英雄伝説・空の軌跡~銀の守護騎士~   作:黒やん

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『これから』

「…で、ケイジが星杯騎士団も例外的に兼業してい て、しかも十二人しかいない守護騎士の第二位で、 封聖省って所のトップの豚に半強制的に軍を止めさ せられた…ってことですね?」

 

「「………はい」」

 

あの後、おじさんと一緒に(というか主に僕が)ク ローゼ(そう呼んで欲しいって言われた)に星杯騎 士団について根ほり葉ほり聞き出された

 

うぅ…また総長とケイジに怒られちゃうよ…

 

それもこれも…全部ケイジのせいだ!

 

…いや、後が怖いからおじさんのせいにしとこ

 

「………」

 

「…で、殿下?そのレイピア…どうするおつもりで すか…?」

 

おじさんがそう言うと、クローゼは今日一番の笑顔 で

 

「いやですねおじさま…そんなの決まってるじゃな いですかぁ…

 

その豚コロス」

 

「「待ってェェェェ!!」」

 

もう僕の中のクローゼのイメージが粉々だよ!?す ごく優しいお姉さんみたいだったイメージがボロボ ロだから!

 

「ストップ!ストップ殿下!流石に国際問題ですか ら!」

 

「あら?軍からの強制的な引き抜きは国際問題じゃ ないんですか?」

 

「そうならないように仕組まれてたんです!」

 

「じゃあこっちも気づかれないように上手く殺りま すから。跡形もなく」

 

「止めて!?紛いなりにも僕の家だから!僕家無く なっちゃうから!」

 

「大丈夫。グランセルにケイジの別宅があったはず だから」

 

「そうなの?じゃあ別にいいや」

 

「シャルちゃぁぁぁん!!?」

 

だって僕もアイツ嫌いだもん。僕やティアを見る時 の目がなんかねっちょりしてるもん

 

――――――

 

「…すみません。少し取り乱しました」

 

ケイジの出て行った理由がその方のせいだって聞い て…ついつい体が反応しちゃった

 

「わ、わかってくれれば…いいです…」

 

「良かったよぉ~…元のクローゼに戻って良かった よぉ…」

 

なんでおじさまが疲労困憊になってるんだろう…? というかシャルちゃん!?泣かないで!?

 

「それで…全部聞いてこれからどうするつもりです か?」

 

「ケイジを追います」

 

間髪いれずにそう答えると、おじさまは『やっぱり か…』と言って頭を振った

 

「今のあなたにはそれは許可できません」

 

「え?」

 

「今、この状況であなたが外国に行くことの意味を 考えて下さい。拉致でもされたらどうするおつもり ですか?」

 

「それは…」

 

「ユリアだって先の事件で大隊長に昇進しました。 常にあなたの護衛に回す訳にはいかないのです…前 にあなたにケイジかユリアが必ず着いていたのはケ イジがいたからこそなんですよ」

 

「………」

 

「だったら僕が付こうか?」

 

「ケイジ並みの奴に対処できるのか?」

 

「それは無理だね…」

 

「姫殿下。今は学園に戻りなさい」

 

「でも…「当てもなく外国をうろつくつもりですか ?」……」

 

わかってる…それがどれだけ危険なことかも。それ が許されないことも

 

「わかり…ました…」

 

「………」

 

そして私はおじさまの部屋を出た

 

…後々、私はおじさまに感謝することになるとは、 この時は一切思わなかった

 

――――――

 

「おじさん…」

 

「シャルちゃん、殿下と一緒に学園に入ってくれな いか?」

 

「ふぇ?」

 

「あそこの学長とは面識がある。星杯騎士なら知識 は問題ないだろうし…短期留学とでもしておけばい い」

 

「でも僕、アルテリアに戻ってケイジに合流しない と…」

 

「…多分、アイツはリベールに戻ってくる」

 

「ふぇ?」

 

「ただの勘だがな…」


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