SDガンダムフルカラー幻想郷劇場(SDガンダムフルカラー劇場×東方Project)   作:たくらまかん

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妹紅
「お前たちは一体何を企んでいる!?」

慧音
「妹紅!?」

ザクIIその1
「お、誰だ?」

妹紅
「慧音!? この、答えなさい!」

ザクIIその1
「答えろって言われてもーー」

ザクIIその2
「なあ?」

妹紅
「良いわ、あんた達なんかすぐ燃やしてやるわ!」ボッ!

慧音
「やめろ妹紅、今はーー」

子供A
「みんなはやく続きやろうよ」

子供B
「よーし今度こそ大富豪になってやる」

妹紅
「え? と、トランプ?」フシュゥッ

慧音
「皆で遊んでたんだ」

妹紅
「……真剣になった私が馬鹿みたいじゃない!」ハズカシイッ!

慧音
「その、すまない」





青と青、人里での微妙な邂逅

 ガンダム達と分かれ、現場へと急行した時には人里は人間とじおんのモビルスーツが入り乱れていた様子になっていた。

 案内役だった小娘達の話によれば、やや強引な方法でこの地を掌握したとのことだけれど……、

「はいいらっしゃいいらっしゃーい! 美味しい野菜ー!」

「お豆腐いかがですかー!」

「釣りたての魚ー魚ー」

「鋳物から竹材まで、生活用品を総ぞろい! 道具と言ったら霧雨! はじめての方は着て見て知って! 常連の方なら端から端までずずいっと見て行ってちょーだい! 霧雨道具店にいらっしゃいいらっしゃい!」

 

「これは、何?」軒を並べる店を眺めればそこらじゅう緑色のモビルスーツの姿が在り、愛想良く振る舞っているのよねえ。その上しばらく観察していると、どいつもこいつも人間と仲が良いのだから皆目見当がつかないしつくわけもない。空が紅いことは現段階も同じであるけど。

「ううむ。話を聞いた時は焦ったが、乱暴狼藉を働いていないのなら安心だ」

「私を置き去りにして勝手に納得しないでちょうだい。ホント、八つ当たりするわよ?」

 まったく。

 人となりを鑑みる分に、あの娘達は虚言を報ずるような性分ではないだろう。虚を装っていたのなら※放送禁止用語※すけど。

 許容し難い現実から傍に居る青いモビルスーツへと視線を送る。ちなみに小娘ら及びリッキーは寺子屋に向かわせたところである。

「それで、手伝ってくれるのよね?」

「ああ」

「なら、あいつらに話を通して頂戴。そちらの理由なんて知りたくないし、興味も湧かないから」

「了解した」

 こんな腑抜けた連中のせいで大事な花が被害に遭っていると考えただけで※放送禁止用語※したくなるけど、バカらしくなるわ。

 グフが近くの豆腐屋へと歩み寄る姿を眺め、ため息をついていると、ねじり鉢巻きをしたザクが彼の姿を目に留めるや激しく身体をぐらつかせた。

「な、グフ大尉!?」

「ほう、このオレを知るかよ。ならば答えろ。この人里の攻略を指揮する隊長は誰だ? 青い巨星を差し置くマネをさせる差し金を、答えろ!?」

「ひ、ひぃっ!?」

 ……驚いた。

 縛られていた姿が初見だったため、彼を取るに足らないと思っていたけれど。なかなかどうして、身体から発する闘志は見識以上だ。ピリッと心が痺れる。

「し、しかし。オレはアンタの部下じゃない!」

「……ふ。見上げた漢よ」

 すかさずグフの手がザクを掴み、激しく揺さぶる。上官に位置するらしく、ザクの態度は恭しいものだった。グフの追求の手は甘くなく、情けは微塵もない。辺りを見回すと、先ほどまで揚々と人の替わりを成していたザク共が一様に顔を青くさせて騒ついていた。

 ふうん、やる時はやるのね。

「答えろ! 答えねばヒートロッドで擽る! 電撃込みで!」

「ぎゃあぁぁ!?」

 何のことかさっぱりわからないけれど、そこそこキツいことな気がする。グフに詰め寄られている彼のみならず、周囲からも阿鼻叫喚が響く。ふふふ、良い音色ね、ゾクゾクするわ。

 頭を抱えて悶絶する彼から、あるモビルスーツの名が紡がれるのは間も無くのことだった。

「くらえ!」

「あばばば! し、痺れるぅ!?」

「フハハ、どうだ身体の隅々に電流が流れる感覚は」

「あ"ぁ"ぁ"ー気持ち良い〜」

「血流促進、疲労回復、奇々怪々だ!」

 

「え、何それやりたい」

 最近肩がパキパキなのよね。

☆★

 幽香さん達と別れた後、オレは阿求達のおかげで目標の寺子屋に到着することが出来た。途中、ザクII隊が進軍を妨害してきたのだけど、そこは新キャラのピクシーとで応戦、抵抗が激しいものだったがなんとかなった。

「ーーあれ、さらりと初登場を流された?」

「あー、うん。説明すると長くなるから」

「はじめまして稗田阿求と申します」

「私は本居小鈴、この人里にある貸本屋鈴奈庵の主です」

「あ、申し遅れた。れんぽーのピクシーと申します」

 阿求達の自己紹介を片耳にしながら、オレは目の前の木造家屋を見遣った。学び舎よろしくその玄関は広く、手前には子供達の下駄や靴などが揃えてある。数えてみればその数は二十、先生のみならず子供までもが人質にされていることになる。胸の辺りがくーッと熱くなるのを感じつつ、あらためてオレは突撃を決め、ピクシー達へ声をかける。

「ピクシー、君は白兵戦仕様だ。前方へ、オレは阿求達を守りながら後続する」

「承知仕った」

「リッキーさん、すみません」

「私達は弾幕ごっこは」

 仕方ない。彼女らはスペルカードを持たないのだから。ならばオレ達に出来ることはただ一つーー、

「はい、コレ」

「「 ゑ"っ 」」

 ピクシーとで手渡したモノにふたりから小汚い声があがり、オレ達を疑いのまなこで見た。何か変なことをしただろうか? 疑問を抱きながらもとりあえずオレは彼女らに“使い方”を説明することにした。

「オレからは100mmマシンガンとネットランチャーだ。こう構えてトリガーを引く。あ、こっちがそれぞれのマガジンな」

「吾からはビームダガーを授けよう。質量はこの柄の部分のみ、起動した際の扱いは慎重かつ大胆に行うが吉よ」

 取り扱いを説明し、ふたりに武器を譲渡する。銃、剣と重ねていくにつれて阿求達の顔から血の気が失われていく。

「あれ、重い?」

「女子でも扱いは容易、何を言うか」

「違います! 武器なんて持ったことないんですよこっちは!」

「いきなり過ぎてアタマが爆発しそうですよバカコンビ!」

 ムッとした表情でピクシーが不満そうにすると、女の子二人の叫びがこだました。

「「……あー」」

 すっかり戦闘要員の認識にあったことにオレ達はようやく間違いだったことに気づく。だけれど、こういう時だからこそオレやピクシーがフォローしなくちゃいけないんだ!

「良し行こう!」

「うむ! さあ主らが前方に回れい!」

「ちょっ、話聞いてないですよね!?」

「しかも、私達が前!? って押さないでイヤぁ!」

 文句を言いきられる前に戦場に巻き込む! 今オレ達がするべきことはーー、

「もおっ! ヤケよヤケ! !? ザクさん発見、墜ちて下さい!」

「あ、阿求!? あ、阿求!? えぇぇ!?」

 寺子屋内部に侵入するなり、マシンガンを乱射し、視界に飛び込む緑へ一足飛びにビームダガーで斬りかかる阿求にオレは感動を禁じ得なかった。

「な、何を見ているんですか!? 戦いませんよ!?」

「分かった分かった。じゃ、小鈴ちゃんは後ろに居てよ」

 友人の姿を見てもなお戦わない意志を貫く小鈴を守る為、ピクシーと共に廊下を進み、慧音先生が居るであろう教室へ向かう。でも簡単には行かない。

「れんぽーの新兵か!?」

「しかもガンダム系かよ!」

「人間も一緒か……。構わん、掛かれ!」

 

「阿求、撃て!」

「はい!」

「良い援護だ。吾はただ斬るのみよ!」

「……あ、阿求が遠くに行っちゃった」

 

 心強い味方が居ることもあって人質の発見は容易だった。ザクをあらかた撃退したところへ、寺子屋(ここ)の生徒達が物音を聞きつけて姿を見せた。

「リッキー! ザクさん達いじめちゃダメ!」

 ボロボロなってノされているザクの姿に目を吊り上げるものや、新兵の姿に興味を見せるもの、

「お兄ちゃん誰?」

「ピクシーだ。童子よ、よろしく頼む」

「あれ? 阿求ちゃん、小鈴ちゃん」そして、子供達にとってもっとも馴染みのある少女らの姿に緊張感が解れる様子と様々な表情を見せてくれた。

 しかし、関心なのはザク達も子供の遊び相手になっていたりと相変わらず人間相手には愛想が良いようである。

「阿求、小鈴ひとま「リッキーか!?」ーー先生!」

 それはまったくの予想外の展開だ。阿求達に避難を促したところにオレを呼ぶ先生の声が届いたかと思えば、その主は勢い良く廊下の奥の教室から飛び出してきたのだ。

「良かった! 外はどうなった!? 子供達は!? っ、何故ザクが倒れている!?」

「わわわ、せ、先生落ち着いてほしいっス!?」

 オレ達を見るなり、先生は近くに居たオレの肩を掴み、矢継ぎ早に質問をしながら揺さぶる。……まあ、空があんな状況の段階で冷静でいられるほうがどうかしているな。

「慧音、あなたがこんがらがってどうするの!」

 誰だろうか。慧音先生の後ろから出てきた白く長い髪の少女が先生の肩に手を置いて落ち着くことを促すと、先生もその言葉にようやく冷静さを取り戻した。言葉づかいから鑑みて知り合いなのだろう。

 あとひとつ、オレには疑問があった。理由は不可解だが、二人の手には今の状況にどうしても納得出来ないブツがあるのだ。なんでトランプの手札持ってんの?

「すまない皆」

「えーっと、あなた達は敵なの?」

 

☆★

 何というかホッとした。再会を果たした後、教室へと場所を移した私達は慧音さんから此処に至るまでの事を伺うことにした。

 あの青いモビルスーツは慧音さんを捉えたものの、直ぐに解放したらしい。邪魔をしないのであれば人里に攻撃は行わないと告げて立ち去ったとのことだ。

「ヤツは手を出すこともなくあの子達を残して行ったというわけだ。最初はどうかと思ったが、幸いザク達にも悪意は感じられん」

 慧音さんの意見は確かだ。人里におけるじおんの振る舞いはれんぽーの皆さんと等しく人畜無害だ。彼らもまた共存しようとしている。この郷中に漂う紅霧の原因は定かではないけれど、こんな出会いで無かったらとついぞ願ってしまう。

「うちのお店大丈夫かなぁ」

「ああ、あそこの貸本屋か。ならちゃんと管理してるから大丈夫だって」

「本当ですか?」

「ああ、綺麗な本屋だからな。何せブック○フでバイトしてたヤツらが占拠してるんだぜ」

「え、あーあぁ。何のことか分からないけれど、何ででしょう? 納得出来るのは」

 れんぽーの方々と同じようにあたたかい気持ちになる。つい先ほどお聞きしたのだけれど、私の家もダ○キンとやらで働いていたザクさん達が担当しているらしい。

 教室では慧音さん、妹紅さんに残留部隊の指揮官のザクさん、そしてリッキーさんと私、小鈴が生徒用の長机で相対している。ちなみにピクシーさんはすぐそこの庭で他のザク隊と一緒に生徒達の遊び相手をしていた。

「ほお、缶蹴りか。フル出力で」

「やめて! さっきサッカーで怪我人出ただろ!?」

「子供には当てぬ。貴様らは……殺!」

「ちょ!? やっぱじおん(オレら)を目の敵してるよ!」

「お兄ちゃん達早くやろうよー」

「童子どもも覚悟せい!」

「何で!?」

 およそそこに敵対関係があるように見えない。あ、慧音さんが鬼のような形相で飛び出していった。

「あなたがリッキーね? 私は藤原妹紅、慧音の友人よ」

「陸戦型ガンダムっス。リッキーは先輩がつけてくれたあだ名っス。よろしくお願いするっス」

 庭から悲鳴があがったけれど、私達は視線を逸らすことなく話を進める。今となってようやく妹紅さんとリッキーさんはちゃんと言葉を交わした。はじめ、妹紅さんは顔を合わせた瞬間から、リッキーさんとピクシーさんに対して警戒を強めていた。けれど私のほうからふたりがれんぽーのモビルスーツであることや新聞に載っていたことを明言すると、徐々に穏やかな物腰で接してくれた。まあ、こんな状況なら私も妹紅さんと同じように見ていたかもしれない。一言二言交わして和やかな雰囲気になったところで、私は意見を口にーーあ、慧音さん戻ってきた。

「はぁ、すまない。それで妹紅、彼なんだが「慧音それもう終わった」え、そ、そうk……」

「「「そこまで落ち込(む)みます!?」」」

 どこか心を弾ませた表情を浮かべたものの、すかさず妹紅さんから申し出無用を告げられ、項垂れて肩を落とす慧音さんに対し、私達は思わずツッコミを斉唱させていた。いや良いご友人だから紹介したい喜びは察して余りありますけど気を落としすぎなような……。気まずい空気が流れ、周りを見回すとくだんの妹紅さんは罰が悪そうに人差し指で頬を掻いている。

(どうします?)

(わ、私に聞かないでよ)

「ははは……、い、良いんだ。もう終わった、スン、なら、っぐ」

 ええぇ!? な、泣いてるうぅ!

 肩を震わせつつ、俯いたまましゃくり上げる慧音さんから光るものが落ちていた。衝撃的な現実を受け、一気に罪悪感がこみ上げる。

 そんな時、

「あの〜。慧音先生から妹紅さんの良いところ聞きたいっス」おもむろに丸い手が上に伸び、リッキーさんから意見が飛び出す。それに合わせて慧音さんも赤らんだ顔をあげ、涙ぐみながら、本当かと聞き返すや彼は穏やかに笑顔を浮かべる。

「はい。慧音先生みたいな良い先生のお友達なら良いヒトに間違いないっス」

「そうなんだ! 妹紅は良い奴でな。この間もうちの生徒がーー」

 良かった。リッキーさんの言葉にいつもの強さを取り戻した慧音さんは改めて妹紅さんの長所について語った。一方、当の本人はというと、

「ちょっと、何か恥ずかしいから!? やめてやめてー!」耳まで紅潮させて声を張り上げている。なんというか、異変の最中なのに日常へと溶け込むみんなが心強く思える。自分の在る環境に、ただただ笑うしか出来なかった。

 幽香さん達と合流するのにもう少しかかるかも……。

☆★

〜人里〜

 

 これは予想外である。豆腐屋専用ザクIIからこの地の指揮官が誰であるか炙り出していたところ、あるモビルスーツが立ちはだかった。

 このオレと同じく“青”をその身体に纏い、地上を己が戦場(いくさば)とする白兵戦仕様のモビルスーツ、その名をイフーー、

「ようやく顔出し出来たー!」イフリ、

「もー早く見つけろよなー!」イフリー、

「そんなんだから派生作品でバリエーション少ねーんだよ」

 こいつがイフリート、オレの腐れ縁の敵である。生まれた時からどちらが優れた剣士かを競ったことに始まり、今や同僚である。そんな奴とオレ達は人里の中でもひときわ外れたところに居た。

「落ち着いたらどうかしら? まったく、あんな奴の調子に乗せられるなんてね」

 イフリートを睨みつたままそう言った幽香にすまんと答え、気を引き締めて奴に相対する。聞き出すべきことは決まっているーー。

「答えろイフリート、ここの攻略を指示したのはギャンか!?」

「ふん。そ、そそそそんなわけないですぅ!」

「……」

「……」

 バレバレではないか。

 しかし、ギャンめ。オレが博麗神社の攻め手にいるにも拘らずこんな奴に人里を託すとは!

 この場に居ない上官に対し、苛立ちが募る。

「イフリートとやら、さっさと人里から手を引いてもらえるかしら?」

「妖怪、誰が引くものか! 逆に貴様らを追い出してやるぜ!」

 幽香の提案をショットガンを構えて跳ね除けるイフリートに対し、オレは幽香の前に飛び出しながら、射出したヒートロッドを全面に回転させて発砲された散弾を弾いた。

「お嬢さん、雨は被らなかったか」

「ええ。ありがとうございますわ、おじさま」

「撮った」

「「はっ?」」

 イフリートの一言にオレと幽香は同時に聞き返す。そして何やら聞き捨てのならない音が聞こえたのは気のせいだろうか。シャッターを切ったような人工的な……。そう思っていた矢先、イフリートが持っていたケータイを納めた。

「青い巨星、そうして余裕を見せていられるのも今のうちよ!」

「いったい何をーー」

 言われるや背中を冷たいものが走る。直後オレのケータイが振動して着信を報せた。視線を送り、イフリートの意味深な笑みを受けながらケータイを取り出したオレは恐る恐る画面を進める。そこに映る送信者の名はハモン、文面は何々『あなたこれはどういうことでしょうか』背筋が凍るとはまさにこのことであろう。

 全くの事実無根だが、誤解を招いてしまった以上ハモンに命乞いをしなくてはならない。焦燥から様々な事象が頭の中で浮き沈みし、幽香の声を聞きながらオレは目の前が真っ白になった。

「ちょっ!?  どうしたのよ、グフ!?」

「……ハモン、ごめん」

「グフー!?」

 何やらコンパクトのようなものを眺めた瞬間、あの雄々しい青い色はまっさらな白に染まってしまった。感情表現の豊かな単眼は闇に沈み、呼びかけながら身体を揺さぶってみても動く気配がない。どうやら気を失ったらしい。精神を攻めるとは、賢しいマネをしてくれる。

 グフから手を離し、私はこの身に流れる血潮が熱く滾るのを感じながら、歪みのない視線を青いモビルスーツへ向けた。ヤツもまた、すでに戦士としての表情だった。

「覚悟は出来ているのでしょうから殺すわ」

「ハンっ! 返り討ちにしてやるぜ」

 返答と同時にイフリートは飛び道具を発砲した。嫌いではないわ、こういうわかりやすいのは。

 すかさず日傘でもって着弾を防ぎ、ショットを目前へと撃った。当然直撃するはずもなく回避され、彼は腰の刀を抜いて一足飛びに間合いを詰めてくる。

「オレの本骨頂は接近戦でなぁ!」

「あら、そう。同感ね」

「ーーえ」

 刀の柄を両手で握り、確実に私を斬ろうとするが、それこそ願ってもないことだ。

「存分に痛ぶってアゲルワ!」

「ギャヒイィィ!?」

 イフリートを頭上から叩き伏せ、手を翳したまま私は躊躇いなく妖力を放出した。どうせこの程度で倒れはしないはず。拳を鳴らしながら彼を足で蹴り上げると、

「? あら」真っ黒に焦げたイフリートの単眼は闇の中に入っていた。途端に脱力感を覚えてしまう。

 ……本当であれば殺してしまうつもりでいたのだが、こうも簡単に倒せてしまうとは思ってもいなかった。

 取るに足らなさ過ぎてそんな気も失せるわ。でも、確か彼には聞かなければならないことがあったはず。

「はっ!? イフリートはどこだ!」

「もう終わりましてよ、青い巨星」

 ま、ゆっくりと聞くとしましょう。

 

 

 

 




レミリア
「……」ムッスー

シャア
「女の子がそんなツラすんな。どうしたんだ」

レミリア
「っ! どうしたもこうしたもないわよ! 何話も出番がなかったうえに“こんなところ”に拉致されて不満に思わないと思って!?」

シャア
「まあ紅魔館はパチュリーに任せて、お前もあっち(妹)みたく景色眺めてこい」

レミリア
「ぐぬぬ。ま、まあ良いわ。そこまで言うなら行ってあげようじゃない!」イソイソ

シャア
「楽しそうだなー」

レミリア
「う、うるさい。行ってきま〜す!」

咲夜
「あれが、海なのですね」

シャア
「お前もはじめてか」

咲夜
「はい。しかもまさか、サザ◯さん終焉の地に来られるなんて」ガクブル

シャア
「そこかい!?」ウソダカラアレ

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