FAIRY TAIL ~妖精の双竜~   作:駄文帝

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火竜

その後、ナツたちと別れたルーシィは、ペンチに座って週間ソーサラーと言う魔法専門の雑誌を見ていた。

 

「また妖精の尻尾(フェアリーテイル)が問題犯したの?今度は何?デボン盗賊一家壊滅するも、民家7軒も壊滅・・・

あははははっ!やりすぎー!」

 

ルーシィはペンチの上で、腹を抱えながらバタバタと笑い転げる。

 

「あ、グラビアのミラジューンなんだ。妖精の尻尾(フェアリーテイル)の看板娘ミラジューン。こんな人でもめちゃくちゃやったりするのかしら」

 

一通り雑誌を見た後、腕を組み考えこむ。

 

「てか・・どうしたら妖精の尻尾(フェアリーテイル)に入れるんだろう。やっぱ強い魔法覚えないとダメかなぁ。面接とかあるのかしら?」

 

そう呟く、ルーシィの入りたいギルドとは・・・

 

「魔導士ギルド妖精の尻尾(フェアリーテイル)、最高にじゃっこいいなぁ」

 

満面の笑みで、そう呟くルーシィの後ろの茂みがガサッと音を立てる。

 

「へぇー・・・君・・妖精の尻尾(フェアリーテイル)に入りたいんだー」

 

「!!。サ・・火竜(サラマンダー)!?」

 

後ろの茂みから現れた火竜(サラマンダー)に、ルーシィが驚く。

 

「いや~探したよ・・・君のように美しい女性を、ぜひ我が船上パーティに招待したくてね」

 

「は・・はぁ!?」

 

茂みから出た火竜(サラマンダー)がルーシィに近づくが、ルーシィはカバンを持ってベンチから立ち上がり火竜(サラマンダー)をビシっと指を指す。

 

「言っておくけどあたしには魅了(チャーム)は効かないわよ。魅了(チャーム)の弱点は、「理解」・・それを知っている人には魔法が効かない」

 

「やっぱりね!目が合った瞬間魔導師だと思ったよ。いいんだパーティーにさえ来てくれれば」

 

「行く訳ないでしょ!アンタみたいなえげつない男のパーティーなんて」

 

「えげつない?僕が?」

 

魅了(チャーム)よそこまでして騒がれたいわけ?」

 

「あんなのただのセレモニーじゃないか。僕はパーティーの間セレブな気分でいたいだけさ」

 

「有名な魔導士とは思えないおバカさんね」

 

「待ってよ。」

 

話にならないとばかりに背を向けて立ち去ろうとするルーシィに、火竜(サラマンダー)は追いかけながら声をかける。

 

「君・・妖精の尻尾(フェアリーテイル)に入りたいんだろ?」

 

その声を聞いたとたんルーシィはピタっと動きをとまる。怪訝そうに火竜(サラマンダー)に振り返った。

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)で有名な双竜の片割れが火竜って・・聞いた事ない?」

 

「ある!!あんた妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士だったの!?それともう一人の方は!?」

 

「そうだよ、それと、あの人は今日体調が悪くてきてないんだ。入りたいんならマスターに話に通してあげるよ」

 

それを聞いたルーシィは火竜(サラマンダー)を見つめ・・

 

「素敵なパーティーになりそうね」

 

媚を売り始めた。

 

「わ・・わかりやすい性格してるね・・君・・」

 

「ほ、本当にあたし妖精の尻尾(フェアリーテイル)に入れるの!?」

 

「もちろん。そのかわり魅了(チャーム)の事は黙っといてね」

 

「はいはーい!」

 

「それじゃパーティーで会おう。」

 

「了解であります!」

 

去っていく火竜(サラマンダー)の後姿をしばらく見つめたあと。

 

「は!!疑似魅了(チャーム)してたわ!!」

 

そして軽くジャンプして。

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)に入れるんだー!!やったーっ!!入るまであのバカ男に愛想よくしておかないとね。」

 

そう言いながらしししと笑うルーシィが港の方に歩きだした。

 

 

 

 

夜、ナツとハッピーとルナは、ご飯を食べ終わり町の高台を歩いていた。

 

「ぷはぁー!食った食った!!」

 

「あい」

 

「最近お金がなくて、あまり食べれなかったですしね。」

 

ハッピーが、港を出ようとしている一隻の船を見つける。

 

「そいや火竜(サラマンダー)が船上パーティーやるって。あの船かな」

 

「うぷ・・気持ちワリ・・」

 

「ナツさん想像しただけ酔うのはやめてください。」

 

船の事を想像して酔うナツを、ルナが介抱していると、横に立っている女性2人の会話が聞こえてきた。

 

「見て見て~!あの船よ火竜(サラマンダー)様の船~。あ~ん、私もパーティ行きたかったぁ」

 

火竜(サラマンダー)?」

 

「知らないの?今この街に来てるすごい魔導士なのよ。あの有名な妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士なんだって。」

 

「「「!!」」」

 

それを聞いたナツ、ハッピー、ルナが反応する。

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)?」

 

「もしかして・・」

 

ナツが目を見開き、ルナは少し考え込む。

 

「うぷ」

 

「ナツさん想像で酔うのは・・」

 

ナツはしゃがみ込んで、柵の間から船を見つめる。

 

「妖精の尻尾・・・・」

 

 

 

 

そのころ、火竜(サラマンダ)主催の船上パーティーでは、大勢のドレスを着た女の子たちが、食事や酒を楽しんでいた。

そんな中、ルーシィと火竜(サラマンダー)は2人っきりで別の部屋にいた。

 

「ルーシィか・・・いい名前だね」

 

「どぉも」

 

愛想笑いを火竜(サラマンダー)に向けるルーシィ。

 

「まずはワインで乾杯といこう」

 

「他の女の子たち、放っておいていいの?」

 

「今は気にと飲みたい気分なんだよね」

 

火竜(サラマンダー)がパチンっと指を鳴らすと、グラスに入ったワインが球となって、宙に浮く。

 

「口をあけてごらん。ゆくっりと葡萄酒の宝石が入ってくるよ」

 

(うざー!)

 

ルーシィは口には出さず、顔を一瞬背けるが、すぐに向きなおす。

 

(でもここはガマンよ!ガマン、ガマン!)

 

ワインの球が口の中に入りかけた瞬間・・

 

「!」

 

何かに気づいたルーシィが、しゅばっと音を立てて腕を振ってワインを床に叩き落す。

 

「これはどういうつもりかしら?睡眠薬よね」

 

「ほっほーう、よくわかったね」

 

「勘違いしないでよね。あたしは妖精の尻尾(フェアリーテイル)に入りたいけど、アンタの女になる気はないのよ」

 

ルーシィに企みを暴かれた火竜(サラマンダー)は不敵な笑みをみせ。

 

「しょうがない娘だなぁ。素直に眠っていれば痛い目みずにすんだのに・・・」

 

「え?」

 

唖然とするルーシィの手をカーテンの後ろから現れた、屈強な男たちがつかむ。

 

「おーさすが火竜(サラマンダー)さん」

 

「こりゃ久々の上玉だなぁ」

 

「な、何なのよコレ!!アンタたち何!?」

 

慌てて叫ぶルーシィの顔を、火竜(サラマンダー)がくいっともちあげる。

 

「ようこそ我が奴隷船へ。他国(ポスコ)に着くまでおとなしくしていてもらうよ。お嬢さん」

 

「ポスコ・・ってちょっと・・!!妖精の尻尾(フェアリーテイル)は!?」

 

「言ったろ?奴隷船だとはじめから商品にするつもりで君を連れ込んだんだ。諦めなよ。」

 

「そんな・・!」

 

あまりに突然の出来事に、ルーシィは言葉を失う。

 

火竜(サラマンダー)さんも考えたよな。魅了(チャーム)にかかってる女どもは、自分からケツふって商品になる」

 

「この姉ちゃんは魅了(チャーム)が効かないみてぃだし・・少し恐々が必要だよな」

 

「へへっ」

 

「へっへっへっ」

 

これから行なわれる事を想像した、ルーシィの顔が青ざめる。

 

(や、やだ・・嘘でしょ・・何なのよコイツ・・!こんな事をする奴が・・)

 

ルーシィの右足の太もも辺りに付けられた(ゲート)の鍵を、火竜(サラマンダー)が奪い取る。

 

「ふーん。(ゲート)の鍵・・星霊魔導士か」

 

「星霊?何ですかいそりゃ。あっしら魔法の事はさっぱりで」

 

「いや、気にする事をない。この魔法は契約者以外は使えん。つまり僕には必要ないって事さ」

 

そう言ってルーシィから奪った鍵を、開いた窓から船外へと投げ捨てる。

 

(これが妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士か!!)

 

ルーシィは目に涙を溜め、火竜を睨みつける。

 

対する火竜(サラマンダー)はジュっと音の立てたハンコのようなものを手のもった。

 

「まずは奴隷の烙印を押させてもらうよ。ちょっと熱いけどガマンしてね」

 

(魔法を悪用して・・人をだまして・・奴隷商ですって!?)

 

ルーシィの顔から涙が零れる。

 

「最低の魔導士じゃない」

 

ルーシィがそう呟いた瞬間。

バキッと言う音と共に船の天井が崩れ、桜色の髪をした青年が現れる。

 

「ひ・・昼間のガキ!?」

 

「ナツ!?」

 

そうナツがやってきたのだ。しかしここは船の上、乗り物酔いのひどいナツは当然・・

 

「おぷ・・駄目だ、やっぱ無理」

 

「えーっ!かっこわるー!!」

 

酔ってしまった。

 

「な、何だコリャ一体・・・!?なんで空からガキが降ってくるんだ!?」

 

「しかも酔ってるし」

 

すると今度は羽を生やした猫がやってきた。

 

「ルーシィ、何してるの。」

 

「ハッピー!?騙されたのよ!!妖精の尻尾(フェアリーテイル)に入れてくれるって・・それで・・あたし」

 

その言葉に、酔っているナツが少し反応する。

 

「てか・・アンタ、羽なんてあったけ」

 

「細かい話は後回しっぽいね。逃げよう」

 

「わっ」

 

ハッピー尻尾でルーシィをつかむと、天井に開いた穴から逃げようとする。

 

「ちょっ、ナツはどーすんの?」

 

「2人は無理。後でルナが来るから、ルナにどうにかしてもらう」

 

「あら・・ってルナにこの人数どうにかできるの?」

 

ルーシィがルナがどうやってナツを助け出すか想像していると火竜が動きだした。

 

「にがすかぁ!」

 

「おっと!」

 

火竜(サラマンダー)からの攻撃をハッピーは余裕そうにかわす。

 

「ちっ、あの女を逃がすなっ!!評議員どもに通報されたら厄介だ」

 

「はいっ」

 

部屋から出た男たちが、ハッピにめがけて銃を乱射する。

 

「わっ、銃だ」

 

「きゃあああっ!!」

 

「ルーシィ、聞いて」

 

「何よ、こんなに!」

 

ハッピの声に反応したルーシィが、ハッピーのほうを振り向くと・・

 

「変身が解けた」

 

「くそネコー!」

 

羽が消えたハッピーがいた。

 

そのまま重力にしたがって、海に落ちる思ったその時、パシっと言う音と共に誰かに抱きかかえられ、そのまま銃の射程圏外へと上がっていった。

 

「くそ!!」

 

打ち落とす事に失敗した男が叫ぶ。

 

「だ、だれ!?」

 

誰に助けてもらったか気になって後ろを振り向くと・・

 

「大丈夫ですか、ルーシィさん?」

 

ハッピと同じように羽を生やし片手でルーシィたちを抱えたルナがいた。

 

「ル、ルナも羽があるの!?」

 

「はい。私は翼人なので、普段は服で隠していますけど、羽があるんですよ。それより、これはルーシィさんのですよね?」

 

ルナはそう言いながら、ルーシィの鍵を懐から取り出した。

 

「あ、あたしの鍵、でもどうやって?」

 

「船から投げ捨てられるのを見て、海に落ちる前に急いでとったんですよ。でもそのせいでバランスを崩してしまって、来るのが遅れてしまたんですけどね」

 

「あ!ナツを助けないと」

 

「そうですね。ではルーシィさんをいちど・・」

 

「大丈夫、船の前の海の近くまで行けば何とかなるから、そこまであたしを連れてって」

 

「え、えーと。わかりました」

 

ルナの言葉をさえぎって話すルーシィの言葉に、若干いやそうな顔したルナが、銃の射程に入らないように船の前に移動してった。

 

 

 

 

一方、船の中では、ナツが小さく呟いた。

 

「フェア・・リ・・」

 

「あ?」

 

「・・テイル・・おま・・え・・・が・・」

 

 

 

 

その頃、ルーシィたちが膝の所まで水に浸かった状態で飛んでいた。

 

そしてルーシィが束の中から鍵を1本取り出し、それを海に刺しこんだ。

 

「開け!宝瓶宮の扉!!アクエリアス!!」

 

すると眩い光と共に、瓶を持った人魚が現れた。

 

「すげぇー」

 

「星霊魔法・・」

 

「そう、あたしは星霊魔導士よ。門の鍵を使って異界の星霊を呼べるの。さぁ、アクエリアス!あなたの力で船を岸まで押し戻して!」

 

「ちぃ」

 

「今「ちぃ」って言ったかしらアンター!!」

 

「そんなコトに食いつかなくていいよぉー」

 

「ルーシィさん落ち着いてください」

 

「うるさい小娘だ。一つ言っておく、今度鍵落としたら殺す」

 

「ご、ごめんなさい・・」

 

アクエリアスの怒られ、謝る事しかできないルーシィ。

 

「オラァッ!」

 

アクエリアスが抱えていた瓶を振るうと、大津波が発生して、船だけではなくルーシィたちも巻き込んで岸へと吹き飛ばされる。

 

 

 

 

船の中の火竜(サラマンダー)はいきなりの事に叫んでいた。

 

「一体・・何事だ!?」

 

「止まった・・」

 

「!」

 

「揺れが・・止まった」

 

 

 

 

海岸では浜に打ち上げられた、ルーシィがアクエリアスが口論したあとナツを助けに行こうとした時。

 

「そういえば、ルナが見当たらないけど、どこ?」

 

そういってルーシィが辺りを見渡すと、肩ほどの深さの場所で、バチャバチャと音を立てて溺れているルナが見つかった。

 

「あ、あの深さで溺れてる・・・」

 

「しまった!ルナは極度のカナズチで、腰の辺りまで水に浸かると溺れてしまうんだ!」

 

ハッピーは思い出したようにそう叫ぶ。

 

「あれ以下でも溺れるの!!てか早く助けないと」

 

そういってルーシィはルナの方に向かっていった。

 

 

 

 

ルナを救助したルーシィが気絶したルナを抱えながら船の中に入ると、そこには、火竜(サラマンダー)を中心とした数十人の男にナツが囲まれていた。

 

「ナツー!!だいじょ・・・」

 

ルーシィの言葉が途中で途切れる。なぜならそこには、昼間とはまったく違う険しい表情をしたナツがいたからだ。

 

「小僧、人の船に勝手に乗ってきちゃイカンだろぉ。あ?」

 

何も答えずナツは、服の上着を脱ぎはじめる。

 

「オイ!さっさとつまみ出せ。」

 

「はっ!」

 

「いけない!!ここはあたしが・・・」

 

「大丈夫」

 

鍵の束を手にして魔法を発動させようとするルーシィを、止めるハッピー。

 

「言いそびれてたけど、ナツもルナも魔導士だから」

 

「えーーーっ!?」

 

そんなやり取りをしている間に、2人の男が、服を脱ぎ終え上着を捨てるナツに向かっていく。

 

「お前が妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士か」

 

「それがどうした!?」

 

「よォくツラみせろ」

 

そう言うとナツは2人の男を纏めて投げ飛ばした。

 

「オレは妖精の尻尾(フェアリーテイル)のナツだ!!お前の顔なんか見た事ねェ!!」

 

「な!!」

 

「え?妖精の尻尾(フェアリーテイル)!?ナツが妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導師!?」

 

ルーシィが驚いていると、男たちの目にナツの右肩の紋章が映る。

 

「な・・!あの紋章!!」

 

「本物だぜボラさん!!」

 

「バ、バカその名で呼ぶな!!」

 

本当の名前を言われたボラはうろたえる。

 

「ボラ・・紅天(プロミネンス)のボラ。数年前「巨人の鼻(アイアンノーズ)」っていう魔導士ギルドから追放された奴だね」

 

「聞いた事ある・・魔法で盗みを繰り返してて追放されたって」

 

「おめェが悪党だろうが善人だろうがしったことじゃねェが、妖精の尻尾(フェアリーテイル)を騙るのはゆるさねェ」

 

「ええいっ!!ゴチャゴチャうるせえガキだ!!」

 

そう言いながら、炎でナツを包み攻撃するボラ。

 

「ナツ!!」

 

「大丈夫ですよルーシィさん。船が陸に乗り上げた時点で勝負は決まってます」

 

目を覚ましたルナが、ルーシィを止める。すると・・・

 

「まずい」

 

ナツは何事もなかったかのように立っており、それだけではなく炎を食っていく。

 

「・・・・・!!」

 

「はァ!?」

 

「ふーー。ご馳走様でした。」

 

そう言って口元を拭くナツ。

 

「な、なな・・何だコイツはーーー!?」

 

「火・・・!?」

 

「火を食っただと!?」

 

「ナツには火は聞かないよ」

 

「こんな魔法見たことない!!」

 

「くったら、力が湧いてきた!!」

 

そう言ってナツが大きく息を吸い込むと、一人の男が思い出したように叫ぶ。

 

「ボラさん!!オレァ、コイツ見た事あるぞ!!」

 

「はぁ!?」

 

「桜色の髪に鱗みてぇなマフラー・・間違いねェ!!コイツが、本物の・・」

 

その先は言う事が出来ず、全員ナツの口から吐いた炎に吹き飛ばされた。

 

火竜(サラマンダー)・・・」

 

変わりにその光景を眺めたルーシィが呟く。

 

「よーく覚えとけよ。これが妖精の尻尾(フェアリーテイル)の・・・」

 

そう言いながらナツは、拳に炎をまとい。ボラを思いきっり・・

 

「魔導士だ!!」

 

殴り飛ばした。

 

「火を食べたり、火で殴ったり・・本当にこれ・・魔法なの!?」

 

「竜の肺は焔を吹き、竜の鱗わ焔を溶かし、竜の爪はほ焔を纏う。これは、自の体を竜の体質へと変換させる太古の魔法・・・」

 

「なにそれ!?」

 

「元々は竜迎撃用の魔法らしいですよ。」

 

「・・・あらま」

 

「滅竜魔法!!イグニールがナツに教えたんだ」

 

「でもどうして竜が、竜退治の魔法を教えたんでしょうね?」

 

ルナが自分の疑問を言うと同時に、ナツは戦いながら外へ飛び出していた。

 

「滅竜魔法・・すごい、すごい・・けど、やりすぎよォォォォッ!!」

 

「あい」

 

「はぁ~~、またマスターに怒られちゃいます。」

 

ボブの部下ごと街を攻撃して、すでにナツは町を半壊させていた。その様子を見て絶叫するルーシィと、諦めの表情でため息をつくルナ。するとそこに・・

 

「こ、この騒ぎは何事かねーーっ!!」

 

「軍隊!!」

 

軍隊がやってきた。それをナツはルーシィの腕を掴んで逃げ出しはじめる。

 

「やべ!!逃げんぞ」

 

「またいつもように追いかけられるんですね。」

 

「何であたしまでーー!?」

 

「だって妖精の尻尾(フェアリーテイル)に入りたいんだろう?来いよ」

 

「ルーシィさんなら、歓迎しますよ」

 

2人にそう言われたルーシィの答えは・・・

 

「うん」

 

嬉しそうにそう答え、自分の足で走り始めた。




3話を投稿しました。

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