英雄伝説・空の軌跡~銀の守護騎士~   作:黒やん

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閑話『異世界リリカル滞在記』にっ!

「いい?絶対私がいいって言うまで入って来ちゃダ メだからね?」

 

「はいはい…」

 

そのセリフ何回目だよ…

 

今は部屋まで行くためにエレベーターに乗ってるん だが…もう同じ事十回は聞いてるぞ

 

そしてエレベーターが目的の階に着く

 

そして俺は降りてすぐの所にあるドアを、フェイト がキーを解除した瞬間に…

 

「お邪魔しま~す」

 

「イヤァァァァァァァァァァァァ!!!」

 

開けた瞬間、フェイトの渾身のビンタによって吹き 飛ばされた

 

……ダ〇ョウ倶楽部的なノリじゃ無かったのか……?

 

最後に俺の目に映ったのは、とてもフェイトの部屋 とは思えないほど様々なモノが散乱したゴミ屋敷( 仮)だった…

 

―――――――

 

sideフェイト

 

「やっちゃった……」

 

あの後、自分の出せる限界の速さで部屋を片付けた

 

とりあえず、ケイジが部屋に突撃しちゃったからつ い思いっきりビンタしちゃったけど…

 

け、ケイジが悪いんだよ?私何回も入らないでって 言ったもん!

 

…私、誰に言ってるのかな…?

 

とにかく、ケイジをソファに寝かせて、頭を私の膝 に乗せる

 

それにしても…大佐って言ってたよね?

 

こっちで言うなら一佐…はやてより上の階級か

 

この前三佐になったってすごく自慢してたし

 

でも…

 

「流石に嫌われちゃったよね……」

 

勝手に連れてきて、すぐにあんなことしちゃったし …それに車の中でも何か不機嫌で「ああ」しか答え てくれなかったし……

 

……ってアレ?何で私こんなに嫌われたか嫌われて ないか気にしてるんだろ…?

 

…………あまり気にしても仕方ないよね。疲れたし…… 私も寝ちゃおう……

 

side out

 

――――――

 

「…………ん…」

 

不意に目が覚めて、目だけ開けると、知らない天井 だった

 

…そういやリーシャのアホの所為で『異天の輝石』 が発動したんだったな…

 

というか…頬が痛い。なのに何故か頭は柔らかい感 触

 

とにかく体を起こすと、今まで俺が頭を置いていた 場所にフェイトが座っていた

 

……思い出した。ダ〇ョウ倶楽部のノリだと思って 突撃したらフェイトにシバかれたんだ

 

……うん。俺が悪いね!

 

「………」

 

ムニ~

 

「………むぅ~…」

 

けどやっぱり気は晴れないのでフェイトのほっぺた を両側に引っ張ってみた

 

…思いの他、伸びるな

 

というより思いっきり引っ張ってんのに起きないっ て……どんだけ疲れてんだよコイツ…

 

とりあえずフェイトをソファに寝かせて毛布を掛け 、シャワーを借りてから部屋の探索にかかる

 

……人の家に行った時って何かガサ入れしたくなる よな?

 

*よい子は真似しないでね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何もねぇな…」

 

とりあえずフェイトの部屋には読めない本と食材と 書類の山しか無かった

 

…いや、読もうと思えば読めるけど…因果とか何や ら色々ねじ曲げて…

 

それより問題はこの書類の山だ…何この量!?俺で もこんなんなるまでサボった事ねぇぞ!?

 

…そりゃ疲れるわ。何されても起きないはずだわ。 俺なら絶対まる一日寝続けられる自信あるな

 

…ただ、これまだ無記入の書類が残ってるんだよな

 

………仕方ないな。いつまでこっちにいる事になるか わかんねぇし…何よりニートになりたくないし

 

俺は写輪眼を発動し、文字のパターンを認識し始め た…

 

――――――

 

「………んぅ…」

 

もう朝…?

 

もう少しねていたいけどそういう訳にもいかないの で、体を起こす

 

…あれ?何で私ソファで…ってそうだ

 

ケイジがうちに来てたんだっけ…

 

「………あれ?」

 

でもそのケイジがいない…先に起きたのかな…?

 

そう考えていると…

 

ガチャ

 

「オイフェイト……って起きてたか …早く顔洗うなりシャワー浴びるなりして来い。酷 い顔してるぞ」

 

「うん…」

 

そんなの気にしなさそうなケイジに言われるなんて …そんなに酷い顔なのかな…?

 

とにかく、私は早くシャワーを浴びることにした…

 

「…いい匂いがする?」

 

シャワーを浴びてすぐにリビングに戻ると、ケイジ がご飯を並べていた

 

「ん…?思ったより早かったな。ちょうどいいから 手伝ってくれ」

 

「いいけど…これ…誰が作ったの?」

 

シャーリーは今本局で長期のお仕事のはずだし…

 

「なんだお前まだ寝ぼけてんのか?ここに俺とお前 しかいない以上俺が作ったに決まってんだろうが」

 

「…………え?」

 

「その反応割とガチで傷付くんだけど!?」

 

だって…白い御飯に味噌汁、紅鮭に小松菜のおひた しに湯豆腐…

 

こんな完璧な和食の朝ご飯、私は作れないよ…

 

なのに男のケイジが余裕で作ってるって…何か認め たくない!

 

「バーロー、医療キャンプ育ち舐めんじゃねぇぞ。 大人子供関係なく食事は当番制だったんだからな」

 

なるほど…でも、私の女としてのプライドが…ね?

 

…ちなみに、ケイジのご飯はものすごく美味しかっ たです

 

うぅ…私もうお嫁に行けない……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………あれ?ケイジ。ここにあった書類知らない? 」

 

「何で俺が知ってるんだよ…」

 

それもそうかと思って、とりあえず先にパソコンを 立ち上げる

 

そしてやって無かった報告書のファイルを開くと…

 

「………あれ?」

 

報告書が出来上がっていた

 

他のやって無かったはずのファイルも開いてみるが 、全部終わってた。それも完璧に

 

まさか…!

 

私はリビングでソファに座ってコーヒーを飲んでい るケイジに目を向けた

 

「ケイジ」

 

「ん?」

 

「もしかして…代わりに書類やってくれたの?」

 

「……さて、ナンノコトヤラ」

 

絶対ケイジだ。だって声が変にカタコトだったもん

 

「…ありがとう」

 

「……俺がやった訳じゃねぇよ」

 

ケイジに笑ってお礼を言うと、全く何も無かったか のように再びコーヒーを飲み始めた

 

報告書が無くなったので私はパソコンを閉じ、ケイ ジと一緒にコーヒーを飲もうとした時…突然アラー トが鳴った

 

ケイジはビックリしたのか、コーヒー吹き出してる ……後でちゃんとシミ抜きしないと…

 

「な、何の音だ!?敵襲か!?」

 

「後でシミ抜きはしといてね? アラートだよ」

 

「アラート?」

 

私はとにかく回線を開く

 

『ミッド郊外に突然次元漂流者と思われる人らしき 生体反応が出現。至急向かって下さい』

 

「了解しました」

 

本局の受付の人と手早く会話をして、地図を受け取 る

 

……この座標…

 

「次元漂流者って何だ?」

 

「ケイジみたいな人の事だよ…自分の意志じゃなく 、偶然時空を渡っちゃった人の事」

 

「それが何で危険なんだ?」

 

「文化がこの世界より極端に高かったり低かったり するとパニックになっちゃう人が多いんだ。そうな る前に事情を説明して、無事に元の世界に帰すのが 私達の役目」

 

「へぇ~」

 

興味があるのか無いのかわからない返事をするケイ ジ

 

でも…今回はそれだけじゃない

 

「それに今回は場所が悪い…違法魔導士の集団が潜 伏してる場所なんだ」

 

ちなみに、今日私が制圧にかかるはずだった場所だ から…なんとしても助けないと…

 

「なるほどな…で?どうやってそこに行くんだ?」

 

「飛行許可がでてるから空から…ってケイジも行く の?」

 

「いつまで此処にいることになるかわかんねぇから な…手伝える事は手伝うさ

 

それに……ニートはごめんだ」

 

「あはは……」

 

何ともケイジらしい理由に苦笑いしか出来なかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう言えばケイジって飛べるの?」

 

「いや、飛べ……………ない事もないか(女神とか関 係ない世界だし、俺ら(騎士団)とも関わりの無い 世界っぽいから問題無いか…?…無いな)」

 

――『我に宿りし蒼き羽』

 

ケイジが何か小さな声で言うと、突然ケイジの背中 から蒼い羽(?)が出てきた

 

…………羽?…羽!?

 

「えぇぇ!?」

 

「ホラ、早く行くんだろ?」

 

「というかケイジ!?その羽何!?」

 

「企業秘密。ホラ行くぞ」

 

「(ケイジに出来ない事ってあるのかな…)」

 

そう思った私は悪く無いと思う


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