英雄の箱庭生活   作:英雄好きの馬鹿

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 遅くなりました!

 なので続きをすぐ読みたい人がいるようであれば次も今日中に投下します!


……周りに木しかないんだが?

~光一視点~

 

「なんだここは? 森? というか何ゆえここに?」

 

「知るか。お前が知らないのであれば私も知らん」

 

 あたり一面が木で構成されている。

 

 どこを見ても木、木、木。

 

 まさに森だ。

 

「とりあえずここの世界で住めという事か?」

 

「この世界に住めという事の方はそうだと思うぞ。 だがこれからどうする? 家でも建てるか?」

 

 エミヤはやれやれといった風に答える。

 

「『無能箱庭(アルカトラズ)』なら作れん事もないがどうする? ガスも水もないぞ?」

 

 というかそんなものがある状況にも思えない。

 

 あったらこのジャングルがとてつもない異常なものだった場合だけだ。

 

「ああ、それくらいならお前の異能やら、私の複製したもので何とかなるだろう。家だって私も作れない事はないしな」

 

「なんか家作りに役に立つ物でも複製しているのか?」

 

「いや、魔術など使わなくても出来るが?」

 

「お前の能力って異能じゃなくて魔術だったのか。いや、って言うか家が作れるって事は正義の味方の副業は大工だったのか!?」

 

「いや、生前にガラクタいじりをやっていた事があってね、大体のものは材料があれば作れるし、最悪魔術で作れば何とかなる」

 

「そんなに長持ちするのか魔術って? RPGとかだと時間とかで消えてしまいそうなものだが」

 

「いや、私だけの物だ。本来魔術で作ったものは世界から修正を受けて消えるが私のは消えないんだ」

 

「とことん反則だなぁ。で、ここに家作るか? 作るんだったマジック・ツ○ーハウスとかみたいのも作れるとも思うぞ?」

 

「別に必要ないが…………ん?」

 

 いきなりエミヤが俺の後ろのほうを見始める。

 

 何も変わったところはないが?

 

「何があるんだ? 木の実か何かか?」

 

「いや、誰かがものすごい速さで近づいてくる」

 

 がさがさがさっ! どす!

 

「ぐえっ!」

 

 何かが飛んできやがった! 腹が痛え! 何だコレ!? 人? 

 

「何だ人か。大丈夫か? 手を貸すぞ?」

 

 俺のほうに倒れこんでいる人に向かってエミヤが手を貸す。

 

 よく見てみるとその人は女性で頭にうさ耳が生えている。

 

「あ、はい。ありがとうございます。って見かけない人ですね?」

 

「ああ、ついさっき送られてきたばっかでね」

 

「ああそうですか。っと世間話に花を咲かせたいところでございますが、ここら辺でヘッドフォンをした少年を見ませんでしたか?」

 

「残念ながらみていない。手伝おうか?」

 

「お願いしたいところですが私は結構足が速いのでついてこれないと思うのですが?」

 

「私もそこそこは自信があるぞ? 君がさっきまで走っていた速度なら追いつけるが」

 

「それはすごいですね。コレでも結構自信があるんですが」

 

「まあ何とかするさ。で、ついていったほうがいいのか?」

 

「お願いします。さっき聞いた話だとこっちだと思うのですが」

 

「ではそちらに向かおう。おい、行くぞ。いつまで悶絶しているつもりだ?」

 

「…………すごい速度で跳ね飛ばされた挙句悶絶してるのにひどくないか! 手を貸すとかしてくれてもいいだろうに!」

 

 何だコレは! 俺は一方的に被害者のはずだろう!

 

 そこでやっと俺のことを思い出したのかあわてて謝りだすうさ耳の人。

 

 というかこの人だいぶ美人だな。顔は童顔なのに出るところは出ている。

 

「やややや、すいませんでした! あわてていて!」

 

 こんな人に謝られれば男の大半は許すだろう。だが。

 

「私に男を甘やかす趣味などないのだが? それに忠告もした」

 

「あんな短時間でよけきれるかッ! さっき会ったばかりとはいえ酷いだろうエミヤ!?」

 

 こいつはひどいと思う。正義の味方を目指している奴の所業ではない。

 

「で、お前は速く走る異能はあるのか?」

 

「無視かよ! …………それと俺は速く走る異能など持っていないぞ?」

 

「なら私が抱えていく。じゃあ行くぞ」

 

「え、ええ。お願いします」

 

 目の前の光景に若干引いているようにうさ耳の人が答えると、俺はいきなりエミヤの肩に担がれる。

 

 そしてそのまま俺を担いだままものすごい速さで走り出す。まるでジェットコースターだ。

 

「うおっう! うわぁ! ま、前から木が迫ってくる! おろせ! 後から追いつくからおろせえええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

 

 俺の叫びは聞き入られないようだった。

 

 ~光一視点続く~

 


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