英雄伝説・空の軌跡~銀の守護騎士~   作:黒やん

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『動き出す騎士団』

『これより、第7試合を始めます』

 

俺達が入ってすぐに試合が始まった

 

…つーか第7試合ってかなり最後の方だな

 

「あ…始まったみたい」

 

「なら空いている所に…」

 

「あっちが空いてる。早く行くぞ」

 

「南、蒼の組。国境警備隊第二連隊所属、バウル少 尉以下四名のチーム!」

 

なるほど。団体戦が例外措置か

 

「北、紅の組。遊撃士協会所属、クルツ選手以下四 名のチーム!」

 

「あっ!カルナさん達だ!」 「危うく見逃すところだったね」

 

「知り合いか?…ん?あれは…アネラスか?」

 

「あたし達は知り合いだけど…アネラスさん知って るの?」

 

「仕事でな」

 

そして試合は遊撃士チームが勝利した

 

―――――

 

「…じゃあ俺は先に行くぞ」

 

「え?」

 

遊撃士チームの試合が終わった直後、俺はそう切り 出した

 

「…何か進展があったら教えてくれ。夜中に西の喫 茶店に来てくれれば多分いる…それに、ここは目立 ちすぎる」

 

「ちょっと!…行っちゃった」

 

―――――

 

「…そうか。悪いな、そっちには協力できねぇのに こんな事頼んで」

 

『いいよ。ケイジはケイジで忙しいんでしょ?僕は ケイジの部下だから』

 

端末の向こうからソプラノボイスが聞こえてくる

 

『でも大丈夫なの?なんなら僕だけでもそっちに… 』

 

「大丈夫だ。必要になったらこっちから頼むって。 …で?そっちに問題は?」

 

『特に無いよ。三位も四位も動いてないし。…でも 、ケイジはもうちょっと僕達を頼ってくれていいと 思うけどな~』

 

「考えとく。じゃあなシャル」

 

『あ、ちょっ!?まっ』

 

無理やり通信を切る

 

「…怒っかな…怒ってんだろ~な~…」

 

通信機の向こうでほっぺた膨らまして怒ってるであ ろう相棒に苦笑しながら、モルガンの爺の家の屋根 から降りる

 

「(…さて、情報無し、内部に味方無し。どうする かな…)」

 

―――――

 

「もうっ!ケイジのばか!あほ!」

 

そして某騎士団本部では、ブロンドの髪を下の方で 結った15、6の女の子がリスのように頬を膨らまし て怒っていた

 

…擬音語をつけるなら「ぷんぷん!」といった感じ に

 

『(何だろうこの感じ…)』 『(ああ…抱きしめたい…)』

 

そして見事に周りは和んでいた

 

「全くもう…こうなったら僕もリベールに…」

 

「なんだ?またケイジに軽くあしらわれたか?」

 

「そ~ちょ~(泣)」

 

全力で女の子が長身の女性に泣きつく

 

「聞いて下さいよ総長!ケイジってばまた勝手に通 信切って!」

 

「まあまあ落ち着け」

 

「だから僕もリベールに行きます!」

 

「よし、行ってこい」

 

…そんな適当でいいのだろうか?

 

「そ~ちょ~!!」

 

「はっはっは!ただし!途中でケビンも拾っていけ !」

 

抜け目はないようだが

 

「…ケビンさんの居場所は?」

 

「知らん」

 

「じゃあ嫌です」

 

「総長命令だ」

 

騎士団における総長命令。それが意味するところは …

 

「まぁ要するに…さっさと行かないとクビだな♪」

 

「鬼!悪魔!聖痕持ちのアホ!」

 

泣きながら走り去る女の子…何故か周りの人を和ま せながらだが

 

「…アイツは体からマイナスイオンでも出している のか?…まぁいい。二位と五位はリベールに、八位 と十位、リースはエレボニアに、七位と十二位はカ ルバードにそれぞれ副官も含めて出した。後は…」

 

―粛正するだけだ

 

リベールに闇が蠢いているように、騎士団にも変革 が起きようとしていた


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