英雄伝説・空の軌跡~銀の守護騎士~   作:黒やん

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『怒り』

~エステル達にルーアンを案内した翌日~

 

「……ですから、この時は…」

 

「…………」

 

「…………」

 

「…………」

 

「…zzz」

 

「(寝るな!)」

 

「あたっ!?」

 

はい、察しの通り授業中です

 

でもな~低血圧の俺にとって朝の授業は地獄なんだ よな…

 

そんな感じで、時々クローゼにたたき起こされなが ら授業を受けていると…

 

「クローゼ君、ケイジ君!!」

 

突然学園長が血相を変えて教室に入ってきた

 

「学園長!?今は授業中ですよ!?」

 

「済まない。だが、クローゼ君とケイジ君に今す ぐ知らせなければならない事があってね」

 

「…何があったんスか?」

 

学園長は少し呼吸を整えてから

 

「二人共、落ち着いて聞いて欲しい…

 

マーシア孤児院が火事にあった」

 

「!!」

 

その言葉を聞いた瞬間、クローゼは教室を飛び出し ていった

 

「クローゼ君!」

 

「心配しなさんな、学園長。行く場所はわかって ますから。…先生とガキ共は?」

 

「ああ…大丈夫だ。今はマノリア村にいるらしい 。 …君は流石に冷静だね」

 

「…いえ。これでもかなり動揺してますよ…」

 

あのテレサ先生が火の始末を怠る訳がない…

 

…もし犯人を見つけたら理性を保っていられなくな るくらい俺は腸が煮えくり返っていた

 

今の俺はかなり怖い顔になっているだろう

 

自分でもびっくりするくらい声が低くなってるから な

 

「…すみません先生。今日俺とクローゼは早退し ま す」

 

「え、ええ。わかったわ」

 

「じゃあ、学園長…」

 

「ああ。わかっているよ」

 

「お願いします」

 

学園長にある“お願い”をして、俺はクローゼを追い かけた

 

~マーシア孤児院~

 

「…………くそっ!!」

 

入り口に近づいただけでも何かが焦げた匂いが鼻に つき、火事の凄まじさを物語っている

 

「(落ち着け…今は現場検証と犯人特定が先だ… ) 」

 

怒りが精神を支配しそうになるが、自分に優先すべ き事を言い聞かせ、深呼吸して無理やり落ち着く

 

院の方に進んでいくと…

 

「………ひどいな」

 

「ケイジ……」

 

言葉に出来ないほどに酷い院と、今にも泣き出しそ うなクローゼ、そして調査に来たのかエステルとヨ シュアがいた

 

「ケイジ…孤児院が…」

 

「皆まで言うな。…大丈夫だ。先生達は全員無事 で マノリアにいるらしい。…見舞いに行ってやろう ぜ ?」

 

無言でコクリと頷くクローゼ。…ここまで弱ったコ イツを見るのは久しぶりだ…

 

「ケイジ…あたし達も行ってもいいかな…?」

 

「ああ…じゃあ行くぞ」

 

~マノリア村・蓮の木亭~

 

マノリアに着き、宿酒場の主人に先生達が二階にい ると聞いて、一も二も無くダッシュで向かう

 

「先生、みんな…!」

 

扉を開けると同時にクローゼが絞り出したような声 で言う

 

「あ、クローゼ姉ちゃん、ケイジ兄ちゃん!」

 

「来てくれたんだ…!」

 

思っていたより元気そうな声でクラムとマリィがク ローゼに答える

 

…見た所、全員ケガはしてないみたいだな…良かっ た

 

「良かった…本当に良かった…」

 

「全く…心配かけさせやがって…」

 

クラム達が俺とクローゼの周りに群がる

 

いつもならクラム辺りが生意気言って、俺が追いか け回すのだが、今はその生意気が聞けただけでもほ っとする

 

「ふふ…良く来てくれましたね。エステルさん達 も …」

 

「はい…ギルドに連絡があったから…」

 

「調査に来たついでに、お見舞いに寄らせて頂き ました」

 

「そうですか…訪ねてきてくれてありがとう」

 

先生が穏やかな笑顔で言う

 

「調査って…あの火事を調べに来たんだろ?何 かわ かった事あんの?」

 

「えっと…」

 

「なんと言ったらいいのか…」

 

言いにくそうに顔をしかめるエステルとヨシュア

 

まさか…な

 

そして二人で目を交わしてから、クローゼが大体察 したのか

 

「ねぇ、みんな?お腹はすいてないかしら?私、 朝ご飯を食べてなくて食堂で何か頼もうと思うの。 ついでだから、みんなにも甘い物をごちそうしてあ げる」

 

「え?ほんとぉ?」

 

「ポーリィ、プリン食べたーい!」

 

勿論、クローゼが朝ご飯を食べてないと言うのは嘘 だろう。…せめてコイツらに大人の汚い部分を見せ ないようにとの配慮だ

 

渋っていたクラムもマリィが言いくるめ、クローゼ と共に下に降りていった。…クローゼは後で詳しく 話すように、と目で俺に知らせながら

 

「ふう、助かっちゃった」

 

「まあ、好んで聞きたくなる話じゃねぇしな…」

 

その後、エステル達は一通り先生に事情を聞いてか ら、現在わかっている事を話し始めた

 

…勿論事情聴取の時は俺は下にいたぞ?

 

「まず、火災現場を調査した結果なんですが…」

 

「…放火、少なくとも人為的な原因…だろ?」

 

俺がそう言うと、ヨシュアはかなり驚いたが

 

「…その通りだよ。」

 

「そうですか…やはり…火には気をつけていたの で おかしいとは思っていたのですが」

 

「そこでお聞きしますけど…犯人に心当たりはあ り ませんか?」

 

「見当もつきません…ミラにも余裕はありません し 、恨まれる覚えも全く…」

 

「俺から見ても無いな。この辺りではマーシア孤 児院はかなり評判が良い。それに孤児院に放火して 得が有るわけが無いしな」

 

「つまり、強盗目的でも、怨恨でも無いってわけ ね」

 

「事件前に怪しい人物が孤児院の周りをうろつい ていたという事は?」

 

「そうですね…昼間にエステルさん達がお見えに な ってからは特に…あの方は関係無いでしょうし」

 

「あの方?」

 

「火に包まれた建物から脱出しようとした時、天 井の梁が落ちてきて、玄関から出られなくなってし まったんです。その時に扉を破って助けに来てくれ た方がいて、梁をどけて、逃げるのを手伝って下さ ったんです」

 

…なるほど、だから扉の蝶番が不自然に壊れてたの か(←何気に見てた人)

 

「そんな事が…それってマノリアの人なの?」

 

「それが、村の者を呼んで来ると言ってすぐに居 なくなってしまって…マノリアの方々に聞いても誰 も心当たりは無いそうです」

 

「…怪しいですね」

 

「先生達を助けた人を疑いたくないが…犯人は現 場 に戻ると言うしな…どんな人だったんですか?」

 

「象牙色のコートを着た20代前半の方です。悪 い 方には見えませんでした」

 

「…普通の人とは思えないけど、人助けをしたの は 事実だし…確かに犯人じゃなさそうね」

 

…そうなると、愉快犯の可能性がかなり高い、か… まあ一応他の線でも調べてみるか…?

 

そんな事を考えていると、いつの間にかクローゼが 入って来ていた

 

どうやら、ケーキをごちそうして、マリィに後を任 せたらしい…まあマリィなら大丈夫か

 

「あの…先生。お客様がいらっしゃいました」

 

「お客様?」

 

こんな時にか?

 

「お邪魔するよ」

 

そう声が聞こえたと思うと、市長とギルバートが入 って来た

 

「お久しぶりだ、テレサ院長。先程知らせを聞い て慌てて飛んで来た所なのだよ。…だが、ご無事で 本当に良かった」

 

「ありがとうございます、市長。お忙しい中をわ ざわざ訪ねて下さって恐縮です」

 

「いや、これも地方を統括する市長の勤めていう ものだからね。それよりも、誰だか知らんが許し難 い所業もあったものだ。ジョセフのやつが愛してい た建物があんなにも無残に…心中、お察し申し上げ る」

 

…このオッサンは何故かわからないが、信用できな い。

 

目が…相手を見ていない。コイツが見ているのは自 分の立場だけ…そんな気がする

 

「いえ…子供達が助かったのであればあの人も許 し てくれると思います。…遺品が燃えてしまったの が 唯一の心残りですけれど…」

 

「テレサ先生…」

 

「…遊撃士諸君、犯人の目処はつきそうかね?」

 

「調査を始めたばかりですから確かな事は言えま せんが…ひょっとしたら愉快犯の可能性もあります 」

 

「そうか…何とも嘆かわしい事だな。この美しい ル ーアンの地にそんな心の醜い者がいるとは」

 

「市長、失礼ですが…今回の件、もしかして彼ら の 仕業ではありませんか?」

 

「……………」

 

「ま、待って!“彼ら”って誰の事?」

 

話がわからなかったのか、ギルバートに聞くエステ ル

 

「君達も昨日絡まれただろう。ルーアンの倉庫区 画にたむろしているチンピラ共さ」

 

「あいつらが…」

 

「……………」

 

そこ、鵜呑みにすんな

 

「何であいつらが怪しいと?」

 

「昨日もそうだったが…奴ら、いつも市長に楯突 い て面倒ばかり起こしているんだ。市長に迷惑をか ける事を楽しんでいるフシさえある」

 

俺にはお前が勝手に突っかかって行ってるように見 えたがな

 

「だから市長が懇意にしているこちらの院長先生 に…」

 

「ギルバート君!憶測で滅多な事を口にするのは 止めたまえ!…これは重大な犯罪だ。冤罪が許され るものではない」

 

…俺はあんたらも怪しいと思っているんだがな

 

「余計な事をしなくてもこちらの遊撃士諸君が解 決してくれるだろう。…期待してもいいのだろうね ?」

 

市長が二人に聞く

 

「うん、任せて!」

 

「全力を尽くさせて頂きます」

 

「うむ、頼もしい返事だ…ところでテレサ院長、 一 つ伺いたい事があるのだが…」

 

「何でしょうか?」

 

「孤児院がああなってしまってこれからどうする おつもりかな?再建するにしても時間がかかるし、 何よりミラが掛かるだろう」

 

「………」

 

言葉を返せない先生

 

貯えなんざないだろうし、ましてや家一軒建てるだ けのミラとなればそう簡単には集められない

 

「どうだろう、私に一つ提案があるのだが」

 

「…なんでしょう」

 

「実は王都に我がダルモア家の別邸があってね。 たまに利用するだけで普段は空き家も同然なのだが …暫くの間そこで暮らしてはどうだろう?…勿論ミ ラを取るなどと無粋な事を言うつもりは無い。再建 の目処がつくまで幾らでも滞在してくれて構わない 」

 

…まるで始めから用意されていたように聞こえるの は俺だけか?

 

王都の別邸にしろ、この考えの早さにしろ、忙しい はずなのにわざわざ本人が訪ねてくる事にしろ…都 合が良すぎる

 

「で、ですがそこまで迷惑をお掛けするわけには … 」

 

「どうせ使っていない空き家だ。気がとがめるの であれば…屋敷の管理をして頂こう。勿論謝礼もお 出しする」

 

「………少し考えさせて頂けませんか?」

 

やはり少し頭の中がこんがらがっていたのか、あい まいに返事をした

 

それを聞いた市長は、また連絡してほしいと言って 去って行った

 

エステル達は市長を褒めていたが

 

「先生…どうなさるおつもりですか?」

 

「…あなた達はどう思いますか?」

 

「………」

 

「俺は反対だ」

 

「何で!?市長さんは再建する手伝いまでしてく れるんだよ!」

 

「今回の話…少し出来過ぎのように思える…始め か ら計画されていたようにな」

 

「………」

 

ヨシュアも同じ事を考えていたのか、目を閉じて俯 いている

 

「クローゼ、あなたは?」

 

「…常識的に考えて、受けたほうがいいとは思い ま す。でも、一度王都に行ってしまうと……いえ、 何 でもありません」

 

…また自分を偽ってやがるな

 

「ふふ…あなたは昔から聞き分けがいい子でした か らね。いいのよクローゼ。正直に言ってちょうだ い」

 

「………あのハーブ畑だって世話する人がいなくな るし…それに…それに…

 

…先生とジョセフさんに可愛がって貰った思い出が 無くなってしまう気がして…

 

ごめんなさい。愚にも付かない我が儘です」

 

「ふふ、私も同じ気持ちです。あそこは子供達と あの人の思い出が詰まった場所。でも思い出よりも 今を生きる事の方が大切なのは言うまでもありませ ん」

 

「先生!」

 

「…近い内に結論を出そうと思います。あなた達 は どうか学園祭の準備に集中して下さいね。あの子 達も楽しみにしていますから」

 

「…はい」

 

「…わかりました」

 

そしてその後ルーアンのギルドに戻る事になった… のだが

 

「クローゼお姉ちゃん!ケイジお兄ちゃん!」

 

マリィが慌てた様子で走ってきた

 

「どうした?」

 

「あのね!あのね!クラムの奴がどこかに行っち ゃったのよ!」

 

「…詳しく話してくれ」

 

「うん…あのオジサン達が来てからクラム、二階 に 上がったみたいで…すぐに降りて来て、真っ赤な 顔 して『絶対許さない!』とか言って…そのまま飛 び 出して行っちゃったの!」

 

「絶対許さない…もしかして…!」

 

「もしかしなくても《レイヴン》の所だね…秘書 の 人が話しているのを聞いてしまったんだろう…」

 

「あの青髪…余計な事を…」

 

俺達はマリィを蓮の木亭に返してから急いで倉庫区 画に向かった

 

~倉庫区画~

 

途中、ラングランド大橋が巻き上がってしまうと言 うハプニングがあったが、何とか倉庫区画にたどり 着いた

 

そこには、三バカに囲まれ、ディンに持ち上げられ ているクラムがいた

 

「止めて下さい!」

 

クローゼの声に反応してこっちを見るバカ共

 

「お、お前達は…」

 

あ、全員武器同じなのな

 

「クローゼ…姉ちゃん?」

 

オイコラ、俺は無視か

 

「子供相手に遊び半分で暴力を振るうなんて…最 低 です。恥ずかしくないんですか」

 

「な、何だとー!」

 

「ようよう、お嬢ちゃん。ちょっとばかり可愛い からって舐めた口利き過ぎじゃねぇの?」

 

…雰囲気がボケられねぇな

 

「いくら遊撃士がいた所でこの数相手に勝てると 思うか?」

 

確かに数の暴力は脅威だが…この場合練度が違いす ぎるから問題はないな

 

「クローゼさん、下がってて!」

 

「僕達が時間を稼ぐよ。その隙にあの子を助けて … 」

 

「いいえ…」

 

やっぱりな…

 

「大丈夫だヨシュア。コイツ…普通に戦えるから 」

 

「へ…」

 

「本当は使いたくありませんでしたけど…」

 

「少なくともそこらの魔獣なら一蹴できるくらい には鍛えられてるから(ユリ姉に)」

 

「剣は人を守る為に振るうと教えられました…今 が 、その時だと思います」

 

「ええっ!?」

 

「護身用の細剣(レイピア)…」

 

「その子を離して下さい」

 

「さもなくば…実力行使で返してもらう」

 

何かレイヴン側からカッコイイとか可憐だとか聞こ えたが、ディンの一喝で収まる

 

「こんなアマっ子にまで舐められてたまるかって んだ!」

 

俺達(レイヴン)の恐ろしさを思い知らせてやるぞ!」

 

あ、ザコキャラフラグ

 

そう言って飛びかかってくるレイヴンメンバー

 

…どうでもいいけどなんでリーダー格以外俺とクロ ーゼに狙い定めてんの?

 

「はあ…速攻で終わらせるぞ?ついて来いよ」

 

「わかってる」

 

まずは俺が正面の一人を吹き飛ばし、その隙を突こ うとした奴をクローゼが三連の突きで気絶させる。

 

そこでこっちが劣勢と見たのか、ロッコが加勢して くる

 

残った不良Cを威力を逃がさないように挟み込んだ 同時攻撃で挟み込んだ後、クローゼの背後に迫った ロッコを迎撃して、鍔迫り合いになる。

 

「ケイジ!」

 

「!」

 

クローゼの声で全てを察した俺は、ロッコを押し返 して後ろに下がる

 

その直後、ロッコの足元から強力な水流が現れ、ロ ッコを吹き飛ばして気絶させる

 

「…容赦ねぇな」

 

「ケイジ程ではないよ♪」

 

失礼な。これでも10分の1しかだしてねぇのに

 

「こ、こいつら化け物か…」

 

化け物はキレた時の黒ーゼだっての

 

「遊撃士共はともかく、こっちの奴らもただ者じ ゃねぇ…」

 

「ひゅー!二人共やるーっ!」

 

「その剣…名のある人に習ったものみたいだね」

 

「クローゼはな。俺は独学だよ」

 

「いえ、まだまだ未熟です」

 

「その割にはフェンシングの大会で大暴れしてた よな」

 

「それは言わないで…」

 

顔を真っ赤にして照れるクローゼ

 

その後、クローゼがレイスとディンを説得しようと するが、プライドの問題なのか、頑として受け付け ない二人に、気絶させた方が早くないかな~とか考 えていると

 

「オイ、そこまでにしとけや」

 

と、赤毛のトリ頭をした男が入ってきた

 

…ヨシュアとエステル、クローゼが三人掛かりで倒 せるくらいか…そこそこ強いな

 

「やれやれ、久々に来てみりゃ俺の声も忘れている とはな…」

 

「ア、アガットの兄貴!」

 

どうやらアガットというらしい

 

「き、来てたんスか…」

 

「ど、どうしてあんたが…ていうかこいつらの知 り 合いなの!?」

 

エステル達とも知り合いらしい

 

その後、アガットが二人をシメた事でクラムが解放 され、テレサ先生の登場もあり無事にこの件は解決 した

 

いや~あのパンチは思わず昇竜拳と言いそうになっ たわ

 

その後、ギルドに戻り、三バカが犯人ではないとわ かった

 

何か依頼を巡ったゴタゴタもあったが、面倒なので 我関せずを貫いた

 

しかしその延長でクローゼがエステル達に学園祭の 手伝いを申し出て、エステル達が学園に来る事にな った

 

かく言う俺も…

 

「(ちょっと待てよ?…もしかしたら“あの役”… ヨ シュアに押し付けられるかも…)」

 

「ケイジ…“アレ”からは逃げられないと思うよ? 」

 

「いーや!絶対に逃げ切ってやる!俺の全力をか けて!」

 

「…ジルが許すと思う?」

 

「あんな役やるくらいならクローゼに甘い言葉囁 くほうがマシだ」

 

「それ…どういう意味?」

 

「そーゆー意味」

 

そう言って俺は全力で逃げる

 

「あ!待ちなさい!」

 

クローゼが追いかけてくるのがわかってるからな

 

「はあ…クローゼさん、前途多難ね…」

 

「…何か嫌な予感がするんだけど…」

 

「気のせいじゃない?」

 

勘の良いヨシュアであった


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