『異界の地より、女神を守護せし二の騎士が、銀の 姫を率て、一の世界へと舞い降りる
二の騎士は銀の姫を用い、後に金の死神と会い見ゆ
その騎士、悲劇を携えし強者なり
その姫、騎士に忠誠を誓いし強者なり』
………
キーワードは、『異界』、『女神』、『二の騎士』 、『銀の姫』、『金の死神』、『一の世界』、『強 者』
『異界』、『女神』という言葉があるように、我々 とは相容れぬ危険分子の恐れあり
至急、探索を開始されたし…
尚、この予言は希少技能の持ち主曰わく、「よく当 たる占い程度の的中率」との事
何も無いという可能性も考慮しておくべし
~とある司祭の『予言に基づく報告書』より、一部 抜粋~
~星杯騎士団本部・宝物庫~
「…ったく、ティアの鬼め……トランプが駄目だって 言うからU〇Oにしたっつーのに…」
「まず仕事をサボることを考えないで下さいよ…… というか何で私まで…」
「黙れ半ニート。ちょっとくらいは働け」
「……ニートじゃ……無いって言い切れない…!!」
orzの状態になって落ち込むリーシャ
……エリィ救出から数時間。メルカバを譜に適応さ せるために俺達は通常業務に戻っていた
だから俺もいつものようにリーシャとシャルと大富 豪をしてたのだが…
――――――
「よし、革命!!」
「残念だったねシャル…革命返し!!」
「ええっ!?」
「だが断る…革命返し返し!!」
「んにゃあああ!!!」
「「へ~い!」」
悶絶するリーシャ、ハイタッチする俺とシャル
…しかしコイツどこまで運悪いんだ?さっきからず っと大貧民じゃねぇか
そんな事を考えながら、次のゲームに進もうとする と…
「あなた達、何をやっているのかしら…?」
魔王…いや、魔皇が降臨なさった
「「ティ…ティア…」」
「二人共いい御身分で…仕事は全部すっぽかして遊 んでるなんてね…
これは没収!!」
「あ!!」
「や~め~ろ~よ~!か~え~せ~よ~!」
「何か文句が?」
「アリマセン」
「「弱っ!?」」
うるさい。だったらこの状態のティアに逆らってみ ろ。間違いなく串刺しにされるぞ
「仕方ないな…」
トランプ取られたしな…
「全く…始めから普通にしてれば…」
「仕方ないので『第一回、チキチキU〇O王者決定 戦を始めます!!」
「何でよ!?」
…結局、U〇Oは没収され、シャルはティアと書類( 終わってなかったため)、俺とリーシャは罰として 宝物庫の掃除をさせられることに…
「これはどこに置けばいいんですか?」
「あ~…それはとりあえずそっちに…」
「はい!………きゃっ!?」
リーシャが何かにつまずいた
………ガンッ
「〇×◇☆£!?」
「あ、す…すみません!!」
何かが俺の頭にぶつかる…どうやらつまずいたんじ ゃなく蹴飛ばしたらしい…
そして…
ピカ!!
「えっ!?」
「なっ!?」
何故かリーシャが蹴飛ばした石が光り出し、俺“だ け”を光が包む
…なんとなく、今更どうしようも無い事を悟ってし まった俺は…
「リーシャァァァァァァァァァ!!てめっ……帰っ て来れたら覚えてろよォォォォォォォォ!!」
「ごめんなさーーーーーい!?」
とりあえず、リーシャにお仕置きする事を心に誓っ たのだった…
――――――
「………ろ!……お……」
うるせぇな……
「起きろ!!」
「痛っ!?」
腹に割と強めの衝撃を受け、飛び起きる
何事かと周りを見渡すと…
「おい兄ちゃん。黙って人質になってくれや」
なんかムサいオッサンが十人位集まってました
つーか人質?誰が?
………俺?
「大丈夫大丈夫。管理局の嬢ちゃんが大人しくして くれれば無事だから」
「とにかくこっちに来い。ケガしたく無かったらな 」
「…テメェら、舐めてんじゃねぇぞ?」
『あん?』
~~割とガチめにOHANASHI中。ちょっと待ってね ♪~~
「ふぅ……」
『………………』死~ん
とりあえず平和的に説得(物理的に)完了
…オッサンは何故か持ってたロープで簀巻きにして 転がしておく。運が良ければ誰かに見つかって軍に 引き渡されるはずだ
……運が悪かったら獣のエサだろうけど。周り森だ し
さて、どうすっかな…周りを見る限り木しかねぇし …完全に西ゼムリア大陸じゃねぇな。こんな土地見 た事ねぇし
…とりあえずリーシャは帰ったらMに目覚めるまで 調きょ………教い………………………OHANASHIだな
とにかく、森を出るために動き出そうとした時だっ た
「時空管理局です!!抵抗を止めて大人しく……」
突然、金髪紅目の同い年位の女が空から降りてきた
しかも何故か驚いている
「…………大人しく?」
「……ハッ!お、大人しくして下さい!!」
そんぐらい呆ける前に言い切ろうぜ…
「…これは貴方が?」
「そうだけど?」
「……貴方は一体?」
めっちゃ疑わしい目で見られる。地味に傷つくな… 美人なだけに特に
「見ての通り教会の者です」
「見ての通り…?」
そこツッコんだらアウト
「…なるほど、聖王教会の騎士の方でしたか」
…………はい?
「いや、俺七耀教会の者なんだけど…」
「七耀教会?」
「「…………はい?」」
会話が噛み合わねぇ…
「……え~っと…とりあえず仕事と名前を教えてもら えますか?私は時空管理局執務官、フェイト・T・ ハラオウンです」
…時空管理局?何かどっかで聞いた事があるような ないような………?
*ケイジは基本的に前世の情報を覚えていません。 シャルのSLBも『そんなんあったな~』くらいの感 覚です
「……あの~…仕事と名前を…」
「あ、悪い」
どうやら結構な時間考えてたらしい。なんか涙目に なり始めてた
……というか仕事、なぁ
「…全部言わないと駄目か?」
「言えないんですか?」
「いや、長いから…」
「出来れば全部でお願いします」
そう真面目に言う金髪…もといハラオウン
まぁそう言うなら…
「七耀教会、星杯騎士団守護騎士第二位兼星杯騎士 団第二師団師団長兼リベール王国軍大佐兼リベール 王国王室親衛隊大隊長…ケイジ・ルーンヴァルトだ 」
「…え?………え?」
だから言ったのに…
「…まぁ、肩書きの方で一回か二回は言ってやると して…
とりあえず、コイツ等放っておいていいの?」
「…………あ゛」
とりあえず、なんだかんだでハラオウンに着いて来 て欲しいと言われたので、着いて行く事になりまし た
「えっと…る、ルーン……ヴァルトさん?」
「言いにくいならケイジでいいぞ?」
「じゃあケイジ。私もフェイトでいいよ」
「わかった。フェイト………なして顔を赤らめる?」
「いや……今まで家族以外の男の人にあんまり呼び 捨てで呼ばれた事って無かったから…」
「マジデカ」
どんだけ箱入り娘なんだよ…
…あ、ちなみにあのオッサン達は犯罪者だったらし い。何でも宝石店を襲った強盗なんだと
…もうちょい絞っといた方が良かったか?…主に俺 の精神衛生上に
「…ケイジ?何か顔が怖いよ?」
「おっと…」
ヤバいヤバい。ついつい思考がいたぶる方向に…
―――――――
「…………」(゜∇゜)
よくわからんが転送装置とか言うものに乗せられて 、光が晴れたら大都会だった
……え?さっきまで森の真っ只中だったよな?自然 一杯のマイナスイオン全開だったよな?
………え?
「ふふ、ここが私達が暮らしてる街…第一管理世界 ミッドチルダの首都クラナガンだよ」
「…聞いた事ねぇな」
少なくともゼムリア大陸にそんな地名は無い。とい うかここまで発展してない
それに、さっきオーブメントを見てみたが…やはり と言うか、起動して無かった
そしてそのオーブメントを入れていたポケットに小 さな石も入っていた
………はい。そうですよ。古代遺物です。『異天の輝 石』って古代遺物でした
これ…確か発動もしないけど封印も出来なかった奴 じゃ…
「ほら、着いたよ。ここが私の執務室のあるビル」
そんな現状整理をしているといつの間にか目的地に 着いたっぽい
…大丈夫か?俺車の中で生返事しかしてないぞ?
「ほら、早く行こう?慣れない土地に疲れたでしょ ?」
「ん?ああ…」
「(……私、嫌われたのかな…?)」
実は車の中でもそっけない返事しか帰って来なくて 、若干へこんでいたフェイトであった…