翌日、港街ハルジオンで。
「うわーなつかしいっ!!ここってあたしとナツたちが出会った街よねー」
「懐かしい・・・ってそんな昔の事でもねぇだろ」
「ルーシィばーちゃん。ぷっ」
「ハッピー、失礼」
そこにはナツとルーシィ、レイとハッピーの姿があった。
「つーかなんでお前たちもいるんだよ」
そう言ってナツが話し掛ける方向には・・・
「ルーシィが始めてS級に行くと知ってな。グレイを連れて来たんだ」
エルザとグレイがいた。
「エルザは別にいいけどよぉ」
そう言ってグレイを見るナツ。
「テメェはくんなよ」
「うっせな!エルザに頼まれたんだから仕方ねぇだろ!!」
どうやら選択の余地がなかったらしい。
そしてもう一人、選択の余地がなった人が目を覚ました。
「え!?ここは・・・家で寝てたはずじゃ!!縄で縛られている!?」
「お!やっと起きたか」
ルナが目を覚ますと自分が縄に縛られている事に気づき驚いていた。
「ナツさん!!これを解いてください!!」
「それはダメ。解いたらあなたは逃げるから」
「レイさん!!」
ルナは開放を求めるがレイに却下されしまう。
「二人がいるって事はまさか・・・」
「ああ、S級ってにいこうぜ!!」
ルナはそれ聞いた瞬間、身体中から冷や汗を流し始め。
「いやです!行きたくありません!!」
そうルナは叫ぶが・・・
「まずは船を見つけないとな」
「船だと!?無理無理泳いで行ぞ!!」
「もしくは海を凍らせて」
「助けてください!!」
彼らがそんな話を聞くはずもなくそのまま引きずられていった。
傍から見ると誘拐にしか見えない。
そしてグレイとルーシィは・・・
(他人の振り、他人の振り)
(オレはこいつ等と何も関係ねぇ)
他人の振りをしていた。
「ガルナ島?冗談じゃねぇ、近寄りたくもねーよ」
「かんべんしてくれ。名前も聞きたくねぇ」
「この辺の船乗りはあの島の話はしねぇ」
「呪いだ・・・何でって縁起が悪ぃったらありゃしねぇ」
「何しに行くかしれねぇが、あそこに行きたがるむ船乗りいねぇよ。海賊だって避けて通る」
港に泊まっている船を隈なく当たるが、全員に断られてしまう。
「そんなぁ~~~」
そう言って肩を落とルーシィ。
「こうなると海賊船を奪うか」
「海を凍らせるか」
「海を泳ぐかだな」
「全部無理よ!!」
エルザ、レイ、ナツの順に答えそれに突っ込むルーシィ。
「泳ぐ?それこそ自殺行為だ、巨大ザメが怖くねぇなら別だがな」
「私が凍らせるから、大丈夫」
その話を聞いていた船乗りの話にそう返すレイ。
「はー・・・どうしよぉ」
「この縄・・・外れません・・・」
ルーシィが頭を抱えていると、縄を外そうともがいてるルナが目に入った。
「そうだ!!ルナに運んでもらえばいいんだ!」
「む、無理ですよこんな大人数、私の力では持てません」
そう言って断るルナだが・・・
「?前に魔法の補助を使えば4~5人運べるって話してなかた?」
レイの言葉に冷や汗をかき始めるルナ。
どうやら嘘を付いていたらしい。
「で、でもエルザさんは鎧のせいで重いですし」
「ハッピーも居るぞ」
「あい」
「それに私の鎧は仕舞えばいいだけだぞ?」
さらに汗を流し始めるルナ。
完全に退路をふさがれてしまったようだ。
「ルナ・・・頼めるか?」
「わ、分かり・・・ました・・・」
エルザの頼みと言うな名の脅しに屈し、涙を流しながら諦めるルナだった。
「では、行きますね」
そう言って翼を広げて、風を纏い始めるルナ。
「魔法!?あんたら・・・魔導士だったのか・・?」
その様子を見た船乗り急に口を開いた。
「ま、まさか島の呪いを解く為に・・」
「オウ!!」
「一応・・・」
それを聞いた船乗りは船乗りは身体を少し震わせながら・・・
「乗りなさい」
そういった。
「先ほどの話と違っているが」
それに疑問を感じたエルザが質問する。
「呪いを解くと言うなら話は別だ」
船乗りはそう言った。
「あれ、グレイ?」
すると後ろの方から声が聞こえてきた。
「お!クリスじゃねぇか。久しぶりだな」
後ろに振り返ったグレイがそう言った。
そこに灰色のロングヘアーをした、目の辺りと両腕に包帯を巻いた少女「クリス」がいた。
「久しぶりだね。グレイだけでなく皆もどうしてここにいるの?」
どうやら目は包帯に塞がれているが、どこに何があるかは分かっているようだ。
「クリスか、実はS級に行くことになってな」
「それで皆いるんだ。この人選だとどんな敵でも倒せそうだね」
「ミラは最強チームっていてたよ」
「なんで目が見えないのに分かるの?」
相手の方向を向いて話をするクリスに不思議に思うルーシィ。
「ん?君は一体・・・見ない顔だけど・・・」
「わ、私はルーシィといいます。最近ギルドに入った新入りですがよろしくお願いします」
「そんなんだ!私はクリスって言うの、これかよろしくね。あと敬語は使わなくてもいいよ」
そう言って握手をするルーシィとクリス。すると・・・
「クリスさん!一緒にクエスト行きませんか!?」
ルナがそう言った。
どうやら自分の生存率を上げるために必死の様だ。
「S級に?」
「はい!」
「グレイも行くんだよね」
「ああ、まーな」
グレイがそう答えると少し考えた・・・
「それじゃあ、私も行ってもいい?」
そういった。
「私は構わないが、ナツとレイは?」
「ナツがいいなら構わない」
「いいぞ。つーかコイツ以外だったら別にいいしな」
「うっせぇよ!」
そう言ってグレイを指すナツに、グレイが声を上げる。
「そじゃあ、S級の島に出発だ!!」
ナツがそう叫ぶと皆が船に乗り始めた。
「今さらなんだけど・・・ちょっと怖くなってきた」
「私もちょっと怖いかな」
「二人ともそう言うな、いい経験になるぞ」
ルーシィとクリスは身体を震わせており、エルザがそれを見て落ち着かせる様にそういった。
ちなみにナツとレイはこの前と同様にエルザの手によって気絶している。
「でもどうして船出したんですか。呪いなら話は別っていってましたが・・・」
腹を決めたのか、二人よりは落ち着いているルナが船乗りに質問した。
すると船乗りが語り始めた。
「オレの名はボボ・・・かつてはあの島の人間だった・・・」
「え?」
「逃げ出したんだ。あの忌まわしい呪いの島を」
「ねぇ・・・その呪いって?」
それまで海を眺めていたハッピが振り返って言った。
ボボは少し顔を曇らせた後・・・
「禍は君たちの身にもふりかかる。あの島に行くとはそういう事だ。本当に君たちにこ呪いが解けるかね」
風に揺らされてマントで隠されていた左腕が露になった。
そしてその腕は・・・
「悪魔の呪いを」
人間の物ではない異形の腕だった。
「オッサン・・・その腕・・・」
「呪いって・・・」
「まさか・・・でも・・・」
ボボの腕について、ルーシィ、グレイ、ルナ、が問い詰めようとした時。
「見えてきた、ガルナ島だ」
その方向を向く一同、そこには遠目で見た限りでは普通の島だ。
「おい、その腕は・・・」
エルザが振り返ってボボに問い詰めようとするが・・・
「あ、あれ?」
「いなくなった!?」
ルーシィやクリスの言う通りボボの姿は消えていた。
「おちた!?」
グレイの言葉に反応したハッピーが潜って探すが・・・
「いないよ」
そこにもいなかった。
「いったいどうなっているんだ」
するとゴゴゴゴっといった音が聞こえてきた。
「きゃああああ!!」
「大波!!」
「これは大きすぎるよ!!」
巨大な波が船に迫ってきた。
「のまれるぞ!!」
「ハッピー!!船を持ち上げて飛ぶのよ!!」
「無理だよぉ!!」
「ルナはもてる!?」
「水が・・・水が・・・」
「それどこじゃなかったか」
そうして騒いでいるうちに波が船を飲み込んだ。
「!ここは・・・」
「起きたか」
目を覚ましたルーシィの視界にエルザの顔が入る。
「エルザが助けてくれたの?」
「私だけではない。あの波で目を覚ましたナツとレイと協力して皆をここまで運んだんだ」
「だから泳い行くっていたんだよぉ」
「ナツ、泳いでも巻き込まれた」
ルーシィが目を移すとそこにはナツとレイ、そしてまだ気を失うっているグレイ、ルナ、クリスがいた。
「う・・・」
「い、生きてるみたいだね。グレイ大丈夫?」
「何とか・・・」
他の者目を覚まし始める。
「探検行こーぜ!!探検!!」
「あいさー」
それに見たナツはどこかに行こうとするが・・・
「村にいって依頼内容を聞くのが先」
「そうですよ。探検は後にしましょう」
レイとルナによって止められて。
「そうだな。村に行けばあの腕の事も分かるかも知れないしな」
「村はどこにあるのかな?」
「ルナが飛べばすぐに分かったろ。ルナ!」
「分かりました」
グレイの声を聞いたルナは空に飛び上がっていった。
この時、このガルナ島の一角で・・・
不気味な儀式が行なわれていた事は、誰もしらなかった。
三連続投稿を今回はさせてもらいました。
次の投稿は月曜日になると思います。
それと感想ですが、質問や要望でも構いませんので、気軽にしてもらえると嬉しいです。