ペルソナ4~アルカナの示す道~   作:カイナ

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第四十五話 テレビの世界、秘密結社改造ラボ

[施設内ニ正体不明ノ侵入者ヲ確認……警戒レベル、イエロー。施設内ノ警戒ヲ強化]

 

「ひゃっほー! 久しぶりに暴れるぜー! 止めてみればー!!」

「よし、行くよ!」

 

「ちょっとこら二人とも待ちなさい!!」

 

真達が施設に入った途端、どこからともなく機械音染みた音声が流れる。が、驚いたように足を止めた真達を追い抜き、結生が自分の背丈以上もある薙刀を手に突っ込んでいく。それに並走するように命も突っ込み、ゆかりは弓に矢を番えながら慌てて後を追う。

 

[警告! 警告! 侵入者ニ告グ! 直チニ施設カラ退去セヨ! 繰リ返ス。直チニ施設カラ退去セヨ!]

 

「ふははははー! そんな事言われて素直に出て行くわけないじゃーん!!」

 

「同感だね!」

 

機械音声での警告が鳴り響くが、結生は一切気にせずに球体状の身体に大きな口と長い舌を伸ばしたシャドウ――甘言のアブルリーを薙刀で斬り裂き、命は金属製のナックルガードを着けた拳で巨大な岩型のシャドウ――不遜のバザルトを打ち砕く。と、思いっきり暴れている二人を取り囲むように次々とシャドウが現れる。その数十体というところだろうか。

 

「ウォーミングアップにはちょーどいいね」

 

「オッケー、やっちゃいますか!」

 

薙刀を片手でひゅんひゅんと回してから構えを取り直す結生と背中合わせになるように命も陣取り、腰に差していた片手剣を抜く。

 

「ちょ、ちょおっ!? あの大群をたった二人で!?」

「いくら大先輩でもやべえッスよ! 俺達もカチコミましょうや!」

 

陽介が驚愕し、完二が心配したように叫ぶ。それに真も「ああ」と言って一斉に武器を構えた時、

 

「皆……巻き込まれたくなかったら私より前に出ない方がいいわ」

 

ゆかりが彼らを押しとどめた。

 

「「え?」」

 

「えーっととりあえず、りせちゃん? あなたがここのアナライズ役よね? 万一のために準備だけはしておいて」

 

「あ、はい」

 

千枝と雪子が呆けた声を出すが、ゆかりは手慣れた様子でりせにアナライズの指示。りせも頷いてヒミコを召喚し、アナライズを開始。それを合図にしたかのようにシャドウの群れが一斉に命と結生に襲い掛かる。

 

「せんぱーい!!!」

 

真が叫ぶ。が、その時彼らは見た。二人が全く同時に、己のペルソナを召喚する装置である銃を己のこめかみへと突きつけるのを。

 

「来い、オルフェウス!!」

「出番だよ、エウリュディケ!!」

 

ガシャアンとガラスの割れるような音が響き、二人の頭上にペルソナが顕現する。命の上に顕現するのは彼と同じ右目を隠すように白髪を伸ばし、首から下は人形のような作りものの身体。そして巨大な竪琴を背負う幽玄の奏者オルフェウス。結生の上に顕現するのはこちらも結生と似たようなポニーテール風に橙色の髪を結っている綺麗な女性、だがその足には蛇が巻き付いているのが妙に気になった。

 

「オルフェウス、アギ!」

「エウリュディケ、セクシーダンス!」

 

主二人が命じ、オルフェウスが竪琴をかき鳴らして炎をまき散らし、まるでその曲に合わせるようにエウリュディケが見る人を魅了するかのような踊りを踊り始める。と、数体のシャドウがエウリュディケにひれ伏し、彼女に攻撃を仕掛けようとしたシャドウ達向けて攻撃を仕掛け始めた。

 

「な、なんだありゃ!? シャドウが同士討ちを始めやがったぞ!?」

「あれは、混乱の症状にそっくり……」

 

陽介が驚き、雪子がぽかんとしながら分析する。

 

「続けていくよー、デビルスマイル!」

 

脳天目掛けて急降下突進を仕掛けてきた源泉のバザルトをかわし、逆に蹴りを入れてまるでサッカーのシュートの如くシャドウを巻き込ませながら吹き飛ばしつつ指示。するとエウリュディケから何か恐ろしげなオーラが放たれ始め、そのオーラに呑まれたシャドウ達が怯み、怯えだす。

 

「チィッ、あの感覚……恐怖か!」

「うぅ、変な事思い出しちゃった……」

 

以前美津雄のシャドウとの戦いでその攻撃を受けてしまった完二と千枝がそれを思いだして完二は表情を歪め、千枝はやや顔を赤くしてうつむく。

 

「さらにさらに、ポイズンミスト!」

 

結生が四方八方から迫りくるシャドウをくるくる回転しながら斬り倒しつつまたも指示を出し、エウリュディケが両腕を広げると緑色の霧が辺りに充満。シャドウ達を蝕む。

 

「ド、ドクドクマー!?」

[間髪入れずバステ三発って……]

 

三連発の状態異常攻撃にクマとりせが驚く。

 

「「隙あり!」」

 

同士討ちと恐怖、さらに毒でシャドウの戦線はガタガタ。間髪入れずに命と結生が一斉に斬りかかり、オルフェウスも竪琴を構えてシャドウ軍勢に突進した。

 

「あれがエウリュディケの基本戦闘パターンね。バステで相手を攪乱し、相手を状態異常に落としたところで一気に仕留める」

 

ゆかりもエウリュディケの戦闘パターンをそう評した。

 

「よ、よし! 俺達も行くぞ!」

 

「だーかーらー。巻き込まれるからやめなさいって」

 

真が刀を構えて突撃準備をするが、ゆかりは何度も言わせないでと言いたげな表情で言う。と、完二が「はぁ?」と声を上げる。

 

「何言ってんスか岳羽大先輩? もうそれは終わったんじゃあ……」

 

「むしろここからが本番よ、あの台風兄妹は……」

 

完二の疑問の声に対し、ゆかりはこめかみに指を当てながら頭痛を堪えるような表情でそう呟いた。

 

「「オラオラオラオラァッ!!!」」

 

老木がちゃんちゃんこを着たような格好のシャドウ――招きの女御が薙刀に一刀両断され、その背後から結生を狙っていた不遜のバザルトが命に蹴飛ばされ、地面に叩きつけられると同時に自爆。周りのシャドウを巻き込んで消滅する。

 

「お兄ちゃん!」

 

「オッケー!」

 

結生が薙刀を刃を横にして地面に置くような格好にして命を呼び、命も頷くと剣を鞘に収めてその薙刀の上に乗る。

 

「どっこいしょー!」

 

ぶぅんっと薙刀を振り上げて命を空中に飛ばす結生。命も空中でダーツを両手一杯に構えると一斉投擲。雨のように降り注ぐダーツはシャドウの急所に次々と命中していった。

 

「せいっ!!」

 

さらに命は落下の勢いを利用して飛び蹴りに繋げ、石像型のシャドウ――維持の彫像を蹴り飛ばす。

 

「エウリュディケ、五月雨斬り!」

 

一方結生はエウリュディケに指示を出し、エウリュディケが両手を前に突き出すと不可視の斬撃がシャドウを斬り刻む。

 

「せいっはっとうっ!!」

 

続けて結生が薙刀で斬り込み、さらに相手の懐に入ると膝蹴りを叩き込み、最後にエルボウクラッシュで突き飛ばす。

 

「うわ、すごっ!」

 

思わず千枝が叫ぶ。が、その次に雪子が「あぁっ!」と叫んだ。辛うじて生き残ったシャドウ達が一斉に結生目掛けて四方八方から襲い掛かってきたのだ。

 

「ふふん」

 

が、結生は余裕を見せながらくるっと周りを見てタイミングを計る。

 

「せいっ!!」

 

そしてタイミング通りに薙刀の柄を地面に立てるとまるで棒高跳びのようにダイナミックなジャンプで四方八方から襲い掛かるシャドウを回避。逆にシャドウ達はそれぞれの攻撃がそれぞれに当たる結果になってしまう。

 

「ギガンフィスト!」

 

一塊になっているシャドウを見ながら結生は指示。それと共にエウリュディケが拳を振り上げ、振り下ろすと共に不可視の衝撃がシャドウをいっぺんに押し潰した。そして結生は着地をするとドヤ顔を見せつつ真達に向けてサムズアップをする。千枝達も「おぉー」と小さな歓声を上げながらパチパチパチと拍手を返した。

 

「っ! 先輩! 危ないっ!!」

 

「ほえ?」

 

が、その時真が血相を変えて叫び、結生も呆けた声を出すが直後、自分が倒しきれていなかった、二人一組のダンサーを思わせる胴体に一つの大きなハート型の頭部が浮かぶシャドウ――ロイヤルダンサーが緑色に輝く剣を突き出して迫っている光景があった。

 

「あわわわわわ!?」

 

慌てて薙刀を構えようとするがもう遅く、一番近くにいる命も間に合わない。が、ロイヤルダンサーの剣が結生に届こうとしたその時、シュパァンという風切音が聞こえたと思うと、ロイヤルダンサーが消滅した。

 

「え?……」

「な、何が……」

「た、岳羽先輩?……」

 

千枝と雪子が呆然とし、真がゆかりの名を呼ぶと全員がゆっくりとゆかりを見る。彼女は弓道で矢を放った後に取る残身の姿勢を取っている。

 

「まさか、あの一瞬で?……」

 

それ以外考えられない。ゆかりはロイヤルダンサーが結生を狙っているのに気づいた瞬間、目にも止まらぬ早撃ちでロイヤルダンサーを正確に貫いたのだ。しかも一撃、つまり急所を的確に射抜いていた。

 

「ゆかりっちー助かったよー!」

 

結生がとててててと小走りでゆかりに駆け寄り、両腕を広げて彼女に抱き付こうとする。

 

「この馬鹿っ!」

 

「ふぎゃっ!」

 

が、両腕を広げていたため無防備になっていた結生の頭にゆかりの拳骨が突き刺さった。ゆかりの額には怒りマークがくっついている。

 

「油断しちゃダメだって言ったでしょ! ただでさえあたし達は大分ブランクあるんだから!」

 

「だ、だからとっとと勘を取り戻そうと思って戦ったんじゃん……」

 

「横着しすぎ! 皆と一緒に戦ってゆっくり勘を取り戻さなきゃ危ないでしょうが!!」

 

ゆかりは結生に説教を始め、さらには「命君も命君よ!」と説教が命にまで飛び火、「よくそんなので今まで真君達を率いていられたわね!」、「ここではアドバイザーとか言ってたけど、元リーダーとしてちゃんといざとなったら自分が真君達を引っ張っていくんだって自覚持ちなさい!」と気がついたら利武兄妹を正座させて滔々と説教していた。

 

「……み、命さんがここまで押し負ける姿、初めて見るよな……」

 

「た、岳羽大先輩、すげえッス……」

 

「あたし今、影のリーダーって言葉を思い出したわ」

 

「私はその、尻に敷かれるっていう言葉を思い出した」

 

陽介、完二、千枝、雪子もぼそぼそと喋り合ってた。

 

 

 

 

 

[警告! 警告! 侵入者ニ告グ! 直チニ施設カラ退去セヨ! 繰リ返ス。直チニ施設カラ退去セヨ!]

 

ゆかりの説教がなかなか終わりそうになかったため、真が適当なところで「白鐘を助けに行かなきゃ」と助け舟を出して終わらせ、先に進んでいく。そして先へと続く階段を降りた時、再びそんな警告音が聞こえてきた。

 

[これって……直斗君が助けを拒んでるってこと?]

 

「あるいはシャドウがそう思わせようとしてるのかもしれないな……」

 

「真偽は分からないけど。白鐘君を助けないわけにはいかないからね。先に進もう」

 

直斗が助けを拒んでいるのかと困惑するりせに、真は直斗のシャドウがそう思わせようとしている可能性を指摘。だがどちらにしても直斗を助けないという選択肢はない、と命は言う。

 

[そうだね! 絶対に直斗君、助けないと!]

 

命の言葉にりせも同意。

 

[ねえ、先輩……]

 

が、彼女はそう気合を入れ直すように言った後、何かを思い出したように突然、どこか不安気な言葉を真達に投げかける。

 

[覚えてる? 直斗君、マヨナカテレビに映った時“人体改造手術を受ける”って言ってた……]

 

「そ、それって、もしかして直斗君、ここで改造されちゃうってこと!?」

 

りせの言葉を横取りするように千枝が慌てた言葉を出し、一行が一瞬言葉に詰まる。

 

[ヤバッ! 急がないと!!]

 

そしてりせが慌てた声を出す。なおその横では結生が「バッタをモチーフにした改造人間に改造!? なにそれ胸熱!」とかキラキラした目で言ってゆかりにしばかれていた。

 

 

 

 

 

[正体不明ノ侵入者ハ現在、地下4階ニ到達……警戒レベル、オレンジ。施設内ノ重要区画ヲ閉鎖。侵入者ヲ排除セヨ!]

 

「ついに警告がなくなったか」

 

地下四階へと辿り着いた時、機械音声から警告の言葉が消え、侵入者、つまり真達の排除を命じる音声が流れる。その音声を聞いた真が呟き、ゆかりもうんと頷いた。

 

「ここからは本腰入れてかかってきてもおかしくないわね……二人とも、暴走は慎むように」

 

「はい……」

「も、もちろんです。マム……」

 

ゆかりはギロリと命と結生に睨みを利かせ、二人もやや青白い顔でこくこくと頷いて返す。

 

「おっと、岳羽さん。言ってる間に敵の登場ですよ!」

 

陽介がゆかりに呼びかけながら己の武器である短剣を抜き、ゆかりもこくんと頷くと弓に矢を番える。真も背負っていた刀を抜きつつ左手にペルソナカードを具現する。

 

「来い、ニーズホッグ!!」

 

カードを握りしめた手で砕き、己の心の海に眠る存在を解放。現れるのは世界樹ユグドラシルの三つめの根を齧っていると言われる大蛇――ニーズホッグ。

 

「おぉ、これが真君達の召喚方法かぁ……」

「へぇ、召喚器を使わないんだ……」

 

なんだかんだで今までペルソナ召喚せずに突き進んでいたため、自称特別捜査隊メンバーの召喚方法を初めて見た結生とゆかりもそう呟く。

 

「マハムドオン!」

 

真が指示をするとともにニーズホッグが吼え、辺りに呪殺の魔法陣が敷かれていく。が、無数の正方形が組み合わさって立方体を形成したような格好の物体の中に入り、宙を浮かぶ人形のシャドウ――赤のシジルの身体が光ったと思うと真にその呪殺の力が反射された。

 

「相棒!」

 

「心配いらない! ニーズホッグに闇の力は通じない!」

 

陽介が叫ぶが、真はニーズホッグの力で呪殺の力を弾く。

 

「だったらこいつでどうよ! ブフ!」

 

別のシャドウがあらかた呪殺で消滅し、残る赤のシジル目掛けて千枝がトモエを召喚、氷の弾丸を放って攻撃する。が、死角から狙っていた氷の弾丸を赤のシジルはまるで見ているかのように見切って回避。千枝が「なっ!?」と驚愕の声を上げ、驚愕によって彼女は動きを止めてしまう。

 

――アギラオ――

 

「きゃああっ!!」

 

そこに赤のシジルが炎をまき散らし、弱点である炎の攻撃を受けた千枝が吹っ飛ばされダウンしてしまう。

 

「千枝! く、コノハナサクヤ、アギダイン!!」

 

雪子が千枝のフォローをしようと、赤のシジル目掛けてアギラオ以上の力を持つアギダインを叩き込まんとする。が、赤のシジルはその炎を吸収し、無効化した。

 

「き、効かない!?」

 

自分の攻撃が無力化されてしまった事に驚く雪子だが、赤のシジルが千枝目掛けて再びアギラオで攻撃を仕掛けようとしているのに気づくと、炎に耐性を持つ自分が千枝を守ろうとばかりに咄嗟に彼女の前に立ちはだかる。

 

「ゆ、雪子!? ダメ!!」

 

千枝が叫ぶが、彼女もさっきのダメージで動けない。

 

「ユキちゃんに手は出させないよ!」

 

が、そのさらに前に結生が立ち、彼女は召喚器である銃をこめかみに突きつける。

 

「エウリュディケ!」

 

引き金を引くと同時に己のペルソナの名を呼ぶ。と、エウリュディケが両手を広げると共に彼女の前にそれぞれ赤、青、緑、黄、白、黒、そして橙の色をした七つの玉が出現する。

 

「いっくよー、パラダイムシフト! フレイム!」

 

結生が叫ぶと七つの玉がルーレットのように回転。やがて赤色の玉を一番上にして止まるとエウリュディケの髪の色が赤色へと変色。その直後、赤のシジルがアギラオを結生目掛けて放った。

 

「へっへーん! 効かないよ!!」

 

しかし結生は得意気に笑っており、確かに多少のダメージは受けているものの、ダメージはかなり軽減されていた。

 

「ゆかりっち! いくよ! マハタルカジャ!!」

 

結生がゆかりに合図を送りながらエウリュディケに指示。エウリュディケも仲間を支援する光を輝かせ、ゆかりはその赤い光を浴びながら召喚器を両手で握り、額に押し当てる。

 

「イシス!」

 

彼女の心の海より呼び出されたペルソナ――イシス。その力を感じながらゆかりは弓に矢を番え、引き絞る。と、その矢尻に旋風がまとわれた。

 

「くらいなさい……必殺、ガルダインアロー!!」

 

掛け声と共に放たれた矢は竜巻を帯びて螺旋状に回転。凄まじい破壊力をもって赤のシジルを貫き、敵の急所を狙う正確無比な一撃が赤のシジルを一発で消滅させた。

 

「な……さっきから見てるけど、結生さんも岳羽さんもとんでもねえな……」

 

「流石、命先輩と肩を並べるお人ッス!」

 

ペルソナの援護があったとはいえ突入早々命と背中を任せあってシャドウの群れとその身と薙刀そして体術で渡り合った結生と、シャドウを一撃で消滅させる正確無比なスナイパーのゆかりを見ながら陽介が引きつった声を漏らすと完二が感動したように声を上げつつ生き残りのシャドウを殴り飛ばす。

最初のニーズホッグのマハムドオンによって大部分のシャドウが壊滅し、残るシャドウも危なげなく全滅させてから彼らは探索を再開。とりあえず目についた扉に触れ、次々と開けて中の様子を確認しながら進んでいく。

 

[ココカラ先ハ研究区画デス]

 

「うおっ!?」

 

扉に触れた時そんな機械音声が流れ、扉に触れた本人である陽介はびくっと身体を震わせて扉の前から飛び退く。

 

[一般ノ戦闘員ノ立チ入チヲ禁止シマス。身分証ヲ提示シテクダサイ]

 

「身分証って……バ、バイクの免許とか?」

 

「いや、違うでしょ」

 

機械音声に対し天然ボケをかます雪子とツッコミを入れる千枝。だが確かにこの扉には他のものと違ってすぐ横に読み取り機なのだろうかカードリーダーのような装置がついており、恐らく身分証なるものをこの装置に通さなければ研究区画へは進めないのだろう。

 

「……この前のくらやみのたまのように、どこかで身分証を手に入れられるかもしれない」

 

「んじゃ、そいつを手に入れる事が当面の目的だな」

 

「チッ。シャドウぶっ倒して手に入れられりゃ一番早ぇんスけどね」

 

真は以前のボイドクエストでの冒険を思いだし、陽介も当面の目的をはっきりさせる。早く直斗を助け出したい完二はそこらにいるシャドウを倒して手に入れられないかと悪態をつくが、さっきシャドウの大群を倒した時に一体たりともそんなものを出さなかったため、その線はないだろうと彼も気づいていた。

 

 

 

 

 

[正体不明ノ侵入者ハ現在、地下6階ニ到達……侵入者ヲ排除セヨ!]

 

地下六階に到達した時、侵入者の排除を命じる機械音声が鳴り響き、その命令に従うように次々とシャドウが襲い掛かる。

 

「くそ、なんだよこの数……多すぎんだろ!」

 

十体、いや二十体を遥かに超える数に陽介が悲鳴を上げる。

 

「流石にこの数を一気にってのは辛いね……全員、一塊になって突っ切るよ!」

「ああ。適当に相手を撒きながら各個撃破でいくぞ!」

 

命と真が指示を飛ばし、一行は一塊になってシャドウ連中を横切り、追いかけてくるシャドウ達を振り切りながら基地内を走り回る。

 

「しめた、扉だ! 下の階に行ければあいつらは追ってこれねえ!」

 

陽介が前方の扉を見て歓声を上げ、ペースを上げると扉を開けるために扉にタッチする。

 

[ココカラ先ハ機密区画デス。一般ノ戦闘員、及ビ研究員ノ立チ入リを禁止シマス。身分証ヲ提示シテクダサイ]

 

「なぁー!!??」

 

が、扉は開かず聞こえてきたのはそんな機械音声。確かによく見ると、四階にあったものと同じカードリーダーがついている。

 

「だーもう花村! こんな時に何してんのさ!」

 

「うっせー! 俺だってまさかまたこんなもんがあるなんて思わなかったんだよ!!」

 

「で、でもどうしよう!? これじゃあここ、行き止まりってことに……」

 

叫ぶ千枝に陽介も怒鳴り返し、雪子が慌て出す。と、完二が足を止めて振り返った。

 

「どうするもこうするも、こうなりゃ腹くくるしかねえっしょ!!」

 

ばしっと右の拳で左の手の平を叩き、戦闘体勢に入る完二。その声を聞き、陽介達もはっとした表情を見せて構えを取る。

 

「……仕方ない。ここで消耗したくはなかったんだけど……」

 

が、その前に命が立ち、召喚器を構える。

 

「来い、タケミカズチ! トール!」

 

ガァンッという銃声と共にパリィンとガラスの割れるような音が響き、命の頭が吹っ飛んだように大きく揺れる。

顕現するのは日本に伝わる雷と剣の神――タケミカズチと北欧神話に伝わる最強の戦神にして雷神――トール。

 

「ミックスレイド、雷神演舞!!!」

 

東洋と西洋の雷神のコラボレーション。その雨のように降り注ぐ雷がシャドウ達を捉え、薙ぎ払う。たまに反射されたのだろう雷が命を襲うが、雷神の加護が彼を雷撃から守る。

 

「いくよ、ゆかりっち!」

「オッケー!」

 

続いて結生とゆかりも召喚器を構える。

 

「エウリュディケ! パラダイムシフト、ウィンド!!」

「イシス!」

 

二人も己のペルソナを召喚。エウリュディケの作り出した緑色の玉が光を放ち、その髪色も緑色に染まる。

 

「「神空破!!!」」

 

二人が声を合わせ、放たれるのは巨大な竜巻。巻き込まれたものを無残に引き裂き、跡形もなく砕く暴風の鉄槌。

 

「な、嘘だろ!? お、俺の攻撃なんて足元にも及ばねえ……」

 

同じ風使いである陽介はその攻撃のレベルに驚愕。この基地に潜入してから新たに覚えたスキル――ガルダインを遥かに超える威力と規模の技に呆然としか出来なかった。そして竜巻が消え、雷の雨と暴風の鉄槌でほとんどのシャドウが死滅。しかし幸運にもその二つの属性に耐性を持っていたシャドウもいたのだろう。それらはまだその場に存在していた。

 

「くそ……真君、後お願い……」

「ひ、久しぶりにでかいのやったから……疲れた……」

「ほ、ほんとにブランクってきついわね……」

 

だがS.E.E.S.トリオは疲労感で動けなくなっており、真はクマと陽介に三人の護衛を任せると残る敵を倒すために千枝、雪子、完二を引き連れてシャドウの前に立つ。

 

「イザナギ!」

「トモエ!」

「コノハナサクヤ!」

「タケミカズチ!」

 

カードを砕き、ペルソナを呼び出す。

 

「イザナギ、スラッシュ!!」

「タケミカズチ、デッドエンド!」

 

イザナギとタケミカズチの光纏う斬撃が円盤に逆さ吊りにされたようなシャドウ――憤怒のキュプロクスを斬り、

 

「トモエ、ブフ!」

 

トモエの薙刀から放たれた氷の刃が魚のようなシャドウ――心理のペーシェを凍らせ、

 

「コノハナサクヤ、マハラギオン!」

 

コノハナサクヤの放つ無数の炎弾が蛇のようなシャドウ――愛欲の蛇の群れを焼き尽くす。元々ただの生き残り、倒すことにそれほどの手間はかからず、一気にシャドウを殲滅したおかげか増援の気配もない。

 

「……先輩達は休んでいてください。しばらくシャドウも出てこないだろうし、俺達がここの探索をしてみます……大丈夫だよな、久慈川?」

 

[う、うん……大丈夫。敵シャドウの反応なし、しばらくは大丈夫そうだよ]

 

「分かった。陽介、クマ。先輩達の護衛を頼む」

 

「ああ、任せとけ!」

「任せとけクマ!」

 

真はりせに敵シャドウがいないか確認を取り、陽介とクマに命達の護衛を任せると千枝、雪子、完二を連れて辺りの探索に乗り出した。

 

「……にしても、分かりづらいッスね。薄暗いし、どこもかしこも似たような風景で迷いそうッス」

 

「ま、どこもかしこも似たような風景っていうのは今に始まった事じゃないけどね」

 

「でも、今までは明るいところが多かったし、確かに薄暗くて周りが見え辛いっていうのはなんだか不安だね……」

 

完二が辺りをきょろきょろしながら今更言うと、この中では真と同じくダンジョン経験の長い千枝が今までも似たようなものだったと感想を述べ、しかし雪子は今までは中も明るかった。けどここは薄暗くて辺りが見え辛いのが不安になる。と呟いた。

 

「ん?」

 

と、真がかたかたと震えている宝箱を見つけ、それに手を触れる。と宝箱はぴょこんっと跳ねて星のような光をばらまきながら何かカードを真の手に向けて飛ばした。

 

「……研究員用、認証キー?」

 

「あ、認証キー!」

「って事は、これであの扉を開けられるってわけッスね!」

「早く戻ろう!」

 

真が手に入れたカードを見た千枝達が歓声を上げ、真も頷くとりせにカードキーを入手した旨を通信で伝え、命達の待つ閉ざされた扉の前に戻る。帰ってきた真達を見つけた陽介とクマが嬉しそうに飛び跳ねて手を振り、りせもそれを真似る。命と結生は互いに寄り添い合って仮眠を取っており、ゆかりも命にもたれかかって目を閉じている。シャドウは殲滅した事に加えて護衛がいるとはいえいつ襲われてもおかしくない場所で平然と眠っていられる胆力に真は驚くと同時に苦笑を漏らした。

 

「お、待ってたぜ! 真!」

「センセイ! 早く先に進もうクマ!」

 

「ああ」

 

陽介とクマからも歓声が飛び、真は頷くと扉の横にあるカードリーダーにさっき手に入れた認証キーカードを差し込み、スライドさせる。

 

[ココカラ先ハ機密区画デス。一般ノ戦闘員、及ビ研究員ノ立チ入リを禁止シマス。身分証ヲ提示シテクダサイ]

 

『あれー!?』

 

が、聞こえてきたのはさっきと同じ機械音声。自称特別捜査隊の声が重なった。

 

「当然でしょ」

 

するとそこに呆れた様子のゆかりの声が聞こえてくる。彼女だけは眠っておらず、ただ身体を休めるために目を閉じていただけのようだ。

 

「真君、その認証キー。もしかして一般戦闘員用、とか研究員用、とか書かれてない?」

 

「え? は、はい。これは研究員用認証キーって……あ」

 

ゆかりの指摘を受けた真がカードキーを読み直すと、そこで彼も過ちに気づく。ゆかりも「そう」と頷いた。

 

「この扉は一般戦闘員及び研究員の立ち入りを禁止してる。つまり研究員用認証キーじゃ入れない場所なのよ」

 

「はぁ!? なんスかそりゃあ!? じゃあつまりこのカードキーはただの役立たずっつうわけなんスか岳羽大先輩!?」

 

「そうは言ってないわよ」

 

ゆかりの指摘に完二が吼えると彼女は首を横に振る。と、陽介が何かを閃いたような、思い出したような表情を見せる。

 

「そ、そうか! 四階の封鎖されてた扉は確か、研究区画がどうのこうのって言ってたはずだ!」

 

「つまりこのカードキーは四階のあの封鎖された扉を開けるためのもの、っていうわけなんですね!」

 

陽介に続いて雪子もそう言い、ゆかりは「多分ね」と返す。

 

「とりあえず一度四階まで戻ってみましょう。ほら二人とも起きなさい」

 

ゆかりは真達に提案しつつ命と結生を揺り起こす。そして片手で寝ぼけ眼を擦りながらももう片方の手はそれぞれ剣と薙刀から離していない二人を連れ、一行は一度四階まで戻っていく。

 

 

 

 

 

[研究員用認証キー、認証]

 

四階の閉ざされた扉のカードリーダーに先ほど手に入れた認証キーをスライドさせ読み込むと、ピーという電子音の後そんな機械音声が流れ、扉が重い音を立てて開く。真達は互いに顔を見合わせると頷き合い、研究区画に足を踏み入れた。

 

 

 

[気をつけて! 向こう側に強い気配がするよ!]

 

シャドウを倒しながらやや進んでいった先にある扉の前に立った時、りせから警告が飛ぶ。真達はそれを聞いて気を引き締め直し、扉を開ける。

 

[研究区画ニ不審者ノ進入ヲ確認。コレヨリ排除スル!]

 

その扉の先にいたのは赤色の装甲をした、肩に正義の文字が刻まれている巨大なロボット。それがそんな音声を再生すると同時にアラームが鳴り響き、彼らの入ってきたドアも重い音を立てて閉じていった。

 

「な、しまった!」

 

「なぁーに! こいつをぶっ壊せばまた開くでしょ!」

 

「そッスね! スクラップにしてやらぁ!!」

 

陽介が逃げ場がなくなったことに声を上げると千枝と完二が拳をぽきぽきと鳴らす。が、こちらが身構えるよりも先に、巨大ロボット――圧倒の巨兵は手にした巨大な剣を掲げ力を溜めた。

 

「エウリュディケ! パラダイムシフト、サンダー! マハラクンダ!!」

「キントキドウジ、マハタルカジャクマ!」

 

黄色の髪に変化したエウリュディケが圧倒の巨兵の防御力を下げ、キントキドウジが仲間を鼓舞する。

 

「トール! ギガンフィスト!!」

「トモエ、黒点撃!」

「タケミカズチ、ミリオンシュート!」

 

そこに間髪入れず、命が西洋の雷神を召喚。その手に持つ槌――ミョルニルの鉄槌が巨大ロボットに直撃する。さらにトモエの蹴りとタケミカズチの放った闘気の矢が突き刺さり、続けてゆかりと陽介がガルダイン、雪子がアギダイン、クマがブフダインで攻撃を仕掛ける。

だが圧倒の巨兵はその猛攻に怯むことなく、掲げていた剣を勢いよく地面へと振り下ろす。地面へと叩き付けられた剣が周囲に衝撃波を発し、その余りの威力に真達は吹き飛ばされてしまう。

 

「み、みんな……コノハナサクヤ、メディラマ!」

「メディラマクマー!」

 

雪子とクマが回復の魔法を唱えて真達を回復させる。が、その隙に再び圧倒の巨兵は再び剣を掲げて力を込める。

 

「またか……全員防御!」

 

真が指示を飛ばし、全員が防御の姿勢を取ると圧倒の巨兵は再び剣を勢いよく地面に振り下ろし、辺りに衝撃波を飛ばす。が、その後またも剣を掲げ、力を込めた。

 

「どうやら動き自体は単純なようだね。チャージで力を込めて、衝撃波を放って吹き飛ばす」

 

「なるほど……それが分かれば話は早い」

 

命が分析。真はにやりと笑うと右手にペルソナカードを具現した。

 

「デカラビア、テトラカーン!」

 

呼び出したのは一つ目ヒトデ。それが特殊な障壁を張ると同時に三度圧倒の巨兵が剣を振り下ろし、衝撃波を放つ。だがデカラビアの張った障壁はその衝撃波を跳ね返し、圧倒の巨兵は自らの攻撃で傷つく結果に終わる。さらに巨大ロボットは命の予想した通りのプログラムに従って動いているらしく力を溜めている間は無防備、その隙をついて攻撃を仕掛け、少しずつ、だが着実に圧倒の巨兵から体力を奪っていく。と、その時突然圧倒の巨兵がまるでフリーズしたかのように動きを止める。

 

「な、なんだ?」

 

「へへ、どっかぶっ壊れたか!? 先輩、一気に畳みかけようぜ!!」

 

真は相手が動かなくなったことに困惑するが、完二がチャンスだから畳みかけようと提案。真は相手の動きを不審に思うがどちらにしろ攻撃しなければ道は開けないため、その提案に乗って攻撃を指示。己もペルソナを召喚する。

 

「デカラビア、アギダイン!」

 

巨大な炎の爆発を合図に完二達も一斉攻撃を仕掛ける。が、その時りせが[ひっ!]と悲鳴を上げた。

 

[み、皆! そのロボットの内部から高エネルギー反応! この反応はダイスシャドウと同じ……そいつ、自爆するつもりよ!!]

 

「何!?」

 

[急いで防御して!!! エネルギー膨張、危険域! もう時間が無い!!]

 

りせが悲鳴に近い声を上げて防御を指示、真達も防御の構えを取ろうとするがそれよりも一瞬早く圧倒の巨兵の内部エネルギーが真達が視認できるほどに膨張、その巨体が大爆発を起こし、爆風が真達を襲う。

 

 

 

[う……みんな、大丈夫!? 返事して!!]

 

部屋の隅にいたため辛うじて爆発の影響が低かったりせは爆風によって発生した煙に覆われた部屋の中で必死で呼びかける。部屋の中はボロボロで、特に自分達が入ってきた扉は圧倒の巨兵の自爆の威力に耐えきれず壊れて大きな穴が開いていた。

 

「く……」

「あっててて……」

 

[先輩! 命さん!]

 

 

煙の中聞こえてきた真と命の声にりせが安堵の声を出す。が、二人とも息絶え絶えでどうにか力尽きていない程度、命は額から血を流しながら、召喚器をこめかみに当てる。

 

「ソロネ……リカームドラ」

「ラケシス、リカーム……」

 

命が座天使を、真が運命の三女神の次女を呼び出して戦いが出来なくなるほどに傷つき消耗した仲間を回復する。

 

「つ……なかなか辛いわね」

 

「ゆかり。きついとこ申し訳ないけど……」

 

「分かってる」

 

ゆかりはゆっくりと座り直し、しかし立ち上がる気力はないのか座った状態で召喚器を眉間に押し当てる。

 

「イシス! メディアラハン!!」

 

イシスが光を放ち、仲間達を癒す。そして煙も消えた時、全員疲労で座り込んでいるものの傷一つなくなっているメンバーの姿が登場した。

 

「……これは?」

 

と、煙で足元も見えていなかった真は煙が消えた今足元にカードが落ちていることに気づく。

 

「幹部用、認証キー……これがあれば六階の扉を開くことが出来るんじゃないか!?」

 

「マ、マジッスか先輩!!」

 

真がカードキーを持って全員に声をかけ、それを聞いた完二が立ち上がるが直後疲労からか立ちくらみを起こしたように膝を折って倒れ込んでしまう。

 

「だが、今日はもう皆ボロボロのようだ……今日は一度、ここで帰還しよう」

 

「……クソがっ、情けねえ……」

 

真はこれ以上の探索続行は不可能だと冷静に判断し、帰還を選択。完二も身体が動かない自分を呪うように呟いていた。

 

「完二君、落ち着いて」

「そうだよ。今日はゆっくり休んで、また明日バッチリ体調整えてチャレンジしよ!」

 

そんな完二を雪子と千枝がフォロー。完二も僅かに沈黙した後「あざっす、先輩」とお礼の言葉を返した。

 

「じゃ、帰るよ」

 

命がそう言ってカエレールを取り出し、頭上に掲げる。

 

「転移! 出入り口!!」

 

そして行きたい場所を宣言するとカエレールが光を放ち、彼らの姿はその場から消え去った。

それから秘密基地の出入り口に光の粒子が結集、一際強い輝きを放ったかと思うと真達がその光の中から姿を現し、彼らは一度入り口広場まで戻るとテレビの世界を後にし、ジュネスから出ると解散。それぞれ帰路についたのであった。




《後書き》
今回ついに初公開、P3女主人公こと結生のペルソナ、エウリュディケ。ギリシア神話でオルフェウスの妻と言われており、足を毒蛇に噛まれて亡くなったというエピソードから足に蛇を巻き付けた、オレンジ髪(女オルフェウスが確かそうだったはず)の美女という感じでイメージしました。
そしてエウリュディケのスキルは基本のものは物理攻撃とバステを、そして彼女はワイルド能力者でこそないですが疑似的なペルソナチェンジを表現するため属性変化(というか弱点変化)スキルであるパラダイムシフトを採用、各属性のスキル(&一部支援系スキル)を一時的に使用させられるという設定です。
で、今回は直斗の生み出した秘密基地。なんていうか、結生という暴走材料が出来ちゃったから今まで冷静だった命にヒャッハー属性が追加されました。その代わりにストッパーにゆかりが加わりましたけど。というかこの兄妹止められんのはこのメンバー内ではゆかりくらいだと思います。
さて次回で直斗編終了かな? ま、今回はこの辺で。ご指摘ご意見ご感想はお気軽にどうぞ。それでは。

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