英雄伝説・空の軌跡~銀の守護騎士~   作:黒やん

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閑話『異世界リリカル滞在記』ななっ!

「……ここか」

 

スペルビアの辺境、そこに、この世界でのグラトニ アス教団は在った

 

そのたたずまいや意匠はカルバードにあった館と何 ら変わりなく、完全に見た目はレストランだった

 

「………さて、行くか」

 

ケイジは、認識阻害を発動し、誰にも気づかれる事 なく館に入って行った…

 

――――――

 

「……レストラン?」

 

「うん」

 

スペルビアに入り、現地での情報収集も終えて、突 入前の最後の作戦会議を行っていた

 

「えっと……こっちだとあのレストランができたの はつい最近みたいだね。それに、ちょうどその時期 くらいから…誘拐が始まってる」

 

「誘拐やて!?」

 

「うん…誘拐される人は決まって女の子。それもリ ーシャくらいの子からちょうど私達くらいの年まで 」

 

「…ちょっと待って下さい。あなた達私の事何歳だ と思ってます?」

 

「「「………12くらい?」」」

 

「私は16です!!ちょうど昨日が誕生日でした! !」

 

「「えっ……?」」

 

はやてを除く二人がリーシャの顔から少し下を見て 驚く

 

「………巨乳なんて……身長高い人なんて…みんな滅び てしまえばいいのに……!!」

 

「わかるでリーシャ……その気持ちは痛いくらいよ うわかるで…!!」

 

二人より発育がよくなく(それでも並以上だが)、 尚且つチビチビと影で言われているはやてにとって は人事で無かったようだ

 

「……ま、まぁそれはともかく…教団の方に関しては 徹底的に隠蔽してるみたいで情報は集まらなかった よ」

 

「……うん、ありがとうなフェイトちゃん なのはちゃんの方はどうやったん?」

 

「にゃはは…フェイトちゃんと変わらないよ。レス トランが出来たくらいに連続誘拐事件が始まったっ てたことくらい」

 

「レストランのオーナーとかの噂は無かったん?」

 

「それが…誰も見た事が無いって…」

 

「ん~~~…」

 

はやては少し悩んだ様子を見せてから、リーシャを 見る

 

「………はぁ。ありますよ。ケイジさんが作った資料 が」

 

「ほんまか!?」

 

「まぁ、『完全に向こうでの事件を纏めただけだが …』って言ってましたけど …それでもいいなら配りますが?」

 

「「「是非!!」」」

 

―――――――

 

~グラトニアス教団、及びカルバード東方人街連続 誘拐事件について~

 

・事件概要

 

東方人街の教会より、不審な誘拐事件の報告が、星 杯騎士団本部へ為された それを受け、騎士団は東方人街に“吼天獅子”と従騎 士一名を派遣。調査を続行し、教団の本質の特定に 成功 “吼天獅子”は別任務の為、騎士団へ帰還。従騎士一 名はそのまま捜査を続行 そして、従騎士の報告により、かなりの緊急性と異 端性が認められた為、騎士団は急遽“氷華白刃”を派 遣、これの殲滅に成功した次第である

 

尚、異端者『クライフ・ロス・ルイクローム』(以 下『クライフ』と呼称)は“氷華白刃”の働きにより 滅する事に成功 グラトニアス教団は壊滅、異端そのものに関わって いなかったマフィアはカルバード軍が逮捕

 

…以上が、当事件の概要である

 

・事件詳細

 

本件の異端者の元帝国貴族クライフは魔道具と思し き道具を入手、それにより教団を設立、カニバリズ ムにはしったものと思われる(クライフに貴族時代 の記録が一切無く、また家族、友人も現在は存在し ない為、詳細は不明)

 

帝国貴族解任後、カルバード共和国にてクライフは レストランを経営。その裏でマフィアを雇い、東方 人を誘拐 但し、東方人街では犯行を実行せず(“銀”の存在に よる)

 

誘拐した被害者は、魔道具により屍人形とするか、 カニバリズムの被害者となるかに別れる

 

被害者は推定84名。内13名は“氷華白刃”が保護。更 に屍人形30名を“女神行き”とした

 

クライフは“氷華白刃”が滅すも、魔道具そのものは 行方不明である

 

・被害者について

 

主な被害者は誘拐された者で、その全員が女子。更 に、12~18歳に限定された東方人であった

 

…情報の正確性は、“氷華白刃”の眼による尋問に基 づく為、高い

 

…以上、封聖省に報告するものである

 

担当者…星杯騎士団守護騎士第二位付きの従騎士 メシュティアリカ・アークス シャルロット・セルレアン両名

 

PS;わかってるとは思うが、“氷華白刃”は俺の渾名 後、上の二人は俺の部下で、リーシャをシャルに見 せてたから表記がシャルなだけだ

 

―――――――

 

「……わからん。クライフ以外の人らしき名前が全 くわからん!!」

 

「大丈夫です。私も何人かわかりませんから」

 

「「それダメだよね!?」」

 

なんだかんだで、結局殴り込みと言う結論に至る魔 王御一行なのだった…

 

――――――

 

「ディバイーン…バスター!!」

 

「ハーケン……セイバー!!」

 

「……もうどっちが悪者かわかりませんね」

 

「……言わんといて…」

 

あの後、すぐになのは達はレストランに突撃

 

一応スペルビアは管理世界であった為、管理局権限 で調査しようとしたが…案の定教団側がこれを拒否 。あまつさえ、なのは達を口封じに殺したしまおう とした

 

……死亡フラグとも知らずに

 

「…というかこれ…私達全くいらないんじゃ…」

 

「せやな…なのはちゃんとフェイトちゃんやったら 力技で制圧できるやろな…」

 

流石は管理局が誇る魔王と死神と言うべきか…次か ら次へと文字通り吹き飛ばしている

 

…途中、逃げようとしている者もいたのだが…一切 の容赦が無かった。本当にどっちが悪者なのかわか らない

 

「……あ、あれがオーナーの部屋かな?」

 

「多分そうだと思う…」

 

そしてフェイトが扉を開けると…

 

「………貴様、貴様ァァァァァァァ!!」

 

「今度こそサヨナラだ…いい“悪夢”(ユメ)、見れ ただろ?」

 

「クソがァァァァァァ!!」

 

パキィン……

 

聖痕を展開し、クライフをもの言わぬ氷に変えた、 “瞳を紅く変えた”ケイジがいた


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