英雄伝説・空の軌跡~銀の守護騎士~   作:黒やん

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『帰国』

「…………で、結局皆捕まった訳だけど」

 

「……何で俺はあんな無意味に恥ずかしい台詞を言 いまくってしまったんだろうか。 ………恥ずかしい。本当に恥ずかしい。もういっそ穴 があったら埋まりたい」orz

 

「ちょ、レーヴェ!?

 

ティア!今のレーヴェに捕まったとか負けたとかは 禁句だよ!」

 

「ちょ、レーヴェさん!落ち着いて!お願いですか ら剣でお腹を割こうとしないで下さい!!」

 

「ええい、止めてくれるなリーシャにシャル!」

 

切腹しようとするレーヴェにそれを一生懸命止めよ うとするシャルとリーシャ。そして何だかんだでい つも通りのティア

 

「知らないわよ。捕まった方が悪い」

 

「さようなら~~!現世!!こんにちは~~!来世 !!

 

カリン~~!!今行くぞォォォォォ!!」

 

「「ちょっとォォォォォ!!!」」

 

「あっちはカオスやな~…ある意味こっち側の牢屋 で良かったと思うべきなんか?」

 

「それはケビンの受け止め方次第。そんな事よりお 腹空いた」

 

「お前俺の分だけじゃ飽きたらず看守と警備騎士と 総長にアッバスの分まで食った癖にまだ食う気か! ?」

 

「?あれ前菜(オードブル)じゃなかったの?」

 

「どこの世界に毎食フルコース出す監獄があると思 ってんのや!?」

 

「……総長、ここ以外の牢屋が何故かカオスなので すが…」

 

「いいじゃない。僕は見ていて面白いけど?」

 

「ワジ…そう言う問題では無いだろう…」

 

「まぁ落ち着けアッバス。ワジの言う通り面白いじ ゃないか。応援が来るまでゆっくり見ていようじゃ ないか」

 

「……ダメだこの上司達。早く何とかしなければ……

 

というより応援とは……?」

 

「ん?説明していなかったか?

 

……まぁ、ここにいる全員が良く知っている奴だ」

 

「……はぁ…」

 

ーーーーーーーー

 

「…………………」 (゜ロ゜)

 

いきなり失礼、テンパった

 

いや、だってさ………騎士団の本部がもぬけの殻…い や、廃墟状態なんだぜ?

 

そりゃさすがの俺も(゜ロ゜)ってなるさ

 

「……なぁ、おじさん。俺これからどうすればいい のかな?」

 

とりあえず、近くを通りかかったおじさんにアドバ イスをもらう事にした

 

「え?いや……好きなようにすればいいんじゃない かな?」

 

「黙れハゲ。好きなようにできるならこんなところ でお前みたいなハゲに話しかけねぇよ。そんな事も わかんないのかハゲ。そこで黙ってハゲ散らかって ろハゲ」

 

「うぅ…………」orz

 

とりあえずおじさん……もといハゲを叩きのめした 事に満足し、本題を聞きにかかる

 

「オイハゲ。ここにいた人達はどこに行ったんだ? 」

 

「ハゲてない!ただちょっと生え際が後退してるだ けだ!」

 

人はそれをハゲと呼ぶ

 

「お前の都合は心の底からどうでもいいわ。で、結 局どうなんだ」

 

「私にとっては一大事なんだが…… ここに強盗…多分猟兵団だろうけど、それが入った らしくてね。今日お祈りしようと思って来たらこの 有り様さ。全く…酷い事をする奴らもいたもんだ」

 

そう言って肩をすくめるハゲ

 

………猟兵?いや、猟兵ならまずアルテリアに入る前 に騎士団が蹴散らすだろ。『赤い星座』とかなら尚 更総長含めて常に三人以上は守護騎士(ドミニオン)が控えている 本部には攻めて来ないだろうし

 

……被害と代償を考えないレベルのアホなら別だが

 

まぁ結局話をまとめると…ミスりやがったな総長

 

…………仕方ない、さっさと助けにいきますかね

 

「サンキューなハゲ。お前は今からハゲのおじさん にランクアップだ」

 

「やった!………ってハゲにおじさんがついただけじ ゃん!むしろランクダウンじゃん!」

 

チッ…気付きやがったか…このハゲただのハゲじゃ ないな……!

 

ノリツッコミができるハゲだ…!

 

「ノリツッコミができるハゲだとは…どうやらおじ さんにまで昇格させる必要があるようだな」

 

「むしろ私はどうして初対面でここまでボロクソに 貶されているのか小一時間問い詰めたいんだが…」

 

「それは勘弁。という訳でさよならだおじさん。縁 があったらまた会おう」

 

「二度と会わない事を願っているよ」

 

おじさんは冷たかった……やはり呼び方はハゲに戻 しておこう

 

とりあえずおじさんに背を向けて、封聖省に歩を進 める

 

………あ、そうだ!

 

「なぁハゲ」

 

「あ、呼び方ハゲに戻ってしまったんだね…………な んだい?」

 

「流石にお祈りで髪は元には戻らないと思うんだ… 」

 

「君は最後までそれか。それに大きなお世話だ!」

 

「それに俺寝るとこ無いんだけど」

 

「知らねーよ!それは私もだよ!」

 

「ちょww その年でホームレスとかマジワロスww 働けニート!!」

 

「今の私とほとんど立場が変わらない君には言われ たくないわァァァァァァァァ!!」

 

失礼な。六歳から働いているいたいけな青年だぞ俺 は

 

このノリのいいハゲのおじさんが数日前まで法王だ ったなんて、その時の俺は知る由も無かった


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