「こうなったら仕方がありません!!」
覚悟を決めたルナはは隠れていた場所から飛び出すと・・・
「ウインドメイク〝
風の燕を儀式をしている集団の近くに衝突させた。
それを見た零帝とユウカ、シェリーはルナの方を向く。
ちなみにトビーはそのまま行こうしてユウカに止められていた。
「私達がやりました!!」
「もう・・なるようにしかならないわね!!」
続いてルーシィとハッピーも出て行く。そんな中・・・
「グレイ!?しっかりしてよ!!」
グレイただ一人が呆然としていた。
「あの紋章!!
「なるほど・・・村の奴等がギルドに助けを求めたか」
「なにをしている。とっとと村を消してこい」
「お?」
「え?」
「そんな・・・」
それを聞いた零帝の考えは変わらなかった。
「邪魔する者、それを企てた者。全て敵だ」
「こうなったら・・・」
ルナは手を合わせて再び魔法を発動させようとするが・・・
「てめえぇぇっ!!」
「グレイ!!」
それよりも早く、グレイが零帝に向かって駆け出した。
「その下らねぇ儀式とやらをやめやがれぇぇ!!」
そう叫ぶろグレイは両手を地面に付ける。
すると氷が地面を伝って零帝に向かっていった。
「氷!?」
「フン」
対する零帝は焦ることなく片手を地面につける。
するとグレイと同じ様に氷が地面を伝っていき。両者の氷が激突した。
「こいつも氷!?」
ハッピーが驚いていると、氷は両方とも動きを止めてそのまま崩れていった。
「リオン・・・てめぇ自分が何やってるかわかってんのか?」
「え?」
「リオン・・・って知ってるの!?」
グレイの言葉を聞いたルナとクリスは驚きの声を上げる。
「ふふ、久しいなグレイ」
「知り合い!?」
「ええっ!?」
零帝「リオン」の方からグレイの名が出てきた事を、ルーシィとハッピーが驚いた。
「何の真似だよ!コレぁ!!」
「村人が送り込んできた魔導士がまさかお前だちとはな。知ってて来たのか?それとも偶然か?あま、どちらでもいいが・・・」
リオンは薄い笑みを浮かべながらそう言った。
「零帝リオンの知り合いか?」
「おおっ!?」
「早く行けここはオレ一人で十分だ」
「はっ」
「おおーん!!」
リオンの言葉よって、先ほどから止まっていた足を動かしてどこかにいく三人組。
「まってくだ・・・」
「ダメ!!」
後を急いで追おうとしたルナをクリスが慌てて止める。
「この空間、冷気で包まれている。たぶんアイツの魔法だよ」
そう言ってリオンの方を向くクリス。
「ハッピ!!レイ!!急いでここから飛んで逃げろ!!」
「あい!」
「わかりました!」
グレイの支持に従って、ハッピはルーシィをルナはクリスを持って飛び立つ。
リオンの視線がそちらを向くが・・・
「っぁあ!!」
視線をそらす為にグレイが氷をリオンに向ける。
リオンはそれを自分の氷で防ぐ。
「グレイ大丈夫だよね!?信じてるからね!!」
クリスはレナに捕まれたままそう叫び、ハッピーとルナは村の方に飛んで行った。
「スキを作って女達と猫を逃がしたか・・・やればできるんじゃないか」
「いい加減先輩ズラすんの止めてくんねぇかな」
そう言うグレイの顔には怒りが露わになったいる。
「リオン。お前はもうウルの弟子じゃねぇ」
「おまえもさ、グレイ」
リオンはそう言うと仮面を取り始める。
「ウルはもうこの世にはいないのだからな」
「デリオラを封じる為に命を落としたんだ!!ウルの残したものをてめぇは壊そうとしているんだぞ!!」
グレイはそう叫ぶと、仮面を外し終えたリオンが・・・
「記憶をすり替えるな・・・ウルはお前が殺したんだ。グレイ」
銀髪に光のない目をした青年、リオンがそう言った。
「よく、おめおめと生きていられたものだな」
それに言葉を失うグレイ。
「ウルを殺したのはお前だ、グレイ」
もう一度、言い放った後・・・
「名前を口に出すのもおこがましい」
カッと目を見開いく。
すると飛び出してきた氷がグレイに直撃。
そのままグレイは吹き飛ばされてしまう。
「リ、リオン・・・」
「どうした?後ろめたくて手が出せんか?ならば邪魔しないでほしいな。オレはデリオラを復活させる」
グレイはゆっくりと顔を上げ、リオンを睨みつける。
「させねぇよ」
「それでいい。久しぶりに手合わせをしよう」
リオンを仮面を地面に投げ捨てる。
「アイスメイク〝
「アイスメイク〝
次の瞬間、リオンは氷の大鷲をグレイは氷の盾を作りだす。
グレイ目掛けて飛んで来た氷の大鷲は、盾を機用に外す。
「お前は物質の造形が得意だった〝静〟のアイスメイク。オレの造形は生物・・〝動〟のアイスメイク。動き回る氷だと忘れたか」
「ぐはぁっ」
大鷲はグレイに襲い掛かる。
しかしグレイはそれから逃げるように転がり出ると・・・
「アイスメイク〝
両手を合わせて魔法を発動させ、リオンの上に巨大なハンマーを作る。
「アイスメイク〝
対するリオンは驚く事もなく、指を上に向けて、巨大な猿を作り出す。
猿の手首の辺りに当たったハンマーは、音を立ててサルと共に崩れる。
「話にならん。造形魔法に両手を使うのも相変わらずだ」
「ウルの教えだろ。片手の造形は不完全でバランスもよくねぇ」
「オレは特別なんだ。ウルの力もとうの昔に超えてしまった」
「うぬぼれんなよ・・・」
「その言葉、お前に返そう。一度でもオレに攻撃を当てた事があったかな」
「あの頃と一緒にするんじゃねぇ!!」
グレイはそう叫ぶと構えを取って・・・
「
地面に両手を付けると、リオンが立っていた場所の地面を突き破って巨大の氷が現れた。
それを見た覆面集団は逃げ始める。
「一緒だ」
グレイの攻撃によってできた煙の中からリオンの声が聞こえた。
「オレはお前の兄弟子であり、お前より強かった。オレは片手で造形魔法を使えたが、お前にはできなかった」
煙が晴れるとそこには無傷にリオンがいた。
「何も変わらん。互いに道が違えど、オレたちの時間はあの頃にまま凍りついている」
するとリオンの周りの煙が一気に晴れる。
「ぐあぁぁぁっ!!」
グレイの足元にできた竜に打ち上げられるグレイ。
「だからオレは氷を溶かす。塞がれた道を歩き出す為に」
「がはっ!」
地面に打ち付けられるグレイ。
「ウルはオレの目標だった。ウルを超える事がオレの夢だったんだ。しかしその夢をお前に奪われた。もう二度とウルを超える事が出来ないと思っていた。だが一つだけ方法があった・・・」
「・・・」
グレイは起き上がった。
「ウルでさえ倒す事ができなかった、あのデリオラを倒す事ができたなら・・・オレはウルを超えられる。夢の続きを見られるんだよ」
「正気か・・!?そんな事が目的だったのか!?デリオラの・・・恐ろしさはお前もよく知っているハズだ!?」
グレイの言葉を聞いたリオンがピクッと反応する。
「や、やめろ・・・無理だ・・!!」
その言葉を聞いたリオンは目を見開く。
「うああぁっ!!」
グレイを囲むように氷が地面から飛び出した。
「「やめろ」「無理だ」・・だと?」
「がはっ!」
「あの時・・・オレたちもお前に同じ言葉をかけた。忘れた訳ではあるまいな」
そしてリオンは一呼吸置いたあと・・・
「お前がデリオラなんかに挑んだからウルが死んだんだぞ!!」
そう叫んだ。
そしてリオンはグレイに攻撃を容赦なく浴びせる。
「お前にウルの名を口にする資格はない!!消えろ!!消え失せろ!!」
そしてグレイの意識が途切れた。
「グレ・・・しろ!!グレ・・・!!しっかりしろ!!」
「!」
グレイは聞きなれた声を聞き意識を取り戻した。
そこには心配そうな顔をして体を揺すっているエルザが目に移った。
「!気を取り戻したか!!」
「だせぇな・・・ボロボロじゃねぇか」
「よかった・・・」
その後ろには口でこそ悪態をついているが顔は心配そうにしているナツとグレイの手当てをしたのか道具をしまっているレイがいた。
「お前ら・・・なんでここに・・・」
「レイを先頭にしたら道に迷ってしまてな。そんな時に月の光の柱が見えたから急いでここにやって来たんだ」
「リオン・・・は・・・?」
「誰だそいつ?お前をやったのはそいつか?」
「私達がここに来た時は、あなた一人が倒れてた」
「いったい何があったんだ?お前ほどの奴がここまでやられるとは、心配したんだぞ」
そう口々に話し出す三人。そしてグレイは・・・
「オレの・・・兄弟子のリオンが・・
「なにぃぃっ!?」
「本当か!?」
「早く追わないと」
「!」
レイの「追う」と言った言葉にルーシィたちの事を思い出すグレイ。
「リオンの部下が・・・村を消しに行った・・・・それでルーシィたちが先に村に・・・」
「何だと!?」
「それだと、ルナとクリスはともかく、ルーシィが心配」
「ああ、そうだな。早く追うぞ」
そんな中グレイは過去の事を思い出していた。
『よせ!デリオラなんかに勝てる訳がないだろ!!お前じゃ無理だグレイ!!』
「オレは・・・オレは・・・」
「「「!!」」」
涙を流し始めるグレイに気づく三人。
そしてそれを見たナツは・・・
「えい」
グレイの頭にチョップを喰らわせた。
グレイはナツの方に顔を上げる。
「負けたくれぇでぐじぐじしてんじゃねえよ」
そう言ってグレイを背負うナツ。
「オレたちは|妖精の尻尾だ!!止まる事を知らねぇギルドだ!!走り続けなきゃ生きてられねぇんだよ!!」
そうい叫んで走り去るナツ。
レイとエルザは互いに顔を見合わせた後、ナツを追いかけていった。
時は少し戻し、村に着いたルーシィたちは。
「ーと言う訳でね。これから攻めてくる奴らは、みんなをこんな姿にした犯人なのよ。捕まえて元に戻す方法を聞きチャンスだわ」
村人に事情を説明していた。
それを聞いた村人はざわざわそ騒ぎ出す。
「捕まえると言っても、おそらく三人とも魔導士でしょうし、簡単にはいかないでしょうね」
「そうね・・・こっちの方が人数が多いとはいえ・・・魔導士は二人・・・」
「ルーシィは戦わないんだね・・・」
ルーシィも言葉を聞いたクリスは苦笑いをしている。
するとルーシィは何か思いついたのか微笑んだ。
「いー作戦思いついちゃった♪」