

 

「あいたたた・・・あれ?あの女は?」

 

きょろきょろと辺りを見回すルーシィ。

すると近くの岩場から声が響いた。

 

「よくもやってくれましたわね。お嬢さん」

 

その声の主、シェリーはボロボロと涙を流している。

 

「これで零帝様の私に対する信頼はガタ落ちです。もう愛されない!!」

 

「愛!?」

 

「その上アンジェリカまで・・・」

 

シュリーは両手で涙を拭いルーシィを睨みつける。

 

「許しませんわ!!」

 

「上等!!かかってきなさい!!」

 

ルーシィに向かって右手を向ける。

すると近くに生えていた木がミシミシと音を立てながら動き出す。

 

木人形(ウッドドール)

 

シェリーがそう叫ぶと、両腕と両足、そして目と口と思われる穴が出来た木がルーシィに向かって動き出す。

 

「木が・・・動いた!!」

 

「サァーーーーッ!!」

 

木がルーシィに向かって左腕を振り下ろす。

ルーシィは直撃こそしなかったものの、バランスを崩してしてしまう。

 

「開け!!金牛宮の扉!!タウロス!!」

 

ルーシィは倒れこみながらもタウロスを召還。

 

「MOォォォォーーー!!」

 

召還されたタウロスは斧を使って木を両断する。

 

「星霊魔法!?しかも黄道十二門!?」

 

シュリーはそれを見て驚きを隠せず声をあげる。

 

「ナイス、タウロス!!」

 

「MOーーー!!ルーシィさんのおっぱい最高ーー!!」

 

タウロスは何時ものごとくセクハラ発言をするが・・・

 

「星霊にそんな事を言わせて喜んでいるなんて、淫らもいいとこですわね・・・」

 

「言わせてないし、喜んでないわよ!!」

 

「MOー」

 

シェリーがなにやら勘違いをしたようだ。

 

「けど・・・星霊魔導士は、私との相性が悪すぎますわ」

 

シェリーは小さく笑みを浮かべそう呟いた。

 

「タウロス!!やりなさい!!」

 

「MO!!」

 

ルーシィに命令されたタウロスはシェリーに向かっていく。

しかし、すぐにルーシィの方を向く。

それを見たシュリーはニッと笑った。

 

「え?」

 

「MOーーーっ!!」

 

「きゃあああっ!!」

 

そしてタウロスはシェリーではなくルーシィに向かって斧を下ろした。

ルーシィは悲鳴を上げながら、その斧を何とか回避する。

 

「ちょっと!!タウロス!!どうしたの!?」

 

「MOォオオオ!!」

 

「んぁっ」

 

ルーシィの疑問の声も聞かずタウロスはルーシィを押し倒し首を絞める。

 

「ル、ルーシィさん・・か、体が・・いう事をききません・・」

 

「くっ・・うっ」

 

「私の魔法〝人形撃〟は人間以外のものを操る魔法。それは星霊だって同じ・・・だって人間ではないのですもの」

 

「そ、そんな・・・」

 

首を絞められながら呟くルーシィ。

 

「タウロス、服をひんむいてさしあげて」

 

「よ、喜んで!!」

 

「アンタ本当に操られてるの!?」

 

ビリビリと服を破き始めるタウロスに、ルーシィが突っ込む。

 

「MOぅし訳ありません・・・ルーシィさん・・・自分の意思では体が・・どうにも・・・」

 

「閉じろ!!金牛宮の扉!!」

 

ルーシィは叫ぶがタウロスは消えることなく、ルーシィの首を締め上げる。

 

「ぐあっ・・・・ああっ」

 

徐々に締め上げる力が強まる。

 

「星霊魔法の(ゲート)は、互いの合意の上で開閉するのではなくて?」

 

「閉じて!!タウロス!!」

 

「一方的に閉じるなんて出来ませんわよ」

 

「タウロス!!」

 

しかしルーシィは諦めることなく叫び続ける。

 

「MOォォォォ!!」

 

「あうっ・・・お願いっ!!閉じて!!」

 

「所詮妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士といっても、こんな程度ですのね」

 

ルーシィの一言を聞いたルーシィは、今日一番の声をあげた。

 

「閉じろ!!金牛宮の扉!!」

 

その声に反応してタウロスの姿がゆれる。

すると次の瞬間、タウロスは煙を残して消えいく。

 

「なっ!?」

 

「で・・・出来た。強制閉門ができたっ!!」

 

強制閉門とは、お互いの意思ではなく主人(オーナー)の意思によって閉門する事だ。

 

「ま、まさかそんな事の出来る魔導士がいたなんて・・・計算ミス・・・ですわ」

 

「あたし・・・成長している・・・」

 

そう言って自分の手に刻まれた妖精の尻尾(フェアリーテイル)の紋章くを見る。

そして微笑み。

 

「そうよ!!あたしだって妖精の尻尾の一員なんだからね!!」

 

 

 

 

所変わって、封印されたデリオラが置かれてきる月の遺跡の地下。

そこには、零帝ことグレイの兄弟子のリオンがいた。

 

「零帝様」

 

デリオラを見つめていたリオンに後ろから声がかかる。

それは仮面をつけた男だった。

 

「あのグレイとかいう小僧をなぜ殺さなかったので?」

 

「別に意味はない。オレが血を好まんのは知っているだろ」

 

それを聞いた仮面の男は背を向ける。

 

「いえいえ、そうおっしゃいますが、村人は皆殺しになさるお人だ。どうも弟弟子には情があるご様子ですな」

 

「くだらん・・・あれだけ打ち負かせば歯向かう気もおきんさ。それでも邪魔するなら、その時は躊躇なく殺してやろう」

 

仮面の男は顔だけをリオンの向けて・・・

 

「本当に?」

 

そういった。

 

 

 

 

場所を戻して、森の中のルーシィとシェリは・・・

 

「さすがは妖精の魔導士といったところかしら」

 

シュリーはそう言いながら岩場から降り地面に足をつける。

 

「勝負はここからよ」

 

ルーシィは腰につけている鞭を取り出し、構える。

 

「でもお忘れにならないように、あなたので星霊は私には通用しませんのよ」

 

「どうかしら?まだまだ強い星霊はいっぱいいるのよ!!」

 

そう言ってルーシィは銀色の鍵を取り出す。

 

「開け!!小犬座の扉・・・プルー!!」

 

「プーン」

 

呼び出したのはプルーだった。

 

「人形撃、操り人形!!」

 

「ププ、プーン!!」

 

シェリーはすぐさまに自分の魔法でプルーを操るが・・・

 

「プーン、ププーン、ププーン」

 

ルーシィの足をポカポカと殴るがダメージはまったく入っていない。

 

「!!」

 

「ひっかたわね!!」

 

「くっ」

 

ルーシィが振るう鞭を回避するシェリー。

 

「しまった!!ザコ星霊か!!操り解除!!」

 

魔法が解けプルーが正気に戻る。

 

「人形撃、岩人形(ロックドール)!!」

 

シェリーの後ろで岩が形を成していく。

 

「イタチごっこにしかならないわよ。あたしの星霊がそれを壊して、操られたら閉じるだけ」

 

「壊す?この岩お?」

 

「いわ・・・!?」

 

ルーシィの目の前には岩の巨人が出来て、その頭の上にシェリーが乗っていた。

 

「岩ーーー!?」

 

振り下ろされた岩人形(ロックドール)の拳を避けるルーシィ。

 

(ちょっと持って!!こんな岩を壊せる星霊いたかしら!?)

 

そんな事を考えて逃げるルーシィだが・・・

 

「うわわわっ!!」

 

岩人形(ロックドール)はルーシィを追いかける。

 

「きゃっ」

 

ルーシィは石に躓いて転んでしまう。

そしてルーシィが顔を上げるとそこには、海が広がっていた。

 

「ここならアクエリアスが呼べる・・・けど・・・」

 

「もう逃げ場はありませんわよ」

 

後ろには岩人形(ロックドール)が迫ってきている。

 

(水じゃ岩は壊せない・・・それにアクエリアスは私まで巻き添えにするし・・・巻き添え!?そうか!!)

 

何か考えついたルーシィは海に浅瀬まで逃げる、そして・・・

 

「開け!!宝瓶宮の扉!!アクエリアス!!」

 

アクエリアスを召還する。

 

「アクエリアス!?そんな強力な星霊も持っていらしたの!?」

 

「敵はあの女!!あーゆーのキライでしょ!?やっちゃって!!」

 

「ちっ」

 

ルーシィの言葉に舌打ちをするアクエリアス。

 

「相変わらず態度悪いわね!!いいから早くやりなさいよ!!」

 

「あまえも相変わらずうるさいな。そんなだから彼氏ができな・・・・」

 

「ほっといてよ!!」

 

「人形撃、操り人形」

 

ルーシィとアクエリアスが口論している間にシェリーは魔法をかける。

 

「フフ・・・これでアクエリアスは使えませんわ。とっとと帰らせなさい」

 

「いやよ。これ・・・あたしの切り札なんだから」

 

「な!?」

 

ルーシィの答えに驚きの声を上げるシェリー。

 

「だったらその海の力で砕け散るがよろしいですわ!!アクエリアス!!その女を消してさしあげて!!」

 

「あ、言われなくてもやってやるぁぁ!!」

 

アクエリアスは瓶を使って大波を作り出す。

 

「うあああああっ!!」

 

その荒れ狂う波に飲み込まれるルーシィ。

 

「フフ・・・本当におバカ・・」

 

そう言っているシェリーだが波はシェリーまでも巻き込もうとする。

 

「え?ちょ・・・ああああっ!!」

 

「きゃああああっ!!」

 

波に巻き込まれた二人はしばらく波に流されていると、波がやみ。

 

「フフ・・・何が強制閉門だ。私は自分で閉じりゃうんだから。バーカ」

 

アクエリアスはそう言い残すと勝手に消えてしまった。

そして砂浜には倒れているルーシィとシェリー、そして岩人形(ロックドール)が残される。

 

「うふふ・・」

 

ルーシィは笑い声を出しながら立ち上がる。

 

「アクエリアスは敵味方関係なしに大波を起すぬよ」

 

「キーー!!うかつでしたわ・・・!!」

 

同じく立ち上がったシェリーは悔しそうな声を上げる。

 

「しかし岩人形(ロックドール)は倒せなかったようですわね」

 

「それが何?あやつり人形は操る人がいて初めて動く・・・」

 

そう言いあう二人は目が回っているのか、互いの反対の向きを向いている。

 

「つまり岩人形(ロックドール)は倒す必要はないの。あんたさえフラフラにできればね」

 

「むむむ・・・」

 

「これが妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士よ」

 

「引き分けに持ち込むなんて・・・」

 

「引き分け?アタシの勝ちよ!!何をおっしゃおますの?アンタだってふらふら・・・」

 

そう言い合いながらポコポコと互いを殴りある二人。

 

「じゃあこれで・・・どうかしら!!」

 

「んぎょ!!」

 

シェリの喉元に右腕を叩き込むルーシィ。

 

「わ・・・わたくし・・・が・・・負け・・・」

 

そう呟きながら倒れるシェリー。

それと同時に岩人形(ロックドール)が崩れ始める。

 

「たとえ私の命の灯が消えようと・・・零帝様への愛に偽りなし」

 

「死にゃしないわよ!!大げさなんでからっ」

 

「アンジェリカ、私の仇を討った・・・」

 

「チューーー!!」

 

シェリーの声が聞こえたのか、勢いよくアンジェリアが飛び出す。

 

「え?こいつ・・・人形じゃなかったの!?」

 

そう言ったとたん、ルーシィが膝を突く。

 

(や・・・やだ・・・足が動かない・・・)

 

その間にもアンジェリカがルーシィに向かって落ちていく。

 

「ああああああっ!!」

 

ルーシィが叫び声を上げて、そのまま押しつぶされそうになった、その時・・・

 

「仲間に手ぇ出すんじゃねぇぇぇぇ!!」

 

「チュウウウウウ~!!」

 

何者かがアンジェリカを拳で殴り飛ばした。

ルーシィがゆっくり顔をあげると、そこには桜色の髪にマフラーをした青年が立っていた。

それを見たルーシィは声を上げる。

 

「ナツ!!」

 

アンジェリカはズシィっと音を立てて落ちる。

 

「ルーシィ!大丈夫か!!」

 

ナツはルーシィに駆け寄ってきた。

 

「ありがとう!!たすかったわ。でもどうしてここに?」

 

ルーシィが当然の疑問を口にする。

 

「村に向かっている途中にネズミが墜落するのがみえてよ。それでそんな事をやるのは、ルーシィしかいねぇって全員が考えてオレがここに来たんだ」

 

「私の評価って・・・」

 

落ち込むルーシィだが、今回はそれで助っているため文句を言えずにいる。

 

「よかったー!!ルーシィ無事だったぁ!!」

 

するとハッピーがそこにやってきた。

 

「ハッピー!!」

 

「ナツも無事だったんだ」

 

ハッピーはナツが無事なことに喜びの声を上げる。

 

「で、これからどうするの?」

 

「エルザとレイにルーシィを見つけたら村に戻って来いって言われってから、一回村に戻っぞ」

 

「わかった」

 

「あい」

 

ルーシィは立ち上がろうするがまだ足に力が入らないのか立ち上がることが出来ずにいる。

 

「たく、しゃあねぇな」

 

ナツはそう言うとルーシィを持ち上げる、俗に言うお姫様抱っこと言うヤツだ。

 

「え?ち、ちょとナツ!!」

 

ルーシィは抗議の声を上げるがナツは・・・

 

「んじゃ、早く行くぞハッピー!!」

 

「あいさ!!」

 

その声を聞かずに村の方にルーシィを抱えたまま走っていった。

 

 

 

 

ちなみに村に着いた時、レイに嫉妬がこもった視線を向けられたのは当然の事である。


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