エルザが帰ったきた日の翌日、グレイとルナそして何故かルーシィもマグノリアの駅に集まっていた。
「何でアイツも一緒なんだよ。助けならオレ一人で十分だ」
「そんな事言わないで落ち着いてください」
不機嫌なグレイをルナが落ち着かせようとしていた。
「本当にあんたたち仲悪いのね」
それを見たルーシィが声をかける。
「何でお前がいるんだ」
「頼まれのよっ!!ミラさんとルナに!!」
時を戻すこと前日。
『確かにあの五人が組めば素敵だけど、仲がギクシャクしているトコが不安なのよねぇ~。ルナだけじゃ無理だし、ルーシィついてってルナと一緒に仲を取り持ってくれる』
『ええーっ!?』
『お願いします!!私を見捨てないでください!!』
ちなみにルナは涙を流しながら言っていた。
「ミラさんとルナの頼みだから仕方なくついてってあげるのよ」
「本当にありがとうございます」
そんな話をしていると。
「すまない・・・またせたか?」
「ゴメン、遅くなった」
「わりぃ」
「あい」
「荷物多っ!!」
大量の荷物を荷台のようなものに乗せて運んでいるエルザと、ナツ、ハッピ、そして水色の髪の少女、レイがやってきた。
「?あなたはいったい・・・」
「君は昨日
見慣れない顔にレイとエルザが首を傾げていると・・・
「新人のルーシィといいます。ミラさんとルナに頼まれて同行することになりました。よろしくお願いします」
頭を下げてルーシィが自己紹介をした。
「私はレイ、よろしく」
「私はエルザだよろしくな。そうか・・ギルドの連中が騒いでいた娘とは君の事か。傭兵ゴリラを倒したとか何とか・・・頼もしいな」
「それ・・・ナツだし事実と少し違ってる・・・」
正しくは「ギルド南の狼」と「メイドゴリラ」だ。そんな話なかルーシィの言葉にレイが反応した。
「ナツと一緒に依頼を受けたの?」
「え?そうですけど」
それを聞いたレイはルーシィの全身をみて。
「負けない」
そう言ってルーシィから離れていった。
「?」
その行動にルーシィが首絵お傾げていると、グレイとルナがルーシィの耳元で囁いた。
(レイさんはナツさんの事が好きなんですよ)
(だから、ライバルだと思ったんじゃねぇのか)
(そ、そうなの。)
(はい、まあナツさん以外のギルドメンバーは全員気づいていますけどね)
(アイツは頭がいい。誤解なら自然と解けるだろから、あんまし気にすんな)
そんな会話をしているとナツが・・・
「何の用事か知らねぇが、今回はついてってやる。条件つきでな」
「条件?」
そんなことを言った。
「バ・・・バカ・・!!オ、オレはエルザの為なら無償で働くぜっ!!」
「言ってみろ」
慌てるグレイを無視して、ナツは条件を口にした。
「返ってきたらオレと勝負しろ。去年とは違うんだ」
「!!」
「ま、また戦うんですか・・・」
ナツの申し出にレイとエルザ以外の全員が驚いた。そう言われたエルザはクスリと笑い。
「確かにお前は成長した。去年と同じように勝つ自身はないが・・・いいだろう受けて立つ」
エルザは了解した。そんな中・・・
「エルザ・・・いいな」
「レイさんはいつも修行で勝負してるじゃないですか」
少し羨ましそうにするレイにルナが突っ込んだ。
「おしっ!!燃えてきたぁ!!」
文字通り燃えてやる気を出しているナツがいた。
その後、列車に乗り込んだ一同。
席順は・・・
窓側
エルザ ルナ
ルーシィ グレイ
ハッピー
通路
ナツ レイ
となっている。
なぜナツとレイが離されているのかと言うと・・・
「うぷっ・・・おぉ・・・はぁ・はぁ・」
「き・・・気持ち・・悪い・・・」
と言った感じになっているからだ。
「なさけねぇなぁ」
「しかたないですよ。ナツさんもレイさんも乗り物には弱いですし」
「ナツだけでなくレイさんもダメなのね・・」
「レ・・レイで・・・いい・・」
ルーシィの言葉にレイが何とか返事をする。そんな様子を見かねたエルザが・・・
「まったく・・しょうがないな。私が楽にしてやろう」
そう言って席から立ち上がるエルザ。
「な!ま・・・」
「し、しなく・・・」
急いで何かを言おうとした、ナツとレイだがその言葉が最後まで発せられる事はなかった。何故かというと・・・
ボズ!!
そんな音を立ててエルザが二人の腹部を思いっきり殴り気絶させたからだ。
「少しは楽になるだろう」
そう言ってエルザは自分の席に戻って行った。
「そういやあたし、妖精の尻尾でナツとルナ以外の魔法見た事ないかも。エルザさんどんな魔法使うんですか?」
「レイと同じで呼び捨てでかまわない」
「エルザの魔法は綺麗だよ。血がいっぱいだるんだ、相手の」
「綺麗なの?それ」
ハッピーが言ったことにルーシィが軽く引いていた。
「たいした事はない・・・私はグレイの魔法のほうが綺麗だと思うぞ」
「私もグレイさんの魔法は綺麗だと思いますよ」
「そうか?」
話を振られたグレイは、掌にもう片方の手を乗せる。そしてゆっくりと手を開くと、氷で出来たギルドマークがあった。
「わあっ!!」
「氷の魔法さ」
「氷ってアンタ似合わないわね」
「ほっとけっての」
そしてルーシィはナツとグレイを交互に見てさらにレイを見た後・・・
「なんで同じ炎と氷なのに、仲のよさが違うのよ」
「知らねぇよ。だいたいレイだって昔はナツと仲が悪かったんだぞ」
「え!?そうなんですか?」
グレイの言葉にルナは驚きの声をあげた。
「私はてっきり昔から仲がいいものだと思っていたんですけど・・・」
「ちげぇよ。四年前まではすげぇ仲が悪かったんだ」
「ああ。互いの事を火トカゲや冷徹女と言い合っていてな」
「今のナツとグレイよりも悪かったんだよ」
ルナの言葉に上からグレイ、エルザ、ハッピーの順で答えた。
「へぇ~。そんなことがあったんだ」
「そ、想像できません」
ルーシィは納得していたが、一年の付き合いがあるルナは納得できずにいた。
「そんな事より、本題に入ろうぜエルザ。一体何事なんだ?お前ほどの奴が人の力を借りたいなんて、よほどだぜ」
「そうだな・・・レイには先に話していたんだが、お前たちにも話しておこう。先の仕事の帰りだ。オニバスでレイと離れた時魔導士が集まる酒場に寄った時、少々気になる連中がいてな・・・」
時を戻すこと、オニバスの酒場。
「コラァ!!酒遅ぇぞ!!」
エルザ近くの席で飲んでいた四人の男のうちの一人がキレていた。
「ったくよぉ、何モタモタしてんだよ!!」
「す、すみません」
「ビアード、そうカッカすんな」
「うん」
「ビアード」と呼ばれた男を他の男二人が落ち着かせようとしていた。
「これがイラつかずにいられるかってんだ!!」
「ひっ」
店員が小さな悲鳴を上げる。
「せっかくララバイの隠し場所を見つけたってのにあの封印だ!!何だよあれはよぉ!!まったくとけやしねぇ!!」
「バカ!声がでけぇよ」
「うん。うるせ」
「くっそぉっ!!」
そんななか、今まで黙っていた男が口を開いた。
「あの魔法の封印は人数がいれば解けるなんてものじゃないよ」
「あ?」
「後は僕がやるからみんなはギルドに戻ってるといいよ。エリゴールさんに伝えといて。必ず三日以内にララバイを持って帰るって」
「マジか!?解き方を思いついたのか?」
「おお!!さすがカゲちゃん!」
「ララバイ?」
「子守歌・・・」
「眠りの魔法か何かかしら」
聞きなれない言葉に三人は首を傾げた。
「わからない・・・しかし封印されているという話を聞くと。かなり強力な魔法だと思われる」
「でもそれだけでは、ギルドの仕事かもしれませんよ」
列車が止まる目的地に着いたようだ。
「そうだ・・・私も始めはそう気にかけてはなかった。エリゴールと言う名を思い出すまではな」
「エリゴール・・・!!まさか・・・」
「そうだ、、魔導士ギルド
「し、死神!?」
「暗殺系の依頼ばかり遂行し続けついた字だ。本来暗殺依頼は評議会の意向で禁止されているのだが鉄の森は金を選んだ」
「私でも聞いた事があります。その結果六年前に魔導士ギルド連盟を追放され、現在は「闇ギルド」に分類されてい事を」
「闇ギルドぉ!?」
「ルーシィ、汁いっぱい出てるよ!」
「汗よ!」
エルザとルナの説明に冷や汗を流すルーシィ。
エルザたちはそんな話をしながら列車を降りる。
「なるほどねぇ・・・」
「ちょっとまって!!追放・・・って処罰はされなかったの!?」
「されたさ、当時の
「闇ギルドの大半は解散命令を無視してるギルドの事なんですよ」
それを聞いたルーシィはぶるっと体を震わせ・・・
「帰ろっかな・・・」
「出た」
帰ろうした。
「不覚だった・・・あの時エリゴールの名を気づいていれば・・・全員血祭りにしてやったものを・・・」
「ひいいっ!」
エルザの怒りにルーシィは悲鳴を上げる。
「だな・・・その場にいた連中だけならエルザ一人で何とかなったかもしれねぇ。だがギルド一つまるまる相手になると・・・」
グレイの言葉にエルザは頷いた。
「奴等はララバイなる魔法を入手し何かをたくらんでいる。私はこの事実を看破する事は出来ないと判断した」
そこまで言うとグレイたちの方向を向いて。
「
「面白そうだな」
「放ってはおけないですしね」
「来るんじゃなかった」
「汁出すぎだって」
「汁って言うな」
まだルーシィは冷や汗をかいていた。
「で、
「それをこの町だ調べるんだ」
「あれ?」
ルーシィが何かに気づいたように声を上げた。
「やだ・・うそでしょ!?ナツとレイがいないんだけどっ!!」
その言葉に全員が目を見開いた。
一方その頃、ナツと何故か隣に移動しているレイが荒い息をしていた。
「お兄さんとお姉さん、ここ空いてる」
すると一人の男が声をかけてきた。しかしナツとレイには答える余裕ない。
「あらら・・つらそうだね。大丈夫?」
男はナツとレイの正面に座った。そしてその男にナツの右肩の紋章が移る。
「
そう言う男が