現実の忙しさと辛さと楽しさに挟まれておりました。
つまり自分のせいです。
今回は短めなのでご了承ください。
久しぶりの三人称。
~第三者視点~
「エミヤさん達は帰ってこなかったのですか。このまま姿をくらますということが無いといいんですが」
黒ウサギは呟いて朝の準備をする。
現状、一番困っているのは黒ウサギだ。
この世界においても命の駆け引きはそう多いものではないが命のを賭けるゲームも多数存在する。
その中で命を奪うことが出来ないとなると相当なハンデだ。
確かにエミヤの子供たちに命を奪わせたくないという判断は分かるが、魔王とのゲームの際にはその制約は相当大きな縛りとなるだろう。
そして今日の試合で負けてしまえば相当な痛手でもあり、命を奪って勝ってしまえばとてつもない戦力を二つも失ってしまう。
既に昨日の時点で”ノーネーム”にとって全てがプラスの状況はなくなってしまっている。
これも黒ウサギたちの同士を謀って手に入れようとした罰といわれてしまえば何も言い逃れは出来ないのだが。
そして一番の不安要素はエミヤと光一がここにいないということだ。
最悪の場合、敵に囚われている可能性すらあり、その場合ギフトゲームの経験が少なく、まだ幼い二人の少女には勝ち目など無くなってしまう。
そんなことを考えつつもギフトゲームの準備を終えて”フォレス・ガロ”のもとへ向かったのだった。
※※※
「――鬼化してる? いや、まさか」
“ノーネーム”のリーダーのジンが驚いたように声を上げる。
”フォレス・ガロ”の領地は見事なまでにジャングルと化し、鬼種の霊核を植え付けられることによって強制的に成長させられていた。
そしてもしも『彼女』が係わっていて、かつエミヤと光一に出会って居ればあの二人はやられてしまっているのかもしれない。
さらに神格と鬼種の純血という魔王に相応しいだけの性能を秘めていて、森を一晩で変貌させることが出来る『彼女』が敵として現れたとしたら、あの二人でも対抗できないかもしれない。
黒ウサギがその考えにいたるのは不自然ではないし、順当な結果だ。
「ジン君。ここに“
飛鳥が指した先には確かに“契約書類”があって、読んでみるとますます最悪としか呼べないようなことが書いてあった。
『ギフトゲーム名 “ハンティング”
・プレイヤー一覧 久遠 飛鳥
春日部 耀
ジン=ラッセル
・クリア条件 ホストの本拠内に潜むガルド=ガスパーの討伐。
・クリア方法 ホスト側が指定した特定の武具でのみ討伐可能。指定武具以外は“契約ギアス”によってガルド=ガスパーを傷つける事は不可能。
・敗北条件 降参か、プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合。
・指定武具 ゲームテリトリーにて配置。
宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、“ノーネーム”はギフトゲームに参加します。
“フォレス・ガロ”印』
既に“ノーネーム”側の完全な勝利は無くなってしまった。
~第三者視点終了~
『本日は閉店させていただきます』